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3番アイアンの使用率はプロでも26%!ロングアイアンの使用実態報告

  • 2015.12.04

皆さんはキャディバックのなかにどのようなクラブを入れていますか?ルール上、コースで使えるクラブは14本までという制限があります。

しかし、数の決まり事さえ守れば、構成まではルールで定められている訳ではないのでかなり自由です。

例えば、人によってはロングアイアンが苦手だから、外してユーティリティを入れるという決断を下しても良いですし、ウッドクラブを減らして、60度のウェッジを追加するという方法も特に問題はありません。つまり、場合によっては思い切ってドライバーを2本入れてもルール上は特に問題無いわけです。

競技会やコンペに参加しない方はあまり他の人がどんなクラブ構成にしているかを見る機会が少ないかもしれませんが、クラブ選びは個々の戦略スタイルによって微妙に変わってきます。それゆえ、人のクラブセッティングを見るのは非常に参考になります。特に自分と同じくらいの身長の方や似たようなスイング特性の方のセッティングはとても興味深いものです。

他人のクラブセッティングを見る時は、とりあえずは自分と同じようなレベルの方のセッティングを見ることが重要ですが、時には飛ばし屋と言われるハードヒッターのクラブを拝見してみるのも面白いでしょう。あまりのスペックの違いに少し驚いてしまうこともありますが、なぜこの人はこういうセッティングにするのかといった観点で見れるようになると、使っている人の癖や特徴までもそれぞれ把握できるようになります。こういった知識は決してムダになるものでなく、自分自身がクラブを購入する際にも大いに役立ちます。

ゴルフを始めたばかりという初心者の場合は道具の種類や使い方がよく分からないことが多いかもしれません。しかし、そんな時こそ分からないことがあれば、使用者に問いを投げかけてみて下さい。他人のセッティングを見たときにドライバーはかなり自信があるようだが、UTの数も同時にが多いなと感じたら、思い切ってロングアイアンは苦手なのかを問いかけてみても良いと思います。逆にウッドが1本少ないが、その分ウェッジが3本入っているゴルファーであれは、アプローチであまりフェースを開いたり、閉じた入りするのが好きではないタイプのゴルファーかも知れませんよね。クラブセッティングを見比べるだけでもその人がどんなショットを得意としていて、どんなショットが苦手なのかが分かってしまうことは非常に驚きです。気になる事があれば、どんどん質問を投げてみましょう。そういった素朴な疑問に対して、問いを投げて答えてもらうことが意外と上達への早道だったりする訳です。

今回のテーマはロングアイアンについてなので、ここからはそのあたりの話に移っていきたいと思います。例えば3番・4番アイアンなどは、やはりアマチュアゴルファーには難しく、ゴルフバッグに入れていない方の方が多いでしょう。最近のモデルは新しくアイアンセットを購入しようとすると、男性用では番手が5番アイアン~PW(ピッチングウェッジ)まで、女性用では6番、または7番アイアン~PW、SW(サンドウェッジ)までという構成のセットがほとんどです。

いわゆる、3番、4番アイアンは、わざわざ購入時に別途追加で購入しなければならない時代に入ってきています。でも、なぜロングアイン2本はセットから外されてしまうことになったのでしょうか。理由は最近の傾向として、5番アイアン以上の距離はUT(ユーティリティ)やFW(フェアウェイウッド)を使用する方が増えているからだと言われています。こういった傾向は90年代の後半ごろから始まっていたように思いますが、ちょうど片山晋呉選手がロングアイアンを抜いて、7番ウッドや9番ウッドといった種類のクラブを入れ始めた、2000年頃から急速に高まっていったと記憶しています。

こういった流行の影響もあってか、ゴルフを始めたばかりの初心者ゴルファーたちの間では妙なUT信仰が芽生え始めています。しかし、これはロングアイアンよりもUTの方が優れていて、ロングアイアンは古くて性能も劣っているからだという訳ではありません。UTを使わないのはナンセンスだという考え方はかなり一般化してきているようですが、実際のところは少し話が違ってきます。実際にプロや上級者もクラブの優劣を決め手にUTを選んでいる訳ではありませんし、全ての人がロングアイアンは古いクラブだと思って使っている訳ではありません。優越感を味わいたいがためにアイアンを使い続けるという方も一部存在するかもしれませんが、ほとんどの方が芯を捉えた時の感触がたまらないという理由やアドレスした際のなんとも言えないかっこよさ、構えやすさが捨てがたいという理由で使っている方がほとんどです。業界では総じて、そういった方々のことを「ロングアイアン愛好者」と呼ばれているそうです。

確かにロングアイアンは、上級者こそが使いこなしている難しいクラブのイメージです。初心者や、アベレージゴルファーには、憧れですらあります。

こういった難しいイメージのあるロングアイアンの特徴をまとめてみると、

・低弾道である(球が上がりにくい)
・方向性に優れている(クラブコントロールがしやすい)
・スイートスポットが狭いため、ミート率が低くなる(ミスショットが多くなる)

などの特徴があります。難しいクラブですが、きちんと当たれば、ある程度、思い通りの場所へボールを運んでくれるクラブです。最近のアイアンはヘッドとシャフトをつないでいるネックの長さが短尺化したことでかなり低重心化しましたが、他のクラブに比べるとロングアイアンの重心はやや高めです。高重心で球が上がりにくく、ある程度のヘッドスピードがないと、ヘッドの抜けが悪いので充分な飛距離が得られないまま、ボールがすぐに落下するかトップしてまいます。ミスショットの場合は、ほとんどがライナー性のゴロになってしまうことがほとんどです。

こういった難点を解消するために考えられたのが、UT(ユーティリティ)です。

また、海外では一般的に「ハイブリッド」という呼び名で呼ばれています。ウッドに近い形状で構えやすく、さらにロングアイアンに比べ低重心のため、ボールが上がりやすいのが特徴です。そのため、比較的容易に、番手に合った飛距離を出すことができます。

FW(フェアウェイウッド)よりもヘッドがコンパクトだが、ドライバー並みに飛び、抜けも良いのでダフリに強くて使いやすいという特徴があります。いわゆる、FW(フェアウェイウッド)とロングアイアンのメリット、デメリットをうまく融合するというコンセプトで作られたクラブがUT(ユーティリティ)というクラブなのです。

UT(ユーティリティ)の種類は実に様々で、ウッド形状に近いモデルとは別に、アイアンに近い形状のアイアン型ユーティリティも存在します。UT(ユーティリティ)の人気に火が付き出してからは、メーカー各社も利点ばかりが挙げていますが、実際にはロングアイアンと同じく、UTにも長所と短所が存在します。

ざっくり説明すると、UT(ユーティリティ)というクラブは丈の長いラフなどにボールが捕まるとボールだけを上手くさらうように打っていくのは非常に困難です。その点、上手に打つためにはそれなりに高度な技術を要しますが、ピンポイントで狙った地点へ打つという意味ではややロングアイアンの方が高い機能性を発揮することができます。

しかし、ヘッドスピードが遅く、正確にインパクトできないというゴルファーでもかなりの高確率で高弾道の飛ぶボールを簡単に打てるようになったという意味ではUTもそれなりに評価できるクラブです。どうしようもないミスをしてしまうと正直難しいですが、UT(ユーティリティ)を使えば、そこそこの距離を簡単に飛ばすことが可能です。

このような便利なクラブが普及するようになってからも、どうしてもロングアイアンの方が好き!という方がいらっしゃると思います。

では、ゴルフを極めたプロ達は、ロングアイアンについてどのような選択をしているのでしょうか?ここでは、番手ごとの使用率から、その傾向を探ってみたいと思います。

※ロングアイアンを2、3、4番・ミドルアイアンを5、6、7番と位置付けています。

男子プロの3番アイアン使用率は26.4%

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これは、JGTOツアー参戦の男子プロ125名のクラブセッティング内容から、アイアンの使用傾向を調べたものです。つまり、プロはゴルフバッグの中にアイアンを何番から入れているか?というデータになります。

※これは少し古い2015年度のデータですが、プロは頻繁にクラブセッティングを変更しますので、現在は別のクラブを使用していることもありますので、その点はご留意ください。

また、石川遼選手はたまに0番アイアンを使用することがありますが、今回の統計では、3番アイアンからのセッティングがスタートとなっています。

では、順を追ってご説明していきます。

3番アイアンの使用者は33人

約4分の1の選手が3番アイアンを使用しています。これを多いと考えるのか、少ないと考えるのかは人それぞれだと思いますが、UTが全盛のこの時代、プロでもロングアイアンはこのぐらいの数の選手しか使っていなのですね。

主なプロは、近藤共弘選手、宮里優作選手、武藤俊憲選手、宮本勝昌選手、金庚泰選手、松村道央選手などです。同じ3番アイアンからでも、クラブセッティングには違いが見受けられます。

近藤共弘選手は、ロフト角21°のUT(ユーティリティ)と3番アイアンをコース状況によって使い分けていますし、宮本勝昌選手は2番のアイアン型ユーティリティを入れることによって、より攻撃的なセッティングとなっています。

4番アイアンからの使用者は54人と最多

次は4番アイアンからの使用者です。ここが一番多いゾーンとなりました。主なプロは、岩田寛選手、藤田寛之選手、池田勇太選手、谷原秀人選手、金亨成選手、藤本佳則選手、石川遼選手、松山英樹選手などです。

岩田寛選手は3番アイアン型ユーティリティを入れていますし、藤田寛之選手は21°のユーティリティで、3番アイアンの範囲を補っています。

松山英樹選手は、調査時点では4番アイアンの上の距離範囲用に5番FW(フェアウェイウッド)を入れていましたが、コース状況によって、ユーティリティを使うこともあるそうです。

5番アイアンからの使用者は32人

3番アイアンとほぼ同じ、32人が5番アイアンからの使用者でした。主なプロは、竹谷佳孝選手、小田孔明選手、小田龍一選手、B・ケネディ選手、山下和宏選手などです。

ここからは、ロングアイアンを使用しない選択をしているプロという事になります。さすがにこのようなクラブセッティングになると、それぞれに様々な個人差がかなり出てきます。

例えば、小田孔明選手は5番アイアンの上に3番4番のアイアン型ユーティリティを入れていますが、ほとんど見分けがつかないようなモデルを使用しています。また、海外出身のB・ケネディ選手はロングアイアンの飛距離と距離感調整にはかなり自信があるようで、ウェッジをPW、50°、54°、60°とかなり充実させています。

14本をいかに効果的に構成するか、セッティングをチェックするだけでもプロの思考が見え隠れするので非常に面白いですね。

6番アイアンからの使用者は6人

最後に6番アイアンです。さすがにぐっと数が減り、6人でした。主なプロは、FW、UTを積極的に使う選手として有名な片山晋呉選手です。

FWを自在に操るイメージが非常に強いですが、実際には18°、21°、24°、27°の4本のユーティリティを入れているそうです。トッププロとしては異質ですが、クレバーな片山選手らしいセッティングです。

そして、こういったセッティングは同時に多くのアマチュアゴルファーにとっても非常に参考になります。常日頃から「歳だから…」「力がないから…」という限界を感じているゴルファーであっても戦略的にロングアイアンを使わないという決断を下すことでゴルフの内容が劇的に変わることもあるかもしれません。

では、次は女子プロの場合をみてみましょう。

女子プロのロングアイアン使用率は4.2%!

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これはLPGAツアーに参戦している女子プロと、米LPGAへ参戦している3名を加えた計96名のデータになります。こちらも2015年度のものですが、現在セッティングを変更している場合もありますので、ご容赦ください。

4番アイアン使用者は4人のみ

いわゆるロングアイアンといわれる番手を使用するのは、わずかに4人でした。渡邊彩香選手、リ・スエド選手、服部真夕選手、三塚優子選手です。

女子プロがロングアイアンを使いこなす姿は、素直にかっこいいと思います。そして、そのロングアイアンを入れているプロの中で注目は、現在の女子プロ界において、屈指の飛距離を誇る渡邊彩香選手です。クラブセッティングをみてみましょう。

1W(ドライバー)はブリヂストンゴルフJ715 B5(フレックス X・ロフト9.5°)で、以下15°FW(フェアウェイウッド)、21°UT(ユーティリティ)、4I ~PW、49°、52°、58°、PT(パター)の計14本です。自慢の飛距離を活かした男前!なセッティングですね。

しかし、14本の中にロングアイアンを入れる選手は、女子プロではかなり少数派だという事が判明しました。渡辺選手は皆さんが思っている以上に相当ヘッドスピードが早い選手なのかもしれませんね。

5番アイアンからの使用者は47人

女子プロについては、5番アイアンからのセッティングが最多となりました。主なプロは、イ・ボミ選手、テレサ・ルー選手、成田美寿々選手、藤田光里選手、大山志保選手、森田理香子選手、宮里美香選手などです。

2015年の賞金女王を確定させたイ・ボミ選手は5番アイアンの上の番手として、ロフト角25°のUT(ユーティリティ)を入れています。

ロングアイアンを入れないとなると、FW(フェアウェイウッド)2本やUT(ユーティリティ)2本という構成にしてみたり、思い切ってウェッジを充実させるという選択も可能となります。現在、アマチュア会で主流になっている基本の構成だともいえるでしょう。

6番アイアンからの使用者は39人

6番アイアンからのプロも数多くいました。現在、一般に販売されている女性用アイアンセットは6番、または7番からPWまでが多いので、非常に参考になると思います。

主なプロは、申ジエ選手、イ・ナリ選手、原江里菜選手、宮里藍選手、横峯さくら選手などです。

宮里藍選手のセッティングをみてみましょう。

1W(ドライバー)ブリヂストンゴルフJ715 B3(フレックスR1・ロフト9.5°)で、以下15°、21°のFW(フェアウェイウッド)、22°、25°、28°のUT(ユーティリティ)、6I~PW、52°、58°、PT(パター)の計14本です。

前述の渡邊選手との違いがかなり明確になりました。それぞれのプレースタイルが表れた興味深いセッティングです。現在不振が続く宮里選手ですが、元世界ランク1位の底力に期待したいと思います。

7番アイアンからの使用者は6人

最後に7番アイアンからのプロをご紹介します。主なプロは、表純子選手、前田陽子選手、北田瑠衣選手です。さすがのベテラン勢が顔を揃えました。

表選手はFW(フェアウェイウッド)3本、UT(ユーティリティ)3本を入れています。

ロングアイアンだけでなく、ミドルアイアンすらほとんど使わないスタイルは、女性ゴルファーの皆さんにとっては自らのセッティングのお手本になるのではないでしょうか?今回はロングアイアンの使用傾向を調査することが記事の主なテーマしましたが、最終的には、思った以上に伸びてきているユーティリティ使用調査のような内容の記事になってしましました。それだけ、UTの普及率が高まってきているということなのでしょう。

まとめ

3番アイアンなどのロングアイアンを使うことはプロにとっても当然の選択かとも思いましたが、実際にはそうではないという事も判明しました。

アイアン型のユーティリティは、いわばアイアン風のユーティリティなので、見た目はほとんどアイアンです。ロングアイアンに限りなく近いイメージで構えられるので男子プロの多くが採用し始めているのはないかと感じました。プロの目からすると、ロングアイアンよりも比較的打ちやすいクラブという位置づけになるクラブなのかもしれませんね。

逆に、FW(フェアウェイウッド)に近い距離出しや弾道をイメージしやすいのが、いわゆるタラコ型の普通のユーティリティです。特にトップアマの皆さんは自分にどちらのクラブが合うのかが分からないので両タイプのユーティリティを使い分けているそうです。

プロの場合は、ロングアイアン、ユーティリティのそれぞれの特徴・利点を把握活した上でコースの状態や気象条件によって、2つのクラブを上手く使い分けています。同じようなことを一般のアマチュアゴルファーに求めるのはさすがに無理がありますが、自分はどのようなショットが得意で逆にどのようなショットが苦手なのかという視点でクラブセッティングというものと向き合うことは非常に大切なことなのかもしれないなと改めて感じました。

最近はアマチュアゴルファーの多用なニーズにもしっかり応えてくれる、様々なスタイルのユーティリティがあります。たまにはそうしたユーティリティを店頭に見に行ってみるのも良いのではないでしょうか。UTとはまさにユーティリティ(役に立つもの)クラブなのです。最終的にUTをすごくおすすめする内容になってしまいましたが、ロングアイアンが悪いという訳では決してありません。姿かたち、打感にトキメキを感じるという方は、ロングアイアン道を極める方向に進んで下さい。

 

この記事を書いたライター

某人気ゴルフコースのキャディとして10年勤務し、自身のゴルフ歴は4半世紀。
自己流ゴルフで悩んでいましたが、レッスンを受けて開眼。
またゴルフが楽しくなってきました。
真面目なゴルファーです。

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