パッティング向上のヒント「方向性」編─前輪駆動と後輪駆動のパッティング─
前回は「距離感編」をお伝えしていますので、今回は「方向性」に関する話をしてみたいと思います。
目次
「方向性(直進性)」に長けている前輪駆動タイプ。
ゴルフスイングにおける駆動軸タイプ(前輪駆動タイプor後輪駆動タイプの違いは、様々な場面で特性の違いとして現れてきます。この特性の違いをきちんと認識できているかどうかは、ゴルフ上達のためにとても大切な要素となるものです。
パッティングにおいて、最も駆動軸タイプの違いが現れやすいのが「方向性」という要素です。単純に言うと、構えた方向(スタンス及びパターフェース方向)に対して、まっすぐにボールを打ち出しやすいのが前輪駆動タイプなのです。
左利きの前輪駆動タイプが最も高い方向性を誇る。
今回も、話がわかりやすくなるように「右打ち」であることを基準としてお話させていただきます。
利き腕と駆動軸タイプの組み合わせを考えると以下の4タイプが存在することとなります。
1.右利きの前輪駆動タイプ
2.左利きの前輪駆動タイプ
3.右利きの後輪駆動タイプ
4.左利きの後輪駆動タイプ
パッティングにおける方向性が優れている順番に表記すると、「2>1>4>3」となります。最も方向性を出しやすいのが「左利きの前輪駆動タイプ」であり、逆に最も方向性を乱しやすいのが「右利きの後輪駆動タイプ」なのです。
特に、この傾向は「登りのロングパット」で現れやすいもの。パッティングの強さ(力)が必要となるほど、方向性の得手不得手(特性)が表面化してくるのです。
前輪駆動タイプの特性を生かす「グリップ方式」。
過去にお話しているように、パッティングは距離感・方向性・ライン読みの3要素で構成されています。
どれかひとつでも劣っていると、なかなかパット回数を少なく出来ないもの。あくまでも、3つの要素がバランス良く成り立っていることが良きパッティングの前提条件となっていることは、忘れないようにしてくださいね。
そんな前提条件があることを認識した上で、まず前輪駆動タイプの人が、さらに方向性を高めたいときに有効となる方法があります。
それが「クロスハンドグリップ」と呼ばれるもの。
通常バッティング時のグリップは右手が下(地面寄りという意味)で、左手が上(体寄り)となっています。クロスハンドグリップは、「左手を下、右手を上」としたグリップ方式です。
実際には、クロスハンドグリップと呼ばれるものにも形の違い(握り方の違い)によって、多様な種類がありますが、どんな形であれ、前輪駆動タイプの人がクロスハンドグリップを採用すると、さらに方向性が高まりやすい特性があるのです。
このクロスハンドグリップは一時海外プロの間でも流行した時期がありました。特にショートパットを外すことが多い人が方向性を重視して採用していたようです。
ただ、このグリップ方式はあくまで前輪駆動タイプの人にとって有効な手段なのであって、後輪駆動タイプの人にとっては逆効果となることはぜひ、覚えておいていただきたいこと。
後輪駆動タイプがクロスハンドグリップを採用すると、さらに方向性が乱れる要因となりますのでご注意を。
後輪駆動タイプが方向性を高めるための手段「極太グリップ」
後輪駆動タイプの人が、少しでも方向性を良くしたいときに有効な手段となるのが「極太グリップ」の採用です。基本的に、右手でパターを押すことによって、パターを動かす感覚を持っているのが(そのような感覚を意識したほうが良いタイプ)後輪駆動タイプです。
ゆえに、右手でパターを押す面積(グリップ部分)が広いほうがより効率的に力を伝達することが出来るとともに、パターフェース面を狂わせることなく、安定的にパターを動かしやすくなるんですね。
後輪駆動タイプで、現在パッティング方向性に悩んでいるようであれば、極太グリップをまずは試してみてはいかがでしょうか。