「飛距離アップ」についてちょっとだけ科学的に考えてみました
ゴルファーにとっては永遠の願望とも言える「飛距離」。
シーズンオフになると練習場に通ったり筋力アップに励んだり、もしくは新しいドライバーに買い替えてまで手に入れたいと思うものです。
そこで、今回は飛距離について真面目に考えてみたいと思います。
ボールが飛ぶ理由
まずは、「なぜボールが飛ぶか」を知れば、より遠くに飛ばす手段が分かると考えたわけです。
飛ぶボールを打つためには、身体のどこを鍛えればよいかを知れば理想の飛距離を手に入れることができるかもしれません。
当たり前のことですが、ゴルフボールが飛ぶのはボールがクラブフェイスと接触するからです。この状態をスローモーションで見ると、ボールがフェイスに圧着したように潰れていて、フェイスの移動に関係なく潰れたボールは反発して瞬時に飛び出していきます。
つまりボールとフェイスが接触したわずかな時間にのみ飛距離と方向性が決まることになります。そしてボールに与えるインパクトの強さはヘッドの速さが関係するので、ボールの前後30センチのスイングスピードを早くするほど飛距離はますことになります。
ここで重要なのは打ち出す角度です。
地面すれすれにボールが飛ぶと落下時間が早くなりますし、逆に吹け上がったボールは滞空時間の割に飛距離が出ません。もっとも飛距離を出すためにはインパクトの強さに合った飛び出し角度が必要となります。
そして3つめのポイントはボールの回転数です。ボールの表面にあるクレーターのようなあのディンプルが、飛距離を増し方向性を保つことができる基となっています。
空中に飛び出したボールは空気抵抗を受けますが、同時に後ろに引っ張られる抗力の影響も受けて失速します。ディンプルのあるボールが回転することで後ろに乱気流を造りだし、引っ張る抗力を抑えて遠くに飛ぶことができます。
ロングドライブを数値化してみる
これを数値に置き換えてみると、一般男性の平均的なヘッドスピードである40m/sで打ち出したとき、ボールの初速は60 m/sです。仮にボールの回転数を1分間に1000回とすると、打ち出す角度が25度にできたら、計算上は260ヤードのキャリーが出ることになり、ランを含めると270~280ヤードのロングヒッターとなるはずです。
「ほう!そうか」って思うかもしれませんが、実際にはロフトの無い7度から9度くらいのドライバーで、かなりのロングティを使い超アッパースイングにしないと、こんな風には飛び出していくことはありません。
つまりティッショットのみ全く違うスイングをしなくてはいけないのですから、かなり難易度の高いドライバーショットが必要になります。
ちなみに世界最高の飛距離を持つのはアメリカのミスター539と自称するスコット・スミス氏です。
あだ名の通り539ヤードの飛距離をもつ世界NO1ロングヒッターなのですが、予想通り格闘家タイプの筋骨隆々のボディの持ち主で、いかにも飛ばしそうな感じの体型をしています。
そんな彼ら強靭な背筋の持ち主で、その強い筋力が身体をねじり「右手は添えるだけ」の引っ張るスイングを可能にしているのです。それにしてもロングホールをホールインワンできる飛距離を持っているなんてうらやましい限りです。
飛距離に必要なのは背筋力
飛距離に必要な筋肉は背筋力と言われていますが、日常生活では意識して鍛えることはできません。
ハードなトレーニングをするボクシングジムでは、うつ伏せに寝て上半身だけを何度も反り返して鍛えますが、一般人がやるとすぐに腰の調子がおかしくなるのでお薦めできません。
もし短期間で飛距離を求めるならば、背筋力を養える器具が揃っていてトレーナーが付いてくれるスポーツジムが効果の高いトレーニングができます。
首から腰までの背中の筋肉を鍛える背筋トレーニングをすると、強い捻転力とインパクトまで緩まないパワーを得ることができ、そのパワーをボールに伝えることができるわけです。
ちなみにボールとフェイスが接触しているわずかな時間は0.0005秒と言われていますから、まさに一瞬でパワーを伝える必要があるんですね。(この話は以前もしましたね)