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パターのスランプは、グリップで脱出できるかも?!

  • 2016.01.07

「グリーン周りのアプローチでは、まずパターが使えるか考えなさい。もし、使えるならば迷わずパターを持ちなさい」

“世界の青木”こと青木功プロの名言です。青木プロはこの言葉で“パターが一番簡単なクラブである”ことを我々に教えてくれています。

「え?パターが一番難しいんじゃないの?!」

と、お考えの方もいらっしゃると思います。たしかに、この言葉はとても解釈が難しいのです。そこで、この青木プロの名言をわかりやすく解説いただいた、あるレッスンプロのお言葉を紹介いたします。

「想像してみてください。あなたのボールはグリーンのカラーにあり、ホールまで15ヤードです。あなたはピッチングウエッジ(PW)とパターの両方でそのアプローチを打ちました。そして、ボールはどちらも1ピンの距離まで寄りました。結果は同じですが、満足度が高ったのはどちらのクラブでアプローチした時でしたか?」

催眠術かクイズみたいですよね。このティーチングプロの言葉で「なるほど!」と青木プロの名言の真意が心に“スッ”と入った方は、間違いなく平均スコアが5つはアップしますよ。

さて、ティーチングプロの解説をさらにわかりやすく説明します。

どちらも同じ結果なのにPWでアプローチをした時は「よしっ!1ピンまで寄った!」と高い満足感が得られるのに対し、パターの場合は「しまった!1ピンも残してしまった!」とミスをしたような気持ちになりませんでしたか?

つまり、パターはそれだけ“簡単なクラブ”、言い方を変えると“良い結果をイメージしやすいクラブ”ということなのですね。

まったくゴルフの経験がない人でも「パットパットゴルフ」では楽しくプレーできることからも、パターというクラブがどれだけ“やさしい”クラブか、容易に想像できるでしょう。

ところが、この“一番簡単”なはずのパター。シンプルでやさしいだけに奥も深いのです。プロ・アマチュア問わず、深刻なスランプに迷い込んで悩んでいる方が大勢いるのもまた事実なのです。

そんなパターのスランプ、実はパターそのものよりも“グリップ”が原因であることが多いということをご存知でしたか?

パターのスランプ脱出方法として、“パターを買い替える”という方法があります。ところが、パターの数に比例して“迷い”も増えてくるものです。また、経済的な理由からも全ての方におすすめはできません。

ところが、パターはグリップを“かえる”だけでも大きな効果を得る事ができるかもしれません!

ここでは、パターのスランプを脱出する手掛かりを“グリップ”に焦点を当て、“替える”と“変える”の2つのキーワードを使ってわかりやすくご案内いたします。

まずはグリップを“替える”



「え?ゴルフクラブのグリップって交換できるの?」

そうですよね。そもそもゴルフクラブのグリップを交換できることをご存知ない方も意外と大勢いるのです。そんな方のクラブを見せてもらうと、グリップのラバーは劣化してところどころヒビ割れ、弾力性もなくなりツルツルになっていたりします。

クラブのグリップが劣化していると滑りやすく、力を入れて握らないとすっぽ抜けてしまいます。そうなるとグリップを握る手に力が入り、その結果身体のあちらこちらにも余計な力が入り、良い結果を出すのが難しくなります。

アマチュアの方でもシーズン中に1~2回、またはそれ以上グリップ交換をされる方もいます。ゴルフショップやスポーツ用品店でも1本500円前後で交換はしてくれますし、そのショップで買ったパターであれば、1本くらいであれば無料で交換してくれるショップもあります。

クラブのお手入れが好きな方には、ご自分でグリップ交換をされる方もたくさんいます。そうやって、クラブのコンディションを自分で整えることもゴルフの楽しみ方のひとつですし、なによりクラブへの愛着も深まり、その結果良いスコアへとつながっていくというわけです。

さて、話をパターに戻しましょう。

少し前までとても良いタッチで打てていたパターの調子が、最近あまり良くない。こんな方は、まずパターのグリップを点検してみましょう。

~ラバーが劣化して、滑りやすくなっていませんか?~

パターも他のクラブ同様、グリップが滑りやすいと余計なところに力が入り、タッチが狂ってくることがあります。また、細めのグリップの場合、インパクトの際にヘッドが微妙に回転してしまい、方向性に大きく影響がでることもあります。

~グリップの“角”が丸まっていませんか?~

パターグリップの多くは、クラブフェイスと垂直になるようにグリップの前面が平らになっています。この時にできるグリップの“角”に触れる指の感覚が、ホールに対してスクエアに構えるための大切な基準になっているのです。

ところが、長年キャディバッグから繰り返しパターを出し入れすることによりグリップの“角”がだんだんと削れてしまい、丸くなっていくことがあります。それが理由で手の感覚がずれてしまい、あなたの方向性を狂わせていると言えるのです。

前出のグリップ交換を頻繁にされている方でも、パターのグリップは一度も替えたことが無いという人が少なくありません。

さて、あなたのパターグリップはいかがですか?パターは力を入れて振り回すクラブではありませんが、それでも微妙なタッチの誤差が積み重なると、大きなスランプの穴に落ちてしまいます。



次にグリップの交換が必要と思われた方へ、グリップのタイプ別に特性をご紹介いたします。まずはご自分のパッティングスタイルにあったグリップはどれに当たりそうか、検証してみてください。

①細い/太い

細いグリップ:インパクト重視

細いグリップは手首が自由に使えるので、インパクトの強さなどを手の感覚で微調整することができます。また、グリップ自体軽いのでヘッドの重量をしっかりと意識することができ、その重さを利用した“ヘッド任せ”のストロークができます。

デメリットとしては手首が自由に使える分、一度感覚がずれてしまうと調整が難しくなります。L字型、ピンタイプ等、比較的ヘッドの軽いパターに向いています。距離感が合わない方は、このタイプのグリップに替えてみては?

太いグリップ:ストローク重視

太いグリップは力を入れてグリップを握ることができないため手首の自由度が減り、方向性の高いストロークが期待できます。また、グリップ自体が重くなりヘッドの重さが“軽く”感じるようになるため、クラブのコントロールがしやすくなります。

デメリットとしては、急にヘッドが軽く感じられるようになると距離感を合わせにくくなります。ただし、これは練習で克服できる範囲ではあります。比較的ヘッドの重いマレットタイプのパターに向いています。方向性に悩んでいる方は、太めのグリップを選んでみてはいかでしょうか?



グリップの『細い』『太い』は手の大きさや個人の感覚によってそれぞれ感じ方が違うので、自分のクラブや手の感覚を意識してゴルフショップで試打をしながら選んでみてください。

②テーパーとノンテーパー

“テーパー”とは、ヘッドに近付くにつれて少しずつ細くなっている形状のグリップを言います。通常のパターグリップは、ほとんどがテーパー型となります。

これに対して“ノンテーパー型”と呼ばれているグリップがあり、手元からグリップの終わりまでの太さが一定になっています。

テーパー型:手の感覚をヘッドに伝えやすい

細い太いにかかわらず、ノンテーパーと比べて手に馴染みやすくクラブのコントロールがしやすいグリップです。また、ロングパットの距離感が合わせやすいのも特徴のひとつです。手の感覚は大事にしたいというゴルファーには、テーパー型がおすすめです。

ノンテーパー型:手の動きを制御して、ストロークが安定する

手の動きが制御されるためクラブの余計な動きが少なくなり、安定したストロークが期待できます。ショートパットでのミスを減らせることでも注目されています。

この型はスーパーストローク社が“極太パターグリップ”として開発したもので、男子・女子とも多くのツアープロが採用し、すでに十分な実績を残しています。

③柔らかい、硬い

グリップを選ぶ時に、見逃しがちなのが“硬さ”です。こちらも人それぞれに好みがあるので一概にどちらが良いとは言えませんが、同じような形状のグリップでも硬く感じたり、柔らかく感じたりするものです。硬さの判断をする時は、この“感じる”というところが非常に大切なポイントとなります。

例えば試打をしている時に“グリップが吸い付き過ぎる”、または“グリップが滑る”など、手に馴染まず違和感を感じるようなものは、たとえ人気のグリップだとしてもあなたには合わない可能性が高いので、集中して心地良い硬さのグリップを探してみてください。



また、ゴルフは雨の中でプレーすることもあります。その時に滑りにくいグリップとしては、“コードグリップ”と呼ばれる、ゴムに糸が練りこまれたものがあります。多くのツアープロにも採用されているグリップです。雨でなくても手に汗をかきやすい方は、コードグリップを検討してみてはいかがでしょうか。

さて、あなたのプレースタイルとパターに合ったグリップのイメージはできましたか?それでは実際にグリップを選んでみましょう。

人気のメーカーをご紹介いたしますので、参考にしてみてください。価格帯も広いですが、パターを買い替えるよりもはるかにリーズナブルですので、楽しみながら選んでみましょう!

《スーパーストローク》

カラフルな色と“極太”で人気のグリップ。太さは一番細いもので直径が28mm。特に“SLIM 3.0(直径33mm)”は、国内・海外での多くの優勝者が使用していることで一躍有名に。

《オデッセイ》

言わずと知れたメジャー大会使用ランキングでトップを走っている有名パターブランド。オデッセイはグリップも単体で販売しています。機能性もさることながら、他のメーカーのパターに純正ではないオデッセイのロゴが入ったグリップを装着し、“オンリー・ワン”のクラブにしてみても面白いですよ。

《ゴルフプライド》

グリップ業界では最大手のメーカーです。革製のグリップが主流であった時に、初めてラバーグリップを開発した先駆者。機能性へのこだわりに妥協はなく、現在もグリップ業界を牽引し続ける老舗メーカーです。

《ウィン》

色、デザイン、機能、そしてそれらを組み合わせた個性的なグリップといえば“ウィン”。フィル・ミケルソン選手のコーチでも知られているスーパーインストラクター、ブッチ・ハーモン氏と共同開発したノンテーパーの極太グリップが注目されています。

また、“PINK RIBBON(ピンクリボン)”や“HERO(ヒーロー)”といったネーミングのグリップを販売しており、それぞれ乳がんと闘っている女性や、米軍兵士をサポートするといった社会貢献にも力を入れているメーカーです。

《イオミック》

しっとりとした吸い付くようなグリップ感と、シンプルでカラフルなパステルカラーが魅力のグリップメーカー。見た目はシンプルでも実力は本物。“I-Classic Putter MID(中太)”は手にフィットしやすく、多くのツアープロに使用され実績を上げている逸品です。

《ラムキン》

グリップは中太のミディアムサイズで手に馴染みやすく、前面が平らになっていてスクエアに構えやすい“パドル型パター”がラムキンの看板商品。そのパドル型のコード入りモデル“パドル型コードパター”は、多くのツアープロにも愛用されている名品です。

グリップを“替える”だけで、あなたのパターも生まれ変わります。

選び方の注意点としては、通信販売ではなく必ずゴルフショップで自分の手で感触を確かめることです。買い替えるよりもリーズナブルな方法ですので、是非いろいろトライしてみてください。

ただし、パターグリップの形状にもルールが存在します。一般的に市販されているグリップであればおおむね大丈夫ですが、気になる方はゴルフショップの店員さんにたずねてみましょう。

つぎにグリップ(握り方)を“変える”

パターも他のクラブ同様、さまざまな握り方があります。しかしパターで大切なのは微妙なタッチや距離感であり、パワーではないので、そのスタイルは自由度が高いと言えます。極端な話をすると、正確な距離感と方向性を出せればどんな握り方でもOKとも言えます。

しかしながら、どのようなスポーツにも基本はあります。基本は上達への一番の近道です。まずは基本をしっかりと確認してください。

《オーバーラッピング》

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ドライバーやアイアンのショット時に、もっとも多くのゴルファーに採用されている握り方。このグリップは手首の自由度が高く、ショットの時と同様、力がヘッドに伝わりやすいという特徴があります。

これは、パターにとってはデメリットともいえる特徴でもあります。ヘッドの軽いパターを使い、インパクトでの微妙なタッチと距離感が重視されている上級者の方におすすめの握り方です。

《逆オーバーラッピング》

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パターの握り方としては、もっとも多くのゴルファーの支持を集めているグリップ。握り方はオーバーラッピングの逆で、左手の人差し指を右手の小指、薬指、中指に置くようにします。左手の人差し指をグリップから離すことによって左手に余計な力が入らなくなり、右手のタッチを出しやすく、イメージしたラインに乗せやすくなります。

また、左手の人差し指を深く右手に掛けるほど、両手の一体感を得やすくなります。イ・ボミ選手も逆オーバーラッピング(左手人差し指は、右手の中指に置いています)を採用しています。

《クロスハンド》

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その名の通り、右手と左手の位置を逆にするグリップ。両手首の自由を封じ、安定したストロークができる利に叶った握り方のひとつ。“自分のパッティングに革命を起こしたい”という深刻なスランプの方には、是非チャレンジしていただきたいグリップです。

最初は距離感を出すのが難しいですが、これは練習で克服できる範囲のものです。クロスハンドを自分のものにできれば“一生の宝”になるかもしれませんよ。あのジャック・ニクラウス選手も「生まれ変わっても今のゴルフスタイルを変えるつもりはないが、パターだけはクロスハンドにしたい」とクロスハンドグリップへの憧れを言葉にしているほどです。

デメリットとしてはショット時と両手の位置が逆になるので肩の位置など“身体のバランス”を崩し、ショットのスイングに影響が出やすいので注意が必要なところです。

その他にも“テンフィンガーグリップ”や“クロウグリップ”、はたまた“長尺グリップ”等、特別な握り方も多々ありますが、まずは基本の3つを試してから他に進んでみてください。



さて、あなたの理想のグリップと握り方は見つかりましたでしょうか?最後にパターの精度を上げるためのおまけアドバイスを2つご紹介いたします。

まずは“リズム”。パターもショット同様“リズム”がとても大切です。完璧なアドレスも、最初の“イチ”がなければスタートしません。これは“トリガー(引き金)”と呼ばれ、ドライバーやアイアンにおける“ワッグル”のような役割を果たします。

“グリップだけ少し前に出す(フォワードプッシュ)”、“かかとを軽くあげておとす”、“指でリズムを取る”等なんでも良いのですが、心地良いストロークの流れをつくるための“イチ(トリガー)”を見つけてスムーズなストロークにつなげましょう。

自分のリズムを確立できるとリラックスにもつながります。“ニイ(テイクバック)”から“サン(インパクト)”に気持ちよくつなげることができる、自分だけの“イチ(トリガー)”を見つけてみてください。

次に、グリップを握るイメージの話です。「ショットは軽く雑巾を内側に絞るようにすると安定する」と言われていますが、パターの場合はその“雑巾絞り”を逆にすると、手首の動きを抑えられてストロークが安定すると言われています。

グリップに力が入ると、ついつい内側に絞り込んでしまいがちです。ラウンド中の大事なパットの前に“逆雑巾絞り”を思い出して、両手を軽く外側に絞るところをイメージしてみましょう。手の力が“スッ”と抜け、リラックスしてストロークができますよ。

この2つのポイントを意識するだけでも、あなたのパットは大きく変わるはずです。

300ヤードを飛ばしても、1cmのパットも同じ“1打”です。冒頭にもご紹介いたしましたが、パターは“一番簡単”なクラブなのです。青木功プロの言葉を信じて、自分のタッチを取り戻しましょう!

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この記事を書いたライター

全盛期のハンディキャップは「8」。アメリカで鍛えたゴルフの腕には自信あり。
一番の思い出は500ヤードを超える正真正銘のパー5で2オン1パットのイーグルを達成したこと。
好きなクラブは6番アイアン。日本のコースでのティーショットは、6番アイアンを持つことが最も多い。

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