ゴル子のゴルフことはじめ「池の秘密」
- 2015.04.01
- おもしろ
皆様こんにちは、ゴル子です。
お元気でしょうか。ゴル子は相変わらず元気です。
梅も終わり、桜が咲いてきましたね。
春になるとゴルフ場もお客様が増えてきます。
冬は凍っていた池も、今では池らしく存在しています。
お客さん:「キャディさん、このコースの池は・・・相変わらず広いね」
ゴル子の働いているゴルフ場のショートコースの池は、まるで海のような情景です。
お客さん:「キャディさんは、この池の秘密、聞いたことあるだろう?」
ゴル子:「ぬ。池の秘密ですか」
お客さん:「そう、僕は元々この辺りで生まれ育ったから知っているのだけれど、あの池はゴルフ場が作られる前から池として元々あったんだ。そして、あの池には昔から、こんな話が言い伝えられている・・・と言いたいところだけど、今はゴルフがしたいから、キャディさんには、この本をあげよう」
ゴル子:「国語辞典ですか」
お客さん:「外見は国語辞典のように見えるかもしれないけど、実は古くからある大層貴重な書物なんだ。今までは僕が大事に保管してきたんだけど、キャディさんなら、この本を所有するに相応しい人だと思うからプレゼントするよ」
ゴル子:「なんと」
お客さん:「一人になった時、心を鎮めてページをめくってごらん。確か678ページあたりだったと思う。この池の秘密が記してある。とても興味深いものだよ」
ゴル子:「どうもありがとうございます」
大層な物を頂いてしまいました。
あの池に何か秘密があったとは、どういうことなのでしょうか。
秘密・・・。
池の底に財宝が眠っているという類のお話でしょうか。
それとも、実は、あの池の底には毎年、数万個の卵が産み落とされていて、夏になったら卵から生まれた人が地上に飛び立っていくのでしょうか。
はたまた、昔あの池で恋に落ちた男女が、水遊びをした際、女子のサンダルがうっかり脱げてしまい池の中へ沈んでいったのですが、まぁ198円だったしいいか、と諦めたという悲しいエピソードでしょうか。
今まで何気なく見ていたゴルフ場の池が、こんなにもミステリアスに見えるとは、不思議なものですね。
早速今晩試してみようかと思います。
「ただいま」
心を鎮めて678ページ。
何か手紙のようなものが、はさまれています。
“この書物を受け継がれし者へ”
ゴル子のことですね。
“あの池の事を知りたいのであろう。知りたければ、この地図に書いてある場所に行きなさい。答えが見つかるであろう”
地図に書かれている場所は、どうやらゴル子の家から近いです。
ここまで来たらどこまでも秘密を探りに行きましょう。
歩いて5分くらいの場所です。
つきました。
“池の秘密館”
中に入ってみましょう。
大丈夫でしょうか。
やっぱり帰ろうかな。
“池の秘密、絶賛上映中”
中は映画館のようです。
特別上映会でしょうか。
なにか秘密が分かるかもしれないので観てみましょう。
“驚愕!池の秘密”
意外とお客さんいるもんです。
“池には様々な生き物がいます。メダカ、ヌカエビ・・・”
“そして信じられない事に、あの池の水は美容と長寿に良いということで古くから飲み水として飲用されており、今でも人の目を盗んでは池の水を汲む人がいるほどでございます”
池の色は緑色で濁っているのに飲めるんですね、なんて凄い。
“また、池を潜水すること1時間。そこに広がるパラダイス、確実に辿り着けるとは限らない夢の世界。あの池には、この世では考えられないような未知の可能性が秘められているのです”
“池の底に溜まるロストボール。それは異次元への入り口。黄昏の僕”
“夜中になると池は月の輝きを吸収し、静かなる池の妖精の戯れを見ることができるという”
“ほかにも・・・”
“・・・”
ただの池だと思っていたのに、凄いことが分かりました。
次回作もあるんですね。
お客さん:「分かりきってるけど観にきちゃうね」
・・・
・・
4月1日。