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スルー・ザ・グリーンってなんだっけ?というゴルファー向け基礎講座

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ゴルフ用語集などに掲載されている「スルー・ザ・グリーン」という言葉。聞いたことや本で読んだことはあっても、いまひとつ使い方がピンとこないゴルフ用語でもあります。

しかもプレー中に、このフレーズを使ったことのある方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。またよく理解していなくても、今まで困ったことなどないのではないでしょうか?

では、どんな時に「スルー・ザ・グリーン」という言葉を使用するのでしょうか。知識として何か知っておくと得なことがあるのでしょうか。

今回はそんな、めったに使わないけれど重要なゴルフ用語である「スルー・ザ・グリーン」を掘り下げてみたいと思います。

スルー・ザ・グリーンとは?

Carnoustie Open Course

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まず、基本的なスルー・ザ・グリーンの定義を確認しておきましょう。スルー・ザ・グリーンとは“プレー中のホールのティーグラウンドとパッティンググリーン、及びコース内のすべてのハザードを除いたコース内全ての場所”を指します。

いわゆるフェアウェイやラフ、林などが含まれるのはもちろんですが、例えば、あなたにとっての隣のホールのティーグラウンドやグリーンは、スルー・ザ・グリーンということになります。

また、プレー中のティーグラウンドも、正確にはティーマークから後方2クラブレングスまでがその範囲となりますので、それ以外の区域はスルー・ザ・グリーンになりますし、自分がプレーしていないバックティーやレディースティーの区域も、スルー・ザ・グリーンなのです。

つまりプレーヤーがティーショットを打ってからグリーンオンするまでの間の部分は、ハザードを除きすべてがスルー・ザ・グリーンというわけです。スルー・ザ・グリーンが、かなりの広範囲を示すゴルフ用語だということがお分かりいただけたでしょうか。

定義としては以上になります。意外と簡単ですよね。

では、ゴルフ用語としての意味を理解したところで、何故このような広範囲を示す言葉が必要なのでしょうか。それは、ルールに大いに関係があります。

ゴルフ用語の上ではゴルフコースとは、プレーしようとするスタートの場所である『ティーインググラウンド』、バンカーやウォーターハザードを合わせた『ハザード』、ホールの中で、パッティングのために特別に作られた場所である『パッティンググリーン』、そしてそれ以外の区域である『スルー・ザ・グリーン』から構成されているのです。
※コースの境界外側の区域がOB(アウトオブバウンズ)です。

ルールもその範囲を踏まえて設定され、トラブルの際などはそれぞれで処置やペナルティが異なる場合もあるので、注意が必要となります。

つまり私たちが通常よく使うフェアウェイ、ラフ、林などという言葉はルールでは存在しません。
(※スルー・ザ・グリーンのなかで、芝草を短く刈り込んだ区域≒フェアウェイという条件を用いることはあります。)

それらはすべて『スルー・ザ・グリーン』の中に組み込まれているのです。プレーヤーはティーグラウンド、ハザード、グリーンなどという特別な場所以外では、スルー・ザ・グリーンでプレーしていると思えばよいでしょう。

では、実際にゴルフ規則でスルー・ザ・グリーンがどのような場面で使用されているのかをみてみたいと思います。

障害物の救済と処置(スルー・ザ・グリーンの場合)

WinCo Foods Portland Open presented by Kraft - Round Two

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スルー・ザ・グリーンに障害物があった場合の救済や処置についてみてみましょう。

ゴルフ規則における障害物の定義は、人工のものを指します。例えばカート道路やその道路の人工の表面や側面などですね。競技などでギャラリースタンドを設置する場合などもこれに含まれます。

そして障害物には『動かせる障害物』と『動かせない障害物』があり、前述のような物理的に動かせないものは『動かせない障害物』であり、安易に動かして移動できるような障害物は『動かせる障害物』になります。例えば、コース内にある看板類や、ハザードを示す杭、ティーショット後のティーマークなどがそれに当たります。

こうした障害物がボールの障害となり、スイングの邪魔になる場合は救済を受けることができるのですが、その際の処置がボールのある位置(場所)によって異なります。

では、今回はスルー・ザ・グリーンにボールがある場合を抜粋してみます。

<動かせる障害物の場合>
罰なしに障害物を取り除くことができ、その際に球が障害物の中や上にあった場合は球を拾い上げてその障害物を取り除くことができる。この場合、その球は、球がその障害物の中や上にあった場所の真下の地点にできるだけ近い所で、ホールに近づかない場所に、スルー・ザ・グリーンやハザード内ではドロップ、パッティンググリーン上ではプレースされなければならない。(ゴルフ規則24-1)

<動かせない障害物の場合>
球がスルー・ザ・グリーンにあるときは、プレーヤーは罰なしにその球を拾い上げて、救済のニヤレストポイントから1クラブレングス以内で、ホールに近づかない所にその球をドロップしなければならない。その際、ハザード内やパッティンググリーン上であってはならない。(ゴルフ規則24-2) 

特に動かせない障害物の場合は、スルー・ザ・グリーン、バンカー内、パッティンググリーン上、ティーインググラウンドでそれぞれ処置が異なりますので、よく確認してみてください。

では、別のルールで使われるスルー・ザ・グリーンに関してもみてみましょう。

スルー・ザ・グリーンとバンカーの違い~砂に触れる

2015 Australian Masters - Day 1

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バンカー内でのストロークの際には様々な禁止行為がありますが、その中でも地面(砂)に触れてはならないというのは、皆さんよく御存じだと思います。素振りでも砂に触れないように気をつけて振っていますよね。

その砂に触れてしまった場合の例として、今年の4月に行われた男子トーナメント「パナソニックオープン」に出場していたアメリカのオトゥール選手が「バンカー内のバックスイングで砂に触れた」と自ら申告し、2打罰が課せられたというニュースを見聞きして覚えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。バンカー内にはバンカー内に適用されるルールがあるということです。

では、スルー・ザ・グリーンの場合ではどうなるのでしょうか。

スルー・ザ・グリーンといっても、芝の生えていない砂地のような場所もあります。もし、ボールの後ろの砂が盛り上がっていて、プレーヤーがバックスイングの際にクラブヘッドがその砂にあたり、砂を払いのけ、ライを改善したとしたら、バンカーのケースと同じように罰打を課せられるのでしょうか。

答えは、「罰打は受けない」です。ライの改善を意図して地面を押し付ける場合は異なりますが、このケースのような通常のバックスイングで砂に触れる行為では、問題ありません。

このようにスルー・ザ・グリーンと、バンカーなどのハザードでは適用されるルールが異なりますので、自分が今、どの区域でプレーしているのか?ということを認識する必要があります。例えば、隣のホールのグリーンにボールが飛んでいってしまった時は、スルー・ザ・グリーンとして考えなければならないのです。

これらはほんの一部ですが、ルールでは『スルー・ザ・グリーンの場合』という処置や救済がよく登場します。ですから、ルールを理解する上で『スルー・ザ・グリーン』という言葉と、その意味する範囲を理解しておくのはとても重要になってくるのです。言葉の意味が理解できると、そのルールへの理解も容易にできます。

しかし、それでも「あまり使いそうにないなぁ」と感じていらっしゃる方もいるでしょう。実は「そんなにルールに厳しくゴルフしないよ」という方にもスルー・ザ・グリーンを意識する機会があります。次はそんな身近な使われ方をご紹介します。

コンペルールに使われるスルー・ザ・グリーン

PGA TOUR - 2007 PODS Championship - Final Round

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社内でのコンペや、企業が主催するイベントコンペなど、ゴルフはコンペしか行かないというゴルファーもいらっしゃるでしょう。そのコンペルールのプリントの中に、このような一文はないでしょうか。

「スルー・ザ・グリーンは6インチOKです」

というものです。初心者や、あまり練習ができずゴルフを頻繁にしない方など、様々なレベルのゴルファーが集まるコンペでは、進行を促すために6インチOKとすることがありますが、その際に、コンペによって「スルー・ザ・グリーンは6インチOK」や、「オール6インチOK」などと決められています。

スルー・ザ・グリーンの範囲がよく理解できていないと、6インチOKだけが目に留まり、常にどこでも6インチ動かしてしまう方がいらっしゃいます。しかしスルー・ザ・グリーンと、オール(全ての箇所)では違うということが言葉の意味を理解したあとでは、その違いがはっきりとわかるでしょう。

『スルー・ザ・グリーンは』と提示されている時は、スルー・ザ・グリーンのみですので、バンカーやグリーン上などでは動かせないことをお忘れなく。

おわりに

ゴルフは審判がいませんので、自分で判断しなければなりません。キャディーさんや同伴者に聞くこともできますが、知らなければ知らないまま(間違ったまま)プレーがどんどん進行してしまいます。

もちろんゴルフは楽しいことが一番なのですが、ルールを理解するとさらにゴルフが面白くなってきます。ルールを覚えることもゴルフのマナーのひとつです。少しずつ覚えてみてください。

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