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ベテラン片山晋呉の美しいスイングが復活。目標はマスターズ再挑戦!

ベテラン健在を見せた今季後半

石川遼が惜しくも2位で終わったゴルフ男子トーナメント、カシオワールドオープン(11月26日~29日)で存在感を示したのが、片山晋呉でした。

初日イーブンパーの39位タイから2日目7位タイに浮上。3日目にはトップの石川に3打差の4位と、優勝争いに顔を出し、最後は優勝した黄重坤に4打差の3位と、健在を示しました。

今季の片山は三井住友VISA太平洋マスターズ(11月12~15日)で3日目まで14アンダーで首位。最終日は濃霧のため中止となり、今季初優勝を飾りツアー通算29勝目を達成しました。ほぼ1年ぶりの優勝です。同時に、尾崎将司に続き史上2人目の生涯獲得賞金20億円まで約94万円としました。

翌週のダンロップフェニックス(11月19日~22日)で11位タイに入り、賞金20億円を突破。「続く目標はツアー通算30勝。早く達成したい」と片山。カシオワールドオープンでも上位と、シーズン後半に来て安定した力を見せています。

実力派プロも小休止状態

片山といえば、2000年に年間5勝を挙げて初の賞金王獲得。2004年からは尾崎将司、青木功に次いで3人目となる3年連続賞金王を含み、過去5回賞金王に輝き、永久シード権も獲得しています。テンガロンハットでプレーする個性的なスタイルが人気でした。

2009年には、自身の大きな目標だった米国で開催される「マスターズ」で自己ベストの4位を達成。多くのタイトルや目標を次々実現した後は、「燃え尽き症候群」になったと言われ、しばらくツアーの上位には顔を出さない日々が続きました。

身体の故障に悩まされる

さらに、今年42歳となりプロ20年目を迎え、身体にも変調をきたすようになっていました。

昨シーズンから足の痛みを訴え、プレー中に階段を降りるのを難儀することも。さらに、右手親指と人差し指のしびれでクラブを握るのが辛く、腰を痛めて3週間も歩行できなくなるなどの故障に見舞われました。

もともと持病の腰痛があり、腰をかばうために様々な箇所に故障が影響していると分析。コースによっては、5番アイアンも外して、ユーティリティを使用したり、シャフトを換えるなどクラブセッティングにも工夫をしていました。

今年も左足かかとの痛みを残しながら三井住友VISA太平洋マスターズで初優勝。本人は「力が入らないからいいのかも」と飄々としていますが、通算30勝、生涯賞金20億円との目標が見えてきてからの安定した復活ぶりは、さすがベテランの強さです。

片山のスイングがいいお手本に

一般的に、アマチュアゴルファーが男子プロのスイングを見習おうと思っても、あまり参考にならないことがあります。

例えば、絶頂期のタイガー・ウッズは、ゴルファーというより一流のアスリートのボディをしていました。鍛え抜かれた背筋、側筋から生み出されるボディターンは、並外れたスイングスピードからとてつもない飛ばし方を実現し、常人が真似をできるレベルではありません。

日本の男子も、松山英樹や宮里優作といった体格がいいプロは、やはり鍛えられたボディーからパワフルなスイングを披露します。アマチュアにとっては、女子プロやシニアプロのスイングの方が参考になる、と言われています。

片山も30代の全盛期であれば、スイングを見習うのは難しかったでしょう。ただ身長171cm、体重70kgと一般の人の体格とあまり変わらず、現在身体の変調をケアするための力を抜いたスイングは、アマチュアにとっていいお手本になるでしょう。

美しいスイングに小技も得意

もともと練習熱心な片山の正確な美しいスイングは、プロの間でも定評がありました。左足を軸としたスイングはヘッドの入射角度が小さくなり、ボールを捕らえるインパクトゾーンが長くなるメリットがあります。捕らえるゾーンが長くなることでボールのスピン量が一定となり、打ち出す角度も安定。飛距離、方向性が良くなり、ミスが減ります。

また、片山のプロフィールによると、得意クラブは意外にもウッド系ではなくサンドウェッジと紹介されています。大きなフォロースルーが特徴のドライバーショットではなく、小技のバンカーショットを上げているのは熱心な練習から得た賜物。この辺りはバンカーに入れても、パーを拾ったり、大きくたたかないでスコアをまとめている秘密かもしれませんね。

ヒールアップで回転がスムーズ

さらにもう一つの特徴がバックスイングの時、わずかに左足のかかとを上げることがあります。スイング理論の中には、両足かかとはべた足のまま、を薦める方法があります。確かに、上半身と下半身のねじれから生み出される力はべた足のほうが強くなるでしょう。

ただし、鍛えられた身体でのスイングではなく、アマチュアレベルにとってはヒールアップすることで身体の回転がスムーズになるのです。さらに、ヒールアップは、体重移動も容易にして、スイングパワーに足の力を使うことも可能になります。体格的に恵まれていなくても、飛距離アップにつながるスイングができるのです。自然とスコアアップにもつながります。

興味のある方は、ぜひネットなどで片山プロのドライバースイング動画をスローなどでご覧になってください。実はヒールアップといっても、かかとはほんの数センチしか上げていません。ここに、アマチュアが陥りやすいミスがあります。

アマチュアが注意すること

「ヒールアップすると飛距離が出るのか。ヨ~シ」と、バックスイングでかかとを思いっきり上げるのは考え物です。イメージはまるで「一本足打法」。世界の王選手も一本足打法を自分のものにするには、絶え間ない練習を積んでからでした。

また、自分では数センチしか上げていないと思っていなくても、「飛距離が出るなら」と無意識のうちにかかとの上げ方が大きくなってくることがあります。そのため体重移動のバランスが崩れ、スイングが一定せずミスショットが多くなります。

ヒールアップが大きくならないようにするには、自分だけではなかなか分かりません。知らず知らずのうちに1cm、2cmと高くなってしまうのは、自分で気が付くのは難しいのです。

岡本綾子でさえ難しいセルフチェック

そのため、ヒールアップを一定にするには、いつも一緒に行くゴルフ仲間や練習場のレッスンプロなどにチェックしてもらう習慣をつけることです。あの岡本綾子でさえ、セルフチェックは難しかったことがありました。

かつて腰痛に悩んだ岡本綾子は左足のつま先を少し広げ、オープンにすることで対処していました。それが、知らず知らずのうちにつま先が数センチ多く開くことで、スイングが不調に陥ったのを自分では気が付かなかったことがありました。

シンプルなスイング

現在の片山のスイングは、身体の無駄な動きを極力なくした、よどみないスイングです。最小の力で大きなパワーを生んでいます。シンプルなスイングでも飛ばし、正確さをキープできることを片山が証明しています。アマチュアが上達のヒントを得るには、素晴らしいお手本でしょう。

同様なスイングのお手本として、男子プロの中で片山と同世代の藤田寛之、谷口徹らのスイングもアマチュアには参考になります。

まだまだ枯れない

今季は残り1試合。もちろん、次の大会でツアー通算30勝を狙いにいくでしょう。

片山は実はさらに大きな目標を秘めているのです。それは世界ランキング50位以内として、来春のマスターズ挑戦です。そのために、オフシーズンに国内を離れアジアツアー参戦も照準にしているのです。

目標が大きければ大きいほど燃える片山、オフシーズンに海外での活躍にも目が離せません。

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