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接待ゴルフの極意とは?マナーとコツを知って、達人になろう

ゴルフ場での接待ゴルフのイメージと言えば、どんなものでしょうか?ドラマや漫画などのシーンそのままの、「ナイスショット!社長~!」「さすがですね~」というような掛け声をしまくる“ゴマすりの場”というマイナスのイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし実際のコースでの接待ゴルフの場面で、このような分かりやすい“おだて方”をしている方はほとんどいらっしゃいません。実は接待ゴルフの達人ほど、接待ゴルフ感を出さずにプレーしていらっしゃるものです。

近年は不況の影響とともに会社内の交際費についても厳しくなりましたので、接待ゴルフの数は激減しました。しかし、仕事で得意先の方と雑談をしていて、「ゴルフされるのでしたら一緒にいかがですか?」と話がまとまったり、自社開催のコンペに取引先の方を招いたりする事は可能性として大いにあると思います。

現在は交通費から宿泊費、食事などのすべての費用を負担する“接待ゴルフ”よりも、社内開催コンペにご招待するといった、ある程度ゲストとホストの立ち位置が決まっている“ゆるやかな接待ゴルフ”が増えてきているのではないかと思います。もちろん状況は変化しても、ホスト側はゲストに対して楽しんでもらうことを努力する必要があるのは変わりありません。

では、どのように行動すれば、スマートな接待ゴルフができるのでしょうか。今回は接待ゴルフの心得と、タイプ別対応の仕方、さらには、ホストゴルファーの注意点などをご紹介したいと思います。これが分かれば、接待ゴルフの極意(マナー)を極めることができますよ。

ゴルフが上手い人が、接待ゴルフも上手いわけではない

よく「ゴルフがある程度上手くないと接待ゴルフは務まらない」と言いますが、そんなことはありません。もちろんゴルフの基本的なルールの理解と、進行の手際の良さは求められますが、決してそれはスコアに比例するものではないのです。

実際に常に120以上叩いている営業マンでも、非常に好感度の高い接待ゴルフをされている方もいらっしゃいます。かえってゴルフに自信のある方が、接待ゴルフに適さない場合もあります。それはスコアが良すぎて、ゲストに勝ってしまうという単純な理由ではなく、ゴルフに自信があるゆえにどうしても上から目線の態度になりがちになってしまう(印象を与えがち)きらいがあるからです。

接待される側の相手が気持ちよくゴルフを楽しめれば良いのですから、ゴルフの上手い下手よりも、どれだけ相手に気遣いができるかの差が重要になるといえるでしょう。

接待ゴルフのTPOとは?

特に接待ゴルフに限らず、ゴルフでは清潔感のある服装は最低限のマナーになります。流行のゴルフファッションをするのはダメではありませんが、自分の中で、少しでも「この服装で大丈夫かな?」と思うような冒険はすべきではありません。

この日の目的は、自分のファッションやこだわりを主張する場ではないはずです。あまり考えすぎる必要はありませんが、ゴルフ場に到着する前に、同僚などに服装の確認をしてもらうといいかもしれませんね。

遅刻は論外!早めに到着しよう

いつも自分がプライベートラウンドで到着する時間よりも、少し早めにゴルフ場へ到着することを心がけましょう。ゲストによっては、とても早く来場する方もいらっしゃいます。

また、早く到着されるような方は、時間をとても大切にされる方ですので、自分も早くゴルフ場へ到着したほうが高ポイントです。ゲストを練習場や練習グリーンに長い間ほったらかしにすることがないように、早め早めの行動に努めてください。

相手のタイプを見極めることから始めよう

基本的な準備ができたらいよいよラウンドです。

まず、「接待ゴルフ」というぐらいですから、ビジネス上の面識があると思います。全くの初対面に近い相手の場合もあるでしょうが、ある程度ゲスト側の性格を把握しているのであれば、事前にゲストがどんなタイプのゴルファーであるのか想像しておきましょう。

今回は接待ゴルフコンペを想定して、ゲストタイプに合わせたホストゴルファーのセッティングをしてみようと思います。
例えば、ゲストゴルファーのタイプはこんな感じです。

①自分のゴルフに自信があるタイプ
②接待されることを期待しているタイプ。
③真剣にゴルフに取り組みたいタイプ。
④ゴルフはおまけで、楽しく一日を過ごせればいいタイプ。

①自分のゴルフに自信があるタイプ

ゲストの自尊心を傷つけてしまうことが一番避けるべき点なので、あまり上手い人をホストにつけるべきではありません。もし、わざと手を抜いていることがバレてしまうと、さらに怒りを買ってしまうからです。

この場合はゲストに「教えてください」というような姿勢をとる方が、失敗が少ないでしょう。ゲストのゴルフに敬意を払うことを念頭に置いてください。もし、自分の方がスコアが良くても、こうした姿勢を保てば許してくれるでしょう。また、素直にプレーに感心してくれる女性を付けるのもおすすめです。

②接待されることを期待しているタイプ

こちらは、古い時代の接待ゴルフが抜けきれないタイプです。傍から見るとわざとらしいほどの褒め言葉も、このタイプには有効です。自分に尽くしてくれる姿を見ることで、ホストは信用を勝ち取ることができます。このタイプのゲストには、ある程度(70~80台前半)の上級者を付けることをおすすめします。

「逆効果では?」と思うかも知れませんが、プレーをしながらゲストに尽くす余裕があるのは、上級者だからこそなのです。ここできちんとゲストをフォローできれば、「こんなにゴルフが上手い人が自分に気を使ってくれている(褒めてくれる)」という満足感になります。常にゲストの言動に受け答えできるように、アンテナを張っておきましょう。

③真剣にゴルフに取り組みたいタイプ

こちらは、接待ゴルフというよりは、真剣にゴルフを楽しむことで、達成感を得られるタイプです。もっとも嫌われるのは的外れな賛辞や、マナー違反。そしてダラダラプレーです。きちんとゴルフのルールブックを読み返して、ラウンドに臨みましょう。

このタイプには、ゴルフが楽しくなってきた若手初心者ゴルファーでいきましょう。まだ接待ゴルフになれていないので、スレていません。また、一生懸命ゴルフに打ち込む姿が好印象を与えてくれます。ゴルフに対して真剣に取り組む姿を見せれば、多少の失敗は許してくれそうです。

④ゴルフはおまけで、楽しく一日を過ごせればいいタイプ

こちらは、ゴルフを通して一日を楽しめれば良いタイプです。特にスコアやルールなどには執着しませんので、会話が楽しめるように配慮すればよいのです。

このタイプには、あまりゴルフに関心がなく、コンペにだけ義務的に参加するゴルファーを付けてみましょう。ゴルフに執着がないのでゲストをほったらかしにしてゴルフに集中することもありません。意外とゴルフ以外の話で盛り上がるかもしれませんよ。

ゲストゴルファーのタイプを大きく4つに分けて、それぞれの対処法を考えてみました。同じ接待ゴルフでも、ゲストの望むゴルフは全く異なります。それぞれのタイプを見極めて、そのゴルファーに沿った“接待”を行いましょう。

キャディを味方にしよう

接待ゴルフに大きな戦力となるのが、キャディさんの存在です。キャディさんに、「今日は、○○様をご招待していますので、よろしくお願いします。」と言うと、心得たキャディさんでしたら、さりげなくフォローしてくれるはずです。

特に良いのは、ゲストゴルファーのプレーを褒める場合です。接待ゴルフだと、ゲストゴルファーは、褒められても「どうせお世辞だろ?」という目でみてしまいます。しかし、取引きに関係のない第3者の立場であるキャディさんが「お上手ですね。」「ナイスショット!」と言えば、素直に喜べます。

このようにさりげなく、ゲストゴルファーの気分を盛り上げ、接待ゴルフを順調に進行させてくれるのが、キャディさんの役割といえるでしょう。

キャディにとって困ったタイプのホストゴルファーは?

ホストゴルファーにとって、最大の味方であるキャディさんですが、そんなキャディさんにとって、困ったタイプのホストゴルファーがいます。

①「俺のことはいいから、○○様だけ面倒みてね」と言いながら、ゲストより手のかかるゴルファー
②ゲストとホストの上下関係が逆になっているパターン(ホストゴルファーが偉そうにしている)

①のタイプは、接待ゴルフであることを忘れて、自分のゴルフに没頭してしまう方に多く見受けられます。キャディとしては、接待ゴルフに関わらず、すべてのお客様にゴルフを楽しんでいただくためのサポートをするのですから、ホストゴルファーにもきちんとしたサービスを提供できるように努めています。ですから、距離案内も上下関係ではなく、等しくグリーンから遠い順番に行います。

しかし、ゴルフに集中してしまっているホストゴルファーは、「俺のボールどこ?残り距離はいくつ?」とゲストゴルファーの順番であるにもかかわらず聞いてきます。そうするとキャディは「最初に○○様だけ面倒見てねと言っていたのに。」と思ってしまうのです。

また、自分のボールが林の中にあるのに、ゲストの見つけやすい場所にあるボールに走って行って、「ココでーす!」と言っていることもあります。その後、結局自分のボールを探すのに手間取ってしまい、進行が遅れてしまうこともしばしば起こります。自分では完璧に接待ゴルフをこなしていると思いこんでいますが、ゲストゴルファーにとってもキャディにとっても悩ましいタイプなのです。

②のタイプは、最初に「○○さんをご招待しているから」と言われているのに、どう見てもホストゴルファーの方が、立場が上の場合です。ゴルフ場へいらっしゃる方は、誰でも大切なお客様ですから、どちらがどちらでも良いのですが、ニアピンの距離が微妙な場合、どちらに軍配を上げるべきか悩んでしまうことも…。

接待ゴルフにも色々なパターンがあるのだなと考えさせられますね。

おわりに

自分自身の趣味としてゴルフを楽しむ層が増えている昨今、接待ゴルフは減少の一途をたどっています。しかし、仕事上の関係のみだった相手と一緒にプレーすることで、ゴルフ仲間としての認識が高まり、今までよりスムーズに話が進むというようなメリットもあります。

なにより、ゴルフを通じて会話が広がり、それがさらに仕事にもつながるなら、こんなに良いことはありませんよね。実際に接待ゴルフを成功させるには、接待ゴルフと思わせない配慮や、ゴルフプレーのスムーズさが必要で、相当なスキルを要します。接待ゴルフの達人は、間違いなくビジネスの場面でも優秀な人材であるでしょう。

接待ゴルフというと聞こえが悪いかもしれませんが、人脈づくりのひとつのツールとして、コツを覚えて楽しく戦略的にプレーしましょう。

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