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最適なゴルフシューズはゴルフを簡単にする!~ワンランクアップするゴルフの裏技~

  • 2016.06.30

ゴルフは本来歩いてプレーするものです。
1ラウンド18ホールを歩くと、7~10キロメートルぐらいは誰でも歩くことになります。

たくさん歩くからこそ、歩き易いシューズが欲しいという要望が少し前まで強かったのですが、現在のゴルフシーンでは乗用カートに乗ってプレーするのが主流となって歩く距離は半分以下になったことから、歩きやすさを最優先する考え方をしなくなりました。

ゴルフシューズに求められる機能は、時代と共に変化をしているのです。

ゴルファーのために創意工夫と科学技術が詰め込まれているのがゴルフシューズです。上手に使って、ゴルフを楽しむのが正解です。

ゴルフシューズの歴史はソールの歴史

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ゴルフシューズとして特別なものが生まれた歴史はあまりハッキリしていません。しかし20世紀に入った頃には、革靴のソールに三角錐やピラミッドを逆さにしたような四角錐、円錐の突起がついたシューズがゴルフでも履かれるようになっていました。

1920年代にはスコットランドを中心に、ゴルフシューズといえばこのソールだというぐらいに普及していたようです。現在でいえばスパイクレスのようなもので、スイングが手打ちから身体を回転させるものに変化していく中で、足が滑らないようにしたいというゴルファーの要望が具現化していったようです。

アメリカでは全く新しいゴルフシューズのブームが訪れます。1914年の全米オープンで優勝したウォルター・ヘーゲンが、ソールにスパイクがついたシューズを履いていたのです。鋭い鋲が付いたスパイクタイプのシューズは、新しいゴルフシューズとして一気にアメリカ全土に広がっていきました。

小さな凸凹より、鋭い針のような突起がついたソールのシューズのほうが、スイングしても歩行しても滑りにくかったのです。また、いかにもゴルフ専用というように見えることも、多くのゴルファーを魅了しました。

始めは3ミリもないほどの突起は、時代と共に、徐々に長さを増していきました。1970年代には1センチを越える長さの鋲も登場したのです。

日本のゴルファーも、スパイクタイプのゴルフシューズを当たり前のように採用しました。1980年代までは、ゴルフシューズといえばスパイクタイプのソールのものであることが当たり前だったのです。

スパイクタイプのシューズは革靴の革製のソールに鋲を打ち込んだものが始まりで、徐々に進化していきます。特に日本では、次々に新しいゴルフシューズが生まれました。歩き易くすることを追求して、ソールを軽い素材に変えて軽量化したり、金属製の鋲は徐々に減って交換が必要なので、鋲を減らない素材で作ったりしたのです。

ゴルフシューズのことを「スパイク」と呼ぶことも普通だった時代は長く続きました。

面白いことに、スコットランドを中心とした欧州圏では、スパイクタイプのソールとスパイクレスタイプのシューズが市場で共存していました。アメリカで生まれたものがゴルフの主流になっていくことへの抵抗の気持ちがあったのと、実際の使用ではどちらも良い点と悪い点があり、優劣が決まらなかったからです。

アメリカと日本ではスパイクタイプのゴルフシューズが市場の9割以上を占めていましたが、1980年代のアメリカでは、名門コースを中心にスパイクタイプのシューズを排除する運動が始まりました。理由は、グリーンの芝生を保護するためでした。

僕自身も1980年代後半にアメリカの名門コースを巡る旅に行ったときに、できればテニスシューズかデッキシューズでプレーをして欲しいと、複数のコースでお願いされて驚いた記憶があります。

名門コースや高級なコースでは、この時期、グリーンの管理技術の向上や新しい芝種の開発で、現在のような高速グリーンを作り上げる大きな変革があったからです。転がりの良いグリーンは鋭い突起のソールのゴルフシューズだと、ちょっと変な風に触れただけで傷ついてしまうからです。少し想像すればわかると思います。

日本にも1980年代に、ベントグリーン化の大ブームが起きます。バブル景気になっていく中で、そのブームは日本中を覆い尽くしていきました。その結果、日本でもグリーンの高速化が進みました。しかし、日本のゴルフコースは古くからの慣習を変えることができずに、逆にスパイクタイプのシューズを奨励するという不思議な現象が起きていました。

ここでスパイクタイプのシューズの特徴を確認しておきます。

・鋭い突起で滑りにくい
・ソールの構造が単純で良いので作りやすい
・地面が硬い場合は鋲の突き上げがあって歩きづらく、腰痛などを引き起こす

あまり知られていませんが、1970年代から練習場のプロゴルファーを中心に、スパイクタイプのシューズが原因と思われる腰痛は職業病といわれていました。多くのプロは腰痛の予防や緩和のために、鋲を抜いた状態でゴルフシューズを使用していました。時代は昭和の終わりでしたが、スニーカーで練習場で指導するのは、まだ行儀が悪いというのが常識だったのです。

PGA TOUR - 2007 THE PLAYERS Championship - First Round

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ツアーで戦うプロからも、同じような要望があったのだと思います。

1990年代になると、いわゆるゴム底のスパイクレスタイプのゴルフシュースがプロゴルファーがツアーで使うものとして登場します。ブリヂストンスポーツが発売したJ’sです。これが、日本の市場では大ブームになりました。各メーカーが一斉にスパイクレスシューズを市場に投入しました。

ゴルフコースは相変わらずスパイクタイプのシューズが正当なもので、ゴム底のシューズは病気を持ち込み、芝生も痛めるからと根拠に乏しい理由でスパイクレスタイプのゴルフシューズを使用禁止にしている所も多かったのですが、スパイクレスのゴルフシューズは空前のヒット商品となり、徐々に事情は変わっていきます。

ゴルファーは、ゴルフコースによって対応が違うために、スパイクレスタイプのゴルフシューズを購入する場合は、スパイクタイプのシューズも所有して2足体制を強いられるという不便がありました。

アメリカでは、20世紀半ばから全米ゴルフ協会を筆頭に、ゴルフシューズと芝生の痛みについて何度も実験を繰り返していました。その結果、「スパイクタイプのシューズは、芝生に悪い」という結論を導き出していました。

1990年代に入って、スパイクレスタイプとソフトスパイクタイプのシューズを奨励する大キャンペーンを開始します。

ソフトスパイクタイプというのは、それまでの金属製の尖った鋲ではなく樹脂でできた小さな突起の鋲を使用したシューズのことで、アメリカではコースのプロショップなどで、使用中のシューズでも鋲を無料で入れ替えることで普及を促しました。

日本ではバブル景気が終わって、事情が一変します。

スパイクタイプのシューズは、クラブハウス内の絨毯を傷めます。スパイクタイプのシューズが主流だった時代は、少なくとも年に1回、多いコースでは年に数回、絨毯の張り替えをしていました。

スパイクレスやソフトスパイクタイプであれば、絨毯の痛みが格段に違うのです。アメリカの調査では、絨毯の痛みは10倍も違うそうです。グリーンを管理する人たちも、芝生を痛める事故が多いスパイクタイプのシューズに頭を悩ましていました。

乗用カートを導入するコースでも、運転や乗り降りに危険があるのと、カートの床が痛むので、スパイクタイプのシューズは遠慮してもらいたいと考えるようになりました。伝統や見栄ではなく実利を取って、スパイクタイプのシューズを排除する動きが1990年代の終わりに日本でも加速します。

スパイクタイプのゴルフシューズは、鋲を交換するだけで簡単にソフトスパイクタイプのシューズとなります。21世紀になると日本でも一気に主役になって、現在に繋がっていくのです。

ソールに注目してゴルフシューズの歴史を紹介しました。ゴルフシューズの進化は続いてきます。固定概念にとらわれずに、ゴルファーとして何を求めるのか、使用することで迷惑をかけないか、判断しながらシューズを選べるようにするために、歴史を参考にしましょう。

自分に合ったゴルフシューズとは?

PGA merchandising

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『ゴルフシューズはゴルフ用具の中で、唯一、値段が裏切らないものである』

ゴルフ業界では20世紀の後半、合言葉のように言われていました。

歩きでプレーするのが当たり前で、カートの普及率は1割にもならなかった日本では、歩いて疲れないゴルフシューズが売れるシューズでした。登山靴の発想から始まり、様々な機能を取り込んだシューズが開発されました。高額であることは、安心して長く履けるものだったのです。

最高級の革を使用したソールも革製のシューズの中には、“一生もの”と考えるほど高額なものもありました。これらのブランドのシューズは、万が一のことがあっても修理することで使い続けることができたのです。

そういうようなシューズ文化があったので、鋲が交換できないスパイクレスタイプを根底から否定する考え方もあったのはしかたがなかったのかもしれません。

21世紀になって十数年、ゴルフシューズは値段が裏切らないと言い切れなくなっています。安くとも良いものがありますし、高額なのに頭をかしげるものもあるからです。

ソール以外の部分にも注目しましょう。まずは、アッパーと呼ばれるシューズそのものですが、見た目でタイプが色々あります。

トラディショナルな革靴タイプ。
機能性を加えたシンプルなタイプ。
スニーカータイプ。

少し前まで、ドレスコードでスニーカータイプのシューズを禁止しているゴルフコースがありましたが、現在ではほとんどありません。

身につけるゴルフ用具は、気持ちを変えます。それぞれに機能的な特徴はありますが、基本性能は似通っていて大きな差はないと考えて良いと思います。好きなものを選んで良いと思います。

アッパーには、素材というスペックもあります。大まかに、本革と合成皮革と合成繊維となります。ゴルフは雨天でもしますし、朝露などで激しく濡れるゴルフシューズには防水という機能は無視できません。最低限の防水加工ができているものを選びましょう。

素材によって変わるのは、柔らかさと微妙な伸縮性です。本革には独特の柔らかさと足に馴染む伸縮性があります。合成皮革はたくさんの種類があり、それぞれに優先する機能が違います。本革以上に軟らかく、伸縮性があるものもありますし、逆に意図的に硬くしているものもあります。

合成繊維はスニーカータイプなどで使われていますが、一方向だけに伸び縮みしたりする新しい素材もあります。素材も開発がかなり進んでいて、そのシューズの機能に合わせて選択されてもいますので、一概に素材だけで判断はできないものです。

とはいえオールドゴルファーの中には、ゴルフシューズは本革と決めて、それ以外の素材は使用しない人もいます。ゴルフ用具の選択は自由ですので、そういうこだわりも楽しめるものなのです。

アッパーの中には、もう1つ大事なスペックがあります。紐か、ワイヤーか、という選択です。

紐でシューズを締めるタイプは見慣れているシューズの基本形ですが、2015年のデータでは売れたシューズの内6割以上がBoaシステムに代表されるワイヤーで締めるタイプだったそうです。その他にも、わずかですけどベルトで締めるタイプのシューズもあります。

締めるという機能も、使用感に大きな違いはないのが現状です。履くときや、脱ぐときの利便性などで選択するということで良いと思います。

次に出てくるスペックは、重さです。

シューズは重いものと、軽いものではかなり違います。重いシューズは片足分で、軽いシューズの両足分という程の差です。これは、使用者の合う合わないという最も顕著なスペックなのです。

重いシューズのほうが歩いていて疲れないし、ショットをするときにも安心だという人もいますし、軽いシューズは楽々歩けて快適という人もいるのです。多くメーカーが、両方のシューズを販売しているのは、それぞれに本当だからという証拠です。

重さは、素材と深い関係があります。例えば、本革は重いので、本革の柔らかさを得るためには、軽さというスペックは犠牲になります。

そして、ソールというスペックです。

ソールには、最初に歴史を辿ったソフトスパイクなのか、スパイクレスなのかという選択肢から始まって、ソールの素材など、いくつかのスペックがあります。でも、ソールには素材というスペックではわからないぐらい機能が詰まっています。

ソールが硬いものが歩き易い人もいますし、ソールが柔らかいほうが快適な人もいます。メーカーやブランドによっては、どの部分が曲がるかでスイングに影響があるという機能を売りにしているものもあります。

残念ながら、ソールの機能は本当にコースで使用しないとわからないものが多いので、宣伝やメーカーのサイトなどで想像するしかないのが現状です。だから、この部分をシューズ選びのスペックには加えない、という考え方もあります。

それ以外にも、こだわりポイントはいくつもあります。乗用カートのアクセルやブレーキを操作しやすいように踵の形状が工夫されているものが良いという人もいますし、甲からつま先にかけてのシェイプにこだわる人もいます。

色々と書きましたが……シューズを選ぶ際に、メーカーを最初に決める人が多いようです。これで、かなり絞られます。メーカーごとにかなり特色があるからです。

一昔前までは、足が細いのでフットジョイのシューズが合うというような外国ブランドにはセオリーがありましたが、現在では日本市場用のサイズやワイズが研究されて、市場投入しているので、鵜呑みにはできません。それでは意味がないので、業界で囁かれている最新のセオリーを紹介しましょう。

・アディダスのシューズは全体的に硬め。スイング中のホールド感も強い。
・フットジョイは本革のシューズは軟らかい履き心地を追求している。合成皮革のシューズも比較的軟らかい。
・ミズノのシューズの防水加工は世界一で、他メーカーとは別次元。
・ブリヂストンのスパイクレスは、芝生の上でも滑りにくく、ソールの耐久性も良い。

ワイズが広い(幅広、甲高)の人は、国内メーカーのほうが快適。

ファッションを優先してシューズを選ぶ人もいます。それも悪くはありません。日本市場の場合、メーカーの正規品であれば、酷い粗悪品というのは考えられないからです。

ただし、カートに乗ることが主流になったとはいえ、せっかく買ったシューズなのにマメができたり、痛かったりすれば、ゴルフの楽しさは半減してしまいます。ゴルフシューズは、ちゃんとフィッティングをしてから購入するようにしましょう。

初心者の頃を思いだしてください。ゴルフの練習をした後に、普段使わない部位が筋肉痛になったりしませんでしたか?普通のシューズを履いて練習場でボールを打つとシューズが壊れてしまうことがあるほど、ゴルフのスイングというのは特殊なのです。

運動靴のソールにただ鋲を装着したのではなく、ゴルフシューズは、そのスイング中の動きに対応して作られています。僕は1度だけ、裸足で数ホールをプレーしたことがあります。足の裏が芝生でチクチクして面白かったのですけど、最も驚かされたのは、ボールの飛距離が落ちたことです。

ゴルフシューズは、ゴルファーと地面の接点をサポートしてくれる用具です。踏ん張りが効くというだけで、振り切ってボールを飛ばす助けになっているのだと知った出来事でした。

ゴルフシューズを軽く考えるのは、その重要性に気が付いていないだけです。自分に合ったシューズを履き、その機能を十分に堪能すれば、ゴルフは間違いなく快適になります。ゴルフシューズについて不安や不満がないことが第一です。

手元で1ミリずれれば、200ヤード先では数十ヤードのズレになることはゴルフをする人であれば誰でも理解できます。足元も同じで、少しでも踏ん張れなかったり、シューズの中で足が動いてしまえば、ナイスショットを連発するのは不可能なのです。

スイング中のことまで考慮して選択したゴルフシューズは、ショットを安定させるものであることを体感してください。

 

この記事を書いたライター

1965年生まれ。東京都文京区出身。板橋区在住。中1でコースデビュー。
競技ゴルフと恋愛に命をかけた青春を経て、ゴルフショップ、ゴルフ部コーチ、ジュニアゴルファー育成団体などで勤務しながらゴルフエッセイストになる。
ゴルフ小説、恋愛小説なども執筆している。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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