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【試打】Mizuno Pro 118/518/918|復活!新ミズノプロアイアンは革命を起こす!

20世紀、ミズノは『ミズノプロ』ブランドを終了し、21世紀になった2001年からは、ツアーモデルを『MP』ブランドに統一しました。十数年が経った今でもかつてのミズノプロを愛用しているゴルファーはいますが、ミズノプロという名称は伝説となっていたのです。

その『ミズノプロ』ブランドが、2017年9月15日、満を持して復活します。

かつて、上級者の愛用クラブとして君臨していた “Mizuno Pro” 復活という発表を聞いた瞬間、僕は鳥肌が立ちました。
単なるノスタルジックな感傷ではなく、ミズノの覚悟を感じたからです。

そして、それは同時に、不安をも感じさせました。
「フィッティングして自分だけのクラブを作る」という販売方法が市場に受け入れられるか、という疑問があったからです。

では実際、自分で打って選んでみるとどうだったのでしょうか?
僕は118と918を打ってみたので、早速、試打レポートとフィッティングの所感を述べていきます。

【試打①:Mizuno Pro 118】ロマン溢れるゴルファーを誘う!期待のフラッグシップモデル

 

“Mizuno Pro”は、2017年現在、下記3種類のアイアンがメインとなっています。

  1. マッスルバックの “Mizuno Pro 118”
  2. チタンマッスルの “Mizuno Pro 518”
  3. ボックスキャビティの “Mizuno Pro 918”

 

20世紀に名器と呼ばれたアイアンの多くが採用していた銅下メッキを施し、鍛造の方法も進化させて(118と518)、最先端の技術も搭載したそうです。
ミズノファンでなくとも、期待が高まります。

まずは、フラッグシップモデルであり、個人的に最も興味があった “Mizuno Pro 118” をコースに持ち込みました。

 

バックフェースはシンプルそのもの。
オーダーで作るアイアンですので、仕上げは自分なりにできますが、お借りしたアイアンはサテン仕上げで高級感を感じる美しさでした。また、手触りも良いので、バックからクラブを取り出すときに気分爽快でした。ヘッドが小さく、シャープな顔をしています。構えただけで気持ちが上がるアイアンです。

フィッティングで全て標準値だったと想定してチューニングしたアイアンセットは3番からPWまでで、シャフトは『ダイナミックゴールド120』という新しく発売されたほんの少し軽量化されたもののS200です。僕のヘッドスピード(ドライバーで42m/秒)でも、十分に使えました。

“Mizuno Pro 118” の1球目は、いきなりの3番アイアンでした。パー5の2打目だったからです。
ロングアイアンは得意なものの、3番アイアンをセッティングに入れていないので一抹の不安がありましたが、芯に当たった良いショットでした。

打感は、「流石、ミズノ」ということで、言うことがありません。

澄んだ高音の打音、抜けるような手応えでした。
ボールの弾道も美しく、ボールはきれいに上がります。ロフトは標準的なものですので、特別に飛ぶわけではないですが、必要な185ヤードの距離は稼ぎました。

ショートアイアン、ミドルアイアンも次々に打ちました。

“Mizuno Pro 118” は、気持ちの良いアイアンです。
好感触だったのは、楽にボールが上がることです。浮力があるアイアンは使いやすいからです。

ボールの打ち分けで、高い球を打つ技術には限界がありますが、低い球を打つ技術は多様です。「テクニックが使える」というアイアンは、反応してくれることも重要ですが、同じくらいボールに浮力を与える部分をクラブが自然にしてくれることが大切なのです。
118は、不自然なところが一切ないアイアンです。癖がないので、そのまま自分のスイングが弾道になる感覚です。

ミドルアイアンは、ロングアイアンでも感じましたが、強いボールが打てます。浮力があるのですが、吹き上がったりはしません。初速を維持して飛んでいく感じがしました。スピン量もちょうど良い感じで、かかり過ぎることはなく、足りないこともありません。

打ち込んでも、スイープに打っても、抜けが良いアイアンです。ショートアイアンも番手間に違和感がなく、すっと構えて、イメージが湧き、実際に打ってみると狙い通りに飛んでいきました。

一つ気になったのは、ショートアイアンがロフトよりも少しだけ飛ぶと感じたことです。
もちろん、それは悪いことはありません。使い慣れれば武器になる可能性もあります。プロモデルのマッスルバックのアイアンは、基本的には打ち手の技術でマイナスして距離を合わせます。普通に打ったケースを最大距離にして、そこからマイナスして距離を合わせるのです。

“Mizuno Pro 118” は、理由はわかりませんが、少しですけど、プラスの調整が可能なのかもしれません。マッスルバックのアイアンですが、非情に扱いやすく、ボールコントロールに優れています。
芯に当てる技術があれば、誰でも使えます。また、敏感すぎない加減がちょうど良かったです。

オートマチックにボールを打てるアイアンも良いですが、少し自分の意志も入るようなアイアンで自分だけの快感を堪能するゴルフも良いものです。向上心を持って「自らを鍛えることもゴルフの内」と考えるゴルファーには、 “Mizuno Pro 118” は最高です。

118の試打は動画も撮ったので、興味のある方は下リンクから動画もご覧ください。

【試打②:Mizuno Pro 918】は、全く新しいキャビティアイアンなのだ

 

別の日に、“Mizuno Pro 918” をコースに持ち込んでラウンドしてみました。

ボックスキャビティとミズノは呼ぶようですが、ディープキャビティとか、ポケットキャビティというようなバックフェースです。発表会で “Mizuno Pro 918” を見たときには、ミズノプロなのにこういうアイアンは相応しくないと目を背けてしまいました。

新しい素材をフェースに採用して、かつ、ウッドのようにフェース部分だけではなく覆い被すようなカップフェース構造にしたアイアンは、2017年になって次々に発表されています。また、ロフトを立てて、ショートアイアンを5度刻みにする市場の大きな流れに対して、ミズノは消極的でしたが、“Mizuno Pro 918” は完全にそのようなストロングロフトを採用しています。

まずは好き嫌いではなく、打って判断しようと考えました。

お借りしたのは4番からPWの “Mizuno Pro 918” で、シャフトはミズノオリジナルの『TS-i』というカーボンシャフトの硬度はSでした。最初に打ったのは4番アイアンです。

シャフトがかなりしっかりしていることに驚きました。フェースが長めなのですが、ソールが厚すぎずにシンプルなので抜けは良さそうだと予感しました。

 

まずは何も考えずに、素直に “Mizuno Pro 918” を打ちました。
最初に感じたのは、初速が早いということ。打音はしっかりとしますが、強い弾き感もありました。ユーティリティを打っているような打ち応えです。そして、芯より少し下に当たったのに、ボールが浮かないということに戸惑いました。

スイープにきれいに入ると、普通はギア効果でボールには多くのスピンがかかり浮力を増します。弾道はストレートでしたが、やや低く飛んでいきました。深いキャビティのアイアンは易しい、という先入観があったからだと思いますが、ボールは飛距離も十分で、結果も出ているのに、自分が感じた感触と弾道が一致しないことに戸惑いました。

考えられることは2つでした。シャフトが固すぎて、自分のヘッドスピードではオーバースペックになっていることと、ツアーで提唱されて大きな波になりつつある棒球系の弾道を打つためのアイアンなのかもしれないということです。

918最大の特徴は、飛距離性能です。

ロフトが立っていますので、ミドルアイアンは自分のクラブより2番手は楽に飛びます。
ショートアイアンでも1番手は飛んでいます。
弾道は強弾道です。低いわけではありませんが、吹き上がるような高さはありません。やや高めの打ち出しで、ドーンとそのまま飛んでいく感じなのです。

通常、こういう弾道だと落ちてからかなり転がるものですが、それなりにスピンはかかるのです。この日のグリーンは少し柔らかめでしたが、ミドルアイアンでも平地で1ピンぐらいで止まっていました。「どうしてもミズノプロを使いたい」というゴルファーのために、ボックスキャビティの “Mizuno Pro 918” をラインアップに加えたのかと思いましたが、ちょっと違うような気がしました。

ミズノは自社が最初になる技術は積極的に採用しますが、同じベクトルの技術を他社と競うことについては消極的な傾向があるといわれています。独自路線を貫くというイメージです。
システムを採用したフィッティングが受けられる店舗(全国で約350店)のみでしか購入できない “Mizuno Pro” シリーズは、それだけでも革命的な挑戦です。さらに、ラインアップのクラブでも “Mizuno Pro 918” という隠し球があったということなのもしれないと感じました。

“Mizuno Pro 918” は、単なるキャビティアイアンではありません。最先端の技術を目一杯搭載して、今までのプロモデルとは違う道筋でゴルファーを助けるためのアイアンです。
既に飛ぶ人には別の選択肢がありますが、「昔のように飛ばしたい」「今のコースにアイアンで届かないホールがある」「力がないけどクラブでそれを補いたい」というゴルファーに “Mizuno Pro 918” は合っているのだと思います。
また、ウッドは上手く打てるのだけど、アイアンが吹き上がってしまって困っているというゴルファーにも、鬼に金棒というようなクラブになる可能性も感じました。

【フィッティングレポート】たった3球で自分を知るという面白さ

 

“Mizuno Pro 118” にしても、“Mizuno Pro 918” にしても、フィッティングすることを前提に、自分だけのセッティングを注文するシステムで販売されます。
ミズノのフィッティングは、正式には『PERFORMANCE FITTING SYSTEM』という名称です。『シャフトオプティマイザー3D』という測定器をシャフトにつけて、たった3球ボールを打つだけでゴルファーを丸裸にします。

実際に体験する前は、僕も「よくあるよね」という感じで軽く考えていました。
フィッティングの進化は凄いものですが、反面、だからどうする?という部分で落胆するものも多いですから。

しかし『PERFORMANCE FITTING SYSTEM』では、クラブがスイング中にどう動いているかを完璧に数値化して、ゴルファーに教えてくれます。僕も自分のことを知っているつもりでしたが、いくつか知らないことを教えられて、結果として、長年の悩みが解消しました。

始めに、シャフトを選択するための情報が出てきます。
速度、どんなスイングで、どんなふうにしなっているか、その方向は等々、面白いのです。このデータの一つ一つに意味がありますが、興味がない人は無視してもかまいません。データから導き出したのシャフトの重さ、硬さ、キックポイントが、結果として出るのです。

具体的なシャフトの名前が、ベスト5という感じで出ます。(市販されているほぼ全てのシャフトが候補になっています!)
この部分だけでも、十分にフィッティングを受ける意味があります。

次に、ヘッドの選択のための情報が出てきます。
ライ角を始めとして、入射角、フェースの向き等々、データが並びます。これも具体的にクラブをオーダーするなら、この数値になります、という感じで理路整然と提案があります。

表面化させていないスペックもあるのだと思いますが、それらのデータから最適なヘッドを提案してきます。
当たり前ですが、その中から選ばずに、自分はこのシャフトで、あのヘッドで作る、と押し通すことも可能です。そういうときでも、十分にデータは活かせるようになっています。

 

“Mizuno Pro”は、“Mizuno Pro 118” “Mizuno Pro 518” “Mizuno Pro 918”の3種類のアイアンと、ユ“Mizuno Pro FLT-HI” というユーティリティ、“Mizuno Pro S18” のウェッジだけですが、今後、ウッドなどのラインアップを増やしていく予定なのだそうです。
なお、フィッティングで推薦されるクラブは、“Mizuno Pro” だけではありません。他のミズノの製品も候補として上がります。
購入するかしないかは別として、フィッティングは受けてみるべきです。

残念ながら、そのデータを持ち帰ることは出来ませんが、タブレットなどで出た画面を携帯などで撮れば保存できます。主要なデータは、クラウドでショップごとに保存されるシステムになっています。
たった3球で自分を知るのは、少し前なら夢物語でした。この時代にゴルフをしていることに感謝したいぐらいです。

新しい “Mizuno Pro” が、昔のように伝説にまでなれるかどうかは、まだわかりません。
しかし「自分だけのクラブを最先端の技術で作れる」という事実は、幸せなことです。

“Mizuno Pro” は、ゴルファーを挑発しています。思い切って挑発に乗って、挑戦的なゴルフをする自分を想像できる人にだけ、開く未来はあるのです。

スペック

Mizuno Pro 118

★発売日     2017年9月15日
★ロフト     No.3/21、No.4/24、No.5/27、No.6/30、No.7/34、No.8/38、No.9/42、PW/46
★素材      マイルドスチール(S25CM)精密鍛造/1025E
★仕上げ     ニッケルクロム銅下メッキ・サテン&ミラー仕上げ
★価格(各1本 No.4-9、PW)
ダイナミックゴールド 120 スチールシャフト 19,000円+税
ダイナミックゴールド スチールシャフト  19,000円+税
NS PRO MODUS3 TOUR120 スチールシャフト 20,000円+税
TS-i カーボンシャフト 21,000円+税
OTi85 カーボンシャフト 26,000円+税
MCI 80 カーボンシャフト 24,000円+税
Tour AD-75 カーボンシャフト 25,000円+税

Mizuno Pro 918

★発売日     2017年9月15日
★ロフト     No.4/21、No.5/24、No.6/27、No.7/31、No.8/35、No.9/40、PW/45
★素材      マイルドスチール(S25C)ボロン鋼精密鍛造/1025 BORON
★仕上げ     ニッケルクロム銅下メッキ・サテン仕上げ、EFバッジ
★価格(各1本 No.4-9、PW)
ダイナミックゴールド 95 スチールシャフト 19,000円+税
ダイナミックゴールド スチールシャフト  19,000円+税
NS PRO MODUS3 TOUR105 スチールシャフト 20,000円+税
TS-i カーボンシャフト 21,000円+税
OTi85 カーボンシャフト 26,000円+税
MCI 80 カーボンシャフト 24,000円+税
Tour AD-75 カーボンシャフト 25,000円+税

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