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パーとボギーはかつて同じ意味だった!? その由来と語源トリビア

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ゴルフの起源は諸説あり、さまざま国が自国発祥と主張しているわけですが、ゴルフ用語の由来についても然り。
世界各国で発展していくうちに、その時代背景に影響を受けて決められることがあるようです。

知らなくてもゴルフをする上で困ることはありませんが、知っていれば、仲間内でインテリゴルファーなんて評判が立つかもしれません。また付き合い始めのゴルファーカップルであれば、ラウンド中に男性がさりげなく知識を披露したら、女子のハートについた火がさらに燃え上がる…かもしれません

今回は、ラウンド中に前が詰まった時の待ち時間や昼食休憩などで、つなぎの会話に盛り上がりそうなトリビアをご紹介します。ラウンド中の一服にご活用ください。

パーの由来

Par(パー)という言葉は、ゴルファーならもっともよく耳にする言葉のひとつですよね。
パーとは、各ホールで決められている規定打数のこと、そしてその規定打数と同じ打数でホールアウトすることをいいます。

ストロークプレーが主流になると、それまでコースごとに異なっていた18ホールの距離や打数にも、統一化した規格が求められるようになりました。全てのホールで規定打数を決めて、コースごとの合計規定打数による比較がしやすいように決めたのが、パーの起源です。

パーの語源は、ラテン語のPar(等しい、同等、標準)で、16世紀後半から英語としても使われるようになりました。そしてゴルフ用語としては、19世紀後半から登場しています。

世界各国にゴルフが普及し始めたのも、19世紀後半から。アメリカでは、スコットランド生まれの米国人によって、1888年にSt. Andrew’s Club of Yonkersというクラブが設立され、それと同時期にアメリカではパーが使われ始めています。
アメリカにゴルフが移入されたのと同時期にパー(Par)が採用されているという事実を踏まえて、現在のパーはアメリカ生まれの言葉といわれます。

昔、ボギーはパーだった!?

Bogey(ボギー)は、普通のゴルファーなら1ラウンド中に何度か口にする、いわば頻出ゴルフ用語ですね。

ボギーとは、各ホールの規定打数よりも1打多い打数でホールアウトすることを言います。
例えばパー3のホールなら4回、パー4なら5回、パー5なら6回打ってホールアウトすると、ボギーです。もし、パー72のコースで18ホールすべてがボギーだったら、スコアは90で上がります。

ところが、わずか100年と少し前には、ボギーが標準打数(今のパー)のような意味を持っていました。

19世紀後半の英国では、現在の主流であるストロークプレー(決められたホール数の総打数が最も少ない人が優勝者となる)はゴルフ界に登場していたものの、まだまだマッチプレー形式が主流で行われていました。マッチプレーとは、ストローク数に重きを置かず、打数そのものが対戦相手よりも多いか少ないかで、勝敗が決まる競技です。
そのホールで10打の大叩きをしても、相手が11打以上叩いていれば、勝ちは勝ち。各ホールでの打数を数えてさえいれば勝ち負けは一目瞭然なので、打数の記録もしていませんでした。

ただし当時から、ボギーという言葉自体はゴルファーの間で使われていました。
なぜ「ボギー」なのかですが、出処は実に単純で、その当時流行っていた歌から取っただけなんです。
その歌詞は、♪I’m the Bogey Man, catch me if you can.(おいらはボギーマンだよ。さぁ捕まえられるもんなら捕まえてごらん)♪というものでした。
そこから、ボギーマンは捕まえにくいもの。転じてゴルファーが捕まえにくいものといえばボギー=いいスコアとなりました。
ここでいういいスコアとは、距離や難易度によってホールごとに決められた標準スコア、つまり現在のパーのことです。

ちなみにボギーの語源は、スコットランド語のbogle(ボーグル=おばけ)で、「小鬼・恐ろしい人」からきています。

現在のボギーを決めたのは…?

20世紀初頭、R&A(ゴルフ競技の世界的総本山)により、ボギースコアが標準打数と認定されたにも関わらず、アメリカに伝わった時には、前述したようにパーという考え方が既に導入され浸透していたため、しばらくはボギーとパーが並行的に使われました。

アメリカでゴルフ競技が人気を博すうち、次第にボギーがパーよりも1打多いスコアという意味になり、時を経てアメリカから英国に逆輸入されるカタチになったのです。

そして1950年、規則32条「ボギー競技、パー競技、ステーブルフォード競技」として公式のものになり、現在に至るというわけです。

これについて、イギリスのゴルフ記者であるロバート・K・ブラウンは、「ボギーとは本来18ホールの基準打数として史上最初に考案されたものであるのに、アメリカ人が1ホールのパーより1打多いスコアとしているのは、ゴルフの伝統と尊厳を冒瀆した無知下劣な違反である」と批判していますが、英国側ではこういう意見も多数あったようです。近代ゴルフを牽引してきた国としては、面白くない結果だったのでしょうね。

このゴルフ用語の名付け親的エピソードから、個人的には、英国人のウィットに富んだユーモアやロマンチック思考、そして米国人の合理的でダイレクトな国民性を垣間見た気がします。

 

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