故障・不調と戦う石川遼選手についての雑感
松山英樹選手の活躍が報じられるなか、一方で気になるのが石川遼選手です。
いままでも将来を嘱望された選手はたくさんいましたが、石川遼選手ほど老若男女を問わず人気のある男子プロはいなかったのではないでしょうか。
今回はみんなに愛される人気者の「遼くん」について触れてみたいと思います。
試行錯誤しながら不調と付き合っている「遼くん」
景気の冷え込みもあってか男子プロゴルフ界がピンチになったとき、彗星のように表れたのが「石川 遼くん」です。
もう「くん」づけするような年齢ではないのですが、「リョウくん」がフィットするのは、ヤンキースの田中の「マーくん」と同じでみんなに好かれているからかもしれません。
そんな人気者の遼くんですが、自らの夢でもある「グリーンジャケットを着る」ために、主戦場を日本から米国に移したのですが、どうもその時期から不調が続いているようです。
故障のニュースが流れるなか体調が整わずに試合に挑んだために、微妙にスイングが乱れ出し、いつしか集中力や勝負勘までも狂ってしまったようです。
またパワーゴルフを目指した時期には、いまよりも数倍胸板が厚いプロレスラーのような体形になったこともありました。
めまぐるしい体調の変化に心身のバランスを保つだけでも精一杯だったのかもしれません。
最近のスイングは少し落ち着き、安定感が戻ってきたように思えます。
ただ相変わらず1試合のなかで「抜けた球」が出てくるので、スコアメイクに苦労していることが感じられます。
アマチュア時代の活躍をそのままにプロゴルファーになってからもマスターズの招待を受けるほど実力と人気は群を抜いています。
なによりもファンやスポンサーからは将来を嘱望されています。
しかし、アスリートの若い肉体が「故障に苦しむ」という思わぬ落とし穴に陥ってしまっているようです。
過去の人気ゴルファーも、故障と戦い続けていた
人気プロゴルファーと呼ばれた選手を振り返ってみると、叩きあげの苦労人から「世界の」と呼ばれた青木功や独特の存在感を兼ね備えた関西のドン杉原輝雄、抜群のセンスとパワーで一世を風靡したジャンボ尾崎、CMで精力剤の瓶にまたがって空を飛んでいった丸山茂樹などがいました。
彼らはそれぞれの試合のなかで自分のゴルフを極めていきましたが、同時に故障との戦いも大変だったようです。
特にジャンボの腰痛はカップインしたボールを取り出せないほどで、その痛々しさのほうが記憶に残っている人もいるかもしれません。
アスリートにとって故障はつきもので、特にゴルファーは腰や肘や手首など、誰もが傷を負っていると思います。
遼くんも腰の不調から負担感の少ないスイング改造を余儀なくされたと聞いていますが、腰の不調はパッティングに影響されさらに苦しいラウンドを強いられています。
気になる腕のサポーター
遼くんについて、ちょっと気になるのが腕のサポーターです。
いまではトレードマークのように右腕にサポーターをつけていますが、たぶん筋肉疲労か腱の故障を恐れての予防として着用しているのだと思います。
故障なのか予防なのかの公式発表がないため、いらぬ憶測が生まれています。
一番面白い(不謹慎なようでゴメンナサイ)のは、刺青(タトゥー)が入っているというものです。
海外ではファッションとして定着しているので、警察官でも著名人でも気にせずに絵や文字を入れていますが、日本ではダーティなイメージが強く相変わらずタブーとされています。
仮に人気者の遼君の右腕にタトゥーが入っていたとしたら、スポンサーは大慌てするでしょうし、コアなゴルフファンの一部には不快感をあらわす人がいるかもしれません。
なんて心配してみたものの、遼くんは未成年の頃から同じ箇所にサポーターを着用しているので、カモフラージュ用ではなく筋肉疲労や腱の故障予防で使用しているのだと思います。
過去に、手首を痛めて苦しんでいた頃のミケルソンが良いプレイをした際「サポーターのお蔭かな」ってジョークのコメントを出したために、プレイの補助(規則違反)と疑われ聞き取り調査を受けたことがあります。
体のどこの部分であっても故障のフォローや予防以外で、筋肉の性能をより引き出すようなものをつけると違反になります。
例えばハンドウォーマー、つまり手袋で手を冷やさないようにするのはOKにしていますが、これでさえ「慣例的である」とわざわざ理由づけして例外的ルールとしています。
そんな余計な話はともかく、私たちの「遼くん」がベストな体調で、良いスコアをたたき出してくれることを願っています。