再現性の高いスイングをするために!アドレスの「実際の形」と「感覚」のすり合わせをしよう
目次
ゴルフで最重要な要素となるのが「再現性」。
いろいろな球技がありますが、同じ球技とはいえ、そこに求められるスキルには案外大きな違いがあるものです。
サッカーなどの動きの中でボールを取り扱う競技においては、「動体視力」や「俊敏性」などが大切な要素となりますが、止まったボールを操作するゴルフにおいては、「俊敏性」も「動体視力」もほとんど必要はないものです。
それでは、ゴルフにおいてどんな要素が重要となるかというと、一番重視したいのが「再現性」という要素。
スイングのバリエーションよりも、どんな時でも同じスイングを再現することが出来ること・・いわゆる再現性の高いスイングが出来ることこそが、最も求めるべきスキルなのではないでしょうか。
「再現性」を得るために重要なのが「アドレス」。
ゴルフにおいて最も重視すべきポイントとなるのが「アドレス」です。
これは、再現性を高める上で最も大切な要素となるからなんですね。
それには、2つの理由があります。
1)スイングの始発点となるのがアドレスだから。
スイングをする上で、その始発点となるのが「アドレス」です。ゆえに、再現性の高いスイングをするためには、いつも同じアドレスであることが必要となるわけです。(実際には、傾斜の有無によってアドレスも変化しますが、それは状況に応じたバリエーションと考えてください。)
始発点であるアドレスの形が異なっていたら、当然スイングも異なりやすくなりますからね。
2)唯一自覚できるのが「アドレス(姿勢)」だから。
スイングは瞬間的な出来事です。そんなスイングの軌道がどのようになっていたかなどは、実際に自分ではなかなか自覚することは出来ないものですよね。
仮に、瞬間的にスイングの違いを感じられたとしても、それを瞬時に修正することなどは不可能に近い話です。
そんな中、自分でその形を自覚することが出来るのが「アドレス」。
ゆえに、アドレスは唯一、毎回自分で意識することによって再現性を高めることが可能な要素なのです。
アドレスに潜んだ罠?「実際の形」と「感覚」との食い違い。
再現性の高いアドレスを作る上でひとつ認識しておかなければいけない要素があります。
それは「実際の形と感覚とのギャップ」の存在です。
人は身体を動かすときに、意識(神経を通じて電気信号を筋肉に伝える)によって身体を操作します。その動作は、ひとつひとつの身体パーツを物理的に捉えるのではなく、あくまでも感覚的に必要な身体部位をシンクロさせて動かすものです。
例えば「立ち上がる」という動作をする上では、「腿の筋肉を動かして、そしてふくらはぎの筋肉も使って・・」などと部分的・段階的に意識することはなく、あくまでも”立つ”という動作全体を感覚的に意識するだけで、目的の動作を達成するわけです。
そこで問題となるのが、実際の形(身体を動かした結果の形)と感覚(身体を動かす意識)との間でギャップが生じることが多々あるということ。
これは写真を撮ってもらうときなどに、誰しもが経験したことがあるのではないかと思いますが・・。
「まっすぐに立ってください」と言われ、その通りにしたつもりなのに、撮影者から「右肩が上がってます」とか「全体的に左に傾いて立っています」などと修正(指摘)を受けることってありますよね。
それは、本人としては「まっすぐ立つ」ということを身体に指令した(感覚的に伝達)わけですが、結果がそのようになっていないことがあるということを意味しています。
さらに、実際の結果がどのようになっているのかを自分ではなかなか自覚できていない(感覚的に認識できない)ことも表しているのです。
ゴルフのアドレスにおいても、これと同じようなことが多々発生しています。
鏡を使った「実際の形」と「感覚」のすり合わせ。
再現性の高いアドレスを作る上で、まず最初にしなければいけないことが、「実際の形」と「感覚」のすり合わせです。そのために最初の一歩となる練習が、”鏡を使ったアドレス練習”です。
鏡の前で、自分の身体特性に適した「目標アドレス」を作ってみましょう。そのときは鏡を見ることなく、まず自分の感覚でアドレスを作るのがポイントです。
そして、アドレスが出来たと思ったら、その形(実体)を鏡で確認(視覚で確認)します。そのとき、思い描いていたような形となっているのかをチェックしましょう。身体が傾いていないかどうか、肩の傾き度合いや左右の体重位置など、見た目の印象と自分の感覚とで食い違いが無いかを確認するのです。
ギャップを感じたら、実際の形を修正してみましょう。そのとき感覚的(身体感覚)にはどのように感じられるかを自覚することが大切です。そして、その感覚を基にして、再度感覚的にアドレスを取ってみる・・。これを何度も繰り返すのです。
これは、定期的にやっておくと効果的。スイングの調子がおかしくなったと感じたときなどは、積極的に練習のひとつとして取り入れておきたい要素です。