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パターでもクリーブランドゴルフは凄いことを証明してくれる!

“HUNTINGTON BEACH COLLECTION”という名称のパターには、わかる人にはわかる通なメッセージが込められています。

ハンティントンビーチという街は、クリーブランドゴルフの開発拠点があるのです。また、他メーカーの有名なパターが名称に取り入れているニューポートは隣町なのです。それを理解した上で、オーソドックスな“ハンティントンビーチ コレクション パター”を見て欲しいのです。

上質な質感と細部まで丁寧に作られているパターは、目から入ってくる情報が機能として作用することを知り尽くしているからこそ期待を煽るのです。

オーソドックスに宿る意地を使いこなせ

“ハンティントンビーチ コレクション パター”は、二つのモデルがあります。ピン型のパターが、ブレードタイプと呼んでいるものになります。実は米国市場では6タイプが販売されています。ブレードタイプにはソールに『1』という数字が彫られていて、マレットタイプには『6』が彫られているのは、米国ではタイプではなく数字で呼び分けているからです。

ブレードタイプをじっくりと見てみましょう。大分類だとピン型ということになりますが、詳細に分類すれば、ピンアンサー型ということになります。スコッティ・キャメロンでいえば、有名なニューポート型です。

現在では、ピン型といえばこの形が代表的になりましたが、本来のアンサー型に比べるとより直線が強調されたデザインとなります。角は面取して丸くなっていますが、直線が強調されたデザインというのは、構えたときにその直線に歪みがあったりしないようにするのが、まずは大変なのです。

巷には、同じデザインのパターがたくさんありますが、構えた瞬間に不合格になる歪みがあるものもあります。“ハンティントンビーチ コレクション パター”のブレードタイプは、視覚を使った第一印象では合格です。クランクネックの形状も、構えたときに邪魔をしない工夫がちゃんとできています。

フェースを確認すると溝が切られたミーリングになっています。これも現在では金属フェースのパターでは当たり前になってきましたが、ミーリングのフェースも、試行錯誤を重ねて、フィードバックされ、均等に刻むのではなく、パターの芯の周辺は溝の間隔が狭すぎないほうが良いというような物理的に証明されたセオリーが明確になってきました。

“ハンティントンビーチ コレクション パター”は、ちゃんとそれをクリアしています。“ハンティントンビーチ コレクション パター”を手に取って、素振りをしてみます。最初に『おぉ!』と感じるのは、程良い重さです。

ブレードタイプは345gとバックフェースに刻まれていて、マレットタイプには360gと刻まれています。素材はステンレスで『304SS』と刻まれています。21世紀になって、ゴルフクラブ史上で最も顕著に変わったのはパターヘッドの重量です。手に取ったときに軽いだけで、これは駄目だとボールを打ってもらえないパターもあるほどです。

オーソドックスな形状のパターは、この部分で勝負できないパターが少なからずありますが、“ハンティントンビーチ コレクション パター“は軽いという印象とは無縁のしっかりと重量感を感じることが出来るパターです。

オーソドックスな形状のパターの人気が徐々に落ちてきている理由の一つは重量が軽いものが多いことが挙げられます。しかし、これは諸刃の剣でもあるのです。いわゆる繊細なタッチを出したり、微妙な操作性を優先させれば、パターヘッドの重量は軽い方が圧倒的に有利なのです。

時代の流れで重いヘッドがスタンダードになってきて、重量が良い転がりや再現性の向上に結びついたとしても、操作性は犠牲になっているという現実もあります。好印象は持ちましたが、大きな期待はぜずに“ハンティントンビーチ コレクション パター”のブレードタイプをコースに持ち込んで、実際のラウンドで使ってみました。

練習グリーンでは打てずに、いきなりの実戦投入でした。最初のパットで感じたことは、構えやすいことでした。ソールを自然にグリーンに付けて、構えると、スッと方向感覚とリンクしたのです。これに少し驚きました。ピン型のパターの多くは、この部分でアウトになるものが多いからです。

打ってみると、思ったより転がることにも驚きました。打感は軽めなのです。打音は大きくはありませんが、しっかりとした響きがあります。2ホール目からは、驚きの連続でした。4ヤードのパーパットを狙い通りに打てたことで自信を得たのか、10ヤード前後、15ヤードと長めのパットも狙い通りに決めることが出来ました。

しっかりと打てば、強いボールで転がっていき、優しく打てば、絶妙なタッチを打つことが出来ます。

僕の場合、ショートパットのときに、ピン型のパターのクランクネックに違和感があって、方向に不安を感じてしまうことがあるのですけど、このパターでは全くそれがないのです。

“ハンティントンビーチ コレクション パター”は、上代設定が12,000円税別です。市場価格は1万円前後のようです。ラウンドが終わる頃には、このパターは買っても良いかもしれない、と考えていました。期待以上でした。良い意味で、完全に裏切られました。

オーソドックスなパターは、ある意味で完成していて、新しい機能を追加するのは難しいものです。原型も、トッププロが使う高級品も知り尽くしているつもりでした。クリーブランドのクラブ作りの意地を見せられた、と唸ってしまいました。

完成型だからこそ、できる限りのチューンナップをした状態で市場投入されたパターが“ハンティントンビーチ コレクション パター”なのです。“ハンティントンビーチ コレクション パター”ブレードタイプは、オーソドックスなピン型のパターとして最高の1本です。

オーソドックスなパターの良い点は、迷ったときに自分をリセットする使用法もありです。歴代の名手たちが使って、結果を残してきたパターは、自分をリセットしてくれます。また、パットが好きで、自由自在に打ちたいというゴルファーにもオススメです。全く癖がなく、打った分だけ転がるパターはゴルファーの技術を剥き出しにします。それがナチュラルな感性とマッチすれば、鬼に金棒です。

マレットタイプは弱気を助ける

“ハンティントンビーチ コレクション パター”マレットタイプは、ダブルベントのシャフトがついたネオマレットヘッドのパターです。手にして最初に感じるのは、重さです。

ズッシリとしているのですけど、それでいて重すぎないのです。構えてみると、ロッシー型のヘッドは、今ではオーソドックスです。ブレードの部分はシャフトが入る分厚みがあり、その直線もきれいです。

僕は曲がっているベントシャフトが、どうしても馴染めないのですが、それでも構えてみて、ストロークしてみて、ボールを打ってみて、好感を持ちました。早速、コースに持ち込んでラウンドしてみました。

最初に感じたのは、『後ろから押されるような感覚』でした。一言でいえば、ボールが強いのです。真っ直ぐに転がっていこうとしてくれるのです。この感触は、結果とリンクします。ストレートなラインや上りがキツイラインでは、心強いパターです。

曲がるラインでは、強い直進性に慣れる必要がありますが、オンラインであと一転がりというようなパットで悔しい思いをしているゴルファーには、“ハンティントンビーチ コレクション パター”マレットタイプは心強いパターだとオススメです。

“ハンティントンビーチ コレクション パター”に共通していえることですが、ミーリングが機能として活かされていると思いました。フェースに刻まれた溝は、ボールとフェースの接地面積が小さくなるので、打感を軽く感じて、弾き感が良いとゴルファーに思わせます。

“ハンティントンビーチ コレクション パター”のミーリングは、芯でボールをとらえたときには、適度な重さを感じるように作られていて、芯を外してしまったときには、弾き感を良くして、結果に大きなブレが出ないようになっているのです。マレットタイプは、ブレードタイプよりも更に強くミーリングの工夫を感じ取ることが出来ます。

最後にグリップにも触れておきます。好みのグリップに替える人もいると思いますが、“ハンティントンビーチ コレクション パター”はミッドタイプのグリップが標準装備されています。ヘッド重量が重めのパターの場合、グリップが太くなるほど重さの感覚は鈍くなります。わかりやすく書くと、太いグリップはヘッドを軽く感じさせる効果があるので、操作は楽になるのです。

そういう意味で、“ハンティントンビーチ コレクション パター”は、非常に良く出来ていると感心しました。もちろん、こういう感覚は個別の好き嫌いや、合っている合っていないという範囲の話ですが、物理的にわかっていることでもありますので、参考になると思います。

文中でも触れましたが、“ハンティントンビーチ コレクション パター”の市場価格は一万円を切っているようです。コストパフォーマンスを考えれば、2倍の価格でも見合うだけのパターだと感じました。お買い得を通り越して、お伽噺のようです。

僕は、ついつい想像してしまうのです。『スコアはお金で買えるもの』だと高額なパターで、パットを決めまくっているお金持ちゴルファーに、知恵と情熱が詰まった安価なパターで対抗できるというドラマを……。

“ハンティントンビーチ コレクション パター”は、迷えるゴルファーにとって一筋の光になる1本です。どのようにして使うかは、自分次第です。

スペック

HUNTINGTON BEACH COLLECTION PUTTER

★発売日    2017年3月18日
★ヘッド重量  ブレードタイプ 345g  マレットタイプ 360g
★ロフト    3度
★ライ角    70度
★長さ     34インチ
★価格     12,000円 (税別) 

クリーブランドのRTX-3 ウェッジについても紹介しています。

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