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スライスが出る三大要因を知っていますか?

「今日のレッスンのテーマはスライスですか?一般論的な話はできますけど、スライスっていうのは、人それぞれ原因が違うから、本当は実際にそのスライサーのスイングを見てみなくてはレッスンできないんだよね」

あるプロゴルファーに取材前にこう言われたことがあります。その理由を聞くと。

「だって、アウトサイド・インのカット打ちが原因のスライサーもいれば、インパクト時にクラブフェースが開いてヒットしているスライサーもいるでしょ。同じような症状でも風邪とインフルエンザでは処方薬も変わるんです」

という答えが返ってきました。

確かに右曲がりのボールを打つという共通点はありますが、原因はまったく別物です。果たして、自分のスライスの原因を本人が認識しているスライサーは少ないのではないでしょうか?

そもそもスライスは、ボールに右回転のスピンが与えられることによって起こります。つまり、クラブフェースがボールにヒットするとき、右回転のスピンが与えられているのです。もっと分かりやすく説明すると、ボールを斜め右上から左下に向けてこするようにクラブフェースが接触するからなのです。

ゴルフのスイングは右から左に振っていくと同時に、上から下に向かってもクラブを振り下ろしてボールをヒットします。そのボールをこするように打ってしまうことが原因になっているのが多いというのは当然と言えば当然です。これがいわゆる“アウトサイド・イン軌道のカット打ち”です。

もうひとつ、クラブフェースの向きによって右回転のスピンが与えられることもあります。それはクラブフェースが開いた状態でボールをヒットしたときです。クラブヘッドの軌道がカットに入ってこなくても、フェースが開いていれば、ボールに右回転のスピンを与えてしまうのです。

また、クラブフェースのシャフト寄り(ヒール)でボールをヒットしたときもボールに右回転のスピンを与えます。これは「ギア効果」と呼ばれるもので、クラブフェースの面には丸み(バルジ)がつけられていることとクラブヘッド内の重心が後方近くにあることによって起こる現象なのです。

ちなみに、クラブフェースの先端寄り(トゥ)で打ったときには、左回転のスピンがかかってフック系のボールになります。自分のスライスボールが主にどの原因で起こっているかが分かっていなければ、いつまで経っても右曲がりは直りませんよ。

では、スライサーの数だけ、その原因はありますが、今回は代表的な4例の傾向、原因、対策についてお話します。

打ち気にはやって右肩が前に出る

傾向

朝一番のスタートホール、あるいはドラコンホールなどでは特に注意が必要です。このようなホールでのドライバーショットではつい力が入ってしまい、そのためにアドレスしたときに自然に右肩が前に出やすくなるからです。

つい気負ってしまう、そんな心理状態にあると、人間の本能で体はなんとなく胸が目標に向きやすくなるのか、気合満々のゴルファーの構えはほとんど右肩が前に出ています。

原因

右肩が前に出て、上体が開いてしまっていると、どうしてもバックスイングで肩の入り方が浅くなってしまいます。

本来ならば、トップで両肩は90度からそれ以上回って、それにともなって両手の位置は飛球線のかなり内側に入ったところに収まっているはずですが、肩の回転が浅くなると、飛球線のすぐ内側に上がってしまいます。そこから振り下ろせば、当然クラブヘッドはアウトサイド・インの軌道になってしまいます。

対策

このように右肩が前へ出たアドレスになっていると、頭が少し左足のほうに寄って、視線がボールの真上に向けられるようになります。

まず、頭の位置をスタンスの中央に置くことに注意することですが、同時に両目のラインと飛球線が平行になるようにチェックすることです。両目が平行になっていれば、右肩が前に出ることは絶対になくなるからです。

つい手だけでクラブを振り上げてしまう

傾向

いくら技術的なポイントに注意を払っていても、ついうっかり忘れてしまうことがゴルフスイングでは多くあります。「バックスイングは絶対に手だけで上げてはいけない」という基本も、忘れやすいという点では代表的なものと言っていいでしょう。

原因

テークバックのスタートから手だけで振り上げていくと、途中で左手甲が上を向くようになります。手首が右へ回って、こねたような形になってしまいます。

このようにバックスイングの途中で、左手甲が上方に向くということは、その瞬間クラブフェースも開くことであり、もちろんその状態で振り下ろせば、開いたクラブフェースのままヒットし、ボールをこすって打ってしまいます。

対策

このようなときは両脇を締めたまま、おへそを真後ろに向けるようにバックスイングしていきます。そうすれば、左手甲が上に向くことはありません。

身体の回転と両腕を一致させれば、手首が右へ回ることもなくなり、いわゆる三角形キープの正しいバックスイングが出来上がります。

明治の大砲スイングになっている

傾向

バックスイングで体重が左足へ乗り、ダウンスイングでは右足に乗ってしまい、ギッタンバッコンのようなスイングを「明治の大砲」と呼びます。体重移動がまったくの逆ですので、スライスだけではなく、飛距離もまったく出ません。まるで明治時代の大砲のように遠くまで飛ばないので、そんな呼び方をしています。

原因

ダウンスイングで体重が右足にかかり、右肩が下がってしまうため、クラブヘッドが極端にインサイドから下りてきて、インパクトでもクラブフェースが右に向いて当たってしまいます。そのため、打球は右へ飛び出し、さらにそこからスライスしてしまうというОB必至の最悪のプッシュスライスになってしまうのです。

対策

まずはギッタンバッコンスイングを直さなければいけません。そのためには右足の前に1本の杭をイメージして、持っているクラブをハンマーだと思って、その杭に打ち下ろすようにスイングします。

この杭打ちスイングを繰り返すことによって、ダウンスイングではすくい打ちのような動きが消え、体重もスムーズに左足に乗って、おかしな格好のスイングも消えてなくなることでしょう。

打ち急ぎのスイングになっている

傾向

打ち急ぎのスイングというのは、肩や両手が正しいトップの位置に行く前に振り下ろしてしまったり、あるいはトップ周辺の動きが異常に早く、すぐにダウンスイングに向かってしまうようなスイングをいいます。

ほとんどは緊張しているとき、飛ばしてやろうというホール、あるいは不安を掻き立てる難しそうなホールロケーションを目の前にしたときなどに起こりやすい打ち方です。

原因

なぜ打ち急いだショットがスライスになりやすいかというと、肩が十分に回っていなかったり、ダウンスイングのスタートで早く上体が開いてしまうからです。つまり、そうした動きがダウンスイングの軌道がアウトサイド・インにさせ、インパクトでボールをカットしてしまうからです。

対策

肩を回そうとしてもなかなか回せないゴルファーも多くいますので、「右向け右」の号令を自分にかけることです。これが不思議なくらい回るので、ダマされたと思って一度試してください。

ダウンスイングで肩が開かないようにするためには、腰をアドレスの位置に戻したら、一瞬右ひざを内側に入れるのを遅らせるようにするといいでしょう。この右ひざの遅れによって、肩の開きも完全に防ぐことができるのです。

どうです?スライサーの代表例4つにあなたは当てはまりますか?右曲がりのダンディの皆さん、スライサー卒業宣言のときですよ。

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