貴方は「チッパー」というクラブをご存知でしょうか?チッパーとは、グリーン周りのアプローチ専用に作られたクラブです。

「チッパーを使うなんてのは邪道だよ!チッパーはクラブとしては認められないね!あくまでもゴルフ用品だよ」というゴルファーもいらっしゃいますが、それは偏見。

実は2008年の「フジサンケイクラッシック」の練習ラウンド時に横峯さくらプロがチッパーを使用したこともあるんです。さすがにツアー期間中に使用する事はなかったようですが、プロも練習では試す事があるくらい、ゴルフクラブとしてきちんと認識されたものなのです。

アプローチショットに使用する為のクラブとして作られたチッパーですが、特にランニングアプローチを簡単にする魔法の道具です。

通常はロングアイアンを使用して行う事の多いランニングアプローチ。「ロングアイアンのアプローチは得意なんだ!」と言う人には必要のないクラブという事になるのですが、「この方法だとミスが多い」「ランニングアプローチは苦手…」と言う方には、まさに“神の手”と言っても過言では無いくらいのお助けクラブなのです。

チッパーの特徴は、通常のウェッジと呼ばれるPW(ピッチングウェッジ)・AW(アプローチウェッジ)・SW(サンドウェッジ)に比べてロフト角が小さく(立っている)、シャフト長が短いことです。また、ソール幅が広く芝の上をズズッと滑ってくれるので、アプローチの一番のミスの原因である『ザックリ』がなく、ランニングアプローチの失敗を軽減してくれます。

でも、そんなに良いクラブなのに上級者やプロが使わないのはどうしてなのか?その理由は、あまりにも簡単すぎるクラブゆえにテクニックを使うことが難しいクラブであるから。

通常のウェッジはボールを高く上げて打つことも、スピンをかけて打つことも、ロフトを立ててピッチエンドランで寄せることもできますが、このチッパーはあくまでも“ランニングアプローチに特化したクラブ”なので、それ以外に使い道がないという事。裏を返せばそれだけやさしくできているという事なので、グリーン周りが苦手な人には扱いやすいクラブということになりますね。

チッパーにはどんな種類があるの?

さて、チッパーなるクラブが気になってきたところで、チッパーにはどんな種類のものがあるのかご紹介していきましょう。

おおよそチッパーには35度~55度くらいまでのロフトのものがありますが、通常のウェッジのように2度刻み程度で細かくロフト設定されているわけではなく、ほとんどが、35度前後・45度前後・55度前後と10度刻みくらいで販売されています。

形状は、大きく分けて2種類。ソール幅の狭いパタータイプと、ソール幅の広いウェッジタイプ。チッパーなるものが世に出てきたころは『ジガー』とも呼ばれ、パタータイプ物が多かったのですが、

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最近発売されているモデルは、ウェッジタイプのものが一般的です。

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有名メーカーの商品としては、プロギアの『R35』や『R45』『R55』

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オデッセイの『MARXMAN X-ACT』

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XXIOの『CR ウェッジ』などが発売されており、人気もあります。しかし、チッパーとして発売されているものの多くは無名のメーカーのものが多く、価格も5,000円前後と普通のクラブに比べてそれほど高いものではありません。

チッパーの用途や種類についてはおわかりいただけましたね。では、どんな風に打ったらいいのでしょう?

チッパーの打ち方

チッパーはウェッジのように振り上げてスイングで打つのではなく、パターのように引いて出す打ち方をします。ロングパットを打つ時のようなイメージでヘッドを振り上げず、あくまでも地面と平行に引いて打つのがポイントです。普段クラブでショットするときよりも、若干ボールに近い位置に構えるのが正解。

飛距離のイメージとしては、35度のロフトのものでキャリーとランの割合は1:3くらいです。45度で1:1くらい。なので、落としどころを考えて距離をイメージさせていきます。ランを考えてピンの手前のどの辺に落とすのか?ロフトも考えて振り幅を変え、打っていきます。

このチッパー、ルール違反じゃないの?という方もいらっしゃいますが、ルール上は何の問題もありません。昔はチッパーとしての条件を満たさずに使用されていたこともあり、「チッパーそのものがルール違反である」という間違った情報として広まってしまった…との憶測もあります。

チッパーは、ゴルフルール上はアイアンとして区分けされます。ただひとつ、チッパーを使う上で注意したい点がグリップ形状です。

パターのような打ち方をするクラブなのでパターグリップを装着したくなるのですが、それはルール違反です。パターグリップのように一部が平面であるグリップを装着してしまうと、違反になりますので注意が必要です。通常のドライバーやアイアンに使用する円型のグリップを使用しましょう。

とにかく、チッパーはアプローチが苦手なゴルファーにとってはお助けクラブになる良いクラブであることは間違いないのですが、そうとはわかっていても、どうしてもコースでは使いたくない!という見栄っ張りなあなた!!(笑)そんなあなたには、こんな使い方をおススメします。

私のおススメの使い方は、アプローチの練習用として使うこと。

チッパーはロフトによってボールの高さは変わるもののスピンをかけて止めるというアプローチとは異なり、グリーン上に着地してから転がる、いわゆる距離の短いピッチエンドランで寄せていくクラブ。このピッチエンドランの感覚を覚えるクラブとして繰り返し練習し、落としどころと転がりの距離をつかんでしまえば、普通のウェッジやロングアイアンでも同じようなアプローチができるようになってきます。

アプローチ練習場のある練習場があれば、芝の上から打つことができますので尚更良いのですが、ない場合は人工芝の上からでも十分にこの感覚をマスターすることができるはずです。

グリーン周りの短いアプローチが苦手な方は、まずチッパーで“ピッチエンドラン”の感覚をマスターしていくという練習方法も是非取り入れてみてください。その感覚がつかめたら、アプローチウェッジやピッチングウェッジを使ってピッチエンドランの練習をすれば、こんなに簡単だったのか!?と目からウロコ状態になるはずです。

まとめ

いかがでしょう?チッパーというクラブ、ちょっと使いたくなってきませんか?比較的手に入れやすい価格ですので、試しに使ってみるというのもありですよね。

試しに使ってみた結果、チップインや寄せワンの回数が飛躍的に伸びれば、もう手放せない武器になることは確実です。

食わず嫌いをしてスコアを損するよりも、まずは試してみる!これに限ります。