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今や日本女子ゴルフ界を席巻する韓国パワーの先駆者は故・具玉姫さん

ワールドレディスサロンパスカップ(5月7日)でキム・ハヌルが日本メジャーを年をまたいで2連勝、そして2週連続優勝を飾りました。

この大会は、韓国のセクシー・クイーン、アン・シネの日本初挑戦の話題もあり、4日間の合計ギャラリー数は4万1484人と史上最多を記録しました。

今や韓国女子選手の存在は日本ツアーにとって、なくてはなならない存在とも言えます。この韓国選手の先鞭が具玉姫(ク・オッキ)さんです。彼女の存在は韓国女子プロゴルフ界発展の一大貢献者として、語り継がれる存在でもあります。

具さんは1956年に韓国京畿道高陽市で生まれ、ゴルフは独学で覚えました。ゴルフ練習場に就職した後、キャディーとしても働きます。韓国の男子プロに師事した後、21歳で韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)の第1回プロテストに合格し、韓国女子プロ1期生になりました。

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具さんのスイングは、まさに今の韓国女子選手を象徴するスイング、一軸・ベタ足です。アン・ソンジュ、申ジエ、イ・ボミからキム・ハヌルに至るまで、まさに彼女たちの先達としてのスイングです。

韓国で無敵の存在となり、日米へ

プロ入りした翌年の1979年にツアー初優勝。80年には韓国女子ツアー全5試合で全勝します。82年までの5シーズンで15勝と、年間試合数の少ない中、圧倒的な強さを見せました。具さんにとって、もはや戦いの場は韓国には無くなったのです。

81年には日本のトーナメントに出場し、83年秋の日本のプロテストを受験しトップ合格します。この時、27歳。日本で2シーズン目にツアー初優勝を遂げると、具さんの目標は米ツアーへ向きます。優勝した85年の秋には米ツアー予選会に出場し、86年からの7年間はアメリカを主戦場として活躍しました。

アメリカでは88年のターコイズクラシックで1勝し、日米ツアーで優勝した初の韓国人選手となりました。もちろん、日本、アメリカと環境の異なる中での挑戦は、簡単なものではありません。誹謗中傷に心を痛めたこともあったでしょう。

それでも、具さんのゴルフへの情熱が冷めることはありませんでした。それは50歳になっても腹筋600回を毎日ノルマとし、暑い日でも冷たい飲み物はとらず、水筒に白湯か健康茶を入れて持ち歩くほど、ゴルフを続けるための健康維持に気を使っていた精神につながります。

そんな具さんの情熱が、韓国女子ゴルフ選手に伝わって現在の発展があるのです。

日本では惜しくも賞金ランク2位2回

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日本ツアーで惜しかったのが99年でした。平均ストローク、パーオン率でツアー1位になりながら、わずか53万円3312円差で、97年に続く賞金ランキング2位に終わりました。2000年から坐骨神経痛に悩まされ、その後、夢だった日本での賞金女王はかないませんでした。

しかし、具さんの夢は、2010年、11年、14年のアン・ソンジュ、12年の全美貞、15、16年のイ・ボミが果たしています。具さんの背中を追った成果です。結局、日本ツアー通算23勝、米ツアー1勝、韓国ツアー20勝を果たし、日本での生涯獲得賞金は7億1098万1852円でした。これは現時点で日本選手も含め11位です。

突然の訃報

その死は突然でした。2013年7月10日、56歳の具さんは日本のプロテスト合格を目指す韓国選手2人と静岡県沼津市のコースで練習ラウンドをしていました。猛暑の中、9ホールを終えた具さんは一足先に宿泊先へ。

宿から後輩選手に、スイカが食べたい、と電話をかけたのが最後の言葉となってしまいます。そのスイカを食べることなく、具さんは亡くなってしまいました。急性心筋梗塞でした。

偉大な功績はいつまでも

日本では韓国女子選手のおかげで人気が上がっている女子ツアーですが、アメリカ女子ツアーは現在人気が衰退しているようです。その理由は、自国アメリカの女子選手の不信と、韓国女子選手の席巻にあるようです。

女子世界ランキング(5月8日付け)で10位以内は、アメリカ女子選手はレキシー・トンプソンの5位、ただ一人。ところが、韓国勢はユ・ソヨンの3位を筆頭に10位以内に6人が入っています。米女子ツアーの観客動員数は減少しています。

日米で具さんの功績は正反対に分かれていますが、それで具さんの貢献が軽んじられることはありません。日本で、アメリカで、具さんが開いてきた道を、後輩たちがしっかり歩んでいます。まさに、韓国選手の道標となったのが具さんでした。

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