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プロギアのQはオバケの力でゴルファーを救う!

プロギアが2018年3月23日に発売した“Q”をコースに持ち込んでテストしました。4本のクラブはロフトが名称になっています。

ロフト18度の“Q18”(キュー・イチハチ)、23度の“Q23”(キュー・ニイサン)、28度の“Q28”(キュー・ニイハチ)、33度の“Q33”(キュー・サンサン)。

4本でフェアウェイウッド、ユーティリティ、ロングアイアン、ミドルアイアンの距離を全てカバーするそうです。通常なら6本か、7本で打ち分けている範囲を4本で打ち分けるのが可能になるというのは、本当なのでしょうか? まずは、それが疑問でした。

ピンチを感じる悪いライからでも、易しくボールを打てるというもう一つのセールスポイントについては、見た感じで『これは面白そうだ』と興味を持ちました。理に適っているように感じたからです。

Qはゴルファーの窮地を救う


 

ウッド型のヘッドのロフトを揃えて、少ない本数で広い範囲を打てるようにするというコンセプトのクラブは、過去30年にわたって何度も出現しては消えていきました。宣伝文句が偉大すぎて、中身が伴っていないために消えていったクラブもありました。逆に、非常に良くできていて、高機能なのに売れずに消えていったクラブもありました。

ゴルファーが求める需要に合っていなければ、新しいコンセプトのクラブは市場に受け入れられません。とはいえ、需要というものは、自然発生するものではなく、作り手の提案を受け入れる仕組みで生まれるのも現実なのです。

今回のプロギア“Q”によるゴルファーへの提案は、ゴルファーたちの需要になっていくのかを見極めようと考えながら、“Q”をテストしました。壮大な歴史観まで想起したのは、始めから“Q”を軽く見ていたからです。消えていく運命のスポット的なクラブなのだろうと思っていました。

辛うじて、期待できる点は、プロギアの実績でした。新しい提案を繰り返して、需要を掘り起こすことが得意なメーカーとして、プロギアは筆頭に挙げられますし、過去にも、面白いクラブを市場に投入してきたからです。ユーティリティは、プロギアが提案し、市場に受け入れられ、世界中に広まった代表的なクラブです。

“Q”は意欲的なクラブです。前に書いたように、ヘッドやソールの形状を見て、悪いライに強そうだと感じるのは、過去に何度もこういう形状のクラブが出現して、その優秀さを知っているからです。

面白いと思ったのはシャフトです。硬さのスペックが基本的にはありません。ヘッドスピード40m/秒前後に合わせた『REG』と、37m/秒前後に合わせた『LIGHT』の2種類だけなのです。(LIGHTは受注生産のみ)そして、クラブの長さです。ロングレンジのものは短く、ショートレンジのものは少し長いのです。

過去の蓄積した技術を機能として搭載しながら、更に打ちやすさを徹底して調整したのが、“Q”です。


 

ロフト18度の“Q18”は、フェアウェイウッドなら5番ウッドに相当します。構えた印象は、易しそうだけど飛ばなそう、でした。シャフトは頼りなく感じるし、短いし、ヘッドも悪くいえば古く感じるし……

打ってみて、印象はガラッと変わりました。18度というロフトよりも明らかに飛んだのです。

まず、構えたときに、フェースが合わせやすいのが好印象でした。クラウンが山状になっていて、直線的なデザインがなされている場合、フェースとのズレがあると、本当に構えにくいのですが、“Q”は完璧で、パッと狙い通りに構えることができました。

“Q”はロフト別にカラーが設定されてます。“Q18”はレッド、“Q23”はオレンジ、“Q28”はグリーン、“Q33”はライトブルーです。これもわかりやすくて良いです。クラウンにも、ソールにもカラーが入っているので、「オレンジで打ちます」とか、カラーで番手を呼ぶことも可能です。

弾道は、普通に打つと中弾道です。打音は控え目ですが、締まった良い音です。普通に打つと、というのは、高い球も低い球も自在に打てるからです。高弾道のボールも楽にイメージ通りに打てます。使っていて、面白くなりました。基本的にはオートマチックにストレートなボールを打つのに適していますが、イメージ通りにボールを打てます。

そして、振った分だけ飛びます。これには感心しました。飛びに特化していないスプーンと同じぐらい飛びます。それでいて、優しく当てると、ちゃんと距離が落ちるのです。僕の場合、ランまで入れて、210ヤードから180ヤードまでを打ち分けられました。

グリーンに向かって打つと、バックスピンで戻ったりはしませんが、スイートスポットの下目に当たったボールはそれなりに止まります。普通のグリーンなら2ピンも転がらないと感じました。

不思議な感覚でした。40.5インチの長さは普通の5番ウッドより明らかに短いのです。それなのに、5番ウッドを越えるような弾道のボールも打てるのです。短いことは、打ちやすさに繋がります。打ちやすさもバッチリでした。

楽なのに飛ぶという意味では、“Q18”は強烈な武器になります。これは4本セットではなく、この1本だけでも十分に市場で勝負できるレベルです。


 

23度の“Q23”は、ユーティリティの代表的なロフトのクラブです。打音や打ち応えは、“Q18”と同じです。更に1インチ短いのです。とにかく、打っていて易しさを感じます。前上がり、前下がり、落葉に埋もれたバンカー内のボールなど、悪いライからも打ちましたが、見事にクリーンヒットしました。

“Q23”の弾道は、普通だと高弾道に分類されます。“Q18”はやや棒球っぽい飛び方をしますが、“Q23”はスピンがかかっていることがわかる弾道に近くなります。ボールを曲げることが楽しくなるクラブです。弾道が高めなので、余裕があります。

窮地から救ってくれる部分は、“Q23”から始まるような気がします。“Q23”も飛距離の打ち分けが感性でできます。振れば振った分飛びますし、抑えるとキャリーは落ちます。僕の場合、ランも含めて、185ヤードから165ヤードまで打てました。

色々なシーンで使えます。その際に“Q23”の機能を感じるのは、ミスヒットしたときです。芯を少し外れても、ボールは予想よりも距離のロスが小さいのです。これは頼りになります。

響きに耳を傾けるようにQを感じる


 

“Q28”から、見た目ではわかりませんが、打ってみた感じがガラッと変わります。アイアンというのは、ちょっと言いすぎなのですけど、アイアンっぽくなるのです。打音が大人しめなのは変わりませんが、音質がやや高くなります。そして、弾道はまさにアイアンなのです。

28度といえば、一昔前であれば5番アイアンのロフトで、現在では飛ぶアイアンの7番相当になります。ここからが面白いのですが、アイアンより楽にボールが上がります。高さを出すのが、本当に易しいのです。これは、実際のアイアンより少し長いことと、シャフトが持っている機能なのだと推測されますが、お見事でした。

高弾道で、スピンもある程度効いているボールで、170ヤードから150ヤードの範囲を打てました。少し短く握ったりすれば、ボールを低くできます。ヘッドが少し小さいので、“Q28”は打ち込んでも機能します。ソールが上手くできているのできれいに抜けますし、深いラフでも抵抗は最小限です。

“Q28”はグリーンを狙うクラブです。形状がアイアンとは似ても似つかないので、戸惑いや違和感があるゴルファーも多いと思いますが、これは慣れてしまえば、なんでもないことですし、アイアンより明らかに優れている機能として、芯を少しぐらい外したとしてもちゃんとキャリーすることを軽く見てはもったいないのです。ミドルアイアンをフォローする1本として、“Q28”はゴルファーを助けます。


 

“Q33”は、更にロフトが寝ています。構造上、フェースが歪んで見えるゴルファーもいるかもしれませんが、僕は上手くできていると感じました。食わず嫌いではなく、打ってから判断するべきクラブです。

一番感心したのは、“Q33”は少しボールをとらえる動きをすることです。これが、ミスヒットしたときにフェースが力負けして開いてしまい右に抜ける吹け球を防ぐのです。

“Q33”の距離だと、グリーンに乗せるだけではなく、ここに止めたい、といったことも考えるので、飛距離を調整する目的で、パンチショットをしたり、カット目に打って抜いたり、色々と試してみました。ミスヒットしたときに、感触では右に行ってしまった、と感じたのに、狙いのやや右ぐらいで済んだことが2度ありました。

僕の場合だと155ヤードから130ヤードを打てました。弾道は思ったよりも低めですが、一般的には高弾道の部類に入ります。スピンが効いているので、打ち出しはやや低くなるのだと思われます。“Q33”はウッド型のユーティリティみたいな形状ですが、弾道はアイアンそのものです。

抜けの良さは。4本の中でもダントツです。打ち込んでも、ソールは跳ね返りすぎず、きれいに滑っていきます。あまりにも簡単すぎて、“Q33”を使うと下手になってしまうかも、と心配しました。ミスがミスにならないので、自分の不調に気が付かなくなってしまうような気がしたのです。


 

“Q”のシャフトには、ピトグラムがプリントされています。使い慣れれば、シャフトを確認することはなくなりますが、このアイデアは面白いです。どういうときに、このクラブを使うのかがシャフトにプリントされていることは、良い意味で魔法がかけられた証のように感じました。

シャフトは2種類で、ヘッドスピード40m/秒前後、37m/秒前後のゴルファーが対象になっている“Q”ですが、もっとパワーがあるゴルファーでも十分に使えます。シャフトを替えたくなるゴルファーもいると思いますが、まずは、このまま使ってみて欲しいです。

上手にチューニングされたクラブは、使い手の許容範囲が広いものだと僕は過去の経験から信じています。“Q”はカスタムクラブではないですが、本当に上手にできています。それは、ヘッドだけが理由ではなく、シャフトも含めたクラブとしての総合力なのです。

さて、ここまで読んだゴルファーの多くが同じ疑問を持っていると思います。“Q”の1本での距離範囲が広すぎて、意味がわからない、と。

当然です。1本で20ヤード以上飛んだり飛ばなかったりしたら、距離感がピッタリなんて夢のまた夢で、逆にオーバーしたり、ショートしたりで使えないクラブになってしまうのではないかという不安があると思います。“Q”の4本を打って最も感心したのは、『名器と認められている打楽器のようだ』ということです。打楽器は、叩けば音が鳴るので簡単な楽器だと思われがちですが、だからこそ、難しく、奥が深い楽器です。

多くの楽器の名器は、簡単に書くと音量が大きく、響きが良いという特徴があります。それでいて、弾き手のテクニックがあれば、抑えた音も自在に出せるのが名器と呼ばれる楽器なのです。その際に、どの音量でも同じようなバランスの音質が保てることがポイントになります。“Q”の4本は、振れば振った分飛び、抑えれば飛ばないのです。強く叩けば激しく大きな音が出て、優しく打てば繊細な音をさせる打楽器のようなのです。不思議という意味では、オバケのようなクラブです。

近年の易しいといわれるクラブは、どんなふうに当てても、とにかく飛んでしまって、抑えて打つことができない傾向があります。フルショットに特化したクラブを否定はしません。実際に、そういうクラブで、世界的に活躍するトッププレーヤーもいます。しかし、その場合は、細かい番手設定が不可欠です。“Q”は、飛ばすことに敏感で反応が良い点がわかりやすい機能ですが、同じぐらいボールを狙い通りに止める機能も発揮します。抑えて打つテクニックに、ちゃんと飛距離で応えてくれるのです。

例えば、新素材を使ってとか、フェースの形がとか、新しい技術を使って、それによって出る結果があれば説明はしやすいのですが、“Q”にはそれがありません。クラブに詳しい人であれば、20世紀からプロギアが得意としていた技術を今更搭載して、どうするつもりなのよ、と思うことでしょう。

言葉は合っていませんが、熟成した技術だからこそ新しい技術であるシャフトのちょっとした革新を活かして、チューニングしてみたのが“Q”だと感じました。全てのゴルファーに打って欲しいクラブです。自分には合わないとか、こんなのは上手くない人が使うクラブだとか、印象だけで決めつけるのは損です。

打ってみれば、大なり小なり、なるほどと納得できるプラスアルファを感じるはずです。個人的には、易しいクラブを求めている一般的なゴルファーよりも、“Q”の良さや面白さを強く感じられるのは上級者だと思っています。

スペック

Q18
★発売日     2018年3月23日
★ロフト/長さ   18°/40.5インチ
★シャフト    REG LIGHT ※LIGHTは受注生産
★価格      1本 35,000円+税

Q23
★発売日     2018年3月23日
★ロフト/長さ   23°/39.5インチ
★シャフト    REG LIGHT ※LIGHTは受注生産
★価格      1本 35,000円+税

Q28
★発売日     2018年3月23日
★ロフト/長さ   28°/38.5インチ
★シャフト    REG LIGHT ※LIGHTは受注生産
★価格      1本 30,000円+税

Q33
★発売日     2018年3月23日
★ロフト/長さ   33°/37.5インチ
★シャフト    REG LIGHT ※LIGHTは受注生産
★価格      1本 30,000円+税

 

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