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バーディーを極めればゴルフが上手くなるのか?/誰かに話したくなるおもしろゴルフ話

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「バーディー」という言葉は、鳥という意味のバード(bird)の幼児言葉です。「小鳥ちゃん」とか「ピーちゃん」みたいな感じに訳すようです。

ゴルフにおいて、パーより1打少ない打数をバーディーと呼びだしたのは米国のゴルファーで、20世紀の初めの頃でした。バーディーは海を渡り、一気に世界中に広まって使われるようになりました。

ちょっと浮かれたバーディーという言葉は、パーより1打少なくプレーできたゴルファーの気持ちにピッタリと合います。バーディーが生まれた物語を知ることで、バーディーはより身近になります。

米国でバーディーは同時多発?

PGA TOUR - 2006 THE PLAYERS Championship - Final Round

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そもそも、「パー」という概念も米国生まれなのです。

ゴルフが育ったスコットランドでは、「SSS(スタンダード・スクラッチ・スコア)」というのが標準打数として使われています。これは19世紀末にドライバーの平均飛距離が180ヤードほどだった頃に設定された標準打数の概念を元にしたもので、20世紀になってアメリカで飛ぶボールに対応してできた「パー」という新しい基準打数に対抗して作られました。

伝統を維持するという意味より、スコットランドやイングランドのリンクスコースでは風によって届くホールは著しく変わるので、ホールの距離だけで基準を作ることに意味はないという考え方が根強かったという理由もありました。

驚くことに、最も長い歴史を誇る全英オープンが史上初めてパーという言葉を使ったのは、つい最近の1998年なのです。

パーという基準があったからこそ、それより1打少ない「バーディー」という言葉は生まれました。20世紀の初めにアメリカで生まれたバーディーは、数年で世界中に広まりました。パーを使うことに抵抗があったスコットランドでも、バーディーは広まったのです。

20世紀のアメリカでのことですから語源は明確だと思ったら……バーディーの語源も諸説ありなのです。日本流にいうと、元祖と本家みたいな感じです。

1903年にA・H・スミスというゴルファーが、アトランティックシティーのコースでパーより1打少なくプレーしたときに「flew like a bird」(鳥のように飛んだ)と言ったのが始まりという説が有名です。これには伏線があって、当時のアメリカ英語のスラングで、「bird」にはカッコイイとか、優れているという意味があったからということもあるようなのです。

全米オープンの会場にもなる超名門のニューヨークのウィングド・フットGCを設計したA・ティリングハーストが、パー5をセカンドショットでグリーンに乗せるのを見た同伴競技者が「Like a Birdie」(小鳥のようだ)と興奮して言ったというのが語源という説もあります。

1899年に、アメリカのコースランキングで常にトップを競っているニュージャージー州のパインバレーGCを設計したG・クランプが、一緒にプレーしていたプロの高いボールでピンに絡めるショットを見て命名したという説もあります。

19世紀末と20世紀になったばかりの頃に、同時多発的に「bird」という言葉が使われて、「birdie」になっていったのが真相かもしれません。諸説有りとはいえ、どれも似ているのは興味深いところです。

幸せのバーディーをみつけよう!

Kraft Nabisco Championship - Round One

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「バーディー」は、パー3を2打で、パー4なら3打で、パー5は4打でプレーすることをいいます。諸説ある語源で注目すべきは、パー5で2オンしたショットや、パー4でピンに絡めたショットについての賛辞がきっかけになっているということです。

アメリカのプロのゴルフトーナメントでは、原則としてグリーン上にホールカップを切る位置はその周囲2ヤードくらいは傾斜がないエリアとすることになっています。強い傾斜の途中にホールカップがあると上から打てば止まらないので面白くないという理由と、ピンに絡んだ良いショットには易しいパットが打てるという報酬があるのがフェアだという考え方が普及しているからです。

19世紀末から20世紀の初頭にもこの考え方があったのかは定かではありませんが、バーディーはショットがピンに絡むか、パー5で2オンか、パー4で1オンするのが理想ということのようです。バーディーを量産するには、正確なショットと優位になるくらい飛距離が必要だというのは、少しゴルフをした人であれば誰でもわかる、という声が聞こえてきそうです。

面白い話を紹介しましょう。複数のトッププロゴルファーに「一番嬉しいバーディーは?」と質問をした答えは「チップインバーディー」でした。グリーンの外から打ったボールが入ってしまうバーディーは、起死回生の1打になることもあるからだそうです。

優勝争いしているような状況で、ピンに絡んで短いパットを入れるバーディーは狙っているから当たり前という感覚になるらしいのですけど、グリーンを外して流れが変わるきっかけになりそうなときにチップインバーディーが出ると、当事者は勝てるという自信になるし、やられたほうは流れが相手にいっていると激しく落胆するからなのだそうです。

ゴルフのスコアカードに過程は書き込みません。書くのは“整数の数字のみ”です。パーより1打少ない打数でホールアウトする方法は何通りもあります。そして、自分の得意なパターンもあるはずなのです。王道にとらわれすぎず、ポジティブに自分の得意なパターンでゴルフを楽しみましょう。

僕の経験を書かせてもらうと、13歳の夏にコースデビューして数ホール目のパー3で、生まれて初めてのパーより先にバーディーの2打で上がることができました。7ヤードくらいの大きなフックラインでした。今でもハッキリと思い出せます。

この経験で少年だった僕が思ったことは、「パットが最も簡単に、かつ確実にスコアを良くする要因になる」ということでした。毎日、家でパットの練習をしました。4回目のゴルフで、100を切りました……。

バーディーを未経験の人もいると思います。逆にラウンドで1個はバーディーが出ないと不調だというレベルの人もいるでしょう。それぞれのレベルでバーディーについての気持ちは違うものですが、羽ばたきたくなるような気持ちになることだけは同じです。

飛ばして狙うのも良し。正確なショットでピンに絡めるのもの良し。狙い澄ましたパットでも良し。“飛ばして、寄せて、入れる”という3つの要素が上手に合致してバーディーは生まれます。

自分の得意な部分を伸ばして、“小鳥ちゃんな気分”を楽しみましょう。

 

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