ゴルフ場のタイプと経営戦略について~アメリカのゴルフ事情~|アラサー女子がアメリカでプロゴルファー目指します! Vol.7
- 2016.06.05
- 知識向上
実は私はこっちで学生をしています。アメリカは911のテロ以降、移民に対して厳しくなっているので、3ヶ月以上の滞在はビザがないとできません。 最初は2年間のゴルフ留学のつもりで来ました(結局延長して居ついている)が、その時から学生ビザで滞在しています。
今の学校では3クラス、週2回通い、他の日ほぼ全てを練習・ラウンド・試合出場などに充てています。ビザ確保のためにしぶしぶ行っている(笑)学校ですが、一応スポーツ・マネジメント科のゴルフ専攻です。
主目的は自身のゴルフ上達、と思っていますが、もちろん学校で得る知識で損することではないわけで。なかなか「へぇ」という内容です。実体験も交えて良い考察のきっかけになります。これから数回にわたって書いていきたいなと思う内容も、クラスで得たものです。
さて前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。私の英語力が未熟なせいで、ルー大柴さんのような日英ミックスですがご了承ください。
アメリカのClubhouse Management(クラブハウスマネジメント)
アメリカには、大きく分けて4つのタイプのゴルフ場があります。
1. Private (プライベート:私立の)
2. Municipal (ムニシパル:地方自治体の)
3. Public (パブリック:公の)
4. Resort (リゾート:行楽地)
今回は、これらの4つのタイプのゴルフ場について、日本のゴルフ場の例も踏まえつつ、ご説明していきたいと思います。
1.Private(プライベートコース)
5月16日に行われた全米女子オープンの予選会。会場のプライベートコースのメンバーさんがホストファミリーになってくださり、キャディのボランティアもしてくださいました。
自宅のガレージに「マイゴルフカート」があり、ふかふかなシートにライト付き。ゴージャス…!
プライベートとは、会員(メンバー)のみに開かれたゴルフ場です。マスターズで有名なオーガスタナショナル、日本でいうと東京ゴルフ倶楽部、小金井カントリー倶楽部などがその例です。また、グループの持っているコース共通利用券などもあります。
ゴルフ場によって金額もまちまちですが、基本的にアメリカでは入会する時には厳正な審査があります。年収、職業、年齢はもちろん、時に性別、人種なども審査の対象になります(差別として糾弾されないのはプライベートの運営だからだそうです)。
また、メンバー数名の推薦状がなければならず、お金持ちなら誰でも入れるわけではありません。歴史の古いプライベートカントリークラブは今も白人が多数を占めるため、逆に黒人のみ、ユダヤ人のみで構成されたゴルフ場もあるとか。
高額な会員権を払ってでも人々がメンバーになる理由は、ステータスの価値(もしくは真のゴルフ馬鹿)です。
プライベートコースはゴルフ場の形状はまるで芸術、グリーンはカーペットのように美しく、コースの細部までよくメンテナンスされています。
混雑してプレーが遅延することが少なくいつでも快適にゴルフができ、クラブハウスに併設されているテニスコートやプールもジムも利用することができます。家族は無料で施設を使用する事ができ、ゲストを招いての接待にももってこいです。
さすがアメリカ、贅沢の極め方が違います(笑)
2.Municipal(ムニシパル(地方自治体)コース)
ムニシパルというのは「地方自治体の」という意味で、文字通り市や町が所有・運営しています。
料金は安め。コースコンディションもそれ相応ですが、十分楽しめます。ジュニアやシニアの割引が多いのも特徴の1つです。またクラブハウスには会議室・宴会場などを併設しているのが普通で、地域のコミュニティー活動もよく行われています。
余談ですが、東京都が所有していた若洲ゴルフリンクスというゴルフ場があります。埋立地に作られたゴルフ場で、バブルの頃は料金がスーパー高く、サービスは横柄だったと聞いていますが、今は民営になり、質はとても良くなったようです。
公営の悪い例とその改善例ですね~。(ちなみに私は学生時代そこでキャディのアルバイトをしていました)
2.Public(パブリックコース)
Los Verdes Golf Course:この絶景でパブリック。『庶民のペブル・ビーチ』との別名も
ムニシパルと性質が被りますが、誰でも行くことができる公のゴルフ場です。何が違うのかといえば、民営という点と、安い所もあれば高い所もあるという点です。
例えば、私の近所のBrookside(ブルックサイド)というゴルフ場はアメリカンゴルフという大手ゴルフ場経営企業が管理しているパブリックゴルフコースで、料金は18ホール平日カート付き$38(約4,000円)です。(安い!笑)
一方、かの有名なPebble Beach(ペブルビーチ)も実は誰でも回れるパブリックコースですが、料金は同じ条件で$535(約57,000円)(シーズンによって$575)します。
近年は安くてカジュアルなゴルフ場と、高級で豪華なゴルフ場に需要が二極化していると言われています。これも経済状況を反映しているようですが、そこそこのお値段で、そこそこの質を提供するその他のパブリックコースは、今後独自の特色を訴えていかないと厳しいようです。
4.Resort(リゾートコース)
アリゾナ『Lookout Mountain』リゾートコース。5月23〜25日にここで行われたミニツアーに出てきました。
リゾート。上記に挙げた3種類のゴルフ場タイプは地元民を前提としている場合が多いですが、リゾートタイプのゴルフ場はターゲットの特徴が異なります。
南カリフォルニアの場合はパームスプリングスがその例です。パームスプリングスはロサンゼルスから約2時間ほど内陸に入った砂漠地帯の町一帯のこと。避寒地として有名で、暖かい気候を求めて世界各地から人々がやってきます。
もちろん現地に住んでいる人もいますが、逆に夏は暑すぎて日中のゴルフはとてもできないので、夏と冬で人口と物価が大きく変動し、ゴルフ場は夏と冬で$50~100も料金が異なります。
また、バケーションで来る観光客が多いので、非日常を演出するようなエンターテイメント性、ホスピタリティ性(おもてなし感)を追求しています。
以上で4つのタイプを説明しましたが、はっきり4つに区分されるわけではなく、リゾート地にあるプライベートコースや、パブリックだけどメンバーシップ制度を設けているセミプライベートコースなど、各コースの戦は様々です。
あなたがもしゴルフ場を所有していたら、どんなタイプのゴルフ場にしていきたいですか?どんなプログラムや料金設定をしますか?
今回は長くなったのでここら辺で。
次回はメンバーシップの仕組みをご紹介します!