プロゴルファーと同じクラブを使ってみたい、という願望は、大なり小なり誰でもあります。とはいえ、クラブを同じにしても、それが機能して、プロゴルファーのようなゴルフができるかは微妙なところで、大失敗だったと後悔した経験がある人もたくさんいます。

21世紀になって、プロが使うクラブはどんどん易しくなっています。今回、ダンロップスポーツが開発した“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、追加スペックですが、コースで打ってみて今までの大失敗の連鎖を断ち切る1本になっていると驚かされました。

見た目も機能の内だと知ろう

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2016年9月にダンロップスポーツより発売された“スリクソン Z565 ドライバー“は、松山英樹プロがトーナメントで使用したこともあり、市場でも広く受け入れられました。そのドライバーをマスタースペックにして、追加スペックとして2017年4月22日に市場投入されるのが“スリクソン Z565 TG ドライバー”です。

ヘッドカラーがブラックから、チタングレーになっています。フェースのカラーもシルバーから、ブラックになったのです。チタングレーのヘッドは、ヘッドが大きく見えるという視覚効果があり、フェースの色が暗い色になることは、ボールがつかまると感じる効果があると言われています。実際にヘッドも約2gほど軽くなっているそうです。

また、『Miyazaki Melas II 』は、評価が高い『Miyazaki』シャフトの基本性能を維持したまま、40g台の軽量化とトルク5.7(Sシャフトの場合)という高いトルクを持つシャフトになりました。

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“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、ヘッドスピードが40m/秒のゴルファーから使えるスリクソンのドライバーというコンセプトです。スペックを変えたのは他にもあります。ヘッド重心をヒール寄りにして、ライ角もアップライトにできます。これは、スライスで悩むゴルファーを考慮したチューニングです。

とにかく、打ってみることにしました。当日のコンディションは、気温15℃で微風、芝生はウェットで、僕のヘッドスピードは42m/秒ぐらいでした。“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、素振りをしてみると、軽いという印象よりもしっかりしているという印象を強く感じました。軽すぎないところは、むしろ良い点だと思います。

ヘッドのカラーのチタングレーは、高級感もあり、なにより落ち着いて見えます。非常に好感触でした。1球目はほぼストレートに飛び、かなりの高弾道でした。打ち出しが高いのではなく、途中からギュンと上がっていくような高弾道は、スピン量が多いからだと推測しました。

弾道としては、最先端から外れますが、球が低いことでキャリーが不足して悩んでいるゴルファーには、最適なドライバーになるのかもしれないというのが第一印象でした。距離は210ヤードでした。これは僕の平均的な距離で、弾道が高くてほとんどランが出なかったことも影響しています。

続けて4ホール使用してみました。マスターモデルの“スリクソン Z565 ドライバー”でも感じましたが、“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、直進性が高いドライバーで、左には行きづらいという特性は維持しています。それでいて、曲げようと思えば、曲げることも出来ます。この辺りの調整というか、機能性はお見事で、スリクソンらしさの神髄なのでしょう。

スピン量を落とす意図で、大きなドローを狙って打ってみました。これも気持ち良く打てます。弾道が高いドライバーは、ドローを打つのが楽なことは物理の法則でも明かですけれど、シャフトが上手く動いて引っかからない挙動をしてくれることが打ち易い大きな要因になっています。

飛距離は225ヤード。“スリクソン Z565 TG ドライバー”の飛距離性能はトップレベルです。

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ゴルフクラブは無意識に見た目が強く影響します。構えたときに、安心感があったりするのが代表的な例になりますが、チタングレーのカラーのヘッドはブラックよりも易しく振れるイメージを与えます。また、実際の重さより軽く振れる効果もあるといわれています。

“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、追加バージョンとして、そこまでやるかという細かいチューニングを施されていますが、視覚だけではなく、聴覚でもゴルファーを刺激します。打音が大きくて、破壊的な金属音もします。

打音は飛ばしている気持ちとリンクすることで機能になります。大きな打音は好き嫌いがありますが、飛ばしたいという気持ちがある場合には、プラスに働くのではないかと感じました。

選択できることもアスリートモデルの証拠

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“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、10.5度のロフトのモデル以外にも、9.5度のロフトのモデルがあります。シャフトも、SとSRが選択できます。ただし、9.5度のモデルは特別注文となります。

ネックが『クイックチューンシステム』とダンロップスポーツが呼んでいる調整機能になっているので、ライ角を調整することも可能です。いわゆるアスリートモデルは、自分なりの調整ができることも一つの機能なのかもしれません。

続いて、9.5度のモデルを打ってみることにしました。見た目でわかることは、1度の差とは思えないほどフェースの見え方が変わることです。

これは驚くほどのことではなく、ロフト別のヘッドがある場合には、リリースには書かれていないものの、ロフトだけではなく形状も微妙に変わることがあります。“スリクソン Z565 TG ドライバー”も、ロフトだけが違うのではなく、ヘッドの形状もロフトに合わせて変わるのです。

個人的には、9.5度のモデルのほうが構えやすいと思いました。フェースが見えすぎると、無意識にかぶして打とうとする癖があるからです。9.5度の“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、弾道が明らかに低くなりますが、それでも十分に高弾道の部類に入ります。

打音もほんの少しですけど抑えめになります。ストレートに飛ぼうとする直進性は変わりません。ドローはやや打ちづらくなりますが、操作性の良さはスリクソンらしい仕上がりです。飛距離はほとんど変わりませんでしたが、ほんの少しだけ9.5度のほうが飛んでいました。

とは言っても、打音は10.5度のほうが激しいので打ち終わってティーで見ている感じでは、10.5度のほうが飛んでいるような感覚になりました。この辺りは好き嫌いではなく、スピン量などのスペックでの選択が正解なのだと思います。

注意したいのは、最新のドライバーの多くは、使用するボールでデータが大きく変わることがあるということです。練習場で使用されているレンジボールでは、正確な数値も出ませんし、弾道も参考にならないことがあります。データを取るときは、使用球が打てる場所に限定しないと、苦労が水の泡になってしまうのです。

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“スリクソン Z565 TG ドライバー”には、『つかまる高弾道。もうひとつのスリクソン誕生』というコピーで売り出されます。つかまる高弾道は、マスターモデルの“スリクソン Z565 ドライバー”でも売り文句になっていましたので、その部分については踏襲されています。

ゴルフコースでラウンドしてみて、僕の場合は、少しボールの弾道が高すぎると感じました。しかし、これはあまり参考にはなりません。ゴルファーの多くは、ボールの高さが不足していることが原因で飛距離を損しているからです。

そのゴルファーにとって、最も飛距離が出る最適な弾道というのは、科学的に立証されています。高弾道で低スピンという恩恵は、男子プロゴルファーでは無視しても大きな差にならず、女子プロゴルファーだと使いこなせないと、20ヤード以上の差になるのです。一般的なアマチュアゴルファーは、女子プロゴルファーとヘッドスピードなどのスペックは似ていますから、弾道によって大きな飛距離差が出る可能性が高いのです。

最適な弾道を手に入れるための道具選びは、練習場で打ち込んで作るスイング改造より、何倍も簡単で確実な方法です。“スリクソン Z565 TG ドライバー”の『つかまりの良さ』は、スライスを防ぐということよりも、ボールにより高さを与えるというディープな意味合いがあるのだと、ゴルフコースで試打をしてよくわかりました。

使用しているドライバーで打ったボールが低い弾道で、不安定だとしたら、“スリクソン Z565 TG ドライバー”は購入を検討するべき1本になると思います。見た目は難しそうですが、十分に易しくチューンナップされています。それでいて、簡単になりすぎてはいないところがスリクソンのクラブ作りのプライドなのだと思います。

高弾道を売り文句にしているドライバーは市場にたくさんありますが、残念ながら多くは、左にボールが曲がりやすくなるという悪い副作用があるのも事実です。“スリクソン Z565 TG ドライバー”は、そういう悪い副作用をなくして、高弾道に特化しています。つかまえて飛ばしたいゴルファーのプライドを満たし、結果もちゃんと出せるというドライバーです。

スペック

SRIXON Z565 TG DRIVER

★発売日    2017年4月22日
★ヘッド体積  460cc
★ロフト    9.5度 10.5度 ※9.5度は特別注文対応
★長さ     45インチ
★シャフト   Miyazaki Melas II シャフト
★価格     68,000円 (税別)