『ゼクシオ プライム』が強力な武器になる秘密の仮説!
“ゼクシオ プライム”は、“ゼクシオ9”の流れをくんだ別のシリーズとなります。ヘッドスピードが37m/秒未満のゴルファーがターゲットになります。
“ゼクシオ フォージド アイアン”は、易しいアイアンなのに、ピンをデッドに狙いに行ける本格派というゴルファーのために開発されました。“クリーブランド RTX-3 ウェッジ”は、既にツアープロには供給が始まっていて、好評を得ている新しいモデルです。
3つの異なるクラブを順番に紹介します。
飛ばない人だって飛ばしたいのである
“ゼクシオ プライム”はヘッドスピードが遅いユーザーのために開発されました。ゼクシオというブランドは一般向けゴルファー市場のシェアで国内1位を独走しています。
誰でも飛びを体感できるというイメージはアジアでも浸透していて、実は輸出するクラブとしてもトップブランドになっています。そのゼクシオから「ヘッドスピードが37m/秒未満のゴルファーのために」というクラブが出るというのは、かなり興味深い話でした。
こういうケースでよくあるのは、宣伝文句だけで残念な普通のクラブであることです。ヘッドスピードが遅いゴルファーはたくさんいますが、そういうゴルファーをターゲットにクラブを開発するということはメーカーもリスクがあるのでしづらいからです。
しかし、今回の“ゼクシオ プライム”は本気を出していることがヒシヒシと伝わってきました。
“ゼクシオ プライム”の専用のシャフトを開発して、総重量も軽量化しています。クラブを持っただけで、シャフトが特別であることがハッキリとわかります。46インチの長尺ですが、それはあまり感じさせません。先端部分のしなり具合に驚かされました。また、ヘッドも“ゼクシオ プライム”のために作られています。
「ヘッドスピードが速い人では、逆に飛ばない」と説明されましたが、納得しました。体幹の回転力が不足して、やや手打ちのようになったアウトサイドインの軌道でこそ威力を発揮する設計なのです。上手くできていると感心しました。
ちなみに、計測器がある試打ルームもあって、そこで打っている人のデータを見ましたが、37m/秒で210ヤードという解析がありました。これは凄い数値です。高齢のゴルファーがメインのターゲットのようですけど、僕は妻に打たせたいと思いました。“ゼクシオ プライム”は一般的な体力の女性ゴルファーにもバッチリと合うのです。
フェアウェイウッドは15度の#3、18度の#5、21度の#7、24度の#9のラインアップです。注目したのは、#9です。色々なライから打てて、ミドルアイアンの代わりにもなります。ちなみに、ダンロップ契約の女子プロゴルファーも使用を検討している例があるということでした。
ユーティリティーは23度のU5、26度のU6、29度のU7、32度のU8というラインアップです。これも良い感じです。距離差に隙間ができすぎないように考えられているのですけど、偶数番手だけとか、奇数番手だけでも十分だと想定できます。ヘッドスピードが遅い場合、ロフトが6度刻みで10ヤード差になるからです。
アイアンは#7で、29度のロフトでストロングですが、高弾道が打てる工夫とミスヒットに強い最先端の技術が詰まっています。飛ばないゴルファーも諦めることなく、自分なりの飛びを得ることができるのは素晴らしいことです。トップブランドの『ゼクシオ』だからこそ、その意味もあるのだと思います。
“ゼクシオ プライム”の発売は2016年12月17日です。特に女子ゴルファーには体感して欲しいクラブです。
それでもフォージドアイアンを使いたい気持ち
“ゼクシオ フォージド アイアン”は6代目になるそうです。フォージドは鍛造製法のことです。
熱した金属を叩いて作る刀のイメージもあって、本格的なゴルファーが打感を求めてフォージドを使うというのが流れですけれど、科学的には熱した金属を型に流し込んで作る鋳造製法と打感については差がないことも一方では有名です。
スリクソンのアイアンにも易しさを前面に出しているモデルもあるので、“ゼクシオ フォージド アイアン”の存在意義は何なのかが問われるクラブです。いきなり結論から書きますが、本格派というゴルファーに当てはまる場合に欲しいと思う機能を搭載したアイアンです。
スリクソンの“Z565”よりも易しく、“XXIO 9”よりも少し難しい。
アイアンの易しさはミスヒットに強いことが最も求められます。色々な技術や機能がありますが、ミスヒットに強いアイアンは易しさを得る分、飛距離を打ち分けるというアイアンの機能を損なう傾向にあります。易しさと距離の打ち分けをどんなバランスで両立させるのかが、現代のアイアンの面白いところなのです。
“ゼクシオ フォージド アイアン”はソールにその答えを見ることができます。距離の打ち分けも敏感にできるようにギリギリで作られています。
機能とは関係ないのですが、手が触れる部分をサテン仕上げにしているので、ソールが2色に見えます。サテン仕上げは見た目ではなく、クラブを抜くときの手触りが柔らかく感じるという特性があります。高級なクラブということは多くの場合、視覚に訴えるものですが、触覚でも感じさせるところはゼクシオ風なのです。
それでいて、フェースの製法には最新技術を投入し、シャフトもダンロップがゼクシオ用に作ったものを採用しています。高級でありながら、中身は最先端というアイアンは、多くのゼクシオファンを納得させるものになっています。
構えて見た雰囲気はまさに本格的なゴルファーのためのものだといわんばかりです。個人的には少しフェースが長いのが気になりますが、易しいアイアンはそういうものです。それよりも、細部にわたって「良い顔」に見えるテクニックが発揮されています。日本を代表するゴルフメーカーの底力です。
7番アイアンのロフトは30度です。ストロングロフトになっているので、飛ぶアイアンであることは間違いありません。
今までプロが使うようなアイアンを使っていたけど、ちょっときつくなってきたゴルファーが極端に変わった機能のアイアンで逆にゴルフを難しくしてしまうことを防ぎながら、自分の足りないところを補うために選ぶクラブとして開発されました。
“ゼクシオ フォージド アイアン”は、2016年12月10日の発売です。それでもフォージドを使いたいというこだわりのゴルファーのために作られたバランスの良いアイアンです。
クリーブランドの伝統と誇りの証
クリーブランドは、20世紀末にウェッジの未来を切り開いたブランドです。現在でも、多くのファンがいます。“クリーブランド RTX-3 ウェッジ”(RTXは「ローテックス」と読みます)は来年の2月発売ですが、既に、ツアーを戦うトッププロには供給が始まっています。
バックフェースによって2つのタイプに分かれます。キャビティーバックのようになっている“RTX-3 CAVITY BACK”と、プレーンバックの“RTX-3 BLADE”です。仕上げも2つあって、シルバーの『ツアーサテン仕上げ』とブラックの『ブラックサテン仕上げ』になります。
ソールデザインもロフトによってはスタンダード、ロー、ハイの3種類が用意されていて、更に、シャフトもダイナミックゴールドのS200とX100、N.S.PRO 950GHのSとRが選択できます。ロフトも48度から2度刻みで60度まであるので、凄いボリュームです。
ちょっと注意したいポイントは素材です。“RTX-3 CAVITY BACK”は『SUS431ステンレス』で、“RTX-3 BLADE”は『軟鉄』になるのです。
構えてみると、まさにクリーブランドの伝統というウェッジです。オーソドックスな雰囲気だと感じる人が多いと思います。
新しい機能としては、ネックの長さを短くしたことが上げられます。ネックを短くした分とネック内部の構造で生まれた重量をヘッドに配置することで、ややネック寄りにあった重心位置をフェースの真ん中に配置することに成功したそうです。
これは賛否両論あると思います。多くのゴルファーにとっては、芯を捉えやすくなる効果が期待できますが、フェースを開いてボールを飛ばさない寄せがやりづらくなく可能性もあるからです。
ソールに関しても、形状もさることながら、バウンスにこだわって設計されています。ツアーの流行はソール幅があるハイバウンスですが、求められることを今までの技術でも可能にできるという自信があるのでしょう。ソール幅は抑えめで、特別厚いわけではありません。
クリーブランドのウェッジで最も興味深いのは、価格です。
税別の15,000円という価格設定なので、実勢価格は1万2千円台になるでしょう。書くまでもありませんが、安いです。ウェッジは消耗品ですので、価格が安いことはそれだけで十分に魅力があります。選べる楽しみがあって、機能の良さは証明されているウェッジがお手頃な値段で手に入るのです。2月の発売が楽しみです。
たくさんのウェッジが市場に溢れています。感性で使う道具ですから、こだわりたいのは山々ですが、どういう訳かけっこう値段が高くて気軽に試すのは難しいのが現状ではないでしょうか。クリーブランドが世界中で愛されている理由は、そういうゴルファーたちに機会を与えるウェッジだからです。
現代のウェッジの土台を作り上げたブランドを試していないゴルファーはもったいないと思います。“クリーブランド RTX-3 ウェッジ”は米ツアーで供給が始まっています。プロゴルファーにも好評だと伝わってきています。
だからといって、プロゴルファーのためだけのウェッジはないのです。“クリーブランド RTX-3 ウェッジ”は、どんなゴルファーにでも合う1本になる可能性を秘めています。
スペック
ゼクシオ プライム ドライバー
★ロフト 10.5/11.5
★長さ 46インチ
★ヘッド体積 460cc
★シャフト ゼクシオ プライム SP-900 (R2/R/SR)
★金額 1本/115,000円+税
ゼクシオ プライム フェアウェイウッド
★ロフト #3 15/#5 18/#7 21/#9 24
★シャフト ゼクシオ プライム SP-900 (R2/R/SR)
★金額 1本/75,000円+税
ゼクシオ プライム ユーティリティ
★ロフト U5 23/U6 26/U7 29/U8 32
★シャフト ゼクシオ プライム SP-900 (R2/R/SR)
★金額 1本/48,000円+税
ゼクシオ プライム アイアン
★ロフト #5 23/#6 26/#7 29/#8 33/#9 38/PW 43/AW 49/SW 56
★シャフト ゼクシオ プライム SP-900 (R2/R/SR)
★金額 6本セット(#7~#9、PW、AW、SW)/192,000円+税
4本セット(#7~#9、PW)/128,000円+税
単品(#5、#6、AW、SW)/32,000円+税
ゼクシオ フォージド アイアン
★ロフト #4 22/#5 24/#6 27/#7 30/#8 34/#9 39/PW 44/AW 50/SW 56
★シャフト N.S.PRO 930GH DST 6本セット(#5-#9、PW)114,000+税
★金額 単品(#4、AW、SW)/19,000円+税
MX-6000 6本セット(#5-#9、PW)144,000+税
単品(#4、AW、SW)/24,000円+税
クリーブランド RTX-3 ウェッジ
★ロフト 48/50/52/54/56/58/60
★ヘッド RTX-3 BLADE/RTX-3 CAVITY BACK
★仕上げ ツアーサテン/ブラックサテン
★シャフト ダイナミックゴールド(S200/X100) 1本/15,000円+税
★金額 N.S.PRO 950GH(S200/X100) 1本/15,000円+税