ゴルフコースの距離ってどこからどこまで?素朴な疑問にお答えします
- 2016.09.02
- 知識向上
ドライバーの飛距離はゴルファーなら誰もが気になる数値です。しかし計測機器などを使用しない限り、自分の飛距離を正確に測る機会がそれほどあるわけではありません。ですからコース内に表示されている距離表示を参考に、自分の飛距離を推測して測るというのが一般的ではないでしょうか。
ゴルファー同士の会話の中で「自分のドライバーは、400ヤードのミドルホールでティーショットを打ったら、残りが100ヤードだったから300ヤードは飛ぶよ!」というような話がよくありますね。
確かに400-100=300ですから、300ヤード飛んだと思うかもしれません。しかし、実際にはそんなに飛んではいないのが現実です。
どうして表示通りに計算しているのに、実際の飛距離と差が出てしまうのでしょうか?そして、そもそも『400ヤードのミドルホール』とは、どこからどこまでを測った距離なのかと疑問が湧いてきます。
そこで今回は、ゴルフコースの距離表示についてご説明したいと思います。
あなたの本当の飛距離はどのくらいでしょうか?冷静な判断で測ってみてはいかがでしょうか。
各ホールの距離はどこからどこまで?
例えば『レギュラーティーから400ヤードのミドルホール』と案内板に記載されている場合、プレーヤーは、自分の打つティーグラウンドからピンまでの距離がおおよそ400ヤードであると解釈します。これは当然ですよね。
しかし、ティーグラウンド内にあるティーショットの範囲を示すティーマークの位置は、芝の保護のために毎日のように移動していますので、いつも同じ場所からティーショットをするということはありえません。また、ピンの位置も然りです。
では肝心の距離計測の始点はどこになるのかというと、各ホールの距離表示案内の看板(プレート)からか、もしくは各ティーグラウンドの最後方からになります。大きなティーグラウンドの場合、20~30ヤード、あるいはそれ以上になりますので、当日のティーマークの位置によっては総距離にかなりの相違が生まれます。実は40ヤード以上距離表示より短いなんてことも少なくありません。
ただ、基本的に距離測定の始点は、各ティーグラウンドの後方に設置されますので、概ね表示距離より、実際は短い距離をプレーしていると思って間違いないでしょう。
ただし、各ティーグラウンドの境界線があいまいな場合もありますので、ゴルフ場によっては独自に目立たないように目印を設置し、そこから測るようにしている場合もあります。このように多少の差はあるのですが、どちらにせよ記載通りの総距離でプレーしていることはほとんどないと思ってください。
では、どこ(ティーグラウンドの距離看板)からが分かったところで、どこまでを測ると思いますか?
これは、グリーンのセンターまでというのが一般的とされています。当日のピンポジションが手前であれば距離表示よりさらに短くなりますし、ピンが奥であれば、距離表示より長くなります。
こちらもゴルフ場によってはグリーンエッジまでの距離であったり、グリーンの最後方までの距離を計測していたりするケースもありますので、確認が必要です。このようにティーグラウンドのプラスマイナス距離と、グリーンでのプラスマイナス距離を考えて、ようやく本当の“その日の”ホールの総距離が分かるのです。
概ねこのような(ティーグラウンドの距離看板~グリーンセンターまで)傾向なのですが、統一されているわけではありません。これが混乱のもとですね。気になる方はプレーするコースでスタッフに確認をして、すっきりと解決してください。
コースのどんなルートを測っている?
コースの距離計測の始点と終点が分かったところで、次は“どんなルート”を計測しているのか?になります。これはゴルフ場で配布されるコースレイアウト図に答えがあります。
コースレイアウト図を見てみると、フェアウェイの真ん中にボールの飛んでいくルートがライン(線)で示されていますよね。あれが、ホール距離の測定ルートになります。
ゴルフ場を設計する段階で各ホールには、この、ボールが飛んでいく“仮想ルートのプラン”が作られます。そしてこのルートプランをもとに各ホールが肉づけされ、コースが作られていくのです。
この仮想ルートはパーオンを想定していますので、ショートホールは直線ルート1本のみ、ミドルホールはセカンド地点に分岐点が入り、ロングホールはさらにサード地点の分岐点が入ります。(IPポイントとも言います)
基本的にフェアウェイの真ん中に想定されますので、ベストルートと思われがちですが、必ずしもそうではありません。あくまでもホールの骨組みのようなものですので、コース戦略とは別に考えるべきでしょう。
ですから、ドッグレッグホールではIPポイントよりも外側の方が、グリーンが狙いやすいということもあるでしょうし、逆に思い切ってコースの内側に打つことでショートカットするというのも戦略のひとつです。
ストレートホールであればそれほど誤差は生まれませんが、このような理由から、ラインから外れてしまうと、自分の飛距離を計算することは困難であるとお分かりいただけると思います。
自分の飛距離を知るためには?
では、今までの情報を整理し、自分のティーショットの飛距離を計算してみましょう。測定に最適なホールは、高低差の少ないストレートホールになります。風もできるだけ穏やかな日を選んでください。
仮想条件:
①距離表示の案内は400ヤード
②距離表示の案内板から今日は20ヤード前方にティーマークが設置されている
③ピンの位置は「奥」(おおよそグリーンセンターから+5ヤード)
こうした条件から『(総距離400)から(ティーグラウンド調整-20)と(ピンポジション調整+5)=385ヤード』が当日の実距離ということになります。
ここでティーショットを放ち、無事にフェアウェイにボールが飛んだとします。そして、残り距離が、ピンまで150ヤードだったとすれば、『385-150=235ヤード』ということになります。これまでの計算より誤差が少なく、自分の飛距離に近い数値が出ていると思います。
自分の飛距離が分かれば、コース戦略も立てやすくなります。「このホールはドライバーの計測条件が整っているなぁ」と感じたら、このように計算してみてくださいね。
おわりに
このような計算の仕方は理解できても、はっきり言って「面倒」ですよね。これならレーザーポインターやGPSナビの飛距離測定機能を使用したほうが圧倒的に便利で正確です。
しかし、誰もがこのような機器を所有しているわけではありませんし、持っている友人に何度も聞くのは気が引けると思いますので、自力で計算する方法も是非覚えておいてください。決して無駄ではありません。
実はもっとも簡単に自分の飛距離を知る方法は、キャディさんに聞くことです。
もし、キャディさんが付いている日であれば「今のドライバーの飛距離を教えて」と言えばすぐに計算してくれます。しかしキャディさんは少し数値を上乗せして教えてくれますので、必ず「きちんとした距離が知りたいから、本当の距離を教えてね」と付け加えましょう。
がっかりするような数字を言われるかもしれませんが、それが自分の実力ですから受け止める勇気を持ってください。自分の飛距離を希望的観測ではなく正確に把握することも、ゴルフ上達の手段のひとつですよ。