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クリーブランドゴルフ『RTX-3』ウェッジはより寄せるための武器!

2017年2月18日に発売されたクリーブランドゴルフ“RTX-3”ウェッジ(ローテックス・スリーと読みます)のコピーは、『GET CLOSER to the Hole』です。和訳すれば「より寄せろ」です。

クリーブランドのウェッジといえば、現在主流になっているティアドロップ型のウェッジの元祖であり、20年以上、トッププロに愛されてきたというイメージでしょう。最新版の“RTX-3”ウェッジは、伝統に甘んじることなく、時代の変化をリードする機能に溢れています。

ウェッジの役割で選択せよ

“RTX-3”ウェッジの50度と56度をメーカーから借りました。二つのロフトのウェッジは全く異なる目的で検証を進めるために最適だと考えたからです。

“RTX-3”ウェッジは、2度刻みで48度~60度のロフトが用意されています。ここまでは当たり前のラインアップです。特徴的なのは、形状が2タイプあることです。プレーンバック形状のブレードタイプとバックフェースに凹みがあるキャビティタイプです。

キャビティタイプのほうがミスヒットに強いから易しく、腕に自信がない人向きだろう、と決めつけるのは早計です。勿論、そういう理由もあるでしょうけれど、それはメインではありません。

ウェッジの機能をもう一度、ちゃんと整理しましょう。代表的なものはコピーの通り「寄せる」という機能です。一昔前までは、それ以外の機能はオマケでした。21世紀になって事情は一変しました。アイアンのハイロフト化(ロフトが立っていくこと)が進んで、ピッチングウェッジのロフトが45度というアイアンも珍しくなくなりました。

飛ぶピッチングウェッジは魅力がありますが、実際にプレーをしてみると、その代償としてフルショットではなく、コントロールして打つ領域が広くなってしまって、ゴルフを難しくしてしまうことに多くのゴルファーが気が付いたのです。問題の解決のために、飛ぶアイアンに合わせて、ウェッジを増やすことで、広がりすぎたウェッジの寄せの領域を元通りにしたというわけです。

ウェッジに求められる機能に新しい項目が加わりました。

「フルショットするためのピッチングウェッジの下の番手としての機能です」“RTX-3”ウェッジに2つのタイプがある最大の理由は、フルショット用として使いやすいウェッジにするためです。

現在、ゴルファーの過半数はキャビティタイプのアイアンを選択して、使用しています。ピッチングウェッジからの流れで、フルショット用ならば同じ形状のアイアンのほうが明らかに使いやすいわけですが、寄せる機能を重視すると、打ち分けの敏感さなどの理由からウェッジはプレーンバックなものにするのがセオリーで、キャビティバックのウェッジは用意されていなかったりするのです。

“RTX-3”ウェッジのロフト50度のブレードタイプのアドレス時の画像です。クリーブランドらしいスマートで、美しいシェイプです。実際に打ってみると、芯でボールをとらえれば抜けるような軽い打感があって、ボールもよく止まります。飛距離はロフト通りです。

『フィール・バランシング・テクノロジー』というネックを短くして、かつ、ネックを空洞化することで軽くした重量を、適切に配分する新技術で、いわゆるスイートスポットがフェースのセンターに寄ったそうです。

今までのウェッジはフェースのネック寄りで打つことを求められていましたが、確かに打ってみると、それよりは外であるフェース中央に芯が寄っている感じはします。

コースで打つと自分が思っているよりやや右にボールが切れて行く感じがしました。重心距離が長いときに起きる現象なので、新技術はちゃんと機能しているようです。低い球、高い球というような打ち分けもやりやすく、使いやすいウェッジです。

こちらは、“RTX-3”ウェッジの50度のキャビティタイプの画像です。バックフェースの形状だけではなく、いわゆるキャビティバックのアイアンっぽいフェースとシェイプです。実際にブレードタイプと並べると、キャビティタイプは少し大きいのです。

なかなか芸が細かいです。こういう微妙な味付けは、想像以上に結果に影響します。キャビティバックのアイアンを使っているゴルファーは、この部分には注目すべきです。構えやすいことは、「狙える」に直結するからです。

ちょっと画像ではわかりづらいのですが、フェース全体に細かいミーリングも施されています。スピンのかかりやすさという意味で、小さいのですがちゃんと機能します。

フルショットの用の48度~52度はミーリングの中心は真っ直ぐにフェースの溝と直角になる向きに付けられています。フルショット用のウェッジが、アイアンの流れで作られている証拠でもあります。こういう部分が、流石、クリーブランドと思わせます。

コースで打ってみると、思った以上にしっかりとした打感に驚かされました。重い打感は好き嫌いがありますが、キャビティバックのアイアンの流れとしては悪いものではありません。

やや大きめのフェースは操作性という意味ではマイナスですが、基本的にフルショットでの使用では同じ球筋で同じ距離を打ち続けることが求められますので、見た目の安心感というプラスのほうが大きいと思われます。

打ちながら、フルショット用のウェッジを単品ものとして選択できる時代が来るとは想像もしなかったなぁ、と感心しました。両方を打ち比べてみて、同じ“RTX-3”ウェッジでありながら違うものを打っているように思いました。

飛距離は変わりませんが、球筋はかなり違います。ブレードタイプはウェッジに近い感じで、キャビティタイプはアイアンに近い感じです。共通点として、良く止まると感心しました。かかり過ぎず、ちょうど良い感じのスピンがオートマチックにかかります。

機能とは直結しませんが、ツアーサテンというつや消しの仕上げもバッグからクラブを抜くときの手触りが良く、好感を持ちました。もちろん、見た目の好みでブラックサテンが好きだという人もいると思いますが、手触りは同じです。

サテン仕上げは日光の反射を防ぐ為だけではなく、フェースがしまってみる視覚効果もあります。全てのロフトのブレードタイプにも、キャビティタイプにも、それぞれの仕上げが選べるようになっています。

誤解せずにウェッジを使いこなすために

ウェッジは、寄せることがメインの機能です。“RTX-3”ウェッジは、クリーブランドの過去のウェッジの良い所はそのままに進化しています。ロフトや形状や仕上げを選択したら、次はバウンスを選びます。(クリーブランドは、バンスと表記していますが、バウンスのほうが一般的なのでバウンスで説明します)

フルショットのような大きな力の場合より、アプローチのような小さな力で打つ場合のほうが、バウンスは強く影響します。“RTX-3”ウェッジは、ロフト56度と58度には、ローバウンス、スタンダードバウンス、ハイバウンスと3つのバウンスがあります。それぞれに最適化されたソール形状で用意されているのです。

「バウンスはよくわからない」というゴルファーが多いのが現実です。練習場の人工芝のマットでは、その機能がわかりづらいのに、芝生の上で打ち比べる機会がないのだから仕方がありません。今回、56度で3つのバウンスがある“RTX-3”ウェッジをコースに持ち込んでたっぷりと試打してみました。

誤解している人が多いので、明確にわかりやすく書くと、ハイバウンスは地面に当たって跳ねるとかいう理解よりも、強い球でスピンをかけるのを手伝うのが真実なのです。ローバウンスのウェッジはフェースを開いて使いやすいこともあって、高い球を打って高さで止めるのには最適です。

しかし、通常の使用ではスピンをかけるのには技術が必要です。ウェッジは突き詰めれば、飛ばさない機能で狙い通りに止めるクラブでもあります。そういう意味では、止まりにくいボールを使っているゴルファーには、ローバウンスのウェッジがあっているともいえるのです。

色々な球種を打つのには使いづらいこともあるハイバウンスのウェッジは、オートマチックにスピンをかけるのには向いているウェッジといえます。その中間がスタンダードバウンスです。“RTX-3”ウェッジの場合、ハイバウンスはオーソドックスに平らな面が多いソール形状です。使用してみて、昔から続く伝統的な手応えと使い心地で好感触でした。ボールもよく止まります。

“RTX-3”ウェッジのスタンダードバウンスのソールは2段階に削られているのが明確にわかります。フェースの長さが少し短いブレードタイプでよりはっきりとわかるのですが、ラフやバンカーで使うと、ソールの効果もあって、抜けが良いのです。スッと自然に抜けていきます。

そして、スピンはハイバウンスよりもやや劣りますが、十分に止まります。ローバウンスのソールは完全に2段ソールです。ローバンスといいながら、実はスペックよりもバウンスの効きを感じます。

中間距離のアプローチではややスピンのかかりの弱さを感じますが、逆にフェースを開いて、ハンドファーストで低いスピンが効いたボールを打つときなどは扱いやすくて気分良く使えます。

バウンスにこだわらないゴルファーが多くて驚かされます。個人的には、ウェッジはバウンスが命だと考えています。自分に合ったバウンスを選んで、コピーのように『GET CLOSER to the Hole』を楽しみましょう。

アプローチで使う54度以上のロフトがある“RTX-3”ウェッジは、フェース全体に刻まれているミーリングが正面から見て、ソールから左上に向かう方向に効くように刻まれています。

フェースを開いて使うプロゴルファーが多いので、そのリクエストに応えてのことだと思います。これはグリーン周りなどの弱い力で使うときにスピンをかけることに有効に機能しているように感じました。

RTX-3”ウェッジは、細かい所まで自分の好みやこだわりを我慢せずに選ぶことができます。選ぶだけではなく、ちゃんと機能して、ウェッジとしての仕事をしてくれます。当たり前のようにラインアップがあって、販売していますけど、クリーブランドゴルフは凄いなぁ、と感心しました。

機能性を追求するあまり今世紀に入ってウェッジは消耗品だと考えることが普通になりました。溝が少し減っただけでも、スピン性能が落ちるウェッジが多いからです。

ウェッジは、科学的な裏付けよりも直感的な感性を活かすべき用具だという考え方もあります。否定はしませんが、納得する裏付けがあれば鬼に金棒だと考えたほうが正解だと考えています。

買い替えることが宿命であるウェッジだからこそ、自分だけの1本に出逢いたいものです。RTX-3”ウェッジは、選択肢として外せないものだとオススメします。

スペック

クリーブランド RTX-3 ウェッジ

★ロフト   48/50/52/54/56/58/60
★ヘッド   RTX-3 BLADE/RTX-3 CAVITY BACK
★仕上げ   ツアーサテン/ブラックサテン
★シャフト  ダイナミックゴールド(S200/X100) 1本/15,000円+税
★金額    N.S.PRO 950GH(S/R ※Rは特注生産) 1本/15,000円+税

クリーブランドのパター”HUNTINGTON BEACH COLLECTION PUTTER”についても紹介しています。

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