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ミズノのGXで限界を体験せよ!

ミズノが2018年3月16日に発売した“GX シリーズ”(ジーエックスと読みます)をコースに持ち込んで、ラウンドしました。このシリーズはドライバーからウェッジまでフルラインアップですが、今回はウェッジを除いたドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンをテストしました。

ミズノが持っているテクノロジーを全て注ぎ込んで、見た目も今までのミズノにはなかったようなクラブを開発するコードネームが『ゴルフテクノロジーX』で、出来上がったクラブはプロジェクト名を略して“GX”になったそうです。そういわれてみると、確かに、見た目はプロトタイプのように余計な装飾がなくシンプルです。でも、それがカッコイイのです。

歴代最高飛距離に驚かされたGXドライバー


 

正直に書きます。ミズノの“GX”のリリースを見たときにガッカリしました。『限界飛距離の、その先へ』というコピーの裏付けが希薄だと感じたからです。

コンポジットヘッドでもなく、特別な調整機能があるわけでもなく、完全に新しいものとしては自社開発のシャフトの革新性という内容にこそ限界があるのではないか、と考えたのです。

しかし、実際のクラブをメディア試打会で見たときに「あれ?このクラブ、カッコイイじゃん」と印象が変わりました。さらに、ボールのスペックを測定しながら打たせてもらって、完全に認識が変わりました。

「何だコレは? 打ったことがない弾道だ……」

開発担当のスタッフに色々と取材をさせてもらいました。現在ある技術だけでも、もっと良いものが出来るはずだというコンセプトで、しがらみも忖度もなく、若いスタッフを中心にして開発したクラブが、“GX”シリーズとのこと。同社のカスタムモデル、ミズノプロに尻込みしてしまうようなゴルファーに使ってもらう易しいクラブということでしたが、一発打ってわかりました。

易しさは感じましたが、そんな都合の良い感じではないのです。一言で書けば、本格的にボールを打てるゴルファーを満足させることに重きが置かれているようなのです。とはいえ、最先端のクラブの多くは、練習場ではなく、ゴルフコースでコースボールを打たなければ、その本当の力を知ることはできません。そこで、クラブをお借りして、コースに持ち込んでたっぷりとテストしてみることにしました。


 

お借りした“GX ドライバー”のスペックは、ロフト9.5度、シャフトはミズノが新しく開発した純正の『MFUSION D』のSフレックスでした。シャフトの重量が49gしかないのに、しっかりしているのです。

素振りをしてみると、少し硬いという印象を持ちました。それでも、振ってみると、スッと収まるのです。振りやすいというよりか、良い感じに振らされているような不思議な感覚でした。

1番ホールは、気温1℃。快晴で無風。厚着のせいでヘッドスピードは40m/秒ぐらいでした。軽く振りました。真芯に当たりました。打音は短音なれど適度な響きもあり、音量も大きすぎず、小さすぎず良い感じでした。打ち応えは、最高レベルです。ボールが潰れて、押し返すような感触がありました。

9.5度とは思えない高弾道… ボールが落ちてこない棒球でした。ややドローを狙いましたが、きれいなストレートボールになりました。衝撃を受けました。ボールはトータルで240ヤード飛びました。昨年末から飛ぶドライバーをたくさん打っていますが、そういう中に入っても、トップ争いができます。

2番ホールでも、飛距離は同じ。ややフェードしました。この時点で、ボールが曲がりにくいという特徴と左に行きづらいことも確信しました。4番ホールでは思い切って大きなドローを狙いましたが、狙いの半分しか曲がらず、少し距離が落ちました。これは、弾道が棒球なので、ボールが最適な高度まで上がらなかったことが原因のようです。6番ホールで、しっかりとフルスイングをしました。惚れ惚れするような弾道のストレートボールは、250ヤード飛びました。

“GX ドライバー”の飛距離性能で、間違いなく断言できることがあります。僕が打ったことがあるミズノ製のドライバーの中で、歴代最高に飛びます。『ミズノのウッドは飛ばない』という巷の声は、このクラブで変わるかもしれません。

面白いのは、理屈がわからないけど飛ぶということではないことです。練習場でボールスペックを計測したときからわかっていましたが、スピン量が2200回転~2300回転にきれいに収まるのです。こんなドライバーは生まれて初めてでした。

他のゴルファーが最適なスピン量になるドライバーに出逢っているのに、自分だけはチューニングしてもらっても3000回転を下回るのが限界という経験を何十回もしてきました。コースでも、最適なボールスペックの数値を打てれば、僕でも飛ぶのです。

“GX ドライバー”についてもう一つ特徴的なことがあります。打ち応えは気持ちが良いことは、ミズノのクラブの真骨頂ですが、芯を少し外しても初速が落ちない感覚がありました。

そして、それが曲がりに直結しません。簡単に書けばミスヒットに強い、ということですが、多くのそういう機能に優れたクラブは、芯に当たった感触が鈍く、芯にヒットしたのとミスヒットの差が伝わりにくいという傾向があります。“GX ドライバー”は、全く別物です。フェースのどこに当たったのかは明確に伝わります。

『MFUSION D』という新しいシャフトも使うほど頼りになりました。自分が上手くなったと勘違いするほど、敏感に、望んだ動きをしてくれます。スチールシャフトのような操作性を感じました。

始めに注意して欲しいのですけど、“GX ドライバー”を試すときにはコースボールを使ってください。練習場のレンジボールでは機能の半分も体感できません。もちろん、コースで使用するときは、最先端の機能を持ったボールを使うことをオススメします。

“GX ドライバー”は、少し長めの期間、お借りできたので、インプレ以外のラウンドでも何回か使わせてもらいました。40回以上打ちましたが、大きなミスはゼロで、顔見知りの同伴者に飛距離性能で衝撃を与えました。「このクラブを使うなら『貧打爆裂』じゃなくなって、『豪打爆裂』になっちゃうから、絶対に買わないで」とお願いされたりもしました。


 

フェアウェイウッドは、ロフト15度、『MFUSION F』のSフレックスでした。構えたときの印象は、すこぶる良い感じです。スッと構えて、狙いを定めることができますし、フォルムも安心感があります。良いスプーンだなぁ、と期待が高まります。


 

“GX フェアウェイウッド”を最初に使ったのはパー5の2打目でした。フェアウェイで、平らでボールも浮いているライでした。良い打ち応えで、芯に当たった感触がありました。しかし、ボールは想定していた高さの半分にしか上がらずに、ストレートに飛んで行きました。ボールの所に行ってみれば、210ヤードは飛んでいるので飛距離は合格点ですが……

良い当たりで、ミスの要因は一切ありませんでした。ドライバーでは棒球を打つのにプラスになった低スピン性能が、スプーンだとマイナスになるのかもしれません。いわゆる、浮力がないフェアウェイウッドです。

“GX フェアウェイウッド”をその後8回使いました。フェアウェイからは、相当に振って速度を上げないと浮力が足りない状態が続きました。転がりが多いことは、そういうものだと思えば悪くはないのですが、ちゃんとキャリーで距離を出したい、と考えてしまうのです。貧打爆裂レポートの撮影もありましたから、困ったことになったと頭を抱えました。(そのまま低い球を打っている素材になりました)

とはいっても、“GX フェアウェイウッド”が駄目なわけではありません。ティーアップして使用すると強烈に飛ぶスプーンになります。曲がりにくいという性能は、ドライバーと共通ですから、狭いホールの第1打目に使用するシーンが想像できます。

僕の場合で考えると、15度ではなく、18度にするという選択肢もあると考えました。“GX フェアウェイウッド”をフェアウェイから使った場合、15度と18度だと、平均飛距離は後者のほうが飛ぶと思われますし、飛距離の差も10ヤードだとしたら問題ないと考えました。

フェアウェイウッドは30年以上スプーンのみで過ごしてきましたが、それを曲げてクリークをバッグに入れることまで想像したのは、ほぼ初めてのことです。“GX”にそれだけの魅力があることの証となりました。

飛ばしとスコアメイクを融合させる難しさ


 

コースに持ち込んだ“GX ユーティリティ”のスペックは、3番相当の19度と4番相当の21度で、シャフトは『MFUSION U』のSフレックスでした。ユーティリティは一昔前まではお助けクラブでしたが、現在ではこだわって上手に使うことでスコアメイクを楽にする戦略的なクラブとなりました。

ロングアイアンの代わりとして機能させることを優先しているクラブと、独立したロングレンジを担うクラブとして開発されたものとで、極端に分かれていますが、一括りにユーティリティになっているので、戸惑っているゴルファーが多いのが実態です。“GX ユーティリティ”は、ロングアイアンの代わりというより、ロングレンジを打つ独自のクラブという感じがしました。


 

最初に使ったのは、19度で、ティーアップして第1打目として打ちました。惚れ惚れする弾道で、少しドローしながら飛んで行き、195ヤード飛びました。打音も良いし、ボールの高さもちょうど良い感じで、かつ、飛距離も十分なので好感触でした。

別のホールで第2打目を打つのに“GX ユーティリティ”の19度を使用しました。平らなフェアウェイでした。真芯に当たったボールは、ほぼストレートに飛んだのですが、ややボールは低めで、棒球気味に飛んで行きました。グリーンを狙ったショットではなかったので止まり具合は想像するしかないのですが、スピンで止まるという感じはしませんでした。

どのようにして使うかと考えたときに、“GX ユーティリティ”の19度は面白いです。200ヤード近い距離を打つクラブに、飛んで止まるなんていう一石二鳥を望むのは無い物ねだりです。優先順位を明確にすることが、ゴルフを劇的に易しくすることをゴルファーの多くは実体験として知っています。個人的にも、19度のユーティリティは飛距離優先で考えますので、“GX ユーティリティ”の19度は合格です。

続いて、“GX ユーティリティ”の21度を打ちました。こちらは、フェアウェイからも、ラフからも完璧に打てて、良い球が出るのです。高さも良い感じで、飛距離も19度とあまり変わりません。

キャリーでだけで見れば、明らかに21度のほうが飛んでいました。つまり、21度はそれなりにスピンも効いているのです。たった2度のロフトの違いで、違うクラブのように機能するということは、実は結構よくあることなので、あまり驚きませんでした。“GX ユーティリティ”の21度があるのなら僕の場合、19度はいらないかもしれないと思いました。

“GX ユーティリティ”の21度は、適度な浮力があるので、ボールを曲げることもできましたが、曲がりにくい特性は健在です。基本的にはストレートに飛ぼうとします。使っていて楽しくなるクラブでしたから、1ラウンドだけではなく、ドライバーと同じように使いまくりました。

ユーティリティというクラブは、ボールをとらえやすく出来ていて、左にボールが行きやすい傾向があります。それが原因で、ユーティリティが打てないと諦めているゴルファーがたくさんいます。しかし、“GX ユーティリティ”はその悪い癖がありません。左に行かない安心感があるという一点だけでも、このクラブを試す価値があることを保証します。

ただ一つ、注意すべき点は、“GX ユーティリティ”は、あまり易しくはない、ということです。ユーティリティの大半は、ロングアイアンを打てないゴルファーを助ける目的で作られています。これらのユーティリティは易しいのです。同じ感覚で“GX ユーティリティ”を使うのは危険です。ロングアイアンを補完するものではなく、ロングアイアンが打てるのに、プラスアルファの機能を使いたいから選ぶのが“GX ユーティリティ”なのです。

そういう意味で、19度は低めの弾道で、ランも使って飛ばすクラブ、21度はグリーンを狙うような状況でも使えるクラブで、一発の飛びでは19度には敵わないと考えると、選択肢として良く出来ていると感心しました。ミズノがどちらにするかを選びやすいように、強いて2度刻みにしたのであれば、素晴らしいことです。

残念ながら、そのなような説明はどこにも書いていません。ショップの店員さんでも、そこまでは外観ではわからないのが実情で、ロジックで納得して買う決断をするゴルファーは少ないかもしれません。


 

“GX アイアン”は、7番アイアンのロフトが29度です。ギリギリでぶっ飛びアイアンに分類されるアイアンです。6番からPWまでの5本セットです。

基本的な構造は、深く穴が空いたような凹みがあるポケットキャビティです。軟鉄鍛造ですが、素材は軟鉄ボロン鋼で、新しい製法を採用することで、フェースの反発力を増すことに成功したそうです。ミズノらしさがフルに発揮されているのは、番手によって工夫があることです。

6番と7番アイアンは、キャビティーを深くして、ソールのトウ側にタングステンのウェイトを入れることで、よりスイートエリアを拡大しています。PWはボールを止めやすくする目的でキャビティが浅くなっているのです。(上の画像の左側がPW)

シャフトは『MFUSION i』のRフレックスです。“GX アイアン”には、Rフレックスと、SRフレックスのみで、Sフレックスの設定はありません。


 

“GX アイアン”は、ミズノのアイアンとしては驚異的にフェース長を長くしています。6番アイアンで84ミリを越えています。フェース長が長くて気持ちが悪いという声も聞こえた“ミズノプロ 918”の6番アイアンですら81ミリ強です。

フェース長は原則として長いほうがスイートエリアを大きくしやすいプラスがありますが、構えにくく感じたり、操作性が鈍くなると感じたり、ラフなどから抜けが悪くなるというマイナスもあります。
しかし、構えたときにフェース長の長さをあまり感じませんでした。そう見えないように、丁寧に作ってあるのです。

実際に打ってみました。打ったときの打音は澄んでいます。少し大人しめですが、良い音がします。打ち応えは流石ミズノです。フェースに当たって、ボールを弾く感じが伝わります。そして、初速感も感じます。ドーンと加速してボールが出ていく感じがします。

ボールはロフトよりも高めに飛びます。これは好感触でした。やや棒球っぽい弾道です。ボールは曲がりにくいのですけれど、無理にやればドローもフェードも出ます。

フェース長が長いアイアンはフェードを打つのは易しくできますが、ドローはかけにくいのが普通です。“GX アイアン”も同じようにフェードはイメージを出せば打てます。しかし、左には行きづらいので、ドローは自然には出ません。曲げようと極端にやっていくとある境界線を越えた時点で急に曲がり出します。ストレートに飛ばそうとする機能は徐々に薄れるのではなく、ここまでという境界線があります。

“GX アイアン”は飛びます。ロフトよりも飛んでいる感じがしました。ボールの止まりは、コントロールできるギリギリです。6番アイアンで良い球を打って、平らなグリーンなら落ちてから1ピンぐらいで止まります。少し当たりが悪いと2ピンぐらいいってしまいます。ショートアイアンほどスピン量は増えていき、9番とPWはかなり止まるようになります。

“GX アイアン”で、最も特徴的だと感じた点は、スイートエリアの大きさです。とにかくミスヒットに強いのです。トウ側も、ヒール側も、ずれて当たってもボールはナイスショットのように飛んで行ってくれます。上下にも強いです。多少のダフリやトップは“GX アイアン”が吸収してくれる感じです。この機能には、少し恐怖を感じました。こんなに易しいアイアンが主流になったら怖い、と思ったのです。

“GX アイアン”と『MFUSION i』のシャフトを組み合わせる場合に、今回コースで打ったRフレックスで十分だと感じました。構えたり、軽く素振りをするぐらいだと、Rフレックスの頼りなさを感じるのですが、打ってみるとビックリするぐらいしっかりしているのです。頑固さを感じるぐらいに小細工を受け付けないシャフトです。しっかりと振りきらないと機能しませんでした。

“GX シリーズ”を一通りコースで試した結果、まずは、ドライバーには惚れました。素晴らしい出来です。2017年に出た“MP ドライバー”はヘッドスピードが速いゴルファーに好評でしたが、一般的なヘッドスピードだと飛ばすための機能に辿り着けないという印象でした。その機能がヘッドスピード40m/秒でも使えるようにチューニングしたのがGXの飛びの秘密らしいのです。本当に感動しました。よくわからないクラブだと、食わず嫌いで通りすぎるにはもったいないドライバーです。

フェアウェイウッドとユーティリティは、通好みで中途半端を許さない、という姿勢が見え隠れして好感触でした。クラブとしても面白いと思いました。自分に合ったクラブが見つからなかった人や、吹き上がる弾道に苦しんでいるゴルファーには、他に代わりがない最高の1本になる可能性があります。

アイアンも良かったです。スライスに悩んでいる人には使いにくい可能性がありますが、引っかけや強いフックに悩んでいるゴルファーにはドンピシャですし、プレッシャーがかかったときにちょっと芯を外してしまう癖があるゴルファーは“GX アイアン”があれば、それで悩むことはなくなるはずです。

もう少しアイアンで飛ばしたいけど、打ち応えが頼りないアイアンは使いたくないというオールドゴルファーにもオススメです。また、本格的な感触を体験しながら、難しくなりすぎないようなクラブでプレーしたいというやる気のある若いゴルファーにも、オススメしたいと思います。

ミズノが持っている資産をフルに使って世に出した“GX シリーズ”は、現在の風潮を取り入れながら本筋は踏み外さない信念を感じさせます。新しいブランドは浸透するのに時間がかかるものですが、たくさんのゴルファーを助けるクラブとして認知される未来が来ると良いなぁ、と真面目に願ってしまったのです。

スペック

GX ドライバー

★発売日     2018年3月16日
★ロフト     9.5° 10.5°
★ヘッド体積   460cc
★価格      MFUSION D オープン ※実勢価格 64,500円+税

GX フェアウェイウッド

★発売日     2018年3月16日
★番手とロフト  #3/15° #5/18° #7/21°
★ヘッド体積   #3/180cc #5/165cc #7/155cc
★価格      KMFUSION F オープン ※実勢価格 37,000円+税

GX ユーティリティ

★発売日     2018年3月16日
★番手とロフト  #3/19° #4/21° #5/23° #6/25°
★価格      MFUSION U オープン ※実勢価格 35,000円+税

GX アイアン

★発売日     2018年3月16日
★番手とロフト  #6/26° #7/29° #8/33° #9/38° PW/43°
★価格      NS PRO 950GH HT 5本セット(#6~PW)オープン ※実勢価格 92,500円+税
         MFUSION i 5本セット(#6~PW)オープン ※実勢価格 110,000円+税

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