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ヨーロピアン・ツアーの上品な遊び心に触れる~④ゴルフでクレー射撃!?~

ヨーロピアン・ツアー面白企画の第4弾は“ゴルフでクレー射撃(The Clay Pigeon Golf Shot)”です!

クレー射撃とは、散弾銃を用いて空中などを動くクレーと呼ばれる素焼きの皿を撃ち壊していくスポーツ競技です。

昔は生きた鳩(ピジョン)を放して的としていた事から“クレー・ピジョン”とも呼ばれています。

クレーの形状は円盤型で直径は約15cm。投射機を使って空に飛ばして飛び立つ鳥に見立てたり、地面を転がしたりして野を駆けるウサギを模したりした、動く標的を的として点数を競うスポーツです。

今回は散弾銃でも当てる事がむずかしいクレー射撃を“ゴルフでやってみよう!”というチャレンジです。

ヨーロピアン・ツアーにとってドバイとは?

今回の企画が行われたのは、ドバイ首長国連邦です。

実はヨーロピアン・ツアーにとってこの“ドバイ”という国が特別であることを、皆様はご存知でしたでしょうか?面白企画の前に、ヨーロピアン・ツアーとドバイの関係を知っておきましょう。

“レース・トゥ・ドバイ”

2009年にPGAツアーのフェデックス・カップをモデルに実施された、ヨーロピアン・ツアーの賞金レース。それが“レース・トゥ・ドバイ”です。

レース・トゥ・ドバイの対象となる競技会は年間24もの国々で最低45試合開催され、大会での獲得賞金1ユーロを1ポイントして計算されます。終盤に入ると指定された特別な大会では、ポイントが20%増えるという競技会もあり、その獲得ポイントによって賞金レースの年間勝者が決まります。

“レース・トゥ・ドバイ”でトップを獲得した選手にはハリー・バートン・トロフィーと欧州ツアー7年間のシード権という大きな名誉が与えられます。そして“レース・トゥ・ドバイ”でもっとも重要な大会が、ドバイで開催されるシリーズ最終戦の“DPワールド・ツアー選手権ドバイ”なのです。

この大会に出場できるのは、前週までの“レース・トゥ・ドバイ”のポイント・ランキング1位から60位の選手のみ。よって、仮に60位の成績の選手が最終戦で優勝したとしても“レース・トゥ・ドバイ(賞金レース)”には勝てないかもしれません。しかし、この最終戦で優勝すればヨーロピアン・ツアーの5年間のシード権を得ることができるので、下位の選手にとっても、重要な大会なのです。

また、どんなに多くのポイントを獲得していても“やむを得ない理由”が無い限り、DPワールド・ツアー選手権ドバイへの出場は“レース・トゥ・ドバイ”に勝つ為の必須条件の一つとなっています。

10月から11月にかけてレース・トゥ・ドバイの“ファイナル・シリーズ”と呼ばれている大会がDPワールド・ツアー選手権を含め4試合あり、最終戦に向けてヨーロピアン・ツアーが最も盛り上がるシーズンとなります。この“ファイナル・シリーズ”対象の4試合は賞金も破格となります。

なんと、その4試合の賞金の総合計は日本円にして約30億円!当然、選手達も最終戦の出場権を得るために“レース・トゥ・ドバイ”を目の色を変えて戦うことになり、ゴルフ・ファンも熱狂することになるのです!

“アース・コースでの名場面”

 

ちなみにレース・トゥ・ドバイの最終戦が行われるゴルフ場はドバイの“Jumeirah Golf Estates The Earth course(ジュメイラ・ゴルフ・エステーツ・アース・コース)”となります。

クレー射撃の前に1本の動画をご覧いただきます。タイトルは“Greatest Moments On Earth with Rory, Henrik and Justin”です。タイトル内の“Earth”はもちろんジュメイラ・ゴルフ・エステーツのアース・コースの事ですね。

内容はタイトルどおり“アース・コースでの名場面”となります。登場する選手は次の3人。

2012年の“DPワールド・ツアー選手権ドバイ”の覇者ローリー・マキロイ選手、そして同大会惜しくも2位となったジャスティン・ローズ選手、そして2013年の同大会覇者であり2016年の全英オープンチャンピオン、ヘンリック・ステンソン選手です。

この3人の共通点は、“アース・コースの18番ホールで人々の心に残る印象的なプレーをしている”ということです。

ヘンリック・ステンソン選手は2013年、3番ウッドで248ヤードをピン側15cmにつけるスーパー・ショットを放ちます。このショットは2013年のヨーロピアン・ツアーの“ショット・オブ・ザ・イヤー”にも選ばれています。

ローリー・マキロイ選手は2012年、6メートルのウイニング・パットが選ばれました。マキロイ選手はこの年“レース・トゥ・ドバイ”の年間賞金王にもなりました。

そして、ジャスティン・ローズ選手は2012年、約20メートルのロング・パットが選ばれました。このパットはあと1cmというところで入りませんでした。

ゴルフに“タラレバ”はありませんが“もし”このパットが決まっていて、マキロイ選手の6メートルのパットが外れていたら、22アンダーでプレー・オフになっていたかもしれません。そう言った意味では大会をおおいに盛り上げた、とても印象的なパットなのです。

ちなみに、このパットは“クリケット・ピッチ・パット”と言われ皆の記憶に残ることになります。

この名前の由来ですが“クリケット”は英国ではポピュラーな球技ということはなんとなく皆様もご存知だと思いますが、そのクリケット場の中心に長方形の“ピッチ”という場所があります。そのピッチの長さが22フィート(2012cm)で、ローズ選手のロング・パットがほぼ同じ長さということもあり“クリケット・ピッチ・パット”と呼ばれるようになったのですね。さすがはヨーロピアン・ツアー、ネーミングもおしゃれですね!

そして、そんな共通点を持った3人が2014年11月、アース・コースの18番ホールに戻ってきます。そして、それぞれが放ったスーパー・ショットに挑戦をするという特別企画。競争という訳ではありません。3人で思い出話をしながら穏やかな雰囲気で番組は進みます。

しかし“遊び”とは言えトップ・プロが3人揃うと、どうしても緊張感が漂ってしまうのですね。もちろん、良い意味で。

全てのショットが見所ですが、特に最後のマキロイ選手のウイニング・パットに挑戦するステンソン選手のパッティング・スタイルはお見逃しのないように!自分でも練習して、本番でトライしたくなるトリッキーなパッティングです。さすがヘンリック!

ゴルフでクレー射撃!?

ドバイとヨーロピアン・ツアーの関係のご紹介はこれくらいとして、今回のユニーク企画に話を戻します。

ピリピリした雰囲気が漂うドバイで行われたこのユニークな企画!おそらくDPワールド・ツアー選手権終了後に収録されたものと思われますが、今やヨーロピアン・ツアーにとって聖地とも言えるドバイで、この面白チャレンジをしてしまうところにヨーロピアン・ツアーのユニークに対する強いこだわりを感じてしまいます。

さて、ドバイの都心に程近い砂漠に作られた会場に呼び出されたのは、ヨーロピアン・ツアーで活躍中の4人のゴルファー。ヨーロピアン・ツアーのオフィシャル・スポンサーでもあるBMWに乗って会場入りする選手達を、進行役の男性が不適な笑みを浮かべてお出迎えをするところから物語は始まります。

「さて皆さん、今日のチャレンジは簡単ですよ!」

と言いながら、その手に握られているのはオレンジ色の丸いプレートのようなもの。当然、選手達の頭の上には“?”マークが浮かびます。

「的はゴルフのホールよりは大きいから当てるのは簡単だよね?!」

選手達の頭の上には“?”マークがどんどん増えていきます。そんな事はおかまいなしで、簡単な説明の後に早速ゲームの開始です。

無謀とも思えるこの競技にチャレンジしたゴルファーは、この4選手!

チャレンジャーNo.1
Thongchai JAIDEE/トンチャイ・ジェイディー選手

国籍:タイ。アジアを代表する実力派ゴルファー。プロに転向したのは30歳と遅いデビューにも関わらず、ツアー17勝を挙げているタイゴルフ界の英雄。軍隊で鍛えぬいた身体能力はダテじゃない!

チャレンジャーNo.2
David HORSEY/デービッド・ホーシー選手

国籍:イングランド。アマチュア時代から注目されていたエリート・ゴルファー。ショットの精度はヨーロピアン・ツアーでもトップ・クラス!本企画の大本命!ツアー4勝。

チャレンジャーNo.3
Johan EDFORS/ヨハン・エドフォース選手

国籍:スウェーデン。ワイルドなロング・ヘアがトレードマークのイケメンゴルファー。ドライバーの平均飛距離は300ヤード・オーバーのビッグ・ヒッター!ツアー4勝。

チャレンジャーNo.4
Simon KAHN/サイモン・カーン選手

国籍:イングランド。動画の中のキャプションでミドルネームに“Chaka”と入っているのは、ソウル・ミュージック界の歌姫“チャカ・カーン”由来のニックネーム。緊張感ゼロの愉快なおじさん。ツアー2勝。

果たして、クレーに見事命中できるのは誰か?というより、当てることができるのか?!誰かが当てなきゃ帰れません!

みんなで、4人のチャレンジを応援しましょう!

(完)

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