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今季の賞金女王候補本命に躍り出たキムハヌル!その強さの秘密はブレないスイング

ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップの最終日、優勝を決めたキムハヌルは思わず天を仰ぎました。ハヌルはこれまで日本で勝った5試合とも、優勝の瞬間に天を仰いでいます。

実は本人も意識しなかったこの仕草、記者から「名前がハヌル(韓国語で「空」の意味)だから、そうした?」と質問されて初めて気がついたそうです。

今大会はイボミ、アンシネと同組韓国美女対決が話題でしたが、終わってみればスマイル・クイーン、ハヌルの笑顔が弾けました。

昨年の最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに続きメジャー2連勝を飾ったと同時に、前週のサイバーエージェント レディスゴルフトーナメントに続き連続優勝。昨季は2勝に留まりましたが、今季はすでに9戦して2勝と、今季どこまで活躍するかが注目されます。

5月14日に終了した、ほけんの窓口レディースで3週連続優勝こそ逃しましたが、初日雷、雨で二度の中断にもメンタルは乱れませんでした。

中断の間、韓国から応援に来た母親とファンに天ぷらをご馳走するなどリラックス。最終日の追い上げは届かなかったものの、3アンダーで4位に入り、今季の賞金ランキング1位をキープしています。

韓国選手に共通する一軸・ベタ足スイング

ハヌルの強さの秘密は軸がブレずにベタ足一軸で捻転するスイングにあります。アン・ソンジュ、申ジエやイボミら韓国選手に共通しますが、170センチと身長が高くスタイル抜群のハヌルのスイングはきれいさも兼ね備えています。

ベタ足スイングは決して足を動かさない、ということではありません。アドレスからバックスイング、フォロースルーに至るまで、かかとはしっかり地面に着いています。その間に右足の張りから左足の張りへの移行があり、両足で地面を掴んでいるようなスイングです。

前傾が浅いアドレスから、そのまま軸が動かずクラブが体に巻きつくようなバックスイングからダウンスイングへ。上半身の回転と腕の振りが連動しフィニッシュ。インパクトまでの足と腰の位置は正面を向いてほぼ変わりません。スイングが安定するので、ヘッドスピードが上がり飛距離が出ます。

特にハヌルの場合、アドレスからスイング中にしっかり両足の母指球に体重が乗ってインパクトへ、そして自然とフォローへ移行します。ダウンスイングで左足のカカトに乗ってしまうと、上半身が開きやすくなり、振り遅れがちになります。ハヌルはダウンスイングでもしっかり左足母指球で踏ん張っているので、ヘッドが走りフォローでヘッドが遠くへ伸びて、クラブが体に巻きついてきます。

今季、スイングが安定しているのは来日してから続けている体幹トレーニングの成果です。下半身が安定し、スイングに力強さが加わったことで、ハヌルも自信を深めました。

2015年、来日当初は美貌の話題が先行し、悪天候で弱かったり、勝てそうで勝てないイメージがありました。同年9月にマンシングウェアレディース東海クラシックで初優勝し、今季は強い美人、まさにスマイル・クイーンです。

アプローチなど小技も上達

韓国男子ゴルフの世界的プレーヤー、チェ・キョンジュからウェッジ技術を教わり、グリーン周りからの寄せが上達したのも躍進の秘密です。

パーオンできなくても、常に手前からを意識してアプローチでスコアをまとめることができるようになりました。さらにアイアンでもしっかり上から球を打ち込め、高弾道のショットが打てるので、硬いグリーンでもボールを止められます。

ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップでも、最終日の組で、レキシー・トンプソンと川岸史果と飛ばし屋に挟まれ、ティーショットでは二人に常に10ヤードほどおいていかれました。それでも焦らずスコアメイクできたのは、このアイアンショットがあったおかげです。

キムハヌルのクラブセッティング

ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップでは前週と比べ、ユーティリティのロフト19度を抜き、5番アイアンを入れました。ショートホールや2打目での使用を考えて5番を入れましたが、強い風になることも考慮しました。

風が弱い日は、重心が低いヘッドでシャフトが長く球が上がってグリーンで止まりやすいロフト19度ユーティリティを使います。今回は5番アイアンが功を奏しました。

【1W】TOUR WORLD TW737 455プロトドライバー(ロフト9.5度、VIZARD YA55・シャフトの硬さR、45インチ)
【3W】TOUR WORLD TW737 フェアウェイウッド(ロフト15度、VIZARD EX-Z65・シャフトの硬さR SR)
【UT】TOUR WORLD TW737 UT(ロフト22度、25度、VIZARD IN-75U)
【5I、6I】TOUR WORLD TW737 Vsアイアン(N.S.PRO 950GH・シャフトの硬さ R)
【7I~10I】TOUR WORLD TW737 Vアイアン(N.S.PRO 950GH・シャフトの硬さ R)
【ウェッジ】TOUR WORLD TW-W ロフト48度、52度、58度(WV105)
【パター】オデッセイ オー・ワークスパターRラインCS
【ボール】SRIXON Z-STAR

(ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップでのセッティング)

メンタル面でも成長

これまで何度も優勝争いに加わりながら、崩れていったハヌルはもういません。自分でしっかりマネジメントして結果を出せるようになりました。

ハヌル自身も、「今は韓国で賞金女王になった時より状態が上。これまでは優勝するとホッとしてしまい、優勝争いの興奮を翌週に引きずってダメでした」と振り返る。今季2週連続優勝で、メンタル面の成長も証明しました。

ほけんの窓口レディスでは3週連続優勝はできなかったものの、かわいい笑顔でリラックスしてホールアウトしたハヌル。「勝てなかったけど、結果は満足」と余裕の笑顔でした。まさに、初の賞金女王へ向かうスマイルでした。

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