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タイトリスト917の伝統という仮面を剥がして見えた真実!

917シリーズのドライバーは“D2”と“D3”の二種類、フェアウェイウッドは“F2”と“F3”の二種類です。

ドライバーはそれぞれに8.5度、9.5度、10.5度3種類のロフトが用意されていますが、フェアウェイウッドは“F2”が13.5度、15度、16.5度、18度、21度で、“F3”は13.5度と15度のみとなります。

黒いヘッドに見えますが、角度によってグレーっぽいカラーになるのが特徴です。過去に975シリーズでグレーのヘッドで一世風靡したイメージと同じだと考える人もいますが、それは早計です。

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2016.09.15

打ってみなければわからない弾道と快感

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“D2”は、9.5度と10.5度を打ちました。上の画像は9.5度です。グレーのヘッドはそんなに印象強くはない控え目なものです。“D2”は460ccのヘッドの大きさを感じさせます。安心感を持てるゴルファーは多いと想像できます。

タイトリストの調整機能は、ロフト角とライ角を変えることが可能ですが、今回の試打は全て『A1』というノーマルポジションで行いました。また、ウェイトを変えることで重心を変えられる調整機能も片寄りがないノーマルウェイトを装着して行いました。

シャフトは標準装備の硬度はSのものを使用して、ほんの少しだけ個人的に興味があった『Speeder EVOLUTION III』もドライバーにだけ装着して打ちました。メーカーの説明によれば、“D2”はミスヒットに強く、直進性が高いということになっています。“D3”はスピン量を抑えて、操作性を高めたそうです。

直進性とか、操作性とかは、売り文句としては使い古しで、正直に書くとピンと来ないのが本音です。過去に同じ宣伝文句なのに、その機能を体感できなかったクラブはたくさんあったことも事実だからです。

上の画像は“D2”の10.5度です。ロフトが違うと、ヘッドのフォルムも変わってしまうモデルも過去にはありましたが、“D2”は同じフォルムでロフトだけが違うようにできています。

個体差かもしれませんが、10.5度のヘッドのほうが構えやすいと感じました。これは、好き嫌いの範囲でなんともいえませんが、構えたときにフェースが画像のような感じで、視認しやすいモデルは珍しいので、その部分に影響されたのだと思います。

フェースの見え方は、ウッドの場合は作り手の腕の見せ所です。構えたときに方向を決める指針になるからです。こだわって、かなり作り込んでいるメーカーが多いのですけど、917シリーズはその部分は悪くいえば大雑把です。良くいえば、そういう小細工にこだわらないともいえます。

“D2”の9.5度を最初に打ちました。僕はヘッドスピード43m/秒、スピン量は多めで、持ち球はドローです。やや右を向いて構えました。構えた雰囲気で、強くドローしそうに見えたからです。ドローを抑えるように振りました。しかし、結果は真っ直ぐに美しい弾道で飛んでいき、右の林の中に行きました。

次には、認識を変えました。見た目とは裏腹に、左に曲げにくいのかもしれないと考えました。思い切って左に曲げてみようと意識して打ちました。手応えはかなりのドローという感じでしたが、弾道は軽いドローでした。

“D2”は曲がりにくく、見た目よりもロースピンなドライバーです。9.5度でも、10.5度でも、ボールはそこそこ上がるのですが、構えた感じのロフトよりは低く感じました。

打音は程良い高さですが、あまり響かずに短めです。これも好みだと思いますが、いわゆる上級者には好む人が多いでしょう。プロっぽい音、という感じで、テレビのトーナメント中継でよく耳にする打音といえばわかりやすいかもしれません。

3回目からは使い方がわかりましので、ナイスショットを連発しました。左には行きにくいので、思い切って振っていけます。ボールは曲げようとしてもあまり曲がりません。まさに、直進性が高いということは、こういうことだといわんばかりの弾道でした。

更に、飛距離に関しても通常の自分より10ヤードは飛びました。特筆したいのは、キャリーが飛ぶということです。ランは少な目です。

飛ぶドライバーの中には、転がることで飛距離を伸ばすものもありますが、“D2”は違うのです。9.5度と10.5度と飛距離は変わらないのですけど、10.5度のほうが明らかに高いボールになります。

普通複数ロフトのドライバーは、球の高さが違うのではなく、ロフトが多いほうが捉えやすく左に行きやすくなる傾向がありますが、“D2”は球の高さに出るだけで、弾道の性質は変わらないのです。自分の打ちたい高さを考えて、単純にロフトを選択できることは当たり前ではないので、凄いなぁ、と感心しました。

易しく打てるのに、弾道は上がりすぎず前に行こうとするというのが“D2”です。ボールが曲がりにくいのも特徴です。構えた方向に素直に飛んでいきます。安定しているという表現もピッタリです。

これがタイトリストの低スピンなのか?

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上の画像は“D3”です。個人的にはかなり期待をしていて……期待通りでした。“D2”と比較すると敏感にボールを曲げることはできます。しかし、過剰には反応しません。

操作性が良いといわれるドライバーの何割かはヘッドがボールを捉えにいくことでボールを左に曲げようとしますが、“D3”にはそのような余計な動きをしないのです。使い手のスイングを掛け値なくボールに伝えます。

“D3”は9.5度のロフトのみを打ちましたが、ランも出るドライバーです。アメリカツアーでのプロゴルファーの選択は“D2”が多いと聞きましたが、“D3”の転がりがトーナメントの舞台では邪魔に感じるのかもしれません。

使用したホールで、過去最高の飛距離を打つことができました。色々な弾道が打てますが、極端に反応して大きく曲がることは1度もありませんでした。失敗しても、狙い通りの範囲には入るのです。

久しぶりにドライバーを打つのが楽しくなってしまいました。低スピンのドライバーは市場にたくさんあり、“D3”はそういう中では飛び抜けてはいません。917シリーズの中ではより低スピンだという味付けになっているだけです。

僕が特に好感を持ったのは構えやすさです。440ccのヘッドとしては大きめに見えますが、構えたときに狙った方向をスッと向いてくれるのは心強いもので、機能の一つだと書いても良いと思うのです。

少し値段があがる特注シャフト『Speeder EVOLUTION III』を装着して打ってみました。少し総重量が重くなりますが、より振りやすくなりました。最も飛んだホールではこのセッティングで使用しました。

試しませんでしたが、“D3”であれば、ドロー打ちの僕でもフェードを打てると思いました。イメージした弾道を打てるスイングさえすれば可能だと思わせるのです。

タイトリスト917の“D2”ドライバーは、スイングがある程度固まっている多くの人に使ってもらえるドライバーです。構えた方向に飛んで、曲がらない安心感は易しいと感じるほどですが、弾道は強くて易しいクラブを想像させません。

飛ばしに特化したドライバーがたくさんあります。特別なものを得るために失ったり、我慢することがあるものですけど、“D3”は強いていえば転がりが少ないぐらいで、飛ばしに特化したドライバーと対等の飛距離性能を持っています。

“D3”ドライバーは、曲げるボールも打てるようになっています。ランで稼ぐボールも打てます。自分の技術を活かしたいと考えてしまう僕のような自惚れたゴルファーの欲求を満たしてくれます。

左右高低にボールが散るとはいっても、その範囲は最小限です。スピン量が多くて距離をロスしているゴルファーの助けにはなりますし、“D2”のヘッドのフォルムがどうしても馴染めない、というゴルファーにも救いの手になります。

多くの人は見た目の古さに違和感を持つかもしれません。構えた感じがオーソドックス過ぎて、数世代前のドライバーだと思わせるのです。しかし、打ってみるとその印象は変わるはずです。ただ、人間の視覚から入る情報は、時々ゴルファーの魔法をかけることがあります。見た目の違和感や失望感で結果が出ないこともあるような気がします。

また、コースボールで打って結果が良いものは、練習場のボールでは全く機能しないものもあります。917シリーズはちょっとそれを考慮しないと、練習場だけでは判断できない可能性があります。

狙って打つためのはずが、飛ぶなんて狡い

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上の画像は“F2”です。フェアウェイウッドは、“F2”の15度と18度、“F3”の15度を打ちました。どちらも締まったヘッドで、大きめのヘッドのフェアウェイウッドを使っている人には構えた瞬間から「当たらない」と思わせるかもしれません。いわゆるプロが使うようなフェアウェイウッドとして見れば、“F2”は標準的な大きさで、“F3”は小さめです。

“F2”はドライバーの“D2”を意識したフォルムになっています。ヘッドのヒールサイドの後ろについた肉付けはまさに兄弟です。好き嫌いはあると思いますが、僕は構えやすいと感じました。

917シリーズのドライバーはフェースのスコアライン(溝)が中心部は下部だけにあり、上部にはありません。これが独特な雰囲気を出している一因なのですけど、フェアウェイウッドのフェースのスコアラインはフェース全面に途切れずに引かれています。

構えるときに、スコアラインにゴルファーは大なり小なり影響されます。アドレス時にどう見えるかで、結果が変わってしまうこともよくある話です。“F2”も“F3”もスコアラインは上手に入っています。それが構えやすさの要素になっています。

“F2”の15度から打ちました。打って驚いたのは二つのことです。一つは曲がりにくいこと。もう一つは飛ぶことです。

宣伝文句は信用できないと冒頭に書きました。宣伝文句のようですけど、曲がらないことも飛ぶことことも事実なのです。僕が普段使用しているスプーンも飛ぶものですが、当たりが多少悪くても同じくらい飛びます。

球の高さはロフト通りで、特別に高い球が出るわけではありません。しかし、打感と打音と弾道がリンクするのです。短めの打音は弾くようなイメージを持つ人が多いと思いますが、ボールがフェースに当たるのがわかる打感もあるのです。そして、手応えと全く同じボールの高さが出ます。

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画像は“F2”の18度です。これも良かったです。飛びますし、曲がりません。ボールは高めになります。キャリーが出て、あまり転がりません。傾斜があるラフからも実験的に使用してみましたが、フェースが小さいので上手く抜けてくれました。

ついでに、思っていたより20ヤードも飛んで驚きました。スプーンが苦手な人は、18度の“F2”があれば十分です。今シーズンの新製品を試打した中でフェアウェイウッドの完成度の高さには何度も驚きましたが、“F2”はかなり強烈で衝撃でした。

構えたところに飛んでいって、スイングした通りの弾道が出る……安定して曲がりにくいのに飛距離も出る……試打レポートが嘘っぽくなってしまうと悩みました。

狙って止めていく機能が優先されているフェアウェイウッドだと想像していましたが、“F2”は飛距離性能もトップクラスです。それが、特別ではなく、普通の弾道で出ることに戸惑うほどです。

多くの飛距離が出るフェアウェイウッドは、打感の鈍さや手応えが微妙だったりします。どこに当たったのかわからないエリアがフェースにあるのですけど、“F2”はハッキリと打感と手応えで教えてくれます。

「狡いフェアウェイウッドだぁ」と思いました。表面的には特別感がないのに、結果だけはちゃんと出すのは凄いことです。軽く感動してしまいました。

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上の画像は“F3”の15度です。ヘッドが小さくて、丸くて、大好きなフォルムです。フェースの切り方が上手いので構えやすいです。

“F3”は“F2”とは違って、ドライバーと同じような構造のヘッドになっています。転がってでも遠くへ、というコンセプトで作られたそうです。だから、13.5度と15度のモデルしかありません。

気合を入れて打ちました。打感が軟らかく、抜けるような打ち応えで、ボールはロフトなりに上がって、軽くドローしていきました。落ちてからも転がりました。左に行きにくいようなので、思い切って振ることができます。

僕の場合は、“F2”より飛びました。弾道のコントロールも楽々できます。曲がりにくくはなっていますが、ちょうど良い感じです。5回使いました。全て大満足の当たりと弾道でした。思った通りの弾道が打てることは快感です。何よりも飛ぶスプーンは、それだけで魅力があるのです。

感想は「メーカーに返却したくない」でした。紛失したからと弁償を申し出るシーンを想像して、怖くなりました。

スプーンが好きで、僕と同様か、それ以上にヘッドスピードがある人なら“F3”は楽しい用具になります。ティーショットで使われる前提で使うのも良し。地面から打つのも良し。ボールを上げる機能が少し弱いので、それを補う技術があれば楽しいはずです。

まとめ

興奮しながら試打しました。同伴競技者にも打ってもらいましたが、「これいくらなの?」「いつ発売するの?」と何度も聞かれました。

タイトリスト917シリーズは、中級者以上で向上心のあるゴルファーが願いを叶える機能を持っています。それは、飛びであったり、安定性であったり、直進性能であったりすると思いますが、それぞれの使い手に応えるように調整されたのかと思ってしまいました。挑戦を受けるべく宿命にあるメーカーであり、ブランドでもあるタイトリストの底力を見せつけられました。

見た目でクラブを選ぶことを否定はしません。ネットでクラブを買う場合は、現物を見ないで画像だけだというゴルファーもたくさんいます。そういう意味では、917シリーズは駄目だというレッテルを張られるかもしれません。

でも、無理は承知で打ってみて欲しいと思います。僕は良いクラブは踏み絵のような機能も持ってるべきだと考えています。打ってみて使えないのであれば、腕を上げるしかないと諦めがつくのは王道のクラブのマストです。

917シリーズには、それが明確にあります。それでいて、合格ラインを越えてきたゴルファーには、ありそうでなかった世界を経験させてくれます。何ら無理をせず、普通にしても、クラブがここまでやって差し上げます、という感じです。

本音をいえば、もう少し安かったら良いのになぁ、なのです。高額であることには理由があるのでしょうけれど、他のメーカーのクラブと比較して高いということは、試すとかいう以前に購買行動を止めるのに十分なのです。

強いて書きますが、高額な値段を払っても損はしないだけのパフォーマンスが917シリーズにはあります。手にとって、試してもらいたいです。

2年間モデルチェンジをしないで市場に出ている間に、タイトリストのクラブは段階的にマークダウンをします。売れる売れないの勝負のラインは、発売直後のスタートダッシュではなく、長期戦を想定しているのだと思います。手が届かないと諦めることなく、憧れながら、腕を磨いて、値段が下がるのを待つのも一考かもしれません。

917シリーズは、弾道を拡大するクラブです。特別に変わらないのに、大きくなった分、結果として飛距離も伸びた、という感じです。飛ぶようになる場合、大概は、弾道の中に理由や原因があるものですが、そういうことではなく、ボタン一つで自動的に拡大されるのです。

後々に名器と呼ばれるようになるクラブは、こういう感じなのです。2016年の秋にゴルフをしていたことを幸運だったと思えるような出会いができるゴルファーが一人でも多くなることを祈っております。

スペック

917D2

★ロフト   8.5/9.5/10.5
★ヘッド体積 460cc
★発売日   2016年10月21日
★シャフト  Titleist Speeder 517(R/SR/S)1本/75,000円+税
★価格    Diamana B(S)1本/97,000円+税
       Speeder EVOLUTION III(S)1本/97,000円+税
       Tour AD TP(S)1本/97,000円+税
       ATTAS PUNCH(S)1本/97,000円+税

917D3

★ロフト   8.5/9.5/10.5
★ヘッド体積 440cc
★発売日   2016年10月21日
★シャフト  Titleist Speeder 517(R/SR/S)1本/75,000円+税
★価格    Diamana B(S)1本/97,000円+税
       Speeder EVOLUTION III(S)1本/97,000円+税←3の数字はローマ数字
       Tour AD TP(S)1本/97,000円+税
       ATTAS PUNCH(S)1本/97,000円+税

917F2

★ロフト   13.5/15/16.5/18/21
★発売日   2016年10月21日
★シャフト  Titleist Speeder 517(R/SR/S)1本/43,000円+税
★価格    Diamana BF(S)1本/65,000円+税
       Speeder EVOLUTION III(S)1本/65,000円+税
       Tour AD TP(S)1本/65,000円+税
       ATTAS PUNCH(S)1本/65,000円+税

917F3

★ロフト   13.5/15
★発売日   2016年10月21日
★シャフト  Titleist Speeder 517(R/SR/S)1本/43,000円+税
★価格    Diamana BF(S)1本/65,000円+税
       Speeder EVOLUTION III(S)1本/65,000円+税
       Tour AD TP(S)1本/65,000円+税
       ATTAS PUNCH(S)1本/65,000円+税

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