“MP TYPE-1 ドライバー”と“MP TYPE-2 ドライバー”は、2017年3月17日にミズノから発売されます。開発期間2年半。それだけで十分に期待させます。

過去にミズノが世に出して名器と呼ばれた“300S ドライバー”と“MP CRAFT 425 ドライバー”の系譜を引き継ぐと聞けば、オールドゴルファーも注目してしまうのはしかたがないことです。

とはいえ、カーボンとチタン合金のコンポジットヘッドと調整機能の充実が主流になりつつある新製品ドライバーの中で、フルチタンのヘッドと可変スリーブのみという“MP TYPE-1 ドライバー”と“MP TYPE-2 ドライバー”は、単に古いだけなのではないかという疑念を抱くゴルファーも少なくありません。

百聞は一見にしかず。ゴルフコースに持ち込んで、徹底的にテストしてみました。

MP TYPE-1 ドライバーはゴルファーを映す

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“MP TYPE-1 ドライバー”を最初に打ちました。435cc、純正シャフトの硬さはSで45.5インチ、ロフトは可変スリーブで7.5度から11.5度に1度刻みで変更可能で、10.5度に設定しました。青い純正シャフトは、ミズノの自社製ではなく、グラファイトデザインと共同開発した50g台のシャフトです。

当日は、4mぐらいの風が吹き、快晴でコースは乾いた状態。気温は1℃で、やや着ぶくれした僕のヘッドスピードは40m/秒という感じでした。フェース寄りに刻まれた溝をミズノは『ウェーブテクノロジーソール』と呼んでいます。かなり深く、幅も大きいです。ミズノの発表だと、フェースのたわみ量が約10%アップするそうです。

見えないのですけど、ヘッド内部のフェース寄りに約10gのウェイトが付いているそうで、フェース寄りの前重心にすることで低スピンのボールを打ち出す役割を担っているということでした。より低スピンなボールを打ちたいゴルファーを意識したドライバーだといえそうです。ソールには『MP』というロゴと、ヘッドの後方に『TYPE-1』というプリントがあるだけで、シンプルです。

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構えたときに『300S ドライバー』を思いだしました。1999年に発売されて、世界中のツアーで愛された名器中の名器です。丸型のシェイプは締まって見えますし、フェースのバルジ(フェースの付いている丸みのこと)も独特です。ヘッド全体の厚みも感じます。

メディア発表で練習場でも打たせてもらっていましたが、そのときに、ドローを打つのに苦労したという経験があったので、ストレートなボールをイメージして狙って、打ちました。

打感は高音で締まった大きめの音です。打ち応えは、弾くというよりも、フェースに乗る感触のほうが強い感じです。弾道は中弾道で、ほぼストレートにボールは飛んでいきました。軽めに振ったのですけど、飛距離は約220ヤード。飛ぶドライバーですけど、特化して飛ぶという印象は持ちませんでした。

その後、11ホールで“MP TYPE-1 ドライバー”を打ちました。左には行かないドライバーです。フェースの上部に当てると、高弾道の棒球が打てます。

一言でいうと、楽しかったです。あらゆるボールが、狙った通りに打てるからです。引っかけを恐れずに、しっかりととらえていけばきれいなドローボールも打てますし、ちょっと驚いたのですけど、フェードも無理せず打てます。

現在市場にあるドライバーのほとんどは、無理をしないとフェードしない傾向にあります。ドライバーがボールをとらえにいく機能があるからです。途中からフェードを打ちながら、自分が上手くなったような錯覚に陥りました。

弾道は、ゴルファーがスイングした通りに描くことができます。“MP TYPE-1 ドライバー”の最大の特徴は、ゴルファーが打ちたいボールを自在に打てることのようです。

本当に美しい弾道を描けるのですけど、ちょっと不満があるのは「この弾道なら、もっと飛ぶはずなのに」ということです。飛ぶ弾道が打てても、ボールのところに行くと、普段の自分のドライバーのほんの少し前までしか行っていないのです。

これは、“MP TYPE-1 ドライバー”に問題があるのではなく、僕のヘッドスピードが不足しているからではないかと感じました。飛ばすためにドライバーが持っている機能を引き出すには、ヘッドスピード45m/秒以上の速度が必要のようです。僕の貧打でもトップレベルに飛びますが、弾道からすると、もっと飛ぶはずだと思わせるのです。

色々な球を打てるドライバーは、面白いです。しかし、ボールが散るタイプのゴルファーには向いていないかもしれません。右へ左へ、上へ下へ、狙っていないのに出てしまう可能性が高いからです。

“MP TYPE-1 ドライバー”は、引っかけが怖いというゴルファーが、思い切って振り切れるドライバーです。また、弾道を操ってドライバーを楽しみたいというゴルファーにも最適です。この5年ぐらいで打ったドライバーの中で、操作性の高さはナンバー1です。

MP TYPE-2 ドライバーは本格的であることを求める

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“MP TYPE-2 ドライバー”は、ソールを見る限り、“MP TYPE-1 ドライバー”とほとんど同じです。見えないのですけど、10gのウェイトがソール後方に入っているそうです。シンプルに中身で勝負というゴルファーには、たまらないソールです。

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460ccのヘッドは、本当に小さく見えます。丸型のヘッドは、ナチュラルで、球筋を限定しないで構えられる安心感があります。こちらは、ロフトを9.5度に設定して打ってみました。

弾道は中弾道の高めです。打音は“MP TYPE-1 ドライバー”と変わりません。手応えも弾くというよりもフェースに乗る感じで、ちょっと他にはない独特な感触です。

“MP TYPE-2 ドライバー”はあまり曲がりません。ミスショットに対するフェースの許容範囲も少し広くなります。しかし、“MP TYPE-2 ドライバー”のほうが易しくなったということではありません。

同じ球筋のボールを打ち続けるのには向いています。また、曲がりも小さいので、とにかく狙った所にボールが集まるように感じました。16ホールで使いましたが、狙った所にもしグリーンがあったら全て乗るぐらいの精度で、かなり好感触でした。

個人的には小さなヘッドが好きなので、“MP TYPE-1 ドライバー”のほうが自分に向いているはずだと思っていましたが、打ってみると“MP TYPE-2 ドライバー”のほうが結果が良かったのです。“MP TYPE-1 ドライバー”は左右という意味では思い通りに曲げられて面白かったのですけど、縦の距離が弾道によってばらつくのです。

これは、考え方によっては機能なのですけど、貧打の身の上ですので、ドライバーで打ったボールは少しでも前に行ってもらいたい僕にはマイナスでした。“MP TYPE-2 ドライバー”は、距離も大きなブレがないのです。少し芯を外しても、芯を食ったときとほぼ同じところまで飛んでくれます。

“MP TYPE-2 ドライバー”は、460ccだから打ち易いと考えるのはちょっと危険です。それなりに打てなければ、使いこなせないところは、名前の通り『MP』なのだと感じました。逆に本格的にゴルフを極めようと努力しているゴルファーには、最適の1本になります。

最高飛距離は、“MP TYPE-1 ドライバー”と“MP TYPE-2 ドライバー”で変わりません。『限界飛距離へ。』というコピーは嘘だったのか?ということについて、使い込めばもっと飛ぶんじゃないか、と強く予感させるのです。

今回、2ラウンドを通して2本のMP ドライバーを打ち比べましたが、もっと飛ぶはずなのだと、何度も思うことがありました。つまり、限界飛距離は、使いこなしたゴルファーだけが得られるもののようです。

まとめ

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“MP TYPE-1 ドライバー”と“MP TYPE-2 ドライバー”を並べて見ました。厚めのフェースです。フェースは全く新しいチタン合金が採用されたそうです。独特な打ち応えは、その新素材の影響なのかもしれません。

“MP TYPE-1 ドライバー”は、特別感が非常に強いドライバーでした。その一因は、33ミリという重心距離にあると思います。

重心距離は近年では、40ミリ前後のものが主流です。重心距離は長ければ長いほど飛ぶという考え方もあるほどなので、長めを選ぶゴルファーもいます。物理的なセオリーでいうと、重心距離は長くなるほどヘッドが回転しづらくなるのでスライス系になり、短くなるとヘッドが回転しやすくなるのでフック系になるのですけど……。

物理のセオリーは静的な状態での理屈で、動的なセオリーは違うという説もあります。33ミリという重心距離は特別で、近年のドライバーではあり得ないスペックなのです。

“MP TYPE-2 ドライバー”の重心距離は36ミリです。これも460ccのヘッドのドライバーとしては驚異的な短さです。重心距離が短いからフックしやすいか、といえば、その逆なのです。

同じような見た目のドライバーですが、打ってみると別物だということがよくわかります。僕は、どちらもそこそこ打てましたが、テスターの人たちを見ていると、“MP TYPE-1 ドライバー”しか当たらない、“MP TYPE-2 ドライバー”しか当たらない、というような極端な結果が出ることが多いようです。これは、練習場の試打会場で一般のゴルファーが打っているのを観察していても感じました。

試してみる際は、両方を打ってみることをオススメします。また、できるのなら、本番で使うゴルフボールを使用してください。練習場のワンピースやツーピースでは機能が発揮されません。

“MP TYPE-1 ドライバー”と“MP TYPE-2 ドライバー”を打って、このドライバーは売れるだろうな、と思いました。そう思う要因の一つは、価格です。

純正シャフトのメーカー希望小売価格が63,000円(税別)なのです。市場では5万円台になると予想されるドライバーは、他社の新製品より安いからです。何年後かに、名器の系譜というような企画で、“MP TYPE-1 ドライバー”、または、“MP TYPE-2 ドライバー”がラインアップされるのかは、ゴルフの神様だけが知っているのでしょう。

実際に打ってみて、僕の場合、とにかく楽しく使うことができました。そして、異質な部分を解消して、もっと使える予感がありました。2017年の春の新製品で最後の発表になったドライバーは、ゴルファーの限界を教えてくれるのです。

スペック

MP TYPE-1 ドライバー

★発売日     2017年3月17日
★ヘッド体積   435cc
★ロフト     可変タイプ 7.5度~11.5度
★長さ      45.5インチ

★シャフトと価格 純正(TOUR AD J-D1) 63,000円+税
         TOUR AD TP-7 78,000円+税
         TOUR AD TP-6 78,000円+税
         Speeder 661 Evolution lll 78,000円+税
         DIAMANA BF60 78,000円+税

MP TYPE-2 ドライバー

★発売日     2017年3月17日
★ヘッド体積   460cc
★ロフト     可変タイプ 7.5度~11.5度
★長さ      45.5インチ
★シャフトと価格 純正(TOUR AD J-D1) 63,000円+税
         TOUR AD TP-6 78,000円+税
         Speeder 661 Evolution lll 78,000円+税
         DIAMANA BF60 78,000円+税
         ATTAS PUNCH 6 78,000円+税