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【ヨネックス】”TP-S500”1mが90%以上の確率で入るパターの真実を見極める!

ゴルファーのためのお伽噺。神様が二人のゴルファーの前に、どんなときでも300ヤード飛ぶドライバーと、3ヤード以内を必ず入れられるパターを出して、好きなほうを選択するように言いました。

数年後、ドライバーを選んだゴルファーは、飛ばし屋として人気が出ただけでしたが、パターを選んだゴルファーはプロになって幸せに暮らしました……

ゴルフはシビアにスコアを競うゲームです。飛ばすことも重要ですが、それをスコアに結びつけるには、パットが入れなければ意味がありません。

こんなパター使ったことがない! 驚異の性能!

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ヨネックスの“トライプリンシプルパター TP-S500”をコースで実際に使ってラウンドしてみました。長さは34インチで、スチールよりも重いカーボンシャフトが装着したモデルです。

このパターは『1mを90%以上』という売り文句のパターです。清永明福岡大学名誉教授 が発案した理論に基づき、設計したパターの第二弾です。物理の法則と人間工学から導き出された設計と形状は独特です。“TP-S500”は、その理論にプラスして、左右のブレをなくす重量配分などを搭載しています。

理論の詳細は省略しますが、要は三つの特徴があるのです。

(1)スクエアに引く目安になるガイドライン
(2)2倍のスイートスポット
(3)フラットなライ角68度

これらが、1mを90%以上入れるパットを可能にするというわけです。理論先行で、実際には使いにくくてしかたがないというパターは、一定の間隔で市場に登場します。

2016年の3月に発売されたこのパターも、そういう微笑ましい用具の一つだと考えていましたが、最近になって「あのパター、馬鹿にしたものではないぞ。ショートパットが強烈に入る」という噂を耳にしたのです。

百聞は一見にしかず。試してみることにしました。まず、手にした第一印象は、ずっしりと重いことでした。

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素振りをしてみると、逆に軽い感じがしました。これは、重いシャフトが原因なのだと思われます。いわゆるカウンターバランスになっているのです。

ヘッドはアルミ合金製で342gですが、総重量は576g。この数字はやや重いパターとしては普通です。ヨネックスのオリジナルのカーボンシャフトは、内部にタングステンパウダーを詰めて、スチールシャフトより重くしているそうです。このマッチングは悪くないと感じました。

個人的にはヘッドが重く感じるパターを使い慣れているので、不思議な感覚を持ちました。

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次に、シャフトを持ってヘッドを浮かせた状態で、フェースにボールをコンコンとぶつけました。スイートスポットを確認するためです。

ここでちょっと驚きました。フェースの中央部であれば、どこにボールを当ててもシャフトを持った手に妙な振動が来ないのです。つまり、芯のエリアが2倍どころか、フェースの中央部全てなのです。こんなパターは見たことがありません。

パターの芯は、そのパターの個性です。左右だけではなく、上下にかんしても、ボールの挙動に大きく影響します。長いパットの距離感を安定させる絶対条件は、常に芯でヒットさせることでもあります。

ミーリングと呼ばれるフェースに刻まれた溝は、ボールとの接触面積を減らすことで、ボールの弾き感を調整する役割があります。一般的には、ミーリングされたフェースは強いボールを打っていると感じるものです。

パターマットでボールを打ってみました。不思議なのですけれど、真っ直ぐ転がる感じはしますが、弱く当てても、強く当てても、同じようなヒット感で強目のボールが出ました。

ライ角のフラットさはあまり感じませんでしたが、ヘッドは大きくてごっついのに、敏感に動かせるのも不思議でした。四角形のヘッドは、スクエアなので、平行というか、ストレートに振りやすいのは事実でした。オートマチックに真っ直ぐなテークバックができます。

シャフトがかなりハンドファーストを強制するように刺さっていました。変に細工をしないで、スタンスの真ん中にボールを置いてスイープに当てれば良いようです。

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アルミ合金のパターヘッドは大きくとも軽いわけですが、トウ側とヒール側にウェイトが入っていて、調整できるようになっています。デフォルトだと、トウ側がかなり重くなっています。これが案外と良い感じなのです。

四角のパターなのにヘッドの先に重量があることで、引っ掛けにくい感じがしました。慣性モーメントが大きいからのようです。

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個人的には細くて硬いグリップが好きなので、流行と逆行しています。装着されているグリップは、ヨネックスのオリジナルでやや太く、軟らかいものです。

このグリップは、出来るだけ多くの人が使いやすいように、細すぎず太すぎず良く出来ていました。固さも軟らかすぎない程良い感触でした。手に馴染み、使いやすいグリップです。

難をいえば、手に伝わるヒットした感触が鈍感になることですが、それは完全に個別の好き嫌いですので、マイナスではなくプラスの人も多いでしょう。

実際のグリーンで使って

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練習グリーンで使用して、色々な人に見られていることを意識しました。形状が独特なので、目立ちます。当日のグリーンは、洋芝で、8.5フィートぐらいの速さでした。傾斜が大きいグリーンが多いコースでした。

スタートホールは、7ヤードの少し上りのカップ1個分左に曲がりそうなラインのパットでした。バーディーパットでしたが、練習グリーンでも感じていた違和感がありました。

普段からパットで意識するのはパターの芯とボールの芯をアジャストすることですが、“TP-S500”はヘッドの厚みがあると視覚で感じるので上下が合っていないと感じてしまうのです。

とにかく、狙って構えて、ストロークしました。不安を打ち消すように完璧なラインとタッチのボールが打てました。きれいにボールはホールに消えてバーディースタートでした。

次のホールはやや下りでカップ2個分ぐらい右に曲がる8ヤードのバーディーパットでした。オーバーするとちょっと面倒なパットが残るので、ジャストタッチで打って、2パットでも合格だと考えました。

ストロークした瞬間、当たりすぎだと思いました。強いタッチでボールが転がったように感じたからです。しかし、結果はオンラインであと一転がりショートしました。

3番ホールでは強い上りでカップ1個右に切れる9ヤードのパットでした。このパットもバーディーパットだったので、決めたいラインでしたが、前のホールで思いの外、強くボールが転がった印象があって加減をしてしまいました。ラインは合っていたのにショートでした。少し切れる1ヤードの嫌らしいパットが残りました。

カップの左内側を狙って、強めなボールを打ちたいと思いました。これは完璧に打てました。このような感じで、使っていきました。

驚かされたのは、確かに短いパットの方向性は信じられないほど良かったです。構えたときにフェースを合わせたら、余計なことが出来ないせいだと思います。ただ、距離が長くなったときには、後半に行くほど距離感通りに打つのに苦労しました。これは慣れだと思うので、問題ではないと考えて良いと思います。

僕は普段でもできればラウンドで30パット未満で済むように意識しています。この日は苦労したのに32パットでした。距離感は別として、方向にかんしてのミスは1回もありませんでした。これは想定以上の結果でした。

練習をしていて、最も不安だったのは下りのパットの弱い感じでタッチが出せるかどうかでした。実際に3回ほどそういうシーンがありました。結果としては、極端にやってみて正解でした。芯を外して打つのが無理なので、弱いタッチは極端に速度で作っていくのが良いようです。

“TP-S500”のオススメについて

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良いことばかり書きました。噂通りに“TP-S500”は革新的な部分があるパターでした。

ショートパットに悩んでいる人。
方向性に自信がモテない人。

この二つに当てはまる人には本当にオススメです。

パットを諦めてしまったゴルファーを復活させる逸品になることもあるかもしれません。そのぐらい、今までのパターとは比較にならないと感じました。

逆にオススメできない人は、初級者です。このパターでゴルフをすれば、間違いなく楽に短期間でパットが上手くなると思います。しかし、このパター以外は使えなくなってしまう可能性があります。特殊な用具の欠点は、それで慣れると他のものが使えなくなることです。

そして、これが大問題なのですけど、価格です。

ネットでも調べて見ましたが、“TP-S500”は、7万円から6万円ぐらいで販売しているショップが多いようです。スコアはお金で買えるのもゴルフの特徴だといわれますが、なかなか勇気がいる買い物です。

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ヨネックスは8月に、新しいパターを発売します。「トライプリンシプルパター TP-GR1」です。(画像のパター)同じ理論で設計された第三弾のパターになります。形状をピン型に寄せた「トライプリンシプルパター TP-BR1」も発売されます。

この2本のパターは、市場価格が2万円台になる予想です。「TP-S500」に比べるとヘッドの材質も違いますし、普通のパターに近くなっていますが、同じ理論で設計されたのにかなり安いです。高すぎて試せないと嘆いた方には、こちらがオススメです。

1mを90%以上の確率で入れるという「トライプリンシプルパター TP-S500」を経験して、その売り文句は嘘ではないとわかりました。所有しているゴルファーたちが、絶賛していることも十分に納得できました。

パットの面白さであり、難しさであるのは、方向だけでなく距離も同時に求められることです。ゴルファーは誰もが高いレベルでそれらが両立するように頑張っています。ゴルフ用具は、ゴルファーを助けるために存在します。方向性を用具に助けてもらうことは認められている権利です。

ピン型のパターが市場に出てきたときに、何で不格好なパターなのだと、ゲテモノ扱いする人たちがいました。しかし、十数年で、そんなことをいう人はいなくなり、現在では、主流なパターとして流通しています。この歴史を僕らは忘れてはならないのです。

未来のゴルフシーンでは、トライプリンシプルパターが主流になっているかもしれません。ゴルフ用具の開発にゴールはありません。進化し続けるクラブを使ってゴルフをできる幸運を謳歌しましょう!

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