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ミズノプロTi18はチタンアイアンの新しい扉を開く!

ミズノが2018年4月13日に発売した“Mizuno Pro Ti18アイアン”(読みは、ティーアイ・イチハチ)をコースに持ち込んでテストしました。試打したのは、“Mizuno Pro Ti18アイアン”に、『MFUSION i』のRフレックスのシャフトが装着されたものです。5番~9番、PWの6本セットで、7番アイアンのロフトは28度です。

チタンフェースアイアンと聞いて、新しいというイメージを持つゴルファーはもう少ないのではないでしょうか。21世紀になってからだけでも何種類ものチタンフェースアイアンが市場に出ました。しかし、高機能なものとして、ゴルファーに広く評価されたものはありませんでした。“Mizuno Pro Ti18アイアン”についても、どうして、今更チタンフェースなのだと疑問の声を耳にしていました。

ミズノは飛ばないと言わせないTi18アイアン

 

最初に打ったのは、5番アイアンです。ロフト23度は、一昔前なら3番アイアンのロフトです。フェアウェイの平らなライからでした。無理をせずに楽に振りました。ボールはやや高めの弾道、棒球系でスーッとストレートに飛んで行き、転がりを入れて185ヤード飛びました。パー5の2打目で、バンカーの手前で止めたかったのですけど、もう少しでバンカーに入りそうでした。

 

ミズノのアイアンには世界中に熱心なファンがいます。色々な要素がありますが、代表的なものは他では味わえない打感と、構えたときに感じるボールを包み込むようなフェースの形状です。“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、フェース長がかなり長いのに(約86.5mm)アドレスではそれを感じさせません。曲線のバランスが良く、上手く作られています。ちょっと感動してしまうほどお見事です。

打音もミズノのアイアンらしい響きです。チタンフェースのアイアンは、概して、高音で、金属音が強調されてウッドクラブのよう打音がするものですが、“Mizuno Pro Ti18アイアン”は言われなければ、打音だけでチタンフェースだとはわからないと思います。

こういう細かい所にこだわりすぎて、ミズノのアイアンは飛びという要素で性能が劣るという評価をするゴルファーがいます。彼らに打って欲しいのが“Mizuno Pro Ti18アイアン”です。飛距離は、ロフトよりも出ます。飛ぶのです。ぶっ飛びアイアンの中でも、トップクラスに飛びます。

 

次の使用したのはPWです。フェアウェイの平らなライで、ピンまでは残り115ヤード。ロフト42度は、僕の9番アイアンのロフトです。グリーンの奥が下り坂でOBなので、やや抑えて打ちました。気持ち良い打ち応えで、ハイボールでした。美しい弾道でした。110ヤード飛んで、ボールは5ヤード転がって止まりました。いわゆるベタピンでした。

気分は上々で、次は8番アイアンを打ちました。浅いラフでグリーンまで、130ヤード、ピンまでは145ヤードありました。やや深く当たりましたが、高く上がったボールは、135ヤード飛び、転がって奥のエッジまで行きました。トータルでは150ヤード以上ボールは飛んでしまいました。

数ホール使ってわかったのは“Mizuno Pro Ti18アイアン”は易しいということです。楽に飛ぶと言うことも易しさですが、一番に感じるのは、ミスヒットに強いことです。少しのミスであれば飛距離にマイナスの影響が出ないのです。この易しさは、特筆すべきです。ミズノプロ=上級者という方程式が壊れるぐらいの衝撃です。

チタンフェースは軽いので、ヘッドの中央が軽くて、その分の重量をソールや左右に振り分けられるのが“Mizuno Pro Ti18アイアン”の強みです。ポケットキャビティと言えるぐらい、深いキャビティバッグも、機能しています。重心が深くなっていることが、すぐに体感できました。

欠点をプラスの個性に変える技術力

 

“Mizuno Pro Ti18アイアン”で、もう一点凄いなぁ、と感心したことがあります。ボールが左に行きにくいのです。スライスに悩んでいるゴルファーが多いことは周知の事実です。メーカーは、スライスを軽減することを機能として盛り込むことに熱心です。売り上げに直結するからです。それを非難するつもりはないのですが、この機能が左への酷い引っ掛けショットの原因になってしまう悲劇を生んでいるケースもあるのです。

“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、左に行きにくいのです。これが実感できると、安心して思い切って打つことができます。フェースが長いことを目立たないようにデザインされていますが、機能としてはちゃんとフェースの長さを活かしているのです。フェースが長いアイアンは、ボールをとらえきれずに、右へ弱いボールが出る傾向があると嫌うゴルファーがいますが、“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、そのマイナス要因を見事に左に行きにくくするちょうど良い感じで仕上げてあります。

 

フェースが長いアイアンのもう一つの欠点が、ライが悪いときに、フェース面の抵抗が大きくなるので、抜けが悪く、飛ばなくなってしまう現象が起きることです。“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、ソールで弱点を克服しようという意図で設計されています。適度な厚みがあるソールは、微妙な曲面になっていて、これが気持ち良く抜けるのです。

パワーがあれば、抜けがあるアイアンは不要だという考え方もあります。力で乗り切るわけです。しかし、非力な一般的なゴルファーは、どうにかクラブに頑張ってもらうしかありません。“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、僕の勝手な思い込みですが、女子プロゴルファーの使用を想定したのではないかと思うぐらい抜けが良かったです。

 

“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、飛んで、易しくて、気持ち良く使えるアイアンだという感じで書いてきました。チタンフェースのアイアンに裏切られ続けてきたゴルファーたちに、とうとう本物が誕生したよ、と伝えたい高機能です。新しい時代をの扉を開けるアイアンなのですが、いくつかの注意点があります。

1つ目はボールの止まりです。PWは気合を入れればボールを止めることができますが、それ以外の番手は着地点に止めることはかなり困難です。とにかく前に行こうという飛びの性能が突出しているのです。8番アイアンで状況が良くとも1ピンぐらいは前に行きますし、少しライが悪かったりすると2ピンぐらい行ってしまいます。5番アイアンは2ピンが限界で、3ピンから4ピン分ぐらいは前に行きます。そういうことも含めて、“Mizuno Pro Ti18アイアン”の機能だと考えて、使いこなすのが正解です。

2つ目は操作性です。打ったときの打感は良く、やや柔らかい感触すらしますが、打ち出されたボールはかなり初速感が強いのです。オートマチックに強い棒球の弾道を打てますが、ボールを曲げたいときに、これが障害になります。曲げにくいのです。コントロールという意味で、微調整は苦手なアイアンです。これは易しいアイアンではよくあることですので、一概にマイナスとは言えません。

装着されていた『MFUSION i』のRフレックスのシャフトは、本当にしっかりしていて軽いのに、重いスチールシャフトみたいな挙動をします。個人的には大好きなシャフトですが、本格的すぎて、ゴルファーを助ける機能に劣るという評価もあります。“Mizuno Pro Ti18アイアン”も、他のシャフトを入れることで、もう少し弾道が高くなる可能性があると感じました。アイアンのシャフトはボールの高低に影響します。もう少し高さが出れば、グリーン上で止まるかもしれないと感じたシーンもラウンド中にあったのです。

“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、新しい分野のアイアンだと感じました。ドライバーだけではなく、アイアンも飛ばす時代にが来たのだという人がいます。実際に市場を見ていて、アイアンでも飛ばしたいゴルファーがたくさんいることは間違いありません。“Mizuno Pro Ti18アイアン”は、見た目や構えた感覚はオールドゴルファーを納得させる通好みに出来上がっています。しかし、中身は未知の領域を経験させてくれるアイアンなのです。

“Mizuno Pro Ti18アイアン”はフィッティングを前提としたアイアンです。自分のスイング計測をして、“Mizuno Pro Ti18アイアン”が合っていると診断されたら、と想像しました。受け入れて、今までとは全く違う自分だけのコース戦略を描き、新しいスタイルのゴルフをする自分…… “Mizuno Pro Ti18アイアン”はワクワクさせるアイアンです。

スペック

Mizuno Pro Ti18 アイアン

★発売日     2018年4月13日
★番手/ロフト   #5/23° #6/25° #7/28° #8/32° #9/37° PW/42°
★シャフト    MFUSION i カーボンシャフト 1本 23,000円+税
★価格      MCI 50 カーボンシャフト 1本 26,000円+税
         OTi75 カーボンシャフト 1本 28,000円+税
         NS PRO 950GH HT 軽量スチールシャフト 1本 21,000円+税
         Zelos 7 軽量スチールシャフト 1本 22,000円+税 ※フィッティングのみの対応

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