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ゴルフ界の世界No.1には“左利き右打ち”がズラリ!

タイガー・ウッズに変わる新しいゴルフ界の主役となったジョーダン・スピース。22歳の若さで、世界ランク1位を独走し、今年の開幕戦「ヒュンダイ・オブ・チャンピオンシップ」では30アンダーというビッグスコアで、2位に8打差をつけて圧勝した新世代のスーパースターである。

そんなスピースには意外な秘密がある。それは、ゴルフでは右打ちだが、私生活では左利きという事実だ。

メジャーリーグの始球式で披露したサウスポー!

 

元々は野球少年だったスピースは、少年時代からサウスポーのエースだった。そして昨年9月、メジャーリーグの「ヤンキース-レッドソックス」戦の始球式を務めたスピースは、やはり見事な左投げで投球を行っている。野球はもちろん、今でも私生活での食事や他のスポーツをやるときは、すべて左利きで行っているのだ。

そして、この「ゴルフだけ右打ち!」というのは、実はスピースだけではない。

南アフリカ出身で、メジャー4勝をはじめ世界で64勝をマークしているアーニー・エルスも、実は左利きの選手。また、“神の子”と称されたスペインの天才セルヒオ・ガルシアも元々は左利きで、趣味のサッカーでは左足を巧みに使ってプレーしていた。

また、今、世界ランク5位(2016年2月8日時点)に入っているスウェーデン出身のヘンリック・ステンソンも左利きだったが、ゴルフとともにやっていたアイスホッケー時代に右打ちではじめたことがキッカケで、ゴルフも右打ちになったそうだ。

史上最強のレフティは、実は右利き!

 

また、真逆のパターンもある。

ゴルフ界で、史上最強のレフティと言われるフィル・ミケルソン。アマチュア時代から天才と言われたミケルソンは、スピースとは逆に右利きなのに、ゴルフだけは左打ち。その理由は、ゴルフをはじめた当初、父親にスイング指導をしてもらったことに原因がある。

ミケルソンは、右打ちだった父親のスイングを鏡に写すように向かい合いあいながら練習しているうちに、左打ちになってしまったのだ。父親のスイングを真似していたのは、まだミケルソンが3歳の頃。そんなキッカケで誕生した最強レフティが、タイガー・ウッズの最大のライバルとして米国ゴルフ界のスターになっていったのだ。

ゴルフ界のレジェンドにも隠れ左利きが!

実は、この“隠れ左利き”の選手は、最近のゴルフ界だけではない。世界中でゴルファーのバイブルとされた著書「モダン・ゴルフ」で、世界にゴルフスイングの基礎を広めたとされるベン・ホーガンも、左利き右打ちの選手だった。

しかも、ホーガンはゴルフをはじめた当初はゴルフでも左打ちだったのだが、当時は左利き用のクラブを入手するのが困難な時代だったために、右打ちになっていったそうだ。

さらには、70-80年代において、米国ゴルフ界が誇るスーパースターとして君臨したジャック・ニクラウス、そして、その最大のライバルでもあったトム・ワトソンも左利きでありながら、ゴルフは右打ちでプレー。

あの時代に、メジャー大会でも、米国ツアーでもゴルフ界のナンバーワン争いを繰り広げていた二人のレジェンドは、二人とも隠れ左利きの選手だったのだ。

そして、日本でも女子ゴルフ界が誇る伝説の選手、岡本綾子も左利き右打ちの選手のひとりだった。

米国ツアーで通算17勝を誇り、1987年には日本人唯一の米国女子ツアー賞金女王を獲得した岡本も「私がまだ研修生だった頃は、左利き用のクラブなんてほとんどなかった。だから右打ちになったの」とその経緯を語っているが、実際には左利きの選手だったのだ。

スイングをリードする左手の優位性!

なぜ、これだけゴルフ界には左利きで右打ちで成功した選手が多いのか?それは、ゴルフスイングにおける左手の役割と大きく関係している。

右打ちの人にとって、左手はクラブをコントロールさせてスイングをリードする役割があり、右手はどちらかというと“添えるだけ”というのがゴルフスイングの基本である。そして、その左手が利き手である選手にとっては、右利きの選手よりも自分の感性を生かしたスイングができるようになるのだ。

そう考えてみると、ジョーダン・スピースも、フィル・ミケルソンもセルヒオ・ガルシアも、さらには昔のジャック・ニクラウス、トム・ワトソンも、想像力あふれるショットでファンを魅了した選手達。数々のスーパーショットを披露してきたが、そこには“左手の感性”が大きく影響していたのかもしれない。

そして、これは何もプロゴルフの世界だけの話ではない。実際にアマチュアゴルファーの人でも、ゴルフをはじめるときに左利きだからという理由で、左打ちにしている人も多いだろうが、左利きの人にこそ右打ちでゴルフをするメリットは大きいのだ。

また、大勢の右利きで右打ちのゴルファーにとっても、実はゴルフスイングにおいては左手がスイングにおいて重要な役割をもっていることを再確認すると、ゴルフスイングへの意識改革になるかもしれない。

ゴルフの世界でも「左を制する者は世界を制する」は格言と言えるだろう。

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