ヨーロピアン・ツアーの上品な遊び心に触れる~⑤ハッピー・ギルモア・チャレンジ!~
- 2016.09.19
- おもしろ
みなさんの印象に残っているゴルフ映画と言えば、なんですか?
やはり人気は「ティン・カップ」でしょうか。ケビン・コスナー演じる“ロイ”の気迫溢れるラストは、いつ観ても興奮しますよね!
その他にもウィル・スミスとマット・デイモンの「バガー・ヴァンスの伝説」や、ジム・カヴィーセルの好演が忘れられない「ボビー・ジョーンズ~聖球と呼ばれた男~」など、ゴルフを題材とした映画の名作はたくさんあります。
そんなゴルフ映画の名作たちの裏で、密かにゴルファーの間で支持を得ている映画があるのをご存知でしょうか?
“Happy Gilmore/ハッピー・ギルモア”
(邦題:俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル)
アダム・サンドラー演じるハッピー・ギルモア(これはハッピーなギルモアということではなく、ハッピーはファースト・ネームです)が巻き起こす、ドタバタ・ゴルフ・コメディーです。
今回のヨーロピアン・ツアーのユニーク企画はこのハッピー・ギルモアをモチーフにしたチャレンジとなります。とは言うものの「ハッピー・ギルモア」を知らないと、面白さも半減してしまいますので、簡単におさらいしておきましょう!
“ハッピー・ギルモア”
ハッピー・ギルモアはアイス・ホッケー選手。凄まじいシュート力を持っているものの、肝心のスケートが下手でプロ・テストはいつも不合格。
そんなある日、大好きなお婆ちゃんの家が税金滞納で差し押さえになってしまいます。そこで、ひょんな事からゴルフが金になることを知ったギルモアは、大好きなお婆ちゃんの家をとりもどす為にゴルフの世界に足を踏み入れるのだが…。
元アイス・ホッケー選手だったプロゴルファーと言えばジェリー・ケリー選手やマイク・ウェア選手など、実は素晴らしいゴルファーが沢山いるのです。しかし、ハッピー・ギルモアはそんな名ゴルファーと比べるのも申し訳ないほどの規格外!ギルモアのハチャメチャ感がよく伝わる短い動画を2本ご紹介いたします。
1本目はギルモアがゴルフと出会う場面。お婆ちゃんの家で差し押さえになった家具を引き取りに来た二人の引越し屋が、休憩時間にゴルフをして遊んでいます。ギルモアは、二人のゴルフを見てヘラヘラ笑いながら冷やかします。
「じゃあ、おまえが打ってみろ!見掛けよりゴルフはずっと難しいんだよ」
「よし、じゃあその変わった“スティック”を貸してみろ」
ギルモアはゴルフ・クラブを手に取ると、アイス・ホッケーでシュートを打つようにステップを踏みながらドライバーを振り回します。そして、そのボールは400ヤード先の家の窓ガラスを割ってしまいます。
「今のは良いショットなのか?」ギルモアが二人に聞きます。
「ビギナーズ・ラックだ!もう一回同じ球を打てたら20ドルやるから打ってみろ!」
次もギルモアはナイス・ショット!お屋敷でカンカンに起こっているおじさんの頭をボールが直撃してしまいます。
「信じられない!もう一球打ってみろ!同じ球が打てれば40ドル、ダメなら0だ!」
なんと3回目も見事にナイス・ショット!今度は窓から顔をだした奥様を直撃!という場面。最後に“ダブル・オア・ナッシング(2倍か0か?)”に勝って40ドルを手にしたギルモアが“ゴルフはお金になる!”と気づくシーンです。
そして、次のシーンは“ハッピー・ギルモア・チャレンジ”の動画でピーター・ユーライン選手がマネをしている“ボールを脅す”シーンや、ポール・ケーシー選手がマネをしているホッケー・スタイルのパッティングのシーンが見られます。映画『ハッピー・ギルモア』の“迷”シーンですね。
ロング・ドライブは得意なギルモアも、短いパットは大の苦手!同伴プレイヤーからアドバイスをもらいます。
「ボールを家に帰してやるだけだ!やさしく、家に送り帰してやれ!やさしくな!」
「OK、わかった!さあボールちゃん、お家に帰る時間ですよ~♪」
ギルモアはホッケー仕込みの奇抜なパッティング・スタイルでホール・アウトを目指します。しかしボールは無常にもカップのちょっと手前で急ブレーキ!ここで切れたギルモアは、ボールに噛みつかんばかりにあたりちらします!
「このアホ野郎!なんで素直に家に帰らねぇんだよ!おまえの家だろうが、このクソボールが!なんとか言えや!」
このシーンはハッピー・ギルモアのモノマネをする上で絶対に外せないシーンですのでよく勉強しておきましょう!
ハッピー・ギルモア・チャレンジ!
さて、いよいよ今回のヨーロピアン・ツアーの上品な遊び心に触れる第5弾!「ハッピー・ギルモア・チャレンジ」の開始です!
このチャレンジの撮影が行われたのは、2013年のアバディーン・アセット・マネジメント・スコットランド・オープン(Aberdeen Asset Management Scottish Open)が開催された、スコットランドのキャッスル・スチュアート・ゴルフ・リンクス (Castle Stuart Golf Links)の13番ホール。444ヤードのパー4です。
ちなみにスコットランド・オープンは「全英オープン」の前哨戦として知られており、世界のトップ・プロが集結する大会です。
この動画が収録された2013年のスコットランド・オープンは3日目にトップに立ったスウェーデンのヘンリック・ステンソン選手を、最終日に南アフリカのブランデン・グレース選手とフィル・ミケルソン選手が逆転して、最終的にプレー・オフを制してミケルソン選手が優勝しました。そして翌週、勢いにのったミケルソン選手は全英オープンでも見事優勝しています。
そう言った意味でも、ヨーロピアン・ツアーの選手達にとってスコットランド・オープンはとても重要な意味を持っている大会なのですね。
スコットランドのナショナル・オープンが行なわれたゴルフ場でのハッピー・ギルモア・チャレンジ!そんな大切な競技会のさなか、こんなユニーク企画に参加してくれる選手などいるのでしょうか?
ご安心ください!たくさんのトップ・プロの選手達が参加してくれましたよ!なんと、本大会で優勝争いを繰り広げたフィル・ミケルソン選手まで参戦しています!
それでは、本コラム恒例の選手紹介から。今回は参加者多数の為、主な登場人物を紹介させていただきました。
Phil Mickelson/フィル・ミケルソン選手
国籍:アメリカ/ドライバーの平均飛距離:293ヤード
言わずと知れた“みんなのチャンピオン”。こういうトリック・ショットは得意のはず!
2013年のスコットランド・オープンと全英オープンのチャンピオンが本気で挑むハッピー・ギルモア!
Shane Lowry/シェーン・ローリー選手
国籍:アイルランド/ドライバーの平均飛距離:293ヤード
ハッピー・ギルモア・ショットが決まって、ドヤ顔でカメラの前で銃の先の煙を吹き飛ばすポーズを決めています!これは、ハッピー・ギルモアの映画の中でクリストファー・マクドナルド演じるギルモアのライバル“シューター”の決めポーズのモノマネです。
今ではすっかりトレードマークになっている“ヒゲ”も当時は生やしていなかったのですね。
Paul Lawrie/ポール・ローリー選手
国籍:スコットランド/ドライバーの平均飛距離:283ヤード
1999年“バンデベルデの悲劇”の全英オープンで優勝した、クシャっと潰れた愛嬌のある笑顔が人気のベテラン選手。地元スコットランドで良いところを見せられるか!
Padraig Harrington/パドレイグ・ハリントン選手
国籍:アイルランド/ドライバーの平均飛距離:288ヤード
ヨーロピアン・ツアーで一番のおっちょこちょい!すでにツアー17勝のベテランだが、あと一歩のところでいくつも優勝を逃しているのです。
その理由が“お腹が空きすぎた”“スコア・カードにサインを忘れた”などなど、あまりにほのぼのすぎるのがハリントン選手の魅力!ハッピー・ギルモア・チャレンジでもハリントン選手のボケは炸裂するのか?!
Paul Casey/ポール・ケーシー選手
国籍:イングランド/ドライバーの平均飛距離:295ヤード
175cmと決して大柄ではないケーシー選手。でも、ドライバーの平均は他の選手には負けていません。
動画では「タップ、タップ、タップ…」とギルモアのパットのモノマネを披露してくれていますので、是非参考にしてみてください。
Peter Uihlein/ピーター・ユーライン選手
国籍:アメリカ/ドライバーの平均飛距離:291ヤード
さすがアメリカ代表!ギルモアのモノマネも板についています!「Just go home!(とっとと家に帰れ!)」とボールを脅しています。
パットの名手ユーライン選手が、ハッピー・ギルモア・チャレンジでロング・ドライブに挑みます!
その他にもたくさんのヨーロピアン・ツアーの選手が参加してくれていますが、続きは動画でお楽しみください!
一番遠くへ飛ばす事ができたのは、果たして誰なのか?!そして、最後にシャンク・ボールでカメラマンを直撃してしまうのはどの選手なのか?!
(完)