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ローリー・マキロイの飛んで曲がらない夢のスイングを大解剖! スコアアップに役立つワンポイント情報あり!

ローリー・マキロイは、石川遼、リッキー・ファウラーと共にその名前の頭文字から3Rと呼ばれ、ゴルフ界でさらなる活躍が期待されている選手の筆頭です。

3度目のメジャー勝利を獲得した2014年の全英オープンでは、平均飛距離321.1ヤード(1位)、フェアウェイキープ率77.78パーセント(2位)を記録するなど、飛ばし屋でありながら正確に方向を捉えるスイングをスコアに直結させ、すでにPGAツアーで圧巻の成績を叩き出しています。

そんなマキロイの驚愕のスイングを大解剖!わずか21歳でメジャー初制覇を果たした2011年の「全米オープン」のスイング動画にて解説します。

さらに、マキロイのスイングから一般ゴルファーも取り入れることができるワンポイント情報もお教えしますよ。飛んで曲がらないスイングの秘訣をチェックしてスコアアップを目指そう!

プロフィール

名前:ローリー・マキロイ(Rory McIlroy)
生年月日:1989年5月4日(26歳)
出身地:北アイルランド ダウン州 ハリウッド
身長:175cm
体重: 73kg
プロ転向:2007年
通算成績:PGAツアー11勝(メジャー4勝)、 欧州ツアー12勝、その他2勝
クラブセッティング:ナイキ
ウェア:ナイキ

2歳の誕生日を迎える前からゴルフを始めていたマキロイ。相当なゴルフの腕前を持っていた父親のレッスンですぐにゴルフに魅せられたマキロイは、地元のハリウッドゴルフクラブで、後にトップ選手となる基礎を築きました。

両親はマキロイにゴルフを続けさせるため、苦労しながらその費用を捻出したと言うエピソードをご存じの方も多いでしょう。

その甲斐あって、ジュニア時代に当時9歳で出場した「世界ジュニア選手権(9-10歳対象)」では、パー64のコースで大会記録を更新(スコア54:イン28/アウト26)して国際大会初優勝を果たしています。

マキロイは2007年に当時18歳でプロデビューすると、欧州ツアーですぐに脚光を浴びる存在となりました。

2009年には同ツアーで初優勝を飾り、世界ランキングでもトップ10入りを果たして翌2010年にPGAツアーへ本格参戦。そのシーズンに「クエイルホロー選手権」で最終日にコースレコード「62」を記録して逆転勝利。

20歳でPGAツアー初優勝を果たしたマキロイは、タイガー・ウッズが持っていたPGAツアー最年少記録を更新し、大きく取り上げられました。また、このシーズンはメジャー2大会でもトップ3入りを果たしました。

2011年シーズンには、全米オープンで通算16アンダーの大会最少スコア記録を塗り替えて22歳で念願のメジャー初制覇。続く2012年の全米プロゴルフ選手権では、2位と8打差の大会史上最多差記録を打ち立ててメジャー2勝目を挙げ、欧米両ツアーで賞金王に輝きました。

2013年はセッティング変更の影響で不調が続きましたが、翌2014年には見事に復活。全英オープンと全米プロゴルフ選手権でメジャー2連勝を飾り、メジャー通算4冠を達成しました。

2015年シーズンは、友人とサッカー中に左足首靱帯を負傷し全英オープンは欠場となりましたが、マスターズ(4位)、全米オープン(9位タイ)とメジャーで上位にランクイン(全米プロゴルフ選手権17位タイ)したほか、PGAツアーでシーズン通算2勝を挙げています。

メジャー4勝!ローリー・マキロイ魅惑のスイング

圧巻の飛距離と正確性を兼ね備え、誰もが憧れるマキロイのスイングは、肩幅より広くとったスタンスの安定した下半身と、筋肉や関節の柔軟性を駆使した上半身の鋭い回転が一体化したとても完成度の高いスイングです。

ローリー・マキロイのスイングを構成する5つの要素

外国人選手としては小柄なマキロイですが、ドライバー平均飛距離はなんと311ヤード(約284メートル)です。

米国カリフォルニア州のスポーツアカデミー『Somax Performance Institute』が、マキロイがメジャー初制覇を果たした2011年全米オープンでのスイング動画を元に、爆発的な飛距離と安定した方向性を生みだす5つの要素の詳細を解説しています。

1)レンジ

マキロイの飛距離に深く関係している要素の1つは、体各部の可動域の大きさです。

以前のマキロイのスイングと比較してみると、大躍進のきっかけとなった2011年に進化を遂げていたことが一目瞭然です。

<マキロイの可動域(2011年以前→2011年)>
地面に対するトップ時のシャフト角度(-3°→+9)
地面に対する左腕の角度(74°→96°)
肩の回転域(120°→129°)
腰の回転域(45°→50°)

2)シークエンス

体の各部位を5つに分けてそれら一連の動きを見てみると、通常は膝→腰→肩→腕→手の順に動いていきます。
マキロイの場合は、ダウンスイングの始動時にまず、左足(目標)方向へと腰が動き体重移動を行い、続いてすべての部位がほぼ一斉に動いています。これにより、パワーが一気にショットへと反映されます。

2)ラグ(タメ)

シークエンスでも述べた通り、マキロイのスイングには動作の切れ目がありません。ダウンスイング時に見られるタメも、体重移動と体の旋回に基づいています。
そのため、手首に頼ることなくダウンスイング開始直後に高い位置でラグ(タメ)を作ることが可能になります。(マキロイの場合、左腕とシャフト角度は-6°)

3)スピード

平均的なプロゴルファーの場合、後方50°に回転させた腰を前方へ45°開いた後、インパクトの瞬間にさらに60°まで開いています。
マキロイも後方回転は50°ですが、腰を前方45°へ開いた後、インパクト時は50°に留まっています。
つまり、ダウンスイング時に高速で腰を回転させて腰が開く前にボールをとらえることで、あの飛距離を引き出しているのです。

4)背骨の角度

マキロイのスイングにおける安定した背骨の傾斜角度が、同選手が全米オープン優勝を皮切りにPGAツアーで複数タイトル獲得を果たした成功の要因と言われています。

<正面から見た背骨の傾斜角度(アドレス時/インパクト時)>
マキロイ:7°/ 19°
PGAツアー平均:8°/ 11°
タイガー・ウッズ:9°/ 24°

マキロイの場合、ボールは左足寄り(目標方向)位置していますが、ダウンスイング時の体重移動に加え背骨をさらに傾ける(倒す)ことで、インパクトの際にボールを体の中心でとらえています。

ここで問題になるのは、背骨を傾けることでクラブフェースが開いてしまうことです。

マキロイとスイングを比較されることの多いタイガー・ウッズは、アドレス時とインパクト時の背骨の角度差が15°(9°/ 24°)。ウッズはボールをまっすぐ飛ばすためには、フェースの開きをインパクト直前にスクエアに戻す動作が必要となります。

この角度差が大きければ大きいほど飛距離が延びるメリットはあるのですが、同時に修正域が大きくなることで打球の方向性が不安定となるリスクも増加します。

打球が思った方向に飛ばないことでスコアが伸びずに、プレー中のメンタルに影響が出てしまうケースも…。ハイスピードなスイングの中で行うフェース角の修正動作は体に大きな負担が掛かり、ウッズの腰部負傷を招いた要因とも言われています。

マキロイの場合は、背骨の角度がウッズほど大きくないことに加えて重心をターゲット方向へとシフトさせることで打球の方向性がより安定し、同時に体への負担も軽減されています。

【ローリー・マキロイのスイング分析(2011年全米OP):Part1】

【ローリー・マキロイのスイング分析(2011年全米OP):Part2】

※本記事ではドライバー使用時のスイングのみ解説しています。

スコアアップへの注目ポイントは“タメ”

マキロイをトッププレーヤーへと押し上げたそのスイングは、類い希な柔軟性と日々のトレーニングによって生まれたもの。一般ゴルファーがその規格外とも言えるスイングを真似することは至難の業ですよね。

そこで、マキロイの凄技スイングから取り入れることのできるスコアアップのヒントをワンポイントに絞ってご紹介したいと思います。

【ローリー・マキロイ トレーニング風景動画】

懐キープで飛距離と方向性アップ!

おすすめしたいのは、ダウンスイングでタメを作る際の動作です。

右肘を締めてグリップエンドからクラブを引き下ろすのではなく、体重移動により右脇を空けて懐を作ることで、マキロイのように地面に対して左腕が胸前で平行、シャフトが90°の状態に!

これにより、ヘッドが高い位置からインパクトに向かうため、ヘッドスピードが上昇し飛距離が伸び、腰と肩の反転で軸がぶれずに打球の方向が安定します。

【マキロイのスイング(ドライバー)スローモーション動画】

【参考動画:飛距離と方向性アップの秘訣は懐!】

今まで、飛距離を伸ばしたくてタメに挑戦しても打球が左右に散っていた方は、練習で試してみる価値があり!

ローリー・マキロイが次に狙うのはグランドスラム!

欧州ツアーで最終戦「DPワールド・ツアー選手権」を逆転勝利で制して2年連続の同ツアー賞金王者に輝いたマキロイですが、昨シーズンのPGAツアーでは、メジャー2勝を含む2015年シーズン通算5勝(賞金ランキング加算外のチャリティマッチ 「ヒーローワールドチャレンジ」での1勝を含む)を挙げた22歳のジョーダン・スピースがツアーを席巻。

主役の座を奪われた形でシーズンを終了したマキロイは2016年シーズンに向け、マスターズ優勝を狙いグランドスラム達成を目指すと欧州ツアーのインタビューで力強く語っています。

「オーガスタではいつも大げさに喧伝されるんだ。今年も僕の周辺にはそうした過大報道があったね」

「そして来年、物語は3人の選手を中心に巡ることになるだろうし、僕はまたグランドスラム達成を狙うことになる。そういう見方は、僕がグリーンジャケットを鞄に詰めるまで常につきまとうことになるんだ。もちろん、僕にとって来年最初のリアルな目標は『マスターズ』へ向けての準備を整え、できる限り調子を上げてあの舞台に臨むということになるよね」
-EUROPEAN TOUR公式HPより-

“3人の選手”とは、昨シーズンにメジャー優勝を飾ったジョーダン・スピース(2勝)、ザックジョンソンとジェイソン・デイ。

世界ランキングでトップ3に名前を連ねるスピース(1位)、デイ(2位)とマキロイ(3位)の戦いは注目です。

マキロイのグランドスラム達成は叶うか?見応えのある2016年シーズンになりそうですね。

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