TOTOジャパンクラシック【2015】の結果|女子ゴルフ 結果速報・ランキング等
TOTOジャパンクラシック
2015年度LPGAツアー第34戦「TOTOジャパンクラシック」が、11月6日(金)から11月8日(日)の3日間、三重県志摩市の近鉄賢島カンツリークラブで行われました。
【試合結果】
優勝:アン・ソンジュ
スコア:通算 -16 (1R:68 2R:65 3R:67)
選手紹介:1987年8月31日生まれの28歳・韓国出身・B型。13歳からゴルフを始め、2005年に韓国ツアーでプロデビュー。2009年までに7勝をあげる。2010年から日本ツアーに参戦。開幕戦のダイキンオーキッドレディスでは、いきなりのツアー初優勝で衝撃のデビューを飾る。同年4勝し、参戦1年目で賞金女王となる。翌2011年も4勝、2年連続賞金女王に輝く。2014年は5勝して3度目の賞金女王を獲得し、国内通算18勝を記録。
今大会の見所(ハイライト)
世界最高峰の全米女子ツアーが、日本で唯一開催する公式戦。日本女子ツアーとの共催で行われました。世界のトップ選手たちのプレーを目の当たりにできるチャンス。果たして優勝の栄冠を掴み取るのは誰でしょうか。
日差しは強いものの、風の影響はそれほど感じられない1日目。
この日トップに立ったのは、アンジェラ・スタンフォード<米国>とライアン・オトゥール<米国>。
1打差の3位タイには、鈴木愛(すずき あい)、全美貞(ジョン・ミジョン)など5名、さらに1打差の8位タイに続くのは、ツェン・ヤニ<台湾>、ステーシー・ルイス<米国>、レクシー・トンプソン<米国>ら8名が並び、しのぎを削る激戦が繰り広げられます。
曇りの空模様ですが21℃と暖かく風も穏やかに、スコアを伸ばす好条件がそろった2日目。
この日誕生日を迎えた原江里菜(はら えりな)は、ショットの好調さでスコアを伸ばし、6バーディ、1ボギーで67をマーク、15位タイに上がります。
今季、悲願の初優勝を遂げた西山ゆかり(にしやま ゆかり)は、パッティングが冴えて微妙な距離、ロングパットとバーディチャンスをことごとく沈め、スコアボードを駆け上がります。
この好調さからノーボギーのプレーとなるはずが、11番パー3でバーディパットのアドレスに入った際、1ミリほどボールが動いてしまったように見えて、競技委員に裁定を仰ぎます。結果、1打罰を科し、この日唯一のボギーとなり、8位タイで終えます。
ちなみに、来年度からこの「規則18-2b:アドレスをした後で動いた球」の規則は、ゴルフ規則の変更により撤回される予定です。
前日からいい感触を持続し、日本人最上位でプレーする鈴木は、ショットの良さとパッティングの上手さで魅せ、ノーボギーでスコアを4つ伸ばし、6位タイとします。
前半、ショット・パットとも好調にスコアを伸ばし、一時首位に立ったポーナノン・ファトラム<タイ>は、後半で失速。しかし通算11アンダーの3位タイと好位置につけて、米ツアー史上初のタイ人優勝を狙います。
今季は不調で上位争いに疎遠だったスタンフォードですが、前日の首位発進につづきこの日も好調さを保って3位タイを維持。観ているものに余裕さを感じさせつつ、ベテランらしい展開を見せます。
7バーディ、ノーボギーで3位タイへ躍進したのは、前年日本ツアー賞金女王のアン・ソンジュ。
同郷のジェニー・シン<韓国>も、同じく7バーディ、ノーボギー、通算13アンダーで単独首位に立ち、念願の米ツアー初優勝に向けて、弾みを付けます。
この日、出場選手の平均ストロークは、68.95と驚異的な数字を記録します。スコアを伸ばすために恵まれた気象条件が揃ったとはいえ、現在の女子ツアーが、高いレベルを維持していることを目の当たりにします。
朝からの雨で、グリーン上での戦いに影響をもたらすと予想される3日目。
日本女子ツアー屈指の飛ばし屋、穴井詩(あない らら)は、1番パー5、3打目をピンのわずかに奥に落とし、バックスピンでカップに沈めてイーグルを決めます。前日7番につづいて、本大会2つめ、今季9個目のイーグルを獲得します。
同じ組で回る鈴木、西山は、ともに前半は我慢の展開が続きますが、後半にはバーディチャンスをしっかり決める、取りこぼしても次のホールで取り返すプレーが見られました。緊張感と集中力を保って、18ホールをやり遂げたのでは、という印象を持ちました。
穴井、鈴木、西山の3選手が、日本人最上位の通算11アンダー、12位タイでフィニッシュ。
アリヤ・ジュタヌガーン<タイ>が8バーディ、ノーボギーで急浮上し、首位タイでフィニッシュ。後続を待つ間、一時はトップタイに5選手が並び、優勝争いの行方は混沌とします。
終盤に向けて、最終組から1つ前の組で回る、スタンフォード、李知姫(イ・チヒ)。それから最終組のシン、ソンジュの4選手がスコアの伸ばし合い。チャンスを活かしてひとつ飛びだせば、他方も獲られたら獲りかえす、白熱の首位攻防戦が展開されます。
この日、我慢のゴルフで凌いだシンは、13番で2つ目のバーディを獲ってスタンフォードを捕えるものの、終盤スコアを伸ばしきれず一歩及びません。
最終組が18ホールを終え、スタンフォード、李、ソンジュ、3選手のプレーオフ対決となりました。
運命のプレーオフ1ホール目。
李のティーショットは左のラフへ。2打目はグリーン左へ乗り、しっかり打ったロングパットはカップを外れます。
スタンフォードの2打目はグリーンの右側へ。ラインに乗った3打目はわずかに左へ切れます。
ソンジュの2打目はピンそばへピタリ。危なげなくウイニングパットをバーディで決め、今季2勝目、ツアー通算20勝目を全米女子プロゴルフ協会公式戦で達成しました。
この日、フェアウェイ・グリーンを外したのは、どちらも1度だけ。安定したプレーが優勝へと導きました。
個人的な感想では、このところ硬い表情でプレーする印象が先行していた彼女でしたが、本大会では、表情豊かな顔が多く見られた気がします。
最終日、上位5選手はノーボギーのプレー。世界レベルの高さと選手の緊張感、一試合一試合に掛ける意気込みの強さが感じられました。
次回の女子ツアー情報と「みどころ」―ぼびじょん子の視点
大会名称:伊藤園レディスゴルフトーナメント【2015】
日程:2015年11月13日(金)~11月15日(日)
会場:グレートアイランド倶楽部(千葉県) / 6,639Yards Par72(36,36)
賞金総額:¥100,000,000
次週は、「伊藤園レディスゴルフトーナメント」(賞金総額10,000万円、優勝賞金1,800万円)が開催されます。
舞台となるグレートアイランド倶楽部は、フェアウェイが広くフラットな丘陵コース。
グリーン手前をすべてバンカーで迎え撃つ、飛ばし屋にプレッシャーを与えるホール、グリーンのアンジュレーションがきついホールや、砲台グリーンで迎え撃つホールなど多様。効果的に配置されたハザードは、戦略性が求められる。
選手に求められるのは、ショット・パットともに安定したプレーができること。タテの距離感に長けた選手が有利であることは言うまでもありません。
今季もいよいよ3戦を残すのみ。賞金シード争いはクライマックスに。連戦の疲れもピークを迎えて、いかに優勝争いが展開されるか、新しいドラマが生まれるか。白熱の闘いが楽しみです。