もしカラスがボールを持っていったら?~ゴルフルール応用編~
ゴルフ場でプレーをしている最中に、カラスに遭遇したことはないでしょうか。カラスに舐められると、追い払ってもしつこく付きまとってきて、ゴルフに集中できないこともありますよね。
その辺にいるだけならまだ良いですが、ボールをくわえたり掴んだりして、カラスが持って行ってしまうことも…。
そんなプレーの邪魔をされた場合、ゴルフのルール的にはどうしたら良いのでしょうか。これはカラスだけではなく、犬やサルなどの場合でも同様ですね。
それほど頻発する事態ではありませんが、全くないとも言い切れないのがこういったトラブルです。あなたがそういった場面に遭遇しないとも限りませんので、是非覚えておいてくださいね。
カラスは局外者!
まず、カラスの取り扱い方ですが、これは『局外者』と呼ばれる、プレーする人と関係のない存在というものになります。
この『局外者』により止まっているボールが動かされた場合、ペナルティはなく、その球をリプレースしなければならないとなっています。(ゴルフ規則18-1)
元あった場所にリプレースするか、はっきりと断言できない時は一番近いと思われる場所にドロップしましょう。
また、カラスがボールを持って行ってしまった場合などは、別の球に取り替えることもできます。しかし、これは明らかにカラスや他の局外者によって動かされたという証拠が必要であり、たぶん~だろうでは認められません。
例えば、ティーショット後にボールが見つからず、「たぶんカラスが持って行っちゃったのかも…」というのはダメです(この場合は紛失球の扱いになります)。目の前でカラスがボールをくわえて持っていくというような、確証が必要なのです。
しかし、明らかにフェアウェイにあったはずのボールが、ふと目を離したすきに忽然と無くなり、近くにカラスがうろうろしていた(もしくは飛び立った)などというケースでは認められることもあります。この辺りがちょっと曖昧なのですが、基本的には「カラスにやられた!」と確信できる状況なら使えるルールと思っていれば良いでしょう。
ただし、このルールの注意点は、球をリプレースしなければならないという部分になります。つまり、カラスが動かしたことによって、プレーヤーにとって良い条件になったからといって、「そのままでいいや」という訳にはいかないのです。
例えばもし、カラスがボールをくわえて、ホールにカップインさせたとしても、元に戻さなければ2打罰(規則18の違反/ストロークプレーの場合)を課せられてしまいますので気を付けてください。
カラスの好きなボールカラーは黄色!?
カラスがボールに興味を示し、動かしたり持って行ってしまったりするのは何故なのでしょうか。カラスはキラキラと輝く光モノを好むのはよく知られていますね。例えば腕時計などを狙われたことがある方もいらっしゃるでしょう。
どうもカラスは、光るものを“硬いもの”だと認識し、興味を引くようなのです。特に自分でつついたり、遊んだりできるサイズの物がカラスの大好物で(食べるわけではありません)、ゴルフボールはまさにうってつけのアイテムなのです。
これは個人的見解ですが、通常の白いボールより、カラーボールの方がカラスに狙われやすいような気がします。近年は発色の良い蛍光カラーのボールもたくさん流通していますので、ますますカラスの気になる存在なのではないでしょうか。
特に、黄色>オレンジ>ピンク>白の順で、ボールが狙われているのではと感じます。ただ、カラスは学習し、その場にどんどん適応していきますので、この限りではないかもしれません。
あくまでも参考として、カラスが多く危険を感じたら白いボールにチェンジしてみるのも防御策としてアリだと思っておいてください。
おわりに
カラスに限らず、犬やサル、地域によってはキツネやタヌキなど、ゴルフ場にはさまざまな動物が現れます。リオデジャネイロオリンピックのゴルフコースでは、カピバラやワニの姿が目撃されていましたね。
ゴルフは自然との闘いですから、こうした動物たちが出現しても慌ててはいけません。ちゃんとプレーヤーのための救済ルールも用意されていますので、焦らず平然とプレーを続けて、スコアに響かないように頑張ってみてくださいね。