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和顔って何だ? ミズノMP-66アイアンとT7ウェッジをコースで打ってみた!/ゴルフの最前線から情報発信!

  • 2016.08.03

「やはり、最後の最後にアイアンはミズノということになるんだよね」

巷で囁かれるセリフですが、その真偽は別にして、ミズノのアイアンはどんどん進化して世界をリードしています。

2016年9月16日に発売される“MP-66”と“T7”をいち早くお借りして、コースで打ってきました。

今回の新製品の『和顔』という売り文句は、正直に書くと市場には響かないような気がします。アイアンのフェースにこだわっているゴルファーはごく少数で、残念ながら顔の良さをちゃんと見られる眼力は過去のものになりつつあるからです。

『和顔』の意外な効果

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“MP-66”の5番アイアンと7番アイアンです。

『和顔』というのは、20世紀末までミズノのアイアンがこだわっていた特徴でした。いくつかのポイントがありますが、タイトリストのアイアンに代表されるボールを逃がすようなイメージで構えやすいフェースのネック部分の膨らみとリーディングエッジのネック寄りの緩やかな形状が今世紀に入ってからは主流になりました。

左に引っ掛けたくない、または、ドローを打ちたい、というトッププロの要望と、アメリカのゴルファーが伝統的に面長なヘッドを好むことから考えられた工夫です。また、工業的にも、そのほうが簡単な工程でできるメリットがあったとも聞きます。

ゴルフ歴が20年以上あって、20世紀末にはフェード打ちだった上級者の中には、最近のアイアンはしっくりこないという不満を持っている人が少なからずいたのです。理由や理屈はよくわからないけど、アイアンでフェードが打ちづらい長い時間が過ぎました。『和顔』のアイアンは、そういう不満を持っていたゴルファーに一筋の希望の光となる可能性があります。

『和顔』のチェックポイントを書きます。

フェースのネックの膨らみが目立たないことが一つの特徴です。ミズノはストレートな形状と説明していますが、多くのアイアンはこのラインがインサイドアウトに傾斜していて、ネックがボールに当たりそうな感じがするのです。フェースのネック側をストレートにすると、同時にリーティングエッジのネックの部分がより凹んだ様子になります。

もう一つは、トップブレードのトウ側の頂点の位置です。現状のアイアンは、トウ側に寄せてあります。頂点をトウ側にすることで面長に見えるからです。『和顔』では頂点が少しネックに寄ってきます。

同時に、トウの曲線が『和顔』では緩やかになります。この曲線は小さな変化ですが、目立つので、ここだけを見てアイアンの顔が良いとか語る人もいます。間違いではないですけど、人の顔でいえば、顎のラインだけで美人と不美人を決めつけるようでやや乱暴なのです。

市場ではあまり話題にならないと思うのは、構えただけで、これに気が付くゴルファーは本当に稀だからです。しかし、試打してみて、愕然としました。見た目の百倍ぐらい実際の弾道に影響することがわかったからです。

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“MP-66”は、セミキャビティーのアイアンです。バックフェースのえぐれは最小限なので、難しいイメージを持つ人もいるかもしれませんが、打ってみると非常に許容範囲が広いアイアンでした。

ロフトは、以下のようになります。(数字は、番手/角度)

NO.3/21、NO.4/24、No.5/27、No.6/30、No.7/34、No.8/38、No.9/42、PW/46

このロフトは、立っているロフトが増えてきた中で、昔のままに近いものです。

ごく簡単に書きますが、飛距離性能に関してはロフト通りです。決して飛ぶアイアンではありません。ボールの高さもロフトなりで、アイアンの特性で高低があるわけでもありません。高く打とうと思えば高い球が、低く抑えようとすればそれなりに低い球が打てます。

キャビティーになっているアイアンの中には、ボールの高低の打ち分けが難しいものもあります。特に低い球は打ちようがないものものあります。そういう分野では、“MP-66”は技術を活かして、十分に楽しめるアイアンです。

打感は素晴らしいです。芯でボールをとらえたときの抜けるような爽快さは、MPのアイアンの中でも上位に入ると感じました。そして、何よりも少しぐらい芯を外しても、わからないぐらいのスイートスポットの広さも体感しました。

人によっては、軽い打感と表現する人がいますが、重い打感は歪みが原因で伝わる雑音のようなものですので、打感の良さを追求するなら軽いことが大事なのです。強烈な軽さでした。

さて、『和顔』が機能していると思われることについて書きましょう。それは、弾道の打ち分けの易しさです。

現在主流の上級者向けのアイアンの大部分は、フェードが打ちづらいドロー打ち用のものが主流です。ところが、“MP-66”は、イメージ通りにフェードもドローも打てました。この部分にかんしては、個人的に長年使っているMP-68よりも段違いに優れていると感じました。

パー3で使って、狙い通りのフェードでピンに絡めて、ソールを見てみました。ティーが擦れた跡が線になって残っていました。それが、思ったよりヒール寄りについていたのです。

無意識に、ボールを包むように構えて、そのまま細工なしでフェードを打とうと、ヒール寄りにボールを当てるということができていたのです。これこそが『和顔』が可能にしたものだと推測できます。面長に見えるフェースのアイアンは、ネックの部分が出っ張っているように見えるので、ヒールよりで打つことに恐怖感があるのです。

イメージは技術を凌駕することがあります。『和顔』であれば、イメージしただけでスイングをいじらずに、軽いフェードとドローが打てるのだとしたら、これはそれだけで十分な機能だといえます。

“T7”は感性に訴えてくるウェッジ

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ウェッジというのは、1本で色々な距離を打ち分け、ときには、色々な弾道を打つクラブです。イメージを具現化させるために、機能も大事ですけど、感性に合うものが必要です。プロゴルファーが用具使用契約をする際に、ウェッジとパターを外すのは、代わりがきかないものだからです。

しかし、一般のゴルファーはあまり考えずにウェッジを選んでいます。たくさんのロフトがあるのに、プロや上級者を真似てロフトを選ぶ習慣に疑問を投げかけるのが、今回の“T7”の面白いところの一つです。ヘッドスピード別に100ヤードを打てるロフトを表で探せる仕組みを提案しているのです。

僕のドライバーのヘッドスピードは43m/秒です。その場合は、50度のウェッジがちょうど100ヤードを打つのに良いということになります。もう何年も前から僕は50度のウェッジを使用しています。100ヤードは、確かに50度のウェッジで打ちます。

“T7”は、44度~62度まで1度刻みでロフトが選べます。これだけで十分にワクワクします。今回のラウンドで、ミズノから借りた“T7”は、50度と56度2本と58度の4本です。

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56度が2本なのは、同じロフトでバウンスが違うせいです。アメリカ市場ではミズノもだいぶ前から、使用者が多いロフトのウェッジには複数のバウンスの設定がありましたが、日本市場でもそうなりつつあります。

56度をリクエストしたのは、使い慣れていて比較がしやすいからです。一つは10度のバウンスで、もう一つは14度のバウンスです。ちなみに、使用者が多い58度には、8度、12度、16度の3種類のバウンスがあります。

ミズノウェッジは、二系統のラインアップがあります。新発売の“T7”はTが頭についたラインで、もう一つはRです。Rはラウンドの略で丸いフェース形状をしていて、Tはティアドロップ(涙のしずく)の略で面長なフェース形状です。

トップブレードが直線的でフェースのヒール寄りががシュッと細く感じるのがTのタイプの特徴です。フェースの形状は好みで、まさに感性です。個人的にはRのタイプが好きで使ってもいますから、“T7”は『和顔』であっても見た目ではあまりグッとは来ませんでした。

しかし、ボーケイも、クリーブランドも、原則としてティアドロップ型です。主流といえば主流なのです。“T7”は多くのゴルファーの目には、慣れている安心感を与えるはずです。

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実際にコースで使用してみました。

まずは、50度です。残り距離が100ヤードでフェアウェイと92ヤードの浅いラフからのフルショットで使いました。思った通りの弾道で、距離もピッタリ合いました。ラフから抜けも申し分ありません。

30ヤードのピッチエンドランでも使用しましたが、こちらは、好みの問題で僕は構えづらく感じました。スピン量も多すぎず、少なすぎず、ちょうど良いと思いました。やや高めの打音は、上手くなったような気分にさせるものです。

58度は8度のローバウンスだったのですけど、30ヤード、45ヤード、60ヤードで使用しました。気持ち良くボールを拾える感じでした。ソールの幅が広いことからソールはきれいに滑ります。ローバウンスの宿命でスピンはちょっと効きづらい感じで、ボールを止めるにはある程度の高さが必要になります。

コースで使用してみて、打ち込む場合は、上手くソールが跳ねずに刺さるような感じになりました。16度のバウンスの58度に興味が沸きました。

56度は使い慣れているので、10度と14度のバウンスを比較しました。

40ヤード、55ヤード、15ヤード。14度で打ちました。45ヤードを10度のバウンスで打ちました。14度のほうがスピンがかかる気がしましたが、正直に書くと、バウンスによって大きな差は感じませんでした。それは僕がアプローチでウェッジを打ち込まないタイプだからだと思います。打ち込む人は、14度でないと使いづらいと思います。

バンカーショットでも使いました。14度のバウンスはソール幅があることで、安定してソールを使えます。特別なテクニックは不要で使えると思いました。

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ソール幅があるウェッジは、使いづらいという印象を持つ人がいますが、“T7”は上手にソールが削られていて、邪魔にならないのに、しっかりと機能はすると感じました。幅があることを意識して、バウンスは少な目で良いと判断する人もいるかもしれませんが、使用してみてそれは危険だと思いました。

ローバンスはフルショットのような使用に合っていますが、開いたり閉じたりしたりして使うのには向いていません。バウンスがしっかりとあるほうが、応用が利くという印象です。

もう一つ、これは慣れだと思いますが、ソールにロフトなどの刻印がありません。複数の“T7”がキャディーバッグの中にあると、バックフェースを確認しないとロフトやバウンスがわからないのです。そういうウェッジは珍しくないですけど、数字が見えないと不便だという声も耳にしますので、注意が必要です。

どんなゴルファーに合っているのか?

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“MP-66”が合っているゴルファーは以下のような人たちです。

★究極の打感を味わいたい人
★今までMPシリーズのアイアンを使っていて、もう少しミスの許容範囲が欲しいと感じている人
★ヘッドスピードがあり過ぎて、ボールが高くなりすぎてしまう人
★フェードもドローも気持ち良く打ち分けたい人
★飛ばなくとも良いのでしっかりと距離を打ち分けたい人
★腕に自信はないけど、ミズノのMPアイアンに憧れている人
★『和顔』のアイアンを求めていた人

“T7”が合っているゴルファーは以下のような人たちです。

★ボーケイやクリーブランドの形状が好きだけど、満足できない人
★規定のロフトではなく、隙間のロフトが欲しかった人
★『和顔』のウェッジを求めていた人
★ウェッジでも打音を響かせたい人
★ソールにこだわりがある人

最後にコースで使用して、『和顔』について感じたことを報告します。

包み込むイメージだとかいうのは、かなり敏感にこだわっている人の専売特許のようなものです。おまじないのようなものだと無視してしまうことも否定はしません。

しかし、ゴルフコースで芝生の上で打ってこそ、わかる体験をしました。わかりやすく書くと、『和顔』のアイアンもウェッジも、打ち込みたくなる欲求が自然に出るような気がしました。

僕は比較的スイープな(払うような)インパクトで打つタイプですが、試打ラウンド中に無意識に打ち込んでいるときがありました。これは『和顔』効果なのだと思います。

包み込むようなフェースで目から入ってくるイメージと、実際に打ってみることで身体から入ってくる感覚がシンクロすると、言語化されなくともクラブの要求する打ち方をするのだと推測しました。

個人的には、『和顔』のマッスルバックのアイアンとストロングロフトに対応したアイアンが欲しいと思いました。また、ウェッジに関しても、Rシリーズでも“T7”のようなウェッジが出て欲しいです。

とはいえ、これはごく少数の意見であり、多くの21世紀にゴルフを楽しむゴルファーにとって、9月に発売される“MP-66”と“T7”は他に比較ができない自分だけの武器になると痛感したのでした。

『和顔』は想像以上に、機能するのです。

スペック

<MP-66 アイアン>
★発売日  2016年9月16日
★セット  アイアン6本組(No.5~9、PW)
★シャフト ダイナミックゴールド スチールシャフト または MODUS3 SYSTEM3 TOUR105 スチールシャフト
★価格   ¥123,120 (本体¥114,000)
※MODUSは ¥129,600 (本体¥120,000)
★番手/ロフト
NO.3/21、NO.4/24、No.5/27、No.6/30、No.7/34、No.8/38、No.9/42、PW/46
★仕上げ  ニッケルクロムメッキ・ミラー仕上げ

<T7 ウェッジ>
★発売日  2016年9月16日
★シャフト ダイナミックゴールド スチールシャフト または MODUS3 WEDGE105 スチールシャフト
★価格   ¥20,520 (本体¥19,000)
※MODUSは ¥21,600 (本体¥20,000)
★NO.-バンス/ロフト
NO.44-04/44、NO.45-05/45、NO.46-06/46、NO.47-07/47、NO.48-08/48、NO.49-06/49、NO.50-07/50、NO.51-08/51、NO.52-09/52、NO.53-10/53、NO.54-08/54、NO.54-12/54、NO.55-09/55、NO.55-13/55、NO.56-10/56、NO.56-14/56、NO.57-11/57、NO.57-15/57、NO.58-08/58、NO.58-12/58、NO.58-16/58、NO.59-09/59、NO.60-10/60、NO.61-11/61、NO.62-12/62
★仕上げ  ニッケルクロムメッキ・サテン仕上げ、ステンレスプレート

 

この記事を書いたライター

1965年生まれ。東京都文京区出身。板橋区在住。中1でコースデビュー。
競技ゴルフと恋愛に命をかけた青春を経て、ゴルフショップ、ゴルフ部コーチ、ジュニアゴルファー育成団体などで勤務しながらゴルフエッセイストになる。
ゴルフ小説、恋愛小説なども執筆している。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
ブログ更新中!:ゴルフ惑星

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