男子ゴルフ界の中心的な顔ぶれと言えば、米PGAツアーで戦う松山英樹選手(24)や石川遼選手(25)はもちろんなのですが、日本国内に限ってみると、現在、賞金王争いを繰り広げている池田勇太選手(30)、谷原秀人選手(38)、金庚泰選手(30)、片山晋呉選手(43)などが思い浮かびますよね。

さらに若手をピックアップすると、小平智選手(27)や藤本佳則選手(27)あたりの名前が出てくるでしょうか。ちなみに池田選手や金選手はまだ30歳と、意外に若いのですが、実績やイメージを考えると“ベテラン”と言っても差し支えないと思います。(2016年11月現在)

しかし、毎年のようにキラキラと輝く新星が現れる女子ゴルフ界と違い、男子ツアーは少々上位陣の顔ぶれが固まってしまっている印象があるのは否めません。実力世界ですから当然といえば当然なのですが、新しい勢力の登場も期待したくなってしまいます。

そんな中、最近、存在感のある活躍を示している選手が、片岡大育(かたおかだいすけ)選手(28)です。

これまでも日本のツアーだけでなくアジアンツアーにも積極的に参戦し、シード権を確保してきた実力者ではあったのですが、常にトーナメントで上位に顔を出すようになったのは昨年の2015年シーズンから。

「最近よく名前を見るなぁ。なんて読むんだ?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?長身の女性キャディと共にコースでプレーする姿は、すっかり最近ではおなじみですが、今回はそんな片岡選手に注目してみたいと思います。

穏やかで優しげな表情とはまた違った、片岡選手のアグレッシブな一面も要チェックですよ。

プロフィール紹介

European Tour Qualifying School Final Stage - Day One

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片岡大育(かたおか だいすけ)
生年月日:1988年10月17日(28歳)
身長:167cm
体重:68kg
ゴルフ歴:13歳~
プロ転向:2007年

優勝回数:2回(2015年関西オープンゴルフ選手権競技、2016年トップ杯東海クラシック)
賞金ランキング:2008年154位、2009年133位、2010年153位、2011年82位、2012年86位、2013年47位(初シード獲得)、2014年53位(シード)、2015年18位(シード)、2016年4位(11月6日現在)

行動力のある努力家!

New Zealand Golf Open - Day 3

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出身地は高知県で、「カシオワールドオープン」が開催されるKochi黒潮カントリークラブの所属です。体型は片岡選手と同じ年代で日本人の26~29歳男性の平均が170.4cm、66.5kgですから、ほぼ平均的な数値と言ってよいでしょう。父親からの勧めで始めたゴルフも中学1年生からと、それほど早くはありません。

このようにデータ上は、片岡選手はいたって“普通”のタイプです。しかし、ゴルフを始めてわずか5年後の2006年には「四国アマチュアゴルフ選手権競技」を大会史上初の高校生(3年)で優勝するまでに成長しています。

2007年にはJGA男子ナショナルチームのメンバーに選出され、その後「中四国オープンゴルフ選手権競技」を倉本昌弘選手以来のアマチュアで制すなど、非凡な才能をこの頃から発揮しています。そしてこの年にプロ転向し、プロとしての道を歩み始めました。

しかしそんな輝かしい実績を引っ提げて臨んだプロ生活も、数年間は結果が出せず苦しいシーズンが続いていたのですが、ここで片岡選手は大きな行動へ出ます。2011年からその視線を海外へ目を向け、単身でアジアンツアーに参戦したのです。

インドやタイ、マレーシア、台湾など各国を巡るアジアンツアーは、世界中の選手が集まる激戦区であり、厳しい世界です。その上、ツアーの環境も日本とは比べ物にならないくらい劣悪なこともあります。しかし、そうしたタフな環境に身を置くことで、ゴルフの経験値を上げていくことを片岡選手は選びました。

初年度から結果を出し、まずはアジアンツアーでシード権を獲得すると、その後は日本ツアーとアジアンツアーを往復し、ツアーを転戦。時にはアジアンツアーの賞金ランキング選手枠で日本ツアーに出場する機会を得ることもありました。そうして試合数を重ね、活躍の場を自ら切り開き、2013年には念願の日本ツアーのシード権を獲得したのです。

そして2015年には「関西オープンゴルフ選手権競技」で初優勝。その期間もヨーロピアンツアーの最終予選に挑戦するなど、向上心を保ち続けています。

続く2016年には最終日を首位で迎えた「中日クラウンズ」での悔しい2位を経て、「トップ杯東海クラシック」でツアー通算2勝目を挙げるなど、現在は自己最高位の賞金ランキング4位(75,537,949円)に位置し、トッププロとしての階段を上りつつあります。

一見、いい意味で“普通”に見える片岡選手なのですが、このようにプロとしての覚悟と意識、そして闘争心を持って駆け上がってきた努力家なのです。また、プロとしては恵まれているとは言えない体格を、小気味よいスイングと美しいフィニッシュで定評のある安定したドライバーショットを作りだしています。

※ドライビングディスタンス266.82ヤード(91位)、フェアウェイキープ率64.61(3位)

昨年からスイング改造にも取り組んでいるとのことですので、こちらも結果が出ているようですね。基本に忠実で、バランスのとれた正確なスイングが持ち味の片岡選手は、体格を考えてみても、アマチュアゴルファーが学ぶべき上達のポイントがたくさんあります。是非、今後は片岡選手のスイングにも注目してみてください。

さらに片岡選手のデータで特筆すべきは平均パット数1.7206(1位)です。高いフェアウェイキープ率ながら、パーオン率は59.90(73位タイ)と、やはり飛距離のビハインドを感じますが、それをパターでカバーしていることがよく分かります。

プロキャディとして数々の実績を残す伊能キャディとのコンビネーションも抜群で、試合中に相談してラインを読んでいる姿をよく目にします。お互いを信頼しているからこそのやり取りが、この結果としても表れているのでしょう。

伊能キャディは2015年から本格的に片岡選手とコンビを組んでいますので、片岡選手の躍進には伊能キャディの存在が大きいことは間違いありません。和やかに会話をしながらもプレーに集中している姿は、ほほえましくもありますよね。

実はかなり年齢差(19歳!)があるのですが、それを感じさせない信頼関係が、片岡選手にとってあらゆる面でプラスに働いているのではないでしょうか。

※データは2016年11月6日時点

おわりに

Dubai Open - Asian Tour: Day Four

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先月の10月には、スポンサーであるブリヂストン主催の「ブリヂストンオープン」では5位タイ、谷原秀人選手と池田勇太選手が賞金王争いを繰り広げた「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 」では4位と、着実に成績を残している片岡選手。

高額賞金が続くツアー後半戦では、まだまだ何があるか分かりませんので、片岡選手の今後の成績は必見です。そして、また今度は日本選手の代表としてアジアンツアーやヨーロピアンツアーでも活躍してくれることを期待したいと思います。