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ゴルフ場のクローズと中断 ~ゴルフ場の事情~

せっかくのゴルフの予定が、クローズで中止。こんなに残念なことはありませんよね。前日に知らされるのならともかく、早起きして当日やる気満々でゴルフ場へ到着したのに、「クローズ」を聞かされると、本当にガッカリしてしまいます。

ゴルフ場がクローズする大抵の理由は「天候不良」です。雨や雷、台風、雪などなど天候不良の理由はさまざまですが、ゴルフは屋外でプレーするスポーツですから、致し方ない部分ではあります。

冬季に東北・北海道地区をはじめ、雪の為に長期クローズするゴルフ場は、たくさんあります。一方、そういった計画的なクローズではなく、いわば突然クローズにしなければならない場合は、台風や大雨、雷などが原因によるものです。これはどうしようもありません。

とはいっても、「全然ゴルフ出来そうじゃん!」と思うこともありますよね。逆に「こんなにひどい状態なのに、どうしてクローズにしないの?」と思うこともあるのではないでしょうか?

では、ゴルフ場がクローズを判断する基準はなんなのでしょう?

今回は、あるゴルフ場のクローズや中断の事情と、中断時の雷対処マニュアルをお伝えしたいと思います。

クローズと中断の違い

ゴルフ場でプレーができない状態には、ふたつのパターンがあります。それは「クローズ」と「中断」です。

クローズは、その日のゴルフ場の営業自体を「ゴルフ場の判断で」中止することです。予約されたプレーヤーに対して「ゴルフプレーを提供できなかった」事になりますから、もちろん料金を頂くことが出来ません。これが「プレーヤーの判断で」キャンセルする場合とは、大きく異なります。

ゴルフ場によって設定は異なりますが、プレーヤーからのキャンセルの場合はキャンセル料を請求することが可能ですが、クローズの場合はそれが出来ません。ですからゴルフ場はなるべく、クローズは避けたいのです。出来るだけその日に来場して下さったプレーヤーの方々にプレーを楽しんでもらい、プレー代を頂かなくてはなりません。

しかし、台風や大雨、雷などの天候は変えようがありません。台風のように進路が分かっている場合は危険な状況を避けるため、前日にクローズの決断をしなければならないこともあります。また、近隣のゴルフ場と連絡を取り合い、クローズするかどうかを相談しあうこともあります。

ゴルフ場にとって、クローズは大きな痛手です。それでもクローズしなければならない場合は、「よほどの状況下」にあるということをご理解ください。

では、雷や大雨の場合はどうでしょうか?

もちろん雷が鳴り響いている時点でのプレーは不可能ですが、朝から夕方まで雷が続くという状況は、あまりありません。大雨の場合でも、ゲリラ豪雨のように突然降って、ピタッと止むケースもあります。

ですから、たとえ強風長雨でも台風でない限り、ゴルフ場としては「クローズ」を避け、一時的な「中断」を挟んで営業を続けようとするのです。中断であれば、ゴルフ場としては営業していますので、たとえ中断している間にプレーヤーがプレーを諦めてしまっても、ゴルフ場はプレー代を請求することが出来ます。

もちろん、プレー中断後の再開を目指してはいますが、メドが立たない場合でも、まずは中断で茶を濁します。ひどい雨だと来場者もクローズによる返金を期待しますが、ゴルフ場側としても最善はプレー再開、もしくはお客様都合のキャンセルを念頭に置いています。プレーの中断中は、プレーヤーとゴルフ場の思惑が錯綜する時間です。

雨でも、ゴルフのプレーは可能です。グリーン上に水が浮いてきたら「中断」です。ですからたとえ大雨でも、「雨でクローズ」になるケースは、ほとんど期待できません。ゴルフ場は、めったなことでは「中断→クローズ」にはしませんので、諦めてゴルフを頑張ってください。

雷は危険!

 

プレー中断の大きな理由を占めるのが、雷による中断ですね。これは危険ですので、中断はやむを得ない選択です。

雷は、ゴルフ場にとって天敵です。少しでも「ゴロゴロ」と聞こえたら、最大限の注意を払わなくてはなりません。最近は、正確な雷情報を確認できるようにゴルフ場も装備していますので、危険度が高まったら雷警報を発令し、プレー中断を指示します。

プレー中のプレーヤーは2、3ホールごとに設置された避難小屋に避難し、警報の解除がされるまで、そこで待機することになります。これは「プレー中断」であって、「クローズ」ではありません。ですから雷雲が抜ければプレーを再開でき、最短では15分程度で解除されます。

しかし雲の流れが悪く、いつまでも雷雲が居座っている場合もあります。ひどい場合は2時間、3時間たっても雷警報が解除されず、ずっと小さな避難小屋で過ごさなければならないこともあります。

雷に関して、ゴルフ場は非常にナーバスです。雷レーダーを看視しながら、ゴルフ場周辺の雷が去るのを待ちます。ゴルフ場は落雷危険度がとても高いので、簡単には解除を出しません。しかも、前述したようになるべくクローズにはしたくありませんから、長引いても中断の状態を続けます。

しかし中断があまりに長いと、わずかに小降りになった隙を見つけて、雷が鳴っているのにもかかわらずゴルフをしようとするプレーヤーが出始めます。「なんでいつまでも中断してるの?」とイライラしてしまうのです。そして、キャディやゴルフ場スタッフの忠告も聞かずに避難小屋の外へ出てしまったり、勝手にプレーを再開してしまったりする方々が発生します。

実は、こうした場合のスタッフマニュアルがあります。『充分に危険であることをお知らせした上でプレーを止めていただけない場合は、キャディ業務を放棄しても良い』ことになっています。

当然といえば、当然ですね。雷の恐ろしさが分からない、非常に幼稚な行動をとる方に付き合ってはいられません。

実際に自身が勤務していたゴルフ場にも、数回雷が落ちたことがあります。地面を突き上げるような衝撃は、恐怖を感じます。雷は雨があまり降っていない時こそ危険だと言いますので、絶対に外へ出るのはやめましょう。

このように雷中断の場合は、ゴルフ場側がプレーを控えてもらうようにお願いしているものです。「中断か?クローズか?」など、ゴルフ場の思惑が関係している面はありますが、自己判断でプレーを続行したり、再開したりするのは非常に危険ですので、絶対におやめください。

雷の場合の対処法

雷の恐ろしさと中断の必要性をお伝えしたところで、ゴルフ場での雷対処法を取り上げてみたいと思います。ゴルフをする以上、雷と遭遇する確率が無いとは言えません。そのときになって困らないように、確認してみてください。

体から出っ張った部分の金属が危険なので、クラブを持っていたり、傘をさしたりすることは避けましょう。少し身をかがめる姿勢を保ち、素早く非難しましょう。

・避難小屋へ向かう際には、木々の間を通るより、フェアウェイの真ん中を歩く方が安全です。(背の高い木とその周辺数メートルは落雷の危険が高いため)

・避難小屋が見つからず、動くのも危険な場合は、バンカーの中にかがんで身をひそめてください。

・避難小屋では、軒下はかえって危険です。避難小屋の避雷針に落雷した際に建物の表面を電流が通るので、小屋内が混み合っていても、中に入らないと意味がありません。

・避難小屋内でも、柱に寄り添っていると同じように落雷した際に電流が通るので、危険な場合があります。避難小屋では、少し柱から離れている方が良いでしょう。

・トイレや避雷針のない茶屋は、避難の役割を果たしません。指定された避難小屋へ移動しましょう。

・乗用カートは尖った金属部分がいくつもあり、しかも周囲がオープンのため非常に危険です。出来るだけ使用は避け、すばやい避難を心がけてください。

このように列挙すると、大げさな気がするかもしれません。しかし、実際に落雷を間近で経験された方に伺うと、その恐怖は計り知れないのだそうです。

自然を相手にするのがゴルフですから、自然の脅威も充分に警戒しながらプレーし、正しい避難が出来るゴルファーを目指しましょう。

おわりに

ゴルフ場のクローズや中断に対する事情と、プレー中断の大きな原因である雷避難の仕方をお伝えしてみました。

近年、異常気象による集中ゲリラ豪雨や雷など、自然の猛威を感じるような天候はもはや身近な出来事です。そうした強風や雨などもゴルフの醍醐味の一つですが、やはり本音は天気がいい日にゴルフがしたいですよね。

しかし、そううまくいかないのがゴルフでもあります。大雨が面白くないのは分かりますが、終止不機嫌で愚痴ばかり…。これでは、せっかくゴルフへ来てもったいないです。台風でのクローズ、雷での中断、大雨でのグリーンの水浮きなど、どんな状況でも動じない精神を持ちましょう。

大雨でも、雷中断でも、その環境を楽しめるようなゴルファーはとてもかっこいいと思います。あなたも、そんな“自然派ゴルファー”を目指しませんか?

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