【新商品試打】ブリヂストンTOUR B X/TOUR B XS|魅力はバランスと均一性!高評価ツアーボールの正統後継
2017年10月6日、ブリヂストンから“TOUR B X”と“TOUR B XS”が発売されました。この2つのボールは、「TOUR B 330X」「TOUR B 330S」の後継機種です。
「TOUR B 330X」「TOUR B 330S」は、風に強く、弾道の均一性が高いことでプロゴルファーに支持され、アマチュアゴルファーでも機能を体感できるツアー系ボールとして高評価を得ていました。
そんな高評価ボールの後継である “TOUR B X” は、内部構造や素材なども変更して、更に進化を遂げたようです。
また、 “TOUR B XS” は、使用プロゴルファーの要望で大きな変更はありませんが、新しいディンプルパターンでより安定したコントロール性能を発揮するとのことです。
目次
ツアー系ボールの宿命―高水準でのバランスのよさと均一性
ツアー系ボールは、その名の通りトーナメントで戦う武器として開発されたボールです。ブリヂストンスポーツの場合、日本国内だけではなく、海外のツアーでも使用者がいる前提でボール開発をしています。
トッププロがボールに求めるのは、飛距離性能よりも均一性の高さだと言われています。ゴルフは高い次元にいけばいくほど、ボールを飛ばすのではなく、止めるゲームになることは、アマチュアゴルファーでも理解できます。狙い通りに打てて、どんなケースでも同じような結果になる信頼性が必要なのです。
そんなのは当たり前だと考えるのは早計です。ツアー系ボールと言われるボールの中には、ボールの個体差によるバラツキがあったり、インパクトの状態や強弱が結果に正比例しない揺れがあるボールもあるからです。ツアー系ボールとして評価が高いものは、そういう部分でもツアープロたちから信頼を得ているのです。
ツアー系ボールの均一性までを感知できるゴルファーは、ゴルファー人口の1%もいないでしょう。
とはいえ、ツアー系ボールを普通のアマチュアが使って、プラスになっていることはたくさんあります。一昔前までは、見栄や憧れだけで使う人が多く、ツアー系ボールを使うデメリットの方が目立ったのは事実です。しかし、現在では状況が違ってきています。ヘッドスピードが遅くとも十分に機能を発揮するツアー系ボールが、市場にたくさん出てきているからです。
2016年3月に発売された「TOUR B 330X」「TOUR B 330S」は、まさに「誰でも使えるツアーボール」の先駆けでした。もちろん、機能をフルに使い切るにはプロゴルファー並みのパワーと技量を求められましたが、普通のアマチュアでも高い性能を堪能してゴルフができるボールだったのです。
発売当初は、「BRIDGESTONE GOLF」というロゴのみの販売でしたが、限定販売で「B」マークロゴのバージョンが生まれ、ツアープロの評判と市場の要望もあって、通常でも「B」マークロゴも売りに出されることになりました。
ボールはゴルフにおいて全てのストロークで使用される唯一の道具です。ドライバーでの飛距離性能が注目されますが、アイアンのコントロール性能、ショートゲームでのスピン性能、パッティングの打感のマッチング、風に影響を受けにくい性能……。ツアー系ボールは宿命として、突出した性能ではなく、バランス良く、どれひとつとして不満がないレベルにあることを求められるのです。
「TOUR B 330X」「TOUR B 330S」はツアー系ボールとして、広い範囲のゴルファーに性能を享受するという意味でも完成度が高いボールでした。果たしてこのボールを越えるボールを作ることが出来るのか?開発者たちは大変だったと推測します。
また、ツアーの現場からは「あまり大きな変更はしないで欲しい」というトッププロからの要望もあったそうです。その後継機種として発売されるのが、“TOUR B X” と “TOUR B XS” です。
【TOUR B X:試打インプレッション】もっと、もっと、欲張りなゴルファーのために
“TOUR B X”をコースに持ち込んで打ってみました。僕のドライバーのヘッドスピードは42m/秒で弾道は高め、ややドローする球が持ち球です。ちなみに、普段は「TOUR B 330X」を愛用しています。
元々「TOUR B 330X」は飛距離性能に優れているボールでした。
後継機たる “TOUR B X” は、それよりも飛ぶのでしょうか?
まずは、ドライバーの感想です。
打感や打ち応えは、ほとんど変わりません。目隠しされたら、わからないかもしれないと思いました。やや高音で締まった打音、軟らかいのにカチッとして芯に当たったことを教えてくれる打ち応えです。
ボールは狙い通りに少しドローしてフェアウェイに落ちました。飛距離はいつもと同じです。特別に飛んでいるという感覚はありませんでした。その後、何回もドライバーを使って、やっとわかってきました。「TOUR B 330X」よりも、ほんの少しですが、棒球っぽいボールが打ちやすくなりました。つまり、スピン量が減ったようなのです。
この場合、左右の曲がりも減ります。ストレートに飛ぶ性能が上がった、というのか、棒球が打ち易くなった、というかは、微妙な表現でわかりにくいですが、個人的には嬉しい感覚でした。あえて少し高い球を打ってみると、ドライバーのランが増えたように感じました。フェアウェイウッド、ユーティリティでも同じような傾向がありました。
元々、「TOUR B 330X」を使用球にした理由の一つが、フェアウェイウッドとユーティリティの弾道の美しさでした。“TOUR B X” でも、その部分は引き継がれています。フェアウェイウッドでは少しだけ棒球傾向を感じましたが、ユーティリティではそれは薄れました。ちゃんと打てば、打ったなりの弾道が出るという感じは、打っていて気持ちが良いものです。
打音はシャープで、打ち応えも軟らかい中にカチッとした感覚があります。固すぎないのも好印象でした。これは、前モデルからの共通点でもあります。飛距離性能はほとんど変わりません。フェアウェイウッドは棒球傾向が出るので、打ち方や弾道などを調整すれば飛距離アップが見込める感じはしました。
アイアンの打ち応えは前よりカチッと芯を感じるようになったような気がしました。柔らかいだけではなく、芯を感じさせる打ち応えは、自分が上手くなったような錯覚をさせます。
ボールのスピン性能もいうことなしです。スピンがかかり過ぎることもなく、適度で十分なスピンです。落ちたところで止まろうとしてくれるボールは、余計なことを考えずに打てるので魅力的です。
ショートゲームのスピン性能、ボールの打ち出し角度の感覚などは「TOUR B 330X」を継承しています。中間距離の50ヤードぐらいでは少しスピン量が増えた感じがしましたが、それでも適度で過剰ではありません。
パターも同じように目隠しされたら、「TOUR B 330X」と “TOUR B X” を判別するのが難しいと思いました。似ているのですが、極端に書くと、この打音と打ち応えこそが、最高で唯一無二のものだという評価もあるぐらいなので、変えようがない部分だったのかもしれません。
もっと上を目指したいと貪欲なゴルファーはたくさんいます。気持ちは理解できます。
時代も変化しますので、それに対応することも重要です。
もしかしたら、貪欲に新しいものを求めていたゴルファーには、“TOUR B X” は物足りないかもしれません。
しかし、僕はそれで良いのだと思います。乗り換えるかどうか、悩まずに済むからです。
「TOUR B 330X」を使用していて不満がない場合は、“TOUR B X”に変更するのは苦労しないで済みます。
ツアー系ボールの場合、ほんの少しの性能差で選択しているので、モデルチェンジで大きな変更があることは大問題になってしまうことがあります。
例えば、3ピース、4ピース、5ピースと多層になるほど優秀だという誤解しているゴルファーは少なからずいますが、“TOUR B X” のコアは『スーパーハイドロコア』という技術で作られています。
一体でありながら、グラデーションのように内側が軟らかく、外側が固くなっているのです。多層化を、一つのコアでやっているのと同じなのです。
最先端の技術を詰め込んで、ゴルファーに貢献するボールです。
面白い現象なのですが、あまり変わらないモデルチェンジでも “TOUR B X” は凄い、と評価して使用球にする例もたくさんあると推測できます。これは、「TOUR B 330X」が発売されたときに、誰でも使えるツアー系ボールは珍しかったからです。
変なボールで違和感があると敬遠していたゴルファーが、この1年半で他のツアー系ボールが同じ方向に舵を切って市場に出たことから、その傾向に慣れて、“TOUR B X” を違和感なく評価することが出来るからです。
スタンダードとして、最先端として、“TOUR B X” は試す価値があるボールです。ツアー系ボールの良い点は、自分がどんなゴルファーであるのかを教えてくれるところです。
【TOUR B XS:試打インプレッション】プロから「変えないで」と要望されたボール
「TOUR B 330S」は、タイガー・ウッズが使用契約をしてゴルフ界を驚かせました。米ツアーでは使用者が多く、『S』という名称はスピン性能が優れているということをアピールしています。
以前テストしたときは、特にボールを曲げたりする弾道の調整に敏感で面白いボールでしたが、「TOUR B 330X」と比較すると少し飛ばなかったのと、ショートアイアンでスピンが効きすぎるシーンがあったのに、ショートゲームでは思うようにスピンがかけられないという感じがして使用球にはしませんでした。
推測するに、「TOUR B 330S」は僕よりももっとパワーがあるゴルファーでなければ、全ての機能を引き出せないようでした。その後継機種が、“TOUR B XS” です。開発にあたって、ツアープロたちより「大きな変更をしないで欲しい」という強い要望があったそうです。
前のボールの完成度が高く、かつ、その機能が繊細だったからだと考えられます。結果として、内部構造にはほとんど手をつけずに、ディンプルパターンなどの表面を変更したのが “TOUR B XS” です。
“TOUR B XS” を使って、コースでラウンドしてみました。
“TOUR B X”と同様に、ドライバーはやや棒球っぽい弾道が打ち易くなりました。そして、ほんの少しですが、ボールが曲げにくくなりました。スピンに対して、ボールの反応が鈍くなったような気がしたのです。
アイアンのスピン性能は流石です。ショートアイアンは、落ちてから戻ろうとします。それなのに、アプローチは過剰にはスピンがかかりません。
総じて感じたのは、やはり自分のパワー不足で機能を引き出せていない、ということでした。
打感や打ち応えは、“TOUR B X” と比べて軟らかいとイメージを持つゴルファーが多いと思いますが、そんなことは全くありません。むしろ、打ち応えはやや重く、固いぐらいな感じになります。パワーがあれば “TOUR B XS” を選択していたかもしれない、と考えることが何度もありました。
ツアー系ボールの魅力を考えたときに、同じ弾道を狙い通りに繰り返して打ち続けることが可能であることは間違いありません。打ったボールが吹き上がれば、ボールは風などの要因で影響を受け、弾道の均一性は下がります。棒球が打ち易くなったと感じる部分は、吹き上がりを押さえる工夫なのかもしれません。
吹き上がりを押さえるのは、現在のボールの主要なテーマでもあります。その分、打ち出しが高くなる要素がボールの機能として発揮されれば、均一性が高くなることだけではなく、飛距離性能も上がる可能性があります。“TOUR B XS” は、ツアー系ボールの王道なのです。
パワーがあって、クレバーなゴルフをしたいと考えるゴルファーにオススメしたいボールです。また、ボールを曲げてゲームを組み立てるゴルファーにも武器になると思います。いずれにしても、ツアー系ボールは優れていることは間違いありません。ましてや、実際のツアーで使用選手が好成績を残している実績があれば尚更です。自分を試す意味でも、1度は使ってみるべきだと強くオススメします。
スペック
TOUR B X
発売日: | 2017年10月6日 |
構造: | ウレタンカバー3ピースボール |
カラー: | ホワイト ホワイト(BRIDGESTONE GOLF ロゴ) パールホワイト イエロー |
ディンプル: | シームレス330デュアルディンプル |
価格: | オープン |
公式: | http://www.bs-golf.com/bs-products/ball/tour_b_x.html |
TOUR B XS
発売日: | 2017年10月6日 |
構造: | ウレタンカバー3ピースボール |
カラー: | ホワイト ホワイト(BRIDGESTONE GOLF ロゴ) パールホワイト イエロー |
ディンプル: | シームレス330デュアルディンプル |
価格: | オープン |
公式: | http://www.bs-golf.com/bs-products/ball/tour_b_xs.html |