ゴルファーの悩みNo1は腰痛かも?!「歩く力」のアップで予防&改善
ゴルファーのお悩み第1位といえば、飛距離か腰痛のどちらか、といっても過言ではないかもしれませんね。
特にアマチュアゴルファーは、日頃のデスクワークによる姿勢の歪み、腹筋や背筋力の低下などが原因で、ゴルフスイングの捻転やラウンドでの歩行などで負荷がかかり、発症することが多いようです。
また、練習熱心ゆえに腰痛に悩んでいる方が多いのも事実です。
ゴルファーに腰痛はつきもの?
そもそもゴルフのスイングは、前傾姿勢、捻転、回旋など、人体の自然な姿勢と相反した複雑な運動であるため、身体に不自然で無理な動きを強要しています。腰痛対策として、利き手側の一方向のスイングだけではなく、練習後などに逆方向へスイングすることを勧められたりします。
腰痛予防には、日ごろからのストレッチや筋力強化、練習やスタート前後のウォームアップ、クールダウンの運動などがとても重要ですが、それに加えて歩く能力のアップが非常に有効なのだそうです。
歩くことは、日常において必然として行われることですが、正しい歩き方というのは、案外誰にも教わることがないものです。
歩くときには、どこの筋肉を使っているか、ご存じでしょうか?
脚の筋肉だけでも大腿四頭筋(大腿直筋・広筋)、大腿二頭筋、前脛骨筋、下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)という大きな筋肉を一度にたくさん使い、同時に腰やお腹、腕の筋肉も使います。
左右の足を交互に動かし、身体全体の体重を支えてバランスを取って歩く行為は、普段何気なくやっているなんてことのない動きですが、全身の筋肉や神経が複雑に働いて、実は大変な動作といえるのです。
この歩く能力が低いことが、腰に負担をかける理由といわれます。
歩くための筋肉が使えていないと上手に歩けず、腰で動作を補うために、腰痛を発症するきっかけになるのです。
例えば、ガニマタ歩きや足を引きずって歩くことが、疲れやすくなったり姿勢を悪くしたり、けがの原因になることもあります。また、ラウンド後に太ももの裏、オシリ、ふくらはぎが張ったり、つる人は、歩く能力が低いことが原因のひとつといえます。
そこで、まずはウォーキングの基礎をマスターしておけば、通勤や会社内、買い物やラウンド中、家の中でただ普通に歩く時もしっかりとした歩行が身につきます。
そして、正しい歩行を補うための筋力強化で、腰への負担の軽減を目指してみてはいかがでしょうか。
まずは歩行チェック
自分のことなのに、歩く姿を見ることって意外と少ないですよね。
自分の歩く姿をビデオなどで撮影して、歩き方のチェックをしてみましょう。ビデオがなければ、大きめのショウウィンドウなどに姿を映してみても充分です。
歩き姿のチェックポイントは3つ。
1.頭が上に伸び、視線は前を向いているか。
2.背筋が伸びて、オシリが上がっているか。
3.手と足が大きく振りだし、ひざが伸びているか。
※オシリの位置が低い、背筋が曲がっている、振り出す足が伸びていない人は要注意です!
正しい歩き方の姿勢
自分の歩き方を見て、カッコ悪いな…と思う箇所が見つかったら、以下の5つのポイントに気を付けて歩いてみましょう。
1.頭:あごを引き、視線はまっすぐ前方を見る。
2.肩・腕:肩の力を抜き、腕を前後に大きく振りだす。
3.背・腰:身体の中心線がずれないように背筋を伸ばし、腰は一定の高さに維持する。
4.脚:かかとから接地してつま先を蹴る。なるべく膝を伸ばし、腰から前に出して歩く。
5.歩幅:ももを上げ、広めの歩幅で歩く。
※ウォーキングで適切な歩幅は、身長の45~50%程度とされています。たとえば身長が160㎝人なら歩幅72㎝~80㎝程度となりますが、筋力や柔軟性により差が出るので、あくまで目安と考えて、無理のない歩幅で歩いてみましょう。
靴底チェックと、歩き方ワンポイントアドバイス
普段履いている靴の裏側から、歩行の弱点がチェックできるかもしれません。
ちょっと裏返して見てみましょう。
1.かかとの内側がすり減っている:膝が内側に入るいわゆるX脚、内また、歩くときに膝が伸びていないタイプ。
→かかとを身体の中心に置いて、つま先を開き気味に。膝を伸ばしてかかとから接地するように意識しましょう。
2.かかとの後ろ側の減り方が左右で違う:脚力がなく、脚を持ち上げられないために引きずりながら歩くので、靴底のすり減り方が早いタイプ。
→猫背にならないように意識すること。まっすぐ前を向き、胸を張って歩きましょう。
3.かかとの外側が極端にすり減っている:つま先と膝が外側に向き、ガニマタで歩くタイプ。
→両ひざを伸ばして、脚を腰から前に出すイメージで。前かがみになりがちなので胸を張り、視線を前に向けて歩くこと。
歩行力を高めるために実践したい3つの筋トレ
正しく歩くための能力が備わってくると、腰痛予防に効果てき面です。
練習場で打ちっ放し練習の前後に、打席にある椅子の背もたれや背後の壁などを支えにして、また日常の隙間時間に、歩く力を伸ばす筋トレを行ってみましょう。
かかと上げ:ふくらはぎ強化
(1) お腹を軽く引き締めて、背筋を伸ばす。
(2) 足を肩幅に広げ、つま先を少し外側に開く。
(3) 頭を上に引き上げられるように伸ばし、両足のかかとをゆっくり大きく持ち上げてつま先立ち。この時、体重が外側に乗らないように注意。
(4) この動作を10回×3セット。
※階段や段差を利用して、段の縁につま先を載せ、かかとは宙に浮かせた状態で上げ下げをすると、運動強度がアップします。
スクワット:太もも強化
(1) 立った姿勢で足を肩幅くらいに広げ、つま先を少し外側に開く。
(2) 両手を頭の後ろで組み、正面を見たまま、ひざをゆっくり曲げていく。
(3) ひざを曲げた姿勢を3秒間キープし、ゆっくり伸ばす。
(4) この動作を10回×3セット。
※ひざを曲げるとき、姿勢が前かがみになると、腰やひざに余分な負担がかかります。これを防ぐには、壁に向かって立ち、手を前に出して壁に沿わせながらひざを曲げると、姿勢が安定します。
脚持ち上げ:オシリ強化
(1) 四つん這いになり、片方の足の膝をお腹に向けてゆっくりひきつける。
(2) その足を後方に、腰くらいの高さまで勢いをつけずにゆっくり持ち上げる。
(3) この動作を片足5回×3セットずつ。
※この動作の間、頭を上げたり腰を反らせたりせず、頭から腰まで体が床に対して水平になるようにキープして、脚を持ち上げたときに足裏が天井を向いていることを意識します。
まずは、正しい歩き方を身につけることが腰痛予防の第一歩。で
きるだけ痛みを感じない、健康な体でゴルフを楽しみたいものですね。