ワンオンゴルフ「Game54」をご存知ですか?ゴルフ人気の再燃を願って生まれたニューゲーム
すべてのホールをパー3でプレー
「ワンオン」とは、ショートホールの第1打でグリーンに乗せること。このゲームはミドルもロングもショートホールとしてプレーします。
パー3のショートでは、そのままプレーします。パー4のミドルの場合、バックティーから250ヤードのフェアウェイ中心に仮設ティを設置。ボールはティーアップしても、そのままでも、そこからグリーンを狙います。400ヤードのミドルホールだったら、150ヤードのショートホールになります。
ロング(パー5)の場合、250ヤード地点からさらに220ヤード進んだ地点のフェアウェイ中心を仮設ティーとします。ホールによってはグリーンまで100ヤードを切るケースもあります。ミドルホールの中にはグリーンまで200ヤードになる場合もあり、ミドルが一番難しくなる可能性があります。
すべてのホールをパーで上がると、ワンラウンドのスコアは54打となります。
初心者にとっての壁を取り除く
ゴルフを始めようと思う人にとって、コースデビューは高い壁です。ドライバー、アイアン、アプローチ、それぞれのショットがある程度のレベルに達しないと、コースには出にくいものです。練習場でコツコツ打ち込むより、やはり太陽の下、青々としたコースをラウンドするのがゴルフの醍醐味です。
それでも、初心者がコースに出ると、ダフリ、チョロ、引っかけの連発で、ミドルの250ヤード地点に達するまで、すでに7打、8打を数え、風景を楽しむ余裕はないものです。初心者にとっては、ティからグリーンまでは遥か遠い道のりです。これが、ゴルフを始めても辞めてしまう原因にもなります。それが「Game54」では、グリーンに向いたショットから始めることができます。
18ホールのショートコースとまったく同じじゃないか、と思う人もいるでしょう。ショートホールだけのコースは、グリーンが小さく、起伏の変化もなく、クラブも限られた本数で済みます。しかし、一般のゴルフ場の場合は、グリーン周りのガードバンカーやハザードがあったり、難しさが違います。
特にミドルではグリーンまで200ヤードとなるホールもあり、中にはドライバーでトライする人もいるでしょう。ゲームを考案した一般社団法人ワンオンゴルフ協会では「専用ティの距離設定で、すべてのクラブを使うようにする」とゴルフというゲームの面白さは損なわない、としています。
ゴルフ人口減少の危機を救えるか
少子高齢化によって、ゴルフ人口の危機が叫ばれています。同協会によれば「現在最もゴルフを楽しんでいる団塊世代も10年後には80歳を過ぎる。次世代ゴルファーが増加していない現状では、2030年には現在ある2260コースのうち、900ほど消滅するデータがあります」と言います。ゴルフの新しい楽しみ方を提唱するために、2017年10月に一般社団法人ワンオンゴルフ協会が設立されました。
「Game54」では、ゴルフ場が新たに施設を作ることもなく、ゴルファーも新しい道具が必要になりません。気軽にプレーできるのが利点で、ラウンドする時間も18ホールで約2時間半と短く、料金設定も通常のラウンドの半額程度とされています。
プレーのスピードが異なるので、通常のスタイルをするゴルファーと混じってラウンドできないので、早朝や薄暮時に時間を設定する必要があります。初心者ばかりでなく、グリーン周りのショートゲームを練習したい、と思っている中級者にも向くでしょう。通常プレーの1ラウンド前後に、早朝や薄暮時にアプローチのチェックのため「Game54」をハーフで回る、などの利用法もありそうです。
今後の発展のために
協会では「Game54」のプレー方法で特許出願しています。さらに、プレースタイルを普及するために、ゴルフ場の協会への入会を薦めています。入会金10万円(税別)、月会費1万5000円(税別)でコンサルティング、専用ティーマークの提供、「Game54」の商標使用ができて、専用のスコアカード(300円、税別)を協会から購入することができます。
現在は、静岡県伊東市のサザンクロスリゾートでプレーすることができます。日本でのゴルフ人口増加のために考えられたワンオンゴルフ「Game54」。協会とゴルフ場がどうタッグを組めるかが、普及のカギとなりそうです。