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誰でも簡単にできるテキサスウェッジを使いこなして無駄なストロークを減らそう/ワンランクアップするゴルフの裏技

  • 2016.12.31

グリーン周りから確実に寄せることができれば、ゴルフのスコアは間違いなく良くなります。わかっているのに、スコアアップに悩んでいる人ほど短い距離の寄せの練習をしないものです。必要なことを準備しない慢心は、ゴルフをプレーすると確実にスコアに悪い影響を及ぼします。

グリーン周りでパターを使って寄せることを“テキサスウェッジ”と呼びます。意識して観察すれば、プロゴルファーでも多用していることがわかります。パターが使えないから他の手段という順序で寄せを考えることは、セオリーとして有名です。

パターを使うテキサスウェッジって何?

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パットはゴルフが生まれた原型だと考えられていますが、面白いことに「putt」というスペルが英語として使われるようになるのは19世紀になってからなのだそうです。元々は「put」というスペルを使っていて、古英語にも、古いスコットランド語にも当てはまるものがありません。ゴルフ史の研究家の間では、言語学的にゴルフがスコットランドに輸入されたことが明確になる証拠の一つということになっています。

生まれたかどうかは別として、ゴルフが現在の形に進化したのはスコットランドのリンクスコースがあったからです。砂地の上に芝生が生えたリンクスは、締まった土壌になる影響でボールが転がりやすい特徴があります。ボールを高く上げたアプローチは跳ねてしまって、計算ができません。確実に寄せる方法として始めから転がすという方法が自然と当たり前になりました。

パターを使ったアプローチをテキサスウェッジと呼ぶようになった理由は諸説あります。

テキサス出身のゴルファーが多用したという説。テキサス州のゴルフコースは芝付きが悪い所が多く、確実に打てるパターを使うようになったからという説。テキサスの有名なコースで強風が吹くことが多く、球を上げるアプローチは影響をされるのでパターを使うアプローチが有利だったという説。

いずれにしても、アメリカのゴルファーが広めた言葉です。

リンクスコースで開催される全英オープンでは、50ヤードぐらいの距離でもパターで転がしてグリーンに乗せるシーンも珍しくありません。グリーンを硬く締めてボールが止まりづらくするメジャートーナメントでも、パターを使用したアプローチは多用されています。

12月の1週目に競技に復活したタイガーウッズも、グリーン周りからパターを使ってアプローチするシーンが何度も見られました。現地の放送の解説者は「ウェッジのアプローチに不安があるから」と説明していたようです。

ウェッジを使ってボールを上げるアプローチの長所は、地面の傾斜を含む影響を最小限しか受けないことです。短所はボールのライが悪い場合はミスが出やすいことと、ミスショットの場合にストロークを浪費する可能性が大きいことです。

ウェッジで狙い通りに打てたアプローチが成功すると、リスクもあるからゴルファーは嬉しいのです。だから、ウェッジのアプローチはカッコイイ、パターで転がすアプローチはカッコ悪いという雰囲気があるのだと思います。

テキサスウェッジのススメ

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ゴルフ史上、最も多くのメジャートーナメントを獲得しているジャック・ニクラウスは、レッスン教材の中で自身が短い距離のアプローチが苦手だと告白して、手前にバンカーや深いラフなどがなければパターを使ったアプローチを推薦しています。その最大の利点は、失敗しても寄らなかっただけでグリーンには乗るからだと説明しているのです。

「でも、やってみると難しいんだよね」

という声が聞こえてきそうです。ネガティブな印象は、カッコ悪く見えるだけではなく、難しそうだということも大きく影響しているのです。

ゴルフは耳と耳の間でするゲームだという格言がありますが、考え方を変えるだけでテキサスウェッジは簡単になります。ロングパットを距離感を出して打てるゴルファーであれば、特別なことではなく、その延長線上にテキサスウェッジがあると考えれば難しくはないのです。

例えば、僕の場合、ロングパットの歩測の距離をベースにして考えます。フェアウェイやカラーぐらいまで刈り込まれているエリアは、グリーンより2割から5割ぐらい多く抵抗があるので、その分を単純に加えるのです。

トータルで30歩で、グリーンまで10歩の短く刈り込んだエリアがあったとします。10歩分のエリアの抵抗を足せば良いので、最大で35歩分打てばタッチは合います。刈り込まれている部分の刈高や順目、逆目などでの割合の変化は経験が必要ですが、それらを読み間違えたとしても、全体の中で考えれば、それは数歩の誤差で済みますので、とりあえず、グリーン上には残ることが多いはずです。

テキサスウェッジだから特別なことをするのではなく、ロングパットの一つだと考えれば良いのです。グリーン上の場合でも、上っている、下っている、段やマウンドがあるとかで歩数の調整はするはずですから、同じようにジャッジをして打ってみることをオススメします。

朝の練習グリーンのカラーで、同じ感覚で打って練習してみれば明確にわかるはずです。グリーン上とどのくらい転がりが違うのか、抵抗をどのくらい受けると読むのか。テキサスウェッジを使えるようにすることは、ロングパットも上手くなるという良い副作用もあります。

失敗が小さいだけでも十分に魅力ですが、やればやるほど良いことばかりに思えてきます。

ゴルフはイメージでプレーするから面白い

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僕が主催しているP1選手権というパター1本だけで9ホールをプレーするイベントがあります。やってみなければ想像できないかもしれませんが、優勝者のスコアは40台です。パター1本でプレーして、自らのハーフベストを更新した参加者もいます。

元々は産業廃棄物で処分されそうなパターを救おう。倉庫の奥で使われなくて眠っているパターをコースに持ちだして、もう1回使ってみようという試みでしたが、ゴルファーの性で熱心な参加者ほど、上位の選手の使用パターを参考にするので、ウッド型のパターを使う参加者が圧倒的に多くなっています。

初心者でも楽しめますし、コースマネージメントの本質を体験する意味でも面白い経験となります。

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P1選手権では飛ばす参加者だと200ヤード打てるケースもあります。パターの破損を気にする人がいますが、現在のところ、使用して壊れたパターは1本もありません。P1は極端な例ですが、テキサスウェッジの練習はなかなかできないので、本番で試して身につけていくしかないところが辛いところです。

ライが悪い場合や、手前に障害がないグリーンまで15ヤード以内の残り距離という場合とか、条件を決めて、当てはまったらテキサスウェッジでアプローチすると決めるのです。決めてしまえば、迷いは薄れます。ロングパットの練習の一環だというぐらいの気持ちで挑んでみましょう。

パターでアプローチをしてもカッコ悪くはありません。ウェッジを使ってミスばかりしてスコアを崩しているほうが、本当は何倍もカッコ悪いのです。“寄せは結果が良ければ全て良し”といえるからです。

パッティングは方向性と距離の両方が良くないと結果が出ません。技術も大切ですが、正しいイメージを作ることがより重要になります。正確な予測がなければ、狙い通りの結果にならないからです。

予測は情報を処理して作り出すイメージそのものです。メンタルが強く影響するのは、そういう側面があるからです。

テキサスウェッジは、パットのイメージを鍛える意味でも有効です。スコアアップのために、テキサスウェッジを身につけましょう。

 

この記事を書いたライター

1965年生まれ。東京都文京区出身。板橋区在住。中1でコースデビュー。
競技ゴルフと恋愛に命をかけた青春を経て、ゴルフショップ、ゴルフ部コーチ、ジュニアゴルファー育成団体などで勤務しながらゴルフエッセイストになる。
ゴルフ小説、恋愛小説なども執筆している。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
ブログ更新中!:ゴルフ惑星

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