スイングしなけりゃ始まらない!思わず唸るゴルフ名言・迷言集/スイング編
スイングには一家言あるアマチュアもたくさんいますが、これまでの名人達もスイングには多くの言葉を残しています。
まずは帝王ジャック・二クラスの言葉から。
「ほとんどのゴルファーは力は大きなバックスイングによって生まれるという勘違いをしている」(ジャック・二クラス)
メジャー優勝は18回に及び、「史上最高のゴルファー」とも称されるニクラスです。
飛ばそう、飛ばしたいとのゴルファーの心理から、ついついバックスイングが大きくなる動作を揶揄しています。「そんな大振りしなくても飛ぶよ」と言われそうですね。
「非常に早いバックスイングをするものに一流のプレーヤーはいない。クラブヘッドのスピードは必要だがバックスイングのときには、まだその必要はないのだ」(ダイ・リース)
これも気が急くゴルファー心理を突いています。
ダイ・リースは第二次大戦当時に活躍したイギリスのプロゴルファーで、アメリカとの団体戦ライダーカップでイギリスの主将を務め、アメリカを破った名選手です。まさに、ヘッドスピードとはダウンスイングの時に重要であるとの基本を示唆しています。
「ロングアイアンに怯えてはならない。他のアイアンでうまく打てるのなら、ロングアイアンで同じようにうまく打てない理由はない。一般ゴルファーのもっとも大きなあやまちは、ロングアイアンで打つときに他のアイアンよりも強く打とうとすることだ」(アーノルド・パーマー)
これも飛ばそうと思うあまり、強く打ってしまうミスをアドバイスしています。
現代ではユーティリティーを使う時の教訓になりそうです。パーマーはニクラスの好敵手として人気で、マスターズ4回優勝の実績を誇ります。
「多くの初心者はスイングの基本を理解する前にスコアをつけようとする」(ジーン・サラゼン)
「アメリカプロの長老」と呼ばれたジーン・サラゼン。この言葉に続き「これは歩く前に走ろうとするようなもの」と言いました。
全米オープン2回、全英オープン1回を制し、アメリカプロの長老と呼ばれたジーン・サラゼン。まさにスイングができなきゃ始まらない、との言葉です。
「レッスン・プロがヘッドアップしちゃいけないという理由は、彼がプッと吹き出しそうになっているのを生徒に見せたくないからさ」(フィリス・ディラー)
思わず笑ってしまうこの言葉を残したフィリス・ディラーという人、どうやらプロゴルファーではなさそうです。
この名前で見つかるのは、なんとアメリカの女優さん。はじめはスタンダップコメディで活躍したコメディエンヌで、毒舌、皮肉でうならせた当時に残した言葉のようです。
映画「草原の輝き」や数々の喜劇ドラマに出演し、最近はアニメ「バグズ・ライフ」で嬢王アリの声も担当しています。ゴルフ界に味のある言葉を残し、2012年永眠されました。
「バック・スイングで体重が右足に移動するのは腰と肩が右に回転するからであって、腰と肩が右に移動するからではないのだ」(ディック・メイヤー)
初級者に見られるバックスイングでのスウェーを指摘しています。
平行移動ではなく、ひねることで右足に体重がかかるのですね。ディック・メイヤーは1957年の全米オープン優勝者です。
「初心者が十分にピボット(体の回転)しないのは、体を回すほどボールから遠ざかるような恐怖観念のためである」(チャールズ・ムーア)
ゴルフ心理研究家として著書も多いチャールズ・ムーアが初心者の心理を分析しました。
「頭はスイングのバランスの中心である。もしそれが動けば、あなたのバランスも、スイングの弧も、体の運動も、そしてタイミングまで変えてしまうのだ」(ジャック・グラウト)
ゴルフレッスンプロのジャック・グラウト。彼を師と仰いだのは、かのジャック・ニクラスでした。
「素振りだけを見ると、どんな下手なゴルファーでも上手に見える」(アンドラ・カーカルディ)
イギリス・セントアンドリュースで生まれ、少年時代はキャディーをして過ごし、1800年代後半に活躍したのがアンドラ・カーカルディです。明朗でウイットのあるコメントで人気者でした。確かにボールがなければ、皆プロゴルファーかもしれません。
「第一流のプレーヤーたちのスイングを見れば見るほど、私はゴルフのスイングにおける最も重要なただ一つの要素は、リズムであるということを信ぜずにはおれない」(P・ワード・トマス)
P・ワード・トマスは、ゴルフ記者です。多くの英米のトッププロを見続けたライターにとって、トッププロ達のスイングには一定のリズムを感じたようです。
「高速カメラやテレビはスイングをはっきり分析することができるが、プレーヤーが何を考えているかはわからない」(ヘンリー・ロングハースト)
イギリス人のゴルフ名解説者がヘンリー・ロングハーストです。スイングの解析することも重要だけど、要するにゴルフは頭でプレーする、との皮肉ですね。
最後に我が日本人の残した名言です。
戸田藤一郎は「日本最強のプロゴルファー」とも言われ、18歳から56歳まで17勝と第一線で活躍し、マスターズにも日本人初出場を果たしています。
「半端なゴルファーほど自分のスイングについて語りたがる」(戸田藤一郎)
たかがスイング、されどスイング。いろんな見方、指摘があるのがわかりました。それだけにゴルフは楽しい、ということのようです。