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今季輝くイボミの秘密はクラブセッティング

賞金女王に足踏みもほぼ確実

女子ゴルフトーナメント、TOTOジャパンクラシック最終日の11月8日、イボミは雨のラウンドの中、ノーバーディーでスコアを崩し結果は54位タイと年間賞金女王確定は逃しました。

しかし今季ツアーも3試合を残すのみ。現時点でイボミの賞金総額は約1億8980万円と、2位テレサ・ルーと約5407万円差。次の伊藤園レディス終了時点で4300万1円以上の差をつけると賞金女王が決まります。

また、テレサ・ルーが優勝しなければイボミの女王が確定します。さらに、女子プロ選手として前人未踏の年間賞金総額2億円以上も見えてくる可能性があります。

今季のイボミは、ほけんの窓口レディス(5月15日~17日)で優勝すると、ニトリレディス(8月28日~30日)、ゴルフ5レディス(9月4日~6日)の2週連続を含む、今季5勝を挙げています。2011年に日本ツアーに参加して以来、最高のシーズンとなっています。

美人ゴルファーとして人気

グリーン上やコースで愛くるしい笑顔を振りまくイボミは、現在の女子プロゴルフツアー人気にも一役買っています。2014年の週刊ゴルフダイジェスト女子プロ人気投票1位、2015年のゴルフトゥデイ女子プロ人気投票でも1位に輝きました。広告でも、ゴルフショップなどで彼女の大きな写真が飾られています。笑顔と対照的にカップを狙う真剣なまなざしも人気です。

自分の人気に本人は「いつもニコニコ笑っている前向きのところが評価されているのでは」と答えています。明るいゴルフウェア、ミニスカートが良く似合い、男性ファンの視線も釘付け。ところが、この可愛い子ちゃん、イボミは今季国内女子では11月5日時点で平均ストローク、平均パット数、パーオン率、パーキープ率の4部門で1位と圧倒的な力を見せているのです。

2014年シーズンは3勝、賞金総額3位から今季大躍進。その秘密を分析すると、今年から変えたクラブセッティングに一因がありそうです。

昨年からクラブを変え、今年躍進のイボミ

イボミは今季から本間ゴルフと契約しました。彼女が使用しているクラブセッティング一覧を紹介しましょう。

ドライバー:TOUR WORLD TW727 ロフト=10.5°
3番ウッド:TOUR WORLD TW717 ロフト=15°
5番ウッド:TOUR WORLD TW717 ロフト=18°
3番ユーティリティ:TOUR WORLD TW717 ロフト=22°
4番ユーティリティ:TOUR WORLD TW717 ロフト=25°
アイアン5番~10番:TOUR WORLD TW727
ウェッジ:TOUR WORLD TW- W ロフト=48°
(以上、本間ゴルフ)

ウェッジ:タイトリスト ボーケイSM5 ロフト=51°57°
パター:オデッセイホワイトライズiX#1SH
(みんなの保険レディース時)

ここで注目されるのが、ドライバーとFWのシャフトです。この3本のシャフトの素材は同じヴィザードYA55/Rを使用し、長さと重量はドライバーから、45.5インチ/300g、42.75インチ/315.2g、42インチ/320.4gとなっています。

普通、FWは短くなると重量を15gほど重くしたり、硬度を上げたりします。5Wで重さは325~330gとなるところを、イボミの5Wは320gと軽くなっています。これは、シャフトの硬度、重さも共通のフィーリングで振れるようスイングを重視した結果のようです。また、ドライバーの飛距離も250ヤードと昨年から伸びました。

ユーティリティにも同様のチョイスが見られます。3U、4UともシャフトはヴィザードUT650で統一。さらにイボミは5Uをクラブに入れる時もあるようです。女子プロのコースにもミドルで400ヤードを超えるホールがあり、セカンドショットの残り160~180ヤードでグリーンを捕らえる正確さが要求されます。その点、

・重心が深くボールが挙がりやすい
・シャフトが短くミート率が高い
・ライの状況に左右されにくい

以上の機能の特徴があるユーティリティのメリットは大きいのです。

反面、ヘッドが大きいユーティリティは柔らかいカーボンシャフトではボールが左に行きやすい、球を捕らえにくいなど、シャフトとの相性の問題があります。その点イボミは自分のスイングのフィーリングにあったシャフトをユーティリティでも見つけたことで、国内女子パーオン率1位の成績を残しています。

こちらはゴルフ初心者がスコアアップするための上達方法として参考になります。

前人未踏の2億円プレイヤー

韓国で10歳からゴルフを始めたイボミのプロフィールによると、当時家庭が貧しくゴルフ場でプレーすることができませんでした。そのため、軍隊用のダッフルバッグに砂を詰め込み、それをクラブで叩いて練習したそうです。かえってそれがスイング重視となり、今の美しく安定したスイングとなった秘訣だったのでしょう。

イボミは2010年に韓国で3勝して賞金女王。韓国でトップクラスにたつと、2011年に日本ツアーに挑戦を始め、今年絶頂のシーズンを迎えています。海外のメジャー挑戦には興味がないというイボミは、最近こんな発言をして注目されています。

「男子の賞金総額も上回りたい」

現在、国内男子の賞金総額トップは金庚泰の約1億5753万円。金はシーズンの目標として「女子の賞金総額よりは上回りたい」と残りシーズンへの抱負に対し、イボミも先のコメントをしています。今季6勝目は達成するか、初の賞金女王、女子で前人未到のシーズン賞金2億円突破に続いて、男子の賞金総額を上回る快挙に向け、イボミの残り3試合は見逃せません。

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