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リッキー・ファウラーのスイングはガニ股!?ひねり過ぎ!?それでも理にかなったスイング

トップクラスまであと一歩

ファウラーは2017年こそタイトルを獲得できませんでしたが、PGA賞金ランク17位ながら平均ストロークは67.211で1位、現在世界ランク7位と次代の旗手として注目される存在です。

ジェイソン・デイ、ローリー・マキロイ、ジョーダン・スピースのビッグ3に次ぐ実力者と見られ、松山英樹とも2016年のフェニックス・オープンではプレーオフで4ホール戦いました(結果は松山の優勝)。

BMW Championship - Round One

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スイング改造で開花

プロ入り後の2010年、ファウラーはトーナメントのトップ10に7回入ったことからPGAツアーの新人賞を獲得します。2011年の全英オープンで5位タイ、2012年のウェルズ・ファーゴ選手権でPGAツアー初優勝を飾っています。
それでも周囲がファウラーを見る目は冷めていました。2015年のザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップの前に米ゴルフ雑誌などが選手を対象としたアンケート「最も過大評価されている選手」に、イアン・ポールターと並んで1位に選ばれてしまいました。
それでもファウラーはまんまとザ・プレイヤーズ・チャンピオンシップを優勝します。この時には、スイング改造がほぼ完成していました。

ファウラーがスイング改造のコーチを依頼したのは、ブッチ・ハーモンでした。その教え子にはタイガー・ウッズがいます。
それまでのファウラーのバックスイングはかなりアウトサイドに上げていたオーバースイングでした。トップからインサイドに強いためを作るような動きをしていた結果、クラブヘッドが円を描いてしまい、軌道がぶれやすくなっていました。

スイング改造でまず取り組んだのは、スクエアにテークバックをすることでした。両つま先のそろったラインに対してシャフトがまっすぐになるように振り上げています。そこからオンプレーンにダウンスイングをしています。

以前のファウラーのスイングではショートアイアンの精度を欠いていました。スコアをまとめるには、ショートアイアンの方向、距離の精度を上げるのが不可欠です。そのためにもスイング改造が必要でした。

Hero World Challenge - Final Round

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フルボディーリリースへ3つのポイント

・クラブフェースの先を意識
最初のポイントはバックスイングの起点を「クラブフェースの先」としたことです。これまでファウラーは、テークバックでクラブフェースをボールに向けたまま行っていました。それでは窮屈に感じていました。
改造後は前腕か手首を回すイメージでフェースが真上を向くまで回転します。スムーズにテークバックが行えるので、アマチュアでもテークバックがスムーズに行かない人には真似できるポイントです。

・シャフトが地面と平行になったら止める
かつてファウラーは肩が回りきった状態からさらに腕を動かしてバックスイングを大きくしていました。そのため腕が体幹より離れてしまい、クラブシャフトは平行より先に進んでしまいます。
こうなるとダウンスイングに移行するためには体でコントロールできなくなり、いったん腕でスイングを始め、その後ボディーが動き始めるため、タイミングが難しくなります。このオーバースイングを矯正するため、ファウラーは興味あるポイントを指摘しています。
「バックスイングは傘をさすイメージ」。つまり、傘を上にかかげるように、クラブはまっすぐ上に向けた状態で止めるイメージです。実際にはクラブはもう少し進み、地面と平行の理想的なポジションとなりますが、イメージとして「真っ直ぐ立てるイメージがちょうど良い」。

・体全体でインパクトを迎える
最後は「フルボディリリース」のインパクトです。両手首はあまり動かさず、胸でボールをとらえる意識で、「腕、体幹、お尻、足、両手首のわずかな部分」のパワーを同調させインパクトを迎えます。
以前のファウラーはダウンスイングで右サイドを止め、腕のパワーに頼ってボールにクラブをぶつけるスイングでした。そのため、ボールが高く上がり過ぎ、コントロールができない球筋でした。

まさに、スイングの基本に立ち返った改造でした。ファウラーはこの改造に加え、独自のスイングを作り上げたのです。

U.S. Open - Round One

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基本の上に個性が加わるスイング

ファウラーのスイング動画を見て、一番気になるのは肩を回すバックスイングです。上体の捻転は145度にもなります。この角度は世界一とも言われています。それでもオーバースイングにならないのは基本を外していないからです。
さらに上半身は2軸、下半身を1軸で動かすのが、特徴です。軸を動かさないで回るのが1軸で、軸をバックスイングで右にずらし、その軸を元の位置に戻しながら振るのが2軸です。
動きが少なくスイングが安定する1軸ですが、身体の柔軟性が必要です。2軸は、軸を動かして生まれるパワーを飛距離に活かせます。ただ、タイミングなどが難しく練習が必要です。
ファウラーの場合、下半身が1軸、上半身が2軸と両方の長所を生かし、スイングでは下半身が動かず、上半身が右にスライドするように傾きます。この動きはアマチュアゴルファーにはかなりハードルの高い技術です。

さらに光る個性的な動き

アドレスでファウラーは体の軸を右足へ傾けています。これは体重配分の6割から7割を右足にかけることで、先にバックスイングの形を想定しています。そのために軸移動のブレがなくなり、スムーズにバックスイングが始められます。
さらに、アドレスで右足左足のつま先を開いているので、体の捻転が容易になります。このため、体重移動の際には両膝がガニ股に開いた形になります。実際にバックスイングでは下半身の右膝や右股間節のパンツにシワができていて、上体の捻りをしっかり受け止めているのが分かります。
このガニ股アドレスは、身体が硬くなってバックスイングが浅くなった人にはおすすめです。

リッキー・ファウラーのスイングにあったクラブセッティング

スイング改造は、正確性とともに飛距離アップにも役立ちました。変則的に見えるスイングながら、基本を重視しているので、腕の振り戻しが鋭くなっています。インパクトで右肘を伸ばしながら振り抜くので、爆発的なヘッドスピードが生まれています。
インパクトでは右腰がまだ正面を向いており、開き気味の右足のおかげでふところが大きくなり、クラブを動かしやすくなっています。そのため、インパクトの再現性が高くなっています。
最近のPGAツアーの選手では、左手はストロング、右手はスクエアのグリップです。最近のクラブは低重心になっており、打ち込むスイングより払うように打つ方が理にかなっています。ファウラーも左手がストロンググリップになっています。
フォローは右軸に頭が残り、ヘッドの遠心力が強くなり、飛ばすフォロースルーになっています。そのままスイングプレーンに沿ったフィニッシュになっています。

身長175センチのファウラーは、PGAツアーの中では小柄です。それでもトップクラスの飛距離を生むスイングと、そのクラブセッティングです。

【ドライバー】コブラ King F8+ Nardo(ロフト角8度、シャフト:アルディラ NV 2KXV Blue 70 フレックスX)

【フェアウェイウッド】コブラ King F8+(ロフト角13度、シャフト:アルディラ Synergy 70 フレックスX)

コブラ King F8+ Baffler(ロフト角17.5度、シャフト:アルディラ Synergy 70 フレックスX)

【アイアン】コブラ King Forged MB(4番ー9番)シャフト:KBS ツアー C-Taper S+ 125

【ウェッジ】コブラ King Forged MB(PW)シャフト:KBS ツアー C-Taper S+ 125

コブラ King V-Grind(ロフト角52度、56度、60度)シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールド・ツアーイシュー フレックスS400

【パター】スコッティ・キャメロン Newport 2 Prototype

【ボール】タイトリスト Pro V1x
(注)プロは頻繁にクラブ調整を行うため、実際使用するギアセッティングとは異なる場合があります。

来季の注目株

Hero World Challenge - Final Round

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ファウラーのフルネームは、リッキー・ユタカ・ファウラーです。ミドルネームの「ユタカ」は、母親の祖父が日系2世のため、名付けられています。また、祖母はインディアンのナバホ族でした。笑顔にアジア系特有の親しみやすさを感じるのは、こんな由来かもしれません。
私服でもゴルフコースでも派手な服装が有名ですが、最終日には必ずオレンジ色のウェアを着ます。これは出身大学のオクラホマ州立大学のスクールカラーだからです。まるで一時期、タイガー・ウッズが最終日、赤のウェアをまとったエピソードを彷彿させます。
スイング改造で円熟味が増した29歳のファウラー。来季は、変則スイングとオレンジのウェアが注目されそうです。

 

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