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ブービーがアルバトロスと紙一重だって知っていますか?/ワンランクアップするゴルフの裏技

“ブービー”がゴルフ用語だと誤解している人はたくさんいます。確かに、日本においては高度成長期にゴルフコンペの賞として認知され、広まっていったのは事実ですからしかたないのかもしれません。

欧米では、あらゆる競技や賭け事などで大負けした人を励ます意味で施すことが“ブービー”で、ゴルフに限ったことではありません。

ここで重要なポイントがあります。

本来のブービーは、「最下位」が対象なのです。最下位の一つ上の順位を対象にするのは、日本で生まれて広まったのです。

どうして最下位の一つ上がブービーなの?

139th Open Championship - Third Round

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日本では、ゴルフはビジネスの社交術として広まりました。現在のゴルファーには想像ができないかもしれませんが、高度成長期の日本において、中小企業では社長や役員、大企業でも管理職以上のポジションでなければ、ゴルフをすることは許されなかったのです。

「無責任シリーズ」の映画を観ると、高度成長期の日本ではゴルフをすることを許されることで出世の道が開けるというような描写があります。その時代の証明です。昭和の時代の終わりにバブル景気が来て、やっと平社員がゴルフをしても問題にはならない空気が生まれたのです。

そんな社用族ゴルファーたちは、結束を確認するように大小のゴルフコンペを頻繁に開催しました。ブービー賞は、そういう中で一般に広まっていきます。

最下位ではなく、一つ上の順位を表彰するようになったのは、常にビリでも良いと努力しない人を良しとしない社交としての意識が働いたのだという定説がありますが、ある有名な企業が関わるゴルフコンペがやっていることをただ真似て広まっただけという説もあります。

こんな話も聞いたことがあります。取引先を接待する代表的なものの一つがゴルフでした。ゴルフコンペも接待の一環だったのです。

入賞させたい人が大叩きをして、このままだと最下位になってしまって機嫌を損ねるかもしれないという事態が発生しました。ブービー賞を最下位に設定していると、その人の大叩きを予測して用意したように思われ、印象が悪いことになってしまいます。

接待する側の社員がそれを上回る大叩きをして、入賞させたい人を最下位にするのを防ぐのは、ゴルフのスコアには下限がないので簡単なことでした。とにかく、入賞もさせたいので、最下位の一つ上をブービー賞ということにしてしまえば、元の意味を知るはずもないので、どうにか形になるじゃないか……。名幹事がひねり出した苦肉の策が、良いアイディアだと社用族の間で常識になったという説です。

最下位の順位賞を“ブービーメーカー”と呼ぶのは、当然、日本独自のものなので和製英語です。このブービーメーカー賞は、高度成長期ではなくバブル期に広まったものです。ゴルフが新入社員の女の子までできるようになった時代だからこそであり、実際にその場で経験をしていた一人としても納得できます。

ブービーは飛べない鳥のこと

Valspar Championship - Final Round

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言語学から探ってみると、ブービーはスペイン語の『Bobo』が、フランス語の『Boubie』となって、英語の『Booby』になったことがわかります。意味は、間抜けとか、のろま、愚か者ですが、元々の意味は、大型の水鳥のことです。

諸説ありますが、色々な種類の動きが鈍い大型の鳥のことを総して『Bobo』と呼んでいたのは船乗りたちだというのは共通です。大海原を渡って大陸を行き来するようになった船乗りたちにとって、補給は最重要課題でした。

数ヶ月、ときには数年も旅を続けるのですから、水と食料を確保できる島を経由する術を知っていることは不可欠だったのです。大きなカメと飛ぶのが苦手な大型の鳥は、捕獲して船に積んで食料にしました。この乱獲が原因で、絶滅してしまったカメや鳥がたくさんいます。

天敵がいない天国のような環境で長い間繁殖していた大型の水鳥は、素早く飛ぶ必要がありませんでした。人を怖がることもなかったので、簡単に捕獲できました。大人しくて逃げもせず、飛びもしない大型の鳥を、船乗りたちは馬鹿にして『Bobo』と呼んだのです。

ブービーの語源は、ちょっと悲しい物語です。ゴルフにおいても、ブービーは名誉とはいえません。でもゴルフであれば、次の機会には飛び立て、逃げ切るように変わることができるのです。

ブービー賞が悔しくて、上手くなろうと決意したというゴルファーはたくさんいます。そういう先輩ゴルファーを見習って、ゴルフへの熱意を忘れないようにしたいものです。

アルバトロスとブービーの関係

AT&T Pebble Beach National Pro-Am - Final Round

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大型の水鳥でゴルファーがイメージするのは……アホウドリです。羽毛を目的とした乱獲により日本近海では繁殖地がなくなってしまったのは、この鳥も飛ぶのが苦手で、簡単に捕まえることができたからで、和名の由来にもなっています。スペイン語の『Bobo』には、厳密にはアホウドリは含まれていませんが、よく似ています。

アルバトロスは、日本ではアホウドリと訳すのですけれど、実はかなり深い別の意味もあるので、単純にその関係をブービーと同じ様な意味なんだとするのは乱暴で浅学です。その話は改めて、別に紹介することにします。

しかし、ゴルフって面白いなぁ、と感心してしまいます。日本人ゴルファーは多少の誤解はあるにしても、ブービーとアホウドリの類似性を感じて、アルバトロスという夢のスコアへ想いを馳せることもできるのです。

ブービー賞だった未熟なゴルファーが一念発起して努力を重ね、因縁のコンペでアルバトロスを達成し優勝するなんていうストーリーは安易かもしれませんけど、一人のゴルファーのドラマとしてはなかなかのものです。

ゴルフは魔物でもあります。絶対に縁がないと思っていたのに大叩きをしてブービー賞になってしまうことは、どんなに上手いゴルファーでも絶対にないとはいえません。何が起こるかわからないのは、ゴルフの大きな魅力です。

ゴルフコンペは昔ほどたくさんはありませんが、出場機会はゴルフをしている限り、いつでもあります。ブービーは本当は最下位のことなのだから、グローバルスタンダードで正しくやろうなんて幹事を困らせるための知識ではありません。

ゴルフコンペに参加しながら、頭の片隅で昔の人は大変だったのだなぁ、と思ったり、無念にもブービーになってしまったときにサラッとおもしろ話として披露して、余裕があるところを見せるような使い方をしてこその知識なのです。

ブービーとアルバトロスは紙一重なんだと考えて、ゴルフをしてみましょう。ゴルファーにだって翼はあるのだと、感じることができるかもしれません。

 

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