キャロウェイの『GBB EPIC シリーズ 』は既成概念を打ち破る!
キャロウェイゴルフは2017年2月17日に“GBB EPIC STAR シリーズ”と“GBB EPIC Sub Zero シリーズ”を発売します。
2本の柱でクラウンとソールが離れないようにした内部構造のドライバーは、初速がアップして、本当に飛ぶのか?キャロウェイのお家芸ともいえるフェアウェイウッドの完成度は?期待を高めながらゴルフコースに持ち込みました。
グリーンがイメージカラーの“EPIC シリーズ”は見かけ倒しではなく、最新というべき凄いクラブだったのです。
『STAR』は遠くまで光を届ける魔法となる
コースで試打した日は、晴天で微風、朝はマイナス3度でしたが日中は11度まで気温が上がりました。僕のヘッドスピードは、厚着などのため41m/秒になっていたと思われます。始めに打ったのは“GBB EPIC STAR ドライバー”です。
ロフトは9.5度、純正シャフトの『Speeder EVOLUTION for GBB』のSというスペックです。弾道調整機能の『ペリメーター・ウェイティング』は中央のままで打ちました。
クラウンのカーボンはグラデーションのようになっています。『スピード・ステップ』という空力を高めるための膨らみも含めて、構えると気になるかと思いましたが、全く違和感はありませんでした。
スッと構えられます。キャロウェイのウッドを普段使っているせいかもしれませんが、特にフェースのトウ寄りのラインが安心できます。
素振りすると軽く感じますが、45.75インチという長さを考えると、逆に上手に調整されています。長さを感じずにスイングすることができます。ドロー狙いでフェアウェイの右サイドに向かって打ちました。
打音は、金属とカーボンのコンポジットのヘッドらしく低めの小さな音です。芯を食ったボールは、9.5度のロフトとは思えない高めの弾道で、小さなドローになってフェアウェイに落ちていきました。
そんなに振っているつもりではなかったのですけど、強い弾道に驚きました。そして、ボールが落ちたところが下り傾斜だったこともありますが、普段の自分の飛距離より30ヤード先にボールはありました。なんだか嘘のような不思議な感じでした。約1インチ長いからだけではなく、ドーンと強いボールが打てました。
次のホールから5回ほど使いました。飛びました。少し芯を外れても勢い良くボールは飛びます。やや軽いドローを打っていましたが、フェードを打とうと思えばフェードも打てます。左には行きづらいドライバーです。
純正シャフトはタイミング良く振るのに向いている感じでしたが、シャフトをアフターマーケットのものに変更すればパワーヒッターでも問題ないと思います。9.5度のロフトでもボールはやや高めでしたが、打ちながら「しっかり打てないと機能しない……」という雰囲気はありました。
今までのドライバーで適切なスピン量でボールが打てているゴルファーは、10.5度のほうが扱いやすいと思います。僕の場合は、9.5度のロフトがハイスピンを中和してくれたように感じました。
構えた方向に何も考えずに、しっかりと狙い通りのボールを打てるドライバーは、それだけで十分に魅力的ですが、飛距離性能もトップクラスというのは心強いです。ただし、簡単なドライバーと安心して使うのには注意が必要です。
“GBB EPIC STAR フェアウェイウッド”も打ちました。スペックは純正シャフトのSで、ロフトは15度です。
どっしりして安心感があります。フォルムが良い感じです。構えたときに手の位置がクラブに誘導されて良い位置に決まります。曲げづらいという表現がピッタリという感じで、真っ直ぐに飛んでいこうとする強いボールが出ます。
ボールは上がりやすいですが、ティーアップしてフェースのやや上部に当たったときには、強い棒球が出ます。この特性を上手く使いこなせれば、ゴルフ人生最高のスプーンだと絶賛するゴルファーがいると想像しました。
キャロウェイはフェアウェイウッドを作るのが上手いです。“EPIC”の2本の柱の内部構造は、ドライバーにのみ搭載されていて、カップフェースという製法で作られて4代目になるフェアウェイウッドになります。他メーカーの最新のフェアウェイウッドも軒並みカップフェースを採用していますが、キャロウェイのフェアウェイウッドは頭一つリードしているようです。
試打する前は、“GBB EPIC STAR”にはあまり期待をしていませんでした。ハイスピンで悩んでいるゴルファーの一人として、ヘッドを色々と観察すると、低スピン化しているように感じなかったからです。だからこそ、衝撃は大きなものでした。
「禁断の飛び、解禁。」というコピーは本物です。打音があまり大きくはなく、少し低めの音なので、飛んでいるイメージが薄いかもしれませんが、飛んでいったボールが教えてくれます。凄まじい飛距離性能を持っています。
カチャカチャの調整機能がないので、不安を感じるゴルファーもいるかもしれませんが、見事に調整できている自信だと考えると良いと思います。簡単ではないと書きましたが、それなりにクラブを振れる人であれば、上級者でなくとも“GBB EPIC STAR”は使いこなせると思います。
「GBB」は「ジービービー」と読みますが、ゴルフクラブ史を変えた“グレート・ビッグ・バーサ”の略です。誰でも使えるクラブの先駆けでもあった名器のDNAを更に進化させた“GBB EPIC STAR”は、手に取らなければ後悔する素晴らしい出来でした。
『EPIC Sub Zero』は既成概念を吹き飛ばす!
“GBB EPIC Sub Zero ドライバー”は、ロフト10.5度、純正シャフトのSを試打しました。上位モデルということになるのでしょうけど、極端に難しくなるわけではありません。
「振ってくれ!」とクラブの声が聞こえてきそうな雰囲気がします。“EPIC STAR ドライバー”と比べ、更に左に行きにくくなっています。どちらかというとフェード打ち向きなのか、と感じました。ボールを曲げようとすれば敏感に反応するのですけど、それがフェードのほうがより敏感に反応するように感じました。
最初に使ったホールは右サイドがティーからグリーンまでウォーターハザードでした。右サイドのフェアウェイの端からドローというのが狙いです。出球は良かったのです。手応えに全く問題はなかったと思うのですけど、微かにフェードしてギリギリでした。
飛距離は出ていました。普段より20ヤードほど飛んでいました。打音は本当に大人しい低い音です。ちょっと混乱しました。飛びますし、弾道も力強いのですけど、ドローを打とうとすると技術でとらえにいく必要があります。こういうドライバーは、現在の市場にはあまりありません。
“GBB EPIC Sub Zero”は調整機能がついています。ネックのカチャカチャ系とウェイト前後に交換して弾道を変える「フロント・バック・アジャスタブルウェイト」です。ドライバーも、フェアウェイウッドも、デフォルトではバックサイドが重いウェイトになっています。
ロースピンのボールを打とうと考えて、重いウェイトをフロントサイドにして、試打を始めました。4回ほど打って「これは戻したほうが……」と考えてバックサイドに重いウェイトを戻しました。
ウェイトを移動させて弾道調整するウッドは色々ありますが、僕が打ったことがある中で、“GBB EPIC Sub Zero”のドライバーとスプーンは最も弾道が変わることを知りました。全く違うクラブになってしまうほど変わります。
飛距離だけにフォーカスすると、フロント側に重いウェイトのほうが僕の場合は飛んでいるように感じましたが、扱いやすさや高弾道という意味ではバック側に重いウェイトのほうが総合点で上回りました。
1.5ラウンドして、バック側に重いウェイトで5回打ちました。
悩ましいところです。“GBB EPIC Sub Zero ドライバー”は構えた感じが個人的には“EPIC STAR ドライバー”より好きなのです。初速でドーンと行く感じは“GBB EPIC Sub Zero ドライバー”のほうが強く感じます。ボールの打ち応えは、しっかりと伝わります。芯に当たった快感を求めるゴルファーであれば、迷わずこちらを選ぶべきだと思います。いわゆる飛んでいる感じ、を堪能できます。
面白いことに、石川遼プロは“GBB EPIC STAR ドライバー”をチョイスしていますが、上田桃子プロは“GBB EPIC Sub Zero ドライバー”を試合で使うようです。契約外のプロゴルファーも使用する例もあるようですけど、どちらを選択しているかを調べてみると、完全に好みのようで、傾向のようなものはないような気がします。
“GBB EPIC Sub Zero ドライバー”の最大の特徴は、調整機能が楽しめるというところです。敏感に反応するドライバーだからこそ、弾道調整機能を活かせるのです。今までの多くの調整機能は、気は心というおまじない的なものばかりでしたが、“GBB EPIC Sub Zero ドライバー”は本当に違うクラブのように弾道が変わります。
ちなみに、フロント側に重いウェイトのほうが敏感に反応して、バック側にすると緩和されます。ヘッドスピードが速いゴルファーであれば、調子が悪いときにはバック側に重いウェイト、というような使い方も面白いかもしれません。
“GBB EPIC Sub Zero フェアウェイウッド”のスプーンは敏感に反応して、色々なボールを打てる面白い玄人向けの1本です。スペックは純正シャフトのS、ロフトは15度です。
「フロント・バック・アジャスタブルウェイト」を始めはフロント側に重いウェイトで打ち、後半はバック側に重いウェイトにして打ちました。弾道の高さも大きく変わりますが、最も変わる部分はミスヒットの許容です。バック側に重いウェイトにすれば、易しくなります。
2本を並べると明らかになりますけど、見た目の大きさが違います。スプーンの場合、“GBB EPIC Sub Zero”のヘッド体積は159cc、“GBB EPIC STAR”のヘッド体積は178ccです。
打ってみると違いはもっとハッキリします。オートマチックに同じボールを打ち続けるスプーンは“GBB EPIC STAR”で、弾道を操って狙ったところにボールを運ぶスプーンが“GBB EPIC Sub Zero”といえます。
小さいヘッドのスプーンが好きなのですけど、“GBB EPIC Sub Zero スプーン”はボールを拾いやすくて、バック側に重いウェイトにすると球が少し高すぎるかなぁ、と感じました。とはいえ、フロント側に重いウェイトだと僕のヘッドスピードではちょっと距離のバラツキが出てしまいます。
スプーンに関しても、どちらを選択するかと想定しましたけど、結論が出ませんでした。使っていて面白いのは“GBB EPIC Sub Zero スプーン”なのです。でも、楽に打てるのは“GBB EPIC STAR スプーン”なのです。
僕の場合、貧打なのでパー5で2オンを狙うシーンはほとんどないのですが、長いパー4の2打目でグリーンを狙うことはよくあります。この場合、止めて打てるスプーンか、転がして乗せるスプーンか、という特性を重要視するわけです。
“GBB EPIC Sub Zero スプーン”は止めて打てるイメージが湧きますが、少し距離性能が劣ります。
“GBB EPIC STAR スプーン”は止めにくいけど、飛距離性能は勝ります。
ゴルフクラブはゴルフが始まって以来、現在が最高の性能になっています。いわゆる必修の機能は、どのクラブも高い点数で横並びですが、プラスアルファの部分が使い手のゴルファーにマッチしているか、という勝負になっているのです。個別のゴルファーの特性によっては、とんでもなく良くも悪くもなるのですから、本当に悩ましいです。
“GBB EPIC Sub Zero”のドライバーもスプーンも、“GBB EPIC STAR”のドライバーもスプーンも、必修の機能のレベルアップをしています。それは見事なものです。既成概念を打ち破る、という宣伝文句は本当です。
プロゴルファーの間でも高評価されていますが、市場に出ればたくさんのゴルファーを虜にするクラブです。僕自身も、ドライバーとスプーンを替えるときが来たのかもしれないと思わされました。
スペック
GBB EPIC STAR ドライバー
★ヘッド体積 460cc
★ロフト 9.5度 10.5度
★長さ 45.75インチ
★シャフト Speeder EVOLUTION For GBB 75,000円 (税別)
価格 Tour AD TP-5 92,000円 (税別)
Speeder EVOLUTION lll 569 92,000円 (税別)
FUBUKI V 50 92,000円 (税別)
GBB EPIC Sub Zero ドライバー
★ヘッド体積 460cc
★ロフト 9.0度 10.5度
★長さ 45インチ
★シャフト Speeder EVOLUTION For GBB 75,000円 (税別)
価格 Tour AD TP-6 92,000円 (税別)
Speeder EVOLUTION lll 661 92,000円 (税別)
FUBUKI V 60 92,000円 (税別)
GBB EPIC STAR フェアウェイウッド
★番手/ロフト #3/15度、#5/18度、#7/21度
★シャフト Speeder EVOLUTION for GBB 43,000円 (税別)
価格 Speeder EVOLUTION lll FW 60 48,000円 (税別)
Speeder EVOLUTION lll FW 50 48,000円 (税別)
GBB EPIC Sub Zero フェアウェイウッド
★ロフト 13.5度、15度、18度
★シャフト Speeder EVOLUTION for GBB 43,000円 (税別)
価格 Speeder EVOLUTION lll FW 60 48,000円 (税別)