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美しく飛ばしたいゴルファーのために『JPX900』は青く輝く!

“JPX900”は詰め込めるものを全て入れた最新のクラブというイメージです。

発表試打会で打たせてもらって、飛距離性能よりも方向性の良さに驚いたと書きました。今回、ゴルフコースに持ち込む前に、そのときに教えてもらった僕に最も合っているポジションに重心ウェイトを動かしたり、ロフト設定を変えたりしながら思ったのです。このクラブは現在の最先端の性能を詰め込んでいる、と。

そして、自分が所有するアイテムとして特別な美しさで満足感を与えるために表面を加工する技術も惜しみなく使っています。外見も、中身も、目一杯なクラブなのです。

曲がらなすぎて欲が出るドライバー

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ヘッドスピード42m/秒、スピン量が多いドロー打ちの僕の場合、重心ウェイトは最もフェース寄りの『1』というポジションにしました。ロフトは最も立った7.5度。使用したシャフトはオリジナルの“Orochi Blue Eye D”で硬さはSR。長さは45.5インチです。

前回のレポートで打ったときに、方向性は良かったのですけど、普段自分が使っているボールでコースで打ってみたいと思いました。普段使用しているブリヂストンの“B330X”であれば、ボールの条件を一定にすることができます。また、コースでラウンドしながら使うのも、1球しか打てない当たり前の状況でメンタル面の影響も感じたいからです。

過去には練習場で完璧だったクラブが、コースでは全く頼りにならないという経験を多くしてきました。本番で使わなければわからないのがゴルフクラブの謎でもあり、面白いところなのです。

“JPX900 ドライバー”は、スタートホールの第1打目からど真ん中にストレートな高弾道で飛んでいきました。210ヤードを少し越えた飛距離でした。理想的な弾道に見えるので、ボールの着地点に着いたときに、もっと飛んでいると思ったのです。

その後、4ホールとも見事に狙い通りにしか飛ばないショットでした。ドライバーが易しく感じました。僕の調子が良いのではなく、クラブの機能です。真芯にきっちり当たったのは1球だけで、残りの3球は少し外していました。それでも、弾道も距離もあまり変わらないのです。

ミズノらしい部分なのですけど、真芯に当たったときの抜けるような打感と打ち応えは、ほんの少しのズレを打ち手に伝えます。他のメーカーのクラブであれば、4球の差を認知はできなかった可能性もあるほどの小さなズレです。結果は変わらずに、自分の小さな不調を知ることができることは、不要だという考え方もありますが、僕には重要なファクターなのです。

“JPX900 ドライバー”の5球目からは、せっかくの機会なので、どうにかもう少し飛ばしたいと考えました。フック気味に打つことでスピン量を減らそうというのが作戦でしたが、ここで意外なことがわかります。フック目にクラブをインサイドから入れようとすると、シャフトが少し暴れるのです。

具体的には、思った通りに挙動しないで、タイミングがとりづらくなる感じです。15ヤード程度曲げるのが限界でした。不安定になっても、インサイドに振って右にすっぽ抜けるようなボールは出ませんでした。

ヘッドはボールを捉えようとすると、喜んでボールに食いついていく感じがしました。スライスに悩んでいる人も使えるように、一定の条件を与えれば、ボールを捉える動きもするようです。とにかく、方向性とミスの許容に関しては満点です。飛距離に関しては、飛んではいますが、もっと飛ぶような気がしてなりませんでした。

その日、同伴していた高校生のジュニアゴルファーに(ヘッドスピード48m/秒)打ってもらいました。中弾道でストレートな弾道で、レーザーで計測して285ヤード飛びました。シャフトが軟らかいので、思いっきり振れなかったと言っていましたが、彼が使用しているテーラーメイドのドライバーよりも飛んでいるようでした。ヘッドスピードが速い人が打つと、フェースのたわみが違うように感じます。

“JPX900 ドライバー”は、方向性を安定させたいゴルファーに合っています。シャフトの硬度設定がSRまでが標準で、Sは別注扱いになるのは、アスリートゴルファー向きではないという感じもしますが、この美しいヘッドは、案外と誰でも使えるような気がします。ヘッドをある程度まで軌道コントロールできるゴルファーであれば、退屈なぐらい狙い通りにしかいないドライバーショットを体感できます。

ゴルフはボールを飛ばすのではなく止めるゲーム

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“JPX900 フェアウェイウッド”は、ロフト15度の3番とロフト18度の5番(共にシャフトは純正のSR)をゴルフコースに持ち込みました。アドレスすると、ヘッドの薄さを感じて安心感があります。

フェアウェイウッドにも重心ウェイトの調整機能が搭載されています。こちらは、3番と5番共に、一番フェース寄りの『1』のポジションにしました。バックスピンがかかりにくくする意図です。

3番のスプーンは5回、5番のクリークは4回使用しました。いずれも高弾道という範囲を超えているようなハイボールで飛んでいきます。ドライバー同様にほとんど曲がらず、ストレート系のボールで、飛距離はスプーンが190ヤードから200ヤード、クリークが180ヤードでした。

7番アイアンと勘違いするほど高い球は、打ち出しの角度も大きいようですが、それ以上にスピン量もかなり多いようでした。フェアウェイに落ちたときに、ほとんどランが出ないからです。

5番のクリークをティーショットに使ったホールでは、フェアウェイでバックスピンがかかってボールが戻りました。3番のスプーンも、落ちてから1ヤードぐらい前に行くだけです。

フェアウェイウッドは、グリーンに止める機能を求めるか、ランも出て稼げる飛ばしの機能を求めるかで全く違うクラブになります。“JPX900 フェアウェイウッド”は、ボールを止める機能に特化したクラブです。中途半端にどっちつかずにせずに、ボールを高く上げて、かつ、スピンもかかるというフェアウェイに仕上げてあります。

ボールが上がらずに悩んでいるゴルファーには最適ですし、よく行くコースのパー3が長く、グリーンに止まる球を打ちたいというようなゴルファーは戦略的な武器としてバッグに入れるべきだと思います。方向性の良さはドライバーと同様です。

“JPX900 ユーティリティー”は、19度の3U、22度の4Uの2本をコースで試しました。ロフト通りの距離は出るクラブです。フェアウェイウッドほど高い球ではなく、普通の高弾道です。それぞれに、3回ずつ使いました。抜けるような打感の良さ、ソールの滑る感覚など、打ってみると自分が上手くなったような気分になります。

個人的に飛ばないユーティリティーには魅力を感じません。“JPX900 ユーティリティー”は、ロングアイアンの代わりになるクラブなのでロフトなりに飛びますが、それ以上でも以下でもありません。球筋が安定していて、曲がらないクラブは同じ球が打ちやすい反面、距離の打ち分けという機能は失っているように感じました。

“JPX900 ユーティリティー”は、使い心地が良いクラブで、好印象でしたが、自分が使うということで考えると、ちょっとつまらないと感じました。ロングアイアンが苦手で、その担当する飛距離に穴が空いているゴルファーには待っていました、というクラブになると思います。ユーティリティーとしての完成度はかなり高いレベルです。

地面にあるボールを打つ“JPX900”のフェアウェイウッドとユーティリティーは、共に高機能です。どちらも、「ゴルフはただ飛ばすだけではなく、ボールを思い通りに止めるゲームなのだよ」というゴルフの神様の声が聞こえた気がしました。

青いヘッドとシャフトは、本当に美しくて、プレーしている最中も惚れ惚れしていました。ただ青く輝くだけでなく、渋さもあって、それが深く感じさせるのです。

“JPX900”は、全てを注ぎ込んだようなクラブだと冒頭に書きましたが、使い手のイメージは万民だとは想定していないようです。実際に、球が高く上がるクラブに救われるゴルファーはたくさんいます。半数ぐらいのゴルファーが当てはまるのかもしれません。

しかし、該当するゴルファーには球が高ければスコアアップできるという自覚がないことがほとんどです。何でスコアが伸び悩んでいるのか、停滞、下降してしまうのか、ゴルファーの多くは自分自身のことはわからないまま迷路の中にいます。

“JPX900”に救われる多くのゴルファーに届いて欲しいと願いながら、このレポートを書いています。

良い感じで打ったボールがグリーンに落ちて、ナイスオンだと思ったのに、奥のエッジにまで転がって行ってしまったり、花道に落ちたボールがバウンドしながらグリーンに乗ってバーディチャンスになったりするゴルフは、当たり前にゴルフコースで見ることができます。こういうゴルフこそ、もったいない可能性があるのです。

ボールを止めてゴルフが上手くなることは王道で、険しい道です。しかし、青い“JPX900”はそれを助けてくれる武器になり、少しだけ楽に道を進むことができるはずです。自分を見つめ直して、挑戦して欲しいと思います。

スペック

JPX900 ドライバー

★ロフト   7.5~11.5(1度刻みで調整可能)
★長さ    45.5インチ
★ヘッド体積 450cc
★シャフト  Orochi Blue Eye D (S/SR/R)
★金額    1本/70,000円+税

JPX900 フェアウェイウッド

★ロフト   #3 15/#5 18/#7 21
★シャフト  Orochi Blue Eye F (S/SR/R)
★金額    1本/35,000円+税

JPX900 ユーティリティ

★ロフト   3U 19/4U 22/5U 25
★シャフト  Orochi Blue Eye U (S/SR/R)
★金額    1本/28,000円+税

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