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フェアウェイウッドの改善点は打ち方よりも考え方。ここを変えればきっと打てるようになる

フェアウェイウッド(FW)が活躍するのは、どんな場面でしょうか?『フェアウェイで使用するウッドクラブ』ですから、もちろんフェアウェイですよね。

つまりフェアウェイウッドは、フェアウェイにあるセカンドショット、またはサードショットを想定したクラブになります。ティーアップして打てるドライバーや、ヘッドが小さくてシャフトも短く、振りやすいユーティリティに比べて、苦手意識を抱えているゴルファーも多いのではないでしょうか?

本来ドライバーの次に飛距離が出るクラブにもかかわらず、コースでチョロやダフリを繰り返し、まともに当たったことがない…。

「アイアンや、ユーティリティだったら、そこそこ自信あるのに」と感じているかもしれませんね。

そんな難易度が高いイメージのフェアウェイウッドですが、決して難しいクラブという訳ではありません。フェアウェイウッドが上手く打てない理由は、実はクラブの難易ではないのです。

では、なぜフェアウェイウッドを難しく感じてしまうのでしょうか?

これには理由があります。その理由と原因を探ることでフェアウェイウッドを理解し、使うことが楽になります。すなわち、“ナイスショット”が確実に増えます。

まずは、その理由からみてみましょう。

圧倒的に練習量が足りない

練習場で練習をする際に、ボールを購入しますね。この時にどのくらいの数のボールを打ちますか?ある日の練習球を100球と仮定してみます。そのうち、フェアウェイウッドの練習に使うボールは何球でしょうか。

仮に、アプローチに20球、9~5番アイアンで40球、ユーティリティ10球、フェアウェイウッド10球、ドライバー20球だとします。

これは例えばの話ですが、フェアウェイウッドはわずか10球程度です。個人差はありますが、フェアウェイウッドの練習はアイアンなど他のクラブに比べ、圧倒的に不足しています。

練習量はユーティリティも変わらないのでは?と思うかもしれませんが、ユーティリティはクラブの長さや打ち方など、アドレスやスイングがアイアンにかなり近いので、アイアンを打つことで、自然とユーティリティの打ち方の感覚をつかむ練習を兼ねています。

さらにコースではどうでしょうか。ドライバーはほとんどのPar4、Par5のティーショットで使用しますから、使用頻度は高いですね。ドライバーに悩むゴルファーも多いとは思いますが、その原因は練習不足ではありません。

それに比べて、フェアウェイウッドは出番が少ないはずです。苦手意識が加われば、さらに出番は減っているでしょう。つまりあなたのゴルフの中でも、フェアウェイウッドは練習不足なのです。

フェアウェイウッドに苦手意識がある初心者・アベレージゴルファーは、自分のフェアウェイウッドの「練習場を含めた使用頻度」を考えてみましょう。明らかに少ないはずです。練習が足りないのですから、上手く打てなくて当然です。

「難しいから打てない」のではなく、「打っていない(練習していない)から難しい」のです。

基本的なことですが、まずはフェアウェイウッドの練習比率を上げましょう。

フェアウェイウッドの範囲外での使用

ゴルフ

そもそもフェアウェイウッドは、フェアウェイで使うことを想定した長距離用クラブです。「フェアウェイ=短く刈り込んだ区域」であり、いわばゴルフの正規ルートです。コースの中で、打ちやすく配慮されている区域と考えれば良いでしょう。

つまり、そうした打ちやすく配慮された区域=フェアウェイでこそ、威力を発揮するクラブなのです。ですから、芝が伸びた深いラフや林の中、さらにはライが悪いのにフェアウェイウッドを選択しても、その実力は充分に出せません。

フェアウェイウッドのソールは、地面が平らなフェアウェイで滑らすように打てるよう、広く大きくなっています。最近は摩擦を減らし、ソールの抜けが良いように形状が工夫されているものがたくさんありますが、そういった工夫も、基本的にはフェアウェイで打つことを前提で考えられているものです。

ですから、芝が深いラフなどでは芝草がヘッドに絡み付き、ソールが滑ってくれません。また、つま先上がりやつま先下がりなどの傾斜、ディボット跡などのライが悪い条件で、フェアウェイウッドの最大限の力を発揮するのは困難です。

しかし、それでもなぜ多くのプレーヤーは、条件が整わなくてもセカンドショットにフェアウェイウッドを選んでしまうのでしょうか?

他のクラブとは違う期待を背負ったフェアウェイウッド

ゴルフ

フェアウェイウッド(特に3番ウッド)はドライバーの次に飛距離が出るクラブですから、セカンドショット以降を考えると、一番飛ぶクラブになります。つまり飛距離を期待して打つゴルフクラブになります。簡単に言えば、「飛べば飛ぶほど良い」と考えてしまいます。

対して、他のクラブはグリーンまでの距離を計算し、自分が打ちたい距離を想定してクラブを選択します。アプローチクラブやショート・ミドルアイアンはもちろんですが、いわゆる刻む際にも、ロングアイアンやユーティリティでも“打つ距離を想定して”打っているはずです。

例えば、残り130ヤードで7番アイアンを選択し、140ヤード飛んでしまったらどうでしょう?または、バンカー手前に刻む予定でユーティリティを選択し、160ヤード打ったつもりが飛び過ぎてバンカーに入ってしまっては、嬉しくもありません。

しかしフェアウェイウッドの場合、大抵の場面では“飛び過ぎOK”です。ここが他のクラブとの一番の相違点になります。

あなたは、あなたのクラブセッティングの中でドライバーの次に位置する(飛ぶ)フェアウェイウッドを手に取っている時に、「出来るだけ距離が出てほしい」と思ってはいないでしょうか?

実際、自分のフェアウェイウッドの飛距離をよくわかっていないゴルファーは多く存在します。もちろん「フェアウェイウッドでクリーンに打てたら、ちょうどグリーンオンだな」と思いながら打つこともあるとは思いますが、多くのパターンは、セカンドショットの距離を稼ぐためにフェアウェイウッドを使います。

これにより、自分の飛距離能力以上の結果を望みながらスイングします。ドライバーを飛ばそうとする葛藤とよく似ていますが、力めば力むほど体は回らなくなり、ミスする確率が高くなることは言うまでもありません。

こうして、フェアウェイウッド苦手意識が出来上がるのです。

このようにならないためにも自分のフェアウェイウッドの飛距離を確認し、例えば3番ウッドの飛距離が190ヤードであれば、コースで打つ時も常に190ヤードを打つつもりで打ってください。そうした一定のリズムが、安定した飛距離と結果を生み出します。

典型的なフェアウェイウッドの使用パターン

ゴルフ

ここで、よくある『フェアウェイウッドを使う際のプレーヤー心理』をみてみましょう。

<設定>
“ティーショットをドライバーで打ち、ミスショットで約100ヤード先のラフへ。残りは250ヤード以上も残っている。他のプレーヤーは100ヤード以上前方に行ってしまった。”

こんな時にプレーヤーは「次で挽回しなければ」とフェアウェイウッドを手にし、出来るだけ飛ばそうと力を入れます。そして結果は、ラフの芝にヘッドを取られミスショット。80ヤードほどしか飛ばず、3打目でまだ170ヤード以上残ってしまった…。となるのです。

これは極端な例ですが、往々にしてよくあります。

筆者がキャディ時代に経験したパターンですが、ティーショットをミスしたお客様が、焦ってライや距離も確認せずフェアウェイウッドを握りしめています。

そして「残りは250ヤードありますよ」とお客様に申し上げると、「プロじゃないんだから、そんな距離聞いても打てるわけないだろ!」と答えるお客様と、「そうか。じゃあ無理に打っても仕方ないな。ユーティリティで150ヤードぐらい打つよ。」と答えるお客様に分かれます。

どちらの結果が良いかは、一目瞭然ですね。

確かに、どんなによく飛んでもフェアウェイウッドでは250ヤードは不可能でしょう。しかし、それを分かっていながら自分のミスを帳消しにしようとフェアウェイウッドを振り回すのと、1回のミスショットから戦略を切り替え、「3オンするためにはどうしたらよいか?」を決断したプレーヤーの差は、フェアウェイウッドのナイスショット確率よりも差があります。

これはフェアウェイウッドに限ったことではありませんが、飛距離を期待してしまうフェアウェイウッドにありがちな判断ミスです。自分も当てはまる節があるのではないか?考えてみる必要があります。

フェアウェイウッド苦手意識克服4か条

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では、フェアウェイウッドの苦手意識を克服する心得えをまとめてみたいと思います。

1.フェアウェイウッドの練習量(比率)を増やす
2.ライの状態がフェアウェイウッドに最適でない場合、フェアウェイウッドを使わない
3.フェアウェイウッドに過度の飛距離を期待しない
4.自分のフェアウェイウッドの飛距離を知り、コースでもその距離を打つことを心がける

以上の点を意識すれば、ここぞという場面でのフェアウェイウッドは“いい仕事”をしてくれるはずです。ちょっとしたコツですが、メンタル面がスコアに大きく左右されるゴルフでは、まずは“意識改革”を始めましょう。

最後に

今回は、メンタルの面からのフェアウェイウッドに対する意識について取り上げてみました。フェアウェイウッドに対する思い込みや期待が大きすぎることで、ショットにも悪影響を及ぼしていることが、お分かりいただけたでしょうか?

例えば、ティーショットでドライバーではなくフェアウェイウッドを使用する場合、地面スレスレの位置に低くティーアップをする方は多いと思いますが、その際にインパクトでボールがつかまりやすく、ドライバーより打ちやすいと感じるのではないでしょうか。

つまりフェアウェイのようなフラットでライの良い状態であれば、フェアウェイウッドは簡単なのです。それを難しくしてしまっているのは、プレーヤー自身です。

『適材適所』という言葉がありますが、フェアウェイウッドの魅力が発揮できる場面で使うことが大切です。これからはフェアウェイウッドを“得意クラブ”にしましょう。

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